ばむばんか惰隠洞

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2004-09-17 [長年日記]

[Day] おでかけ

カミさんは東京に芝居見物、倅は学校なので今日はフリーだ。いえふー、ということで午前中からお出かけ。シネ・リーブル神戸で「華氏911」鑑賞。後は古本屋冷やかしながら夕刻までふらふら。シネ・リーブルの次回上映予定作品のポスターの中に「雲のむこう、約束の場所」のポスターが貼ってありましたよ。そろそろ完成かな?

今日の高架下はちょっと収穫なしでさみしい限り。おいしい本は一通り売れたので、ここからいろいろと、それなりなものを用意していかないといけないわけだが、なかなか難しいもんだな。てことで軽石庵、買取りなんて事もじわじわと始めてますんでよろしかったらよろしゅうに(ヘンな日本語)

昼飯食わずに突っ込むのはやめようと思ってたんだけど、つい食いそびれたまま立ち呑みに入ったので、家に帰ってからしばらく気絶してしまった。んーむ。

[Chinema] 華氏911

劇場版パンフ表紙 スタッフ
監督・製作・脚本:マイケル・ムーア
製作:ジム・チャルネッキ/キャスリーン・グリン
総作総指揮:ハーベイ・ワインスタイン/ボブ・ワインスタイン/アグネス・メントル
音楽:ジェフ・ギブス
公式サイト:http://www.kashi911.com/

大統領に就任してから「あの日」までの8ヶ月間、ジョージ・W・ブッシュはその日々の42%を休暇として過ごしていた………。アポなし突撃インタビューで知られるマイケル・ムーアが、ブッシュファミリーによって腐敗していくアメリカに警鐘を鳴らす………

話題ばかりが先走り、その内容故に賛否両論を巻き起こした問題作。正式な封切りから数えてもそろそろ1ヶ月になろうとしているのに、で、私の鑑賞したシネ・リーブル神戸は小さな小屋だど言うこともあるのだけど、それでも七分方席が埋まってるってのはやはりそれだけの話題性の強さがあったということなのだろうな。

映画はまず、ゴア絶対有利と言われていた大統領選挙で、何が起こったのかわからぬままになぜかブッシュの逆転勝利のオチが付き、それに対するいくつかの疑惑を取りざたした後、そうやって世界最強の人物の座に就いた男の、ややもすれば情けない日々を軽めに記録し、そして運命の日、9/11へとなだれ込んでいく。マイケル・ムーアは、このテロからさほど日にちの立っていない時期、まだ全米に飛行禁止令が敷かれている状況下で、なぜか20数人のサウジアラビア人に対してだけ、飛行許可が出ていた、という事実にまず着目する。ここで飛行許可を得、母国に帰ったサウジアラビア人たちとは誰あろうビンラディン一族であったのだ。なぜ? ここから彼の取材はスタートする。

私、この監督さんの前作、「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見ていないので何とも言えんのだけど、この作品のスタイルというのが彼のオーソドックスなそれなのだとしたら、巷間言われているあれこれとは裏腹に、ずいぶんとストレートな作風であるなあとまず思った。確かにそれなりのおふざけはあるし作家のキャラクターがやや前に出がちな傾向はあるけれど、充分許容範囲。まずはごく普通なドキュメンタリー映画、という感じだ。

イラク戦争がブッシュによる石油利権の追求のために起された戦争である、というのはいろんなマスコミ、webのあちこちで言われてきたことではあるけれど、普通に、あるいはやや飛ばし気味にニュースを追いjかけているだけでは、単にブッシュ(=アメリカ)が世界第二位の埋蔵量を持つといわれるイラクの原油に目を付け、それを狙ったのだ、という印象しか持たないけど、現実はもうちょっと複雑で、まずブッシュ自身が有能とはとても言えない石油会社の経営者としてビジネスマンのキャリアをスタートさせていること、その後この(あまり出来の良くない)大統領の息子は、何度か、いくつかの会社を経営危機に陥らせてしまうのだが、そのたびになぜか巨額の資金を援助するスポンサーに恵まれていること、そして彼らが、サウジの王室の人々であり、サウジでは屈指の富豪一族であるビンラディン一族である、ということ、また、彼のANG(州空軍)時代、訓練を忌避したとしてケリー陣営から批判されている一件についても、このとき訓練を忌避した人物はブッシュともう一人おり、この人物こそがブッシュの影の金庫番的存在であること、などを事細かく明らかにしていくことで、ブッシュにとって"9/11"とは叩くべき相手としてのビンラディン、これを機に(イラク介入への口実が出来ると言うことで)さらに接近したい相手のビンラディン、という厄介な二重構造を抱えることになり、このややこしさをごまかすための様々な手管が、イラク侵攻に先立つアフガン空爆(それはあまりに遅く、わずかなものだった)だったりするのだった、とあかすムーアのカメラは、情報の整理、という点でかなり有用なものに思えた。

ただ、これは報道の常ではあるのだけれど、この映画と同じ素材を使って、テロに蹂躙され、悲しみに暮れるアメリカ市民とそれに負けず世界の自由のために雄々しく戦うアメリカ、というドキュメンタリーを作ることだって不可能ではないわけで、つまるところは見る側の、見方にかかっているだろうともいえるわけでそこは難しい。さらに言うならマイケル・ムーア本人の立ち位置はどうなのよ、ってところもあわせて考慮するとさらに微妙。

基本的にマイケル・ムーアは愛国者なんだよね。これは一種の、愛国者による告発映画になっている。ムーアが問題にしているのは、アメリカがブッシュ一族とオイルダラーによって牛耳られている、アメリカの若者が特定のファミリーの権益追求のために無駄に殺されている、海外での華々しい話題とは裏腹に、アメリカの地方都市は日々荒廃し、若者たちはもはや軍隊にでも行かなければ生活費すら捻出できない、そんな状況になっているってことで、ムーアの視線はそのことへの深い悲しみと怒りに満ちているわけで。確かに劇中、正当な理由もなく悲惨な目に逢わされているアフガンやイラクの人々の映像もインサートされてはいる。でもそれは、あくまで軽い気持ちで任地に出かけていったアメリカの青年たちが直面する、想像以上の現実、という表現における効果でしかない。あくまでムーアはアメリカしか見ていないのだな。

劇場版パンフレットでテリー伊藤が、麻原たちが裏でゴソゴソやっているとき、世間やマスコミは「宗教にはさわらない方がいい」と腰が引けていたが、あのときマイケル・ムーアが日本にいたら、「あいつらは、なんかおかしいぞ」とだれよりも先に体当たりで取材に行ったはずだ。なんて書いてるけどバカ言えー、と思う。マイケル・ムーアが興味を持つのはあくまでアメリカなのだ。日本で何が起こってようと気にしたりするもんかい。この映画でもどうしようもなく荒廃してしまった彼の故郷、ミシガン州フリントの情景がかなり映し出されるけれど、彼にとって問題なのは、つまるところ空き家が建ち並ぶ故郷の街と、在職中の半分近くを休暇にあてて優雅に暮らす一族がある、ということのギャップへの疑問なのだと思う。その貧しい街から異国にかり出される若者たちに彼は充分共感できているし、それはジャーナリストとして文句を付けるような態度ではないけれど、その若者たちによって殺される、またその若者たちを殺しに来る異国の人々に対して、ムーアはあまりしっかりと視線を据えてはいないな、と見えてそこは少々残念。そこをどう捌くか、というのは実に難しい問題なのだろうな、とも思うけれどそれでも残念。それでもなお、アメリカの若者たちはまだ恵まれているのだよ。CD聴きながら戦車で行進できるのだから。その戦車に突然蹂躙される人々への視線はどうよ、と。そこがあまりに通り一遍なものではないのかね、とは思ったことでした。

まあいろいろ考えさせてもらったので、お金払う価値はあったといえるんですが。ただやっぱりムーアもアメリカのジャーナリスト。アメリカへの愛国心みたいなものが、あちこちに色濃く顔を出して来るもんだなあと思った。国民性なんですかね。ちなみに私は、愛国心から行動できる人物っていうのは、いまいち信用できないでいます。

(★★★☆)

[web] きみはほんとうにばかだな

堺三保さんのFIAWOL-blog経由でジャイアン度チェック。結果は…

あなたはジャイアン気質とは程遠い、のび太気質です。

思想が自分中心にまわりやすいところは【ジャイアニズム】を感じさせますが、自力でどうにも出来ないところが、あなたの弱点。

いつも誰かに頼って助けを求めますが、天性の運のよさで、いつも助けてくれる人物が現れそうです。

そんなあなたは甘え上手なロマンティストタイプといえるでしょう。

あとはひそかに、あやとりを極めれば、立派なのび太になれそうです。

あなたにぴったりのお友達タイプ:しずかちゃん


ジャイアン度 27%
のび太度  100%
ドラえもん度 22%
しずかちゃん度 61%

むう、意外にいい線行ってるかも。でもあやとりを極めようとは思わないなあ。


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