ばむばんか惰隠洞

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2007-03-31 [長年日記]

[Books] 軌道離脱 (14:22)

4150411352 ジョン・J・ナンス 著/菊地よしみ 訳
カバーイラスト 西口司郎
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫NV
ISBN978-4-15-041135-2 \920(税別)

全米が哭いたがオレは笑った

妻との諍い、息子との衝突。ややもすればふさぎ込みたくなることばかりが続く平凡なサラリーマン、キップの日常に突然舞い込んだ幸運、それは民間企業による宇宙飛行参加への当選通知。妻の反対を押し切り、息子の批判も一旦棚に上げて臨んだ夢の経験はしかし、一瞬にして悪夢へと変わる。キップを乗せて地球を回る周回軌道に乗ったシャトル、"イントレピッド"を直撃した超微細なデブリ。期待の防護機能は正常に作動し、深刻な空気漏れなどは回避できたのだが、そのデブリは"イントレピッド"の致命的なパーツを作動不能にしてしまっていた。動作しなくなったもの、それは通信システム、そしてシャトルのパイロット…

航空サスペンスの第一人者、ジョン・J・ナンス(というかわたしゃ昔の表記だったJ・J・ナンスの方が好き。だってなんか高性能な光線銃持ってそうじゃん)の最新作は、ひさしぶりにハヤカワからの刊行。ついでに今回の舞台は空じゃなく宇宙。あらすじ部分で紹介したような経緯で宇宙を漂流することになったキップは、いろんな事情で民間宇宙航行とは確執があるNASAの助けも期待できず、地上からの支援も期待できない状況に陥ってしまい、死ぬまでにこれまでの自分の人生をシャトルに装備されていたノートパソコンのワープロソフトに綴っていくのだが、この内容がとある少々皮肉な事情で地上のwebにアップリンクされてしまったことから、死期が確定した人物が綴る言葉が全世界を駆けめぐることになってさあ大変、それはそれとしてただ一人、宇宙に取り残されたキップがふたたび地球に戻ることは出来るのだろうか、というサスペンスも同時に楽しめる、なかなかおトクな一作。さすがはJJ、面白いよなあと本書の前半部分あたりでは感じていたんだけど、途中からちょっとそのわくわく感は失速気味だったかも知れない。

死を覚悟した人物が吐露する心情、ってものののっぴきならなさってのは確かにあると思う。誰かに向けて書かれたものでなく、すぐに読まれることも想定されていない文章が、突然全世界の人々の目にふれ、そこから多くの人が深い感銘を得、それが世界規模での意識の変革を呼び起こす、という流れは有り得ない話ではないと思う。思うけどそれを読者に納得させるのは結構な力が必要になるだろう。ナンスはかなり高い筆力を持った人だと思うけど、その彼を持ってしても、そこを読者にきっちり納得させることには成功しているとは言えないんじゃないかな。少なくともオレはちょっとなあと思った。

人によっては感動するシーンかも知れないから伏せておくけど、……なんて描写、私は「笑うとこですか?」と思ってしまった訳なんだが。

ワタシの心が汚れちゃったのかなあ、などと思いつつも、やはりこの展開を心から納得して読んでいくことは出来ないな。冒頭で若干の伏線は張ってあるけれど、肝心のクライマックス(ぶっちゃけ、生還までのシークエンス)も、突然リアリティが希薄になってしまったような恨みもあるし。出だしの面白さが最後まで上手く持続しなかったような作品。かすかに残念賞気分。フォックスが映画化権を取得したらしいが、どんな映画が出来上がるものやら。妙な感動押しつけ映画にならないことを祈っておきます。

そうそう、あまぞん書店でこの本のデータ見てたら、"この商品を買った人はこんな商品も買っています"に「老人と宇宙」(ジョン・スコルジー)「反逆者の月」(デイヴィッド・ウェーバー)が載ってた。わはは、オレだそれ。

着陸拒否(Nance,JohnJ/著 飯島宏/翻訳 ナンスジョン・J./著)410204714X4102047158

J・J・ナンスの本領発揮、な2作。特に「着陸拒否」は面白いですぞ。
オマケ:「最後の人質」のマイ感想

(★★★)

[Day] 今日は割と平和 (15:27)

昨日は3時頃で力尽きてダウンしてしまい、その後気がついたらクライアントさんの方から一点だけ修整があったのに対応できなかったりして申し訳なく。一応納品は完了したらしいので一安心。控えめに言ってもバカなお仕事相手の方も今日は静かだし、うって変わってやることがない一日。あ、次の仕事もあるんで、そないにぼやーっともしていられないんだけども。とりあえず今日は、もうちっとしたら芝居見物に出かけます。

ん? 「メビウス」30分早いのか。

[Stage] かぶき座の怪人 (翌日追記)

新神戸オリエンタル劇場で花組芝居「かぶき座の怪人」。タイトルからして「オペラ座の怪人」が元ネタなんだけど、ここに新劇界やら梨園の内幕やらのちょっとした暴露ネタなんかも仕込まれている、というわけでこちらの方面に詳しい人なら、いろいろ楽しめる(?)内容になっている…ようだ。'89年の初演当時には、それなりに物議をかもす作品となったようだが、今回の公演ではまあ、そう言うスキャンダラスな部分はある程度時効、みたいな扱いになっていると言えるか。基本的にこの手のお芝居なので、適度にギャグを挟みつつ(あー、今回はかなりえげつないギャグも挟まってたなあ。客ちょっと引いてたぞ、あの愛ルケは)、最後に少々じーんと来る作りになっていて、そこは安心して楽しめる。

そんなわけで歌舞伎に詳しい人が見ると、いろいろと「ははん」と思えるところがあるんだろうけど、そっち方面疎い私としては少々辛い。とりあえずわかるのは…

  • 主役の九重八重子(演・加納幸和)→太地喜和子+浜木綿子
  • 往年の大女優 春杉夏希(演・北沢洋)→杉村春子
  • 僧侶・今長月(演・磯村智彦)→今東光
  • かぶき座の怪人・六代目宇治乃川霧(演・八代進一)→六代目中村歌右衛門
  • 二代目男女川恋助改メ初代男女川恋寿(演・山下禎啓)→三代目市川猿之助
  • 二代目男女川恋松改メ三代目男女川恋助(演・小林大介)→香川照之
  • 十二代目玄上乱十郎(演・水下きよし)→十二代目市川團十郎(?)
  • 八代目玄上乱太郎(演・嶋倉雷象)→十一代目市川海老蔵(かなあ?)

みたいな感じなのかな。自信ないところも結構あります(つか大半自信ない。八重子のイメージは加納氏本人が語ってたので間違いないと思うけど)が、まあ太地喜和子さんの生涯を押さえてると、お芝居の展開はある程度わかるかな、ってところ。

花組芝居はネオ歌舞伎を名乗る演劇集団であるので、当然役者さんたちは全員男性なのだけれど、加納さん、北沢さんなんかは演じる役が少々トウの立った女性ってこともあり、舞台に立ってるその姿は女性にしか見えん。こりゃちょっとすごい。あとは怪人役の八代さんの不気味かわいさがなかなか結構。観劇前に鼻炎用カプセル呑んだのが悪かったのか、微妙に私には合わなかったのか、中盤少々気絶しそうな状態だったのと、ラストの怪人からのメッセージ、果たして必要だったのかな? ってあたりも少々気にはなったけど、達者な役者さんたちのお芝居は楽しませていただきました。オレはもうちょっと変なお芝居の方が好きだけどさ。

[Day] お芝居の後は (翌日追記)

当然たちきや。なんか異様にテンションの高いお嬢さんが先客で、彼女(仮にカズミちゃんとしておく)のペースに巻き込まれて何がなんだか分からん呑みになってしまった。気がついたらあんたと結婚を前提とした(ように見える)お付き合いを希望する若い女性が二人、名乗りを上げてるんだがどうするよ?>倅(^^;)

若くてハイテンションな女性のペースに押し切られた感じで、いつも以上に酔っぱらったような気がします。気がついたらデジカメ置き忘れてたし。てことで呑んだ酒の証拠写真はちょっと待ってな。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
\0すみけん (2007-04-01 12:29)

4月1日といえばアイレム。で、今年のアイレムはアクセス過多なのか、なっかなかつながらないです。しょぼん。


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