ばむばんか惰隠洞

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2007-03-25 [長年日記]

[Day] 石川県で地震 (翌日追記)

朝のニュースで知った。能登半島の外側が一番揺れたようだが、高岡市でも震度4。ちょっと繋がりにくかったけど、母親に電話入れてみたら、「高岡にしては揺れたな」というお返事。そう言えば富山県はあまり揺れない地方ではあったかも知れないな、と思った(って、神戸に越したときも、ここは地震なんか無い地方、って思いこんでたのががつんと覆されたわけではあるけれど)。

というわけで富山県の方にはそれ程大きな被害は出なかったようだけど、石川県はかなり大きな被害が出たようで。都市部とは違う苦労があるのだろうなと思う。大変でしょうがなるべく深刻に考えないで、楽な気分で持ち直していって欲しいと思う。

[Books] エンプティー・チェア (翌日追記)

エンプティー・チェア 上(ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/翻訳)エンプティー・チェア 下(ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/翻訳) ジェフリー・ディーヴァー 著/池田真紀子 訳
カバーイラスト 水戸鉄也
カバー装幀 関口聖司
文春文庫
ISBN4-16-770538-9 \714(税別)
ISBN4-16-770539-7 \714(税別)

いつもより多く捻ってます

ノースカロライナ州エイヴリー。リンカーン・ライムは当地の病院が実施する最新の治療を受けるため、当地を訪れていた。自分の意志で動かすことの出来なくなってしまった自らの四肢を、ふたたび動かせるようになるかも知れないというかすかな希望を秘めて。そんなライムの許に一人の訪問者があった。近隣の群の保安官をしているというその男、ベルが語ったこととは、彼の地で発生している若い女性の連続誘拐事件の捜査への協力要請。容疑者はほぼ特定できているのだが、その足取りについて全く有効な推理が出来ない状態となった事件に、ライムの知恵を貸して欲しいと言うもの。ニューヨークにおける知人の親戚でもある人物からの頼みに、最初は不承不承協力していたライムも、やがて狩人の本領を発揮していくのだが…

リンカーン・ライム物の第3弾。今回の舞台は南部諸州のひとつ、ノースカロライナ。偏見なんだろうけれども、南部→KKKみたいな意識が先に立ち、どうにも不気味なところ、という先入観つきイメージが先に立ってしまうところがある。そういえば「脱出」なんぞという怖ーい映画もありましたな。あれはジョージア州だったか。

そんなわけで今回のライムとサックスは、勝手知ったるマンハッタンを離れ、何やら少々怪しげな雰囲気漂う南部にやってくる。最新の分析装置は使えず、ライムの"手足"となって活躍してくれるのはサックスただ一人。あとは頼りなく、頑迷な南部人の助っ人達を相手に、ライムの苛立ちは増すばかり。さらに捜査が進むにつれて、ライムとは全幅の信頼で結ばれていたはずのサックスの心にも迷いが生じてきて…というお話。

前作、「コフィン・ダンサー」が、出だしからでたらめに面白かったのに対してこちらの方は、出だしで語られるのが南部がらみの話であることもあり、妙に昏く澱んだ感じがつきまとい、ちょっと乗り切れないまま話が進んでいく感じ。このあたりのノリは、同じ著者の「死の教訓」をちょっと彷彿とさせる物がある。

そんな感じで序盤は少々、読む側のシフトがなかなか上に上がらないまま読み進んで行ってたわけだが、上巻終盤、ライムとサックスとの間に決定的な亀裂が生じたところからお話は俄然ヒートアップ。ディーヴァー得意の捻りまくった底意地の悪巧みが大炸裂。ディーヴァーだからこのぐらいはやってくれるよな、でまずはふんふんとこちらを知ったかな優越感を与えたところでどかんとさらにひっくり返してくる。ここらのさじ加減、捻りの塩梅の付け方の巧さはさすがディーヴァー。「コフィン・ダンサー」の捻りっぷりも尋常ではなかったが、捻りの数ならこっちは前作以上。ここらはもう、読んでびっくりしてもらうしか。

その技巧ゆえ、逆に鼻についてしまうところも無しとはしないわけだが、それでもこの小説を作る技術はすばらしい。あんしんして楽しい時間を過ごすことの出来る一作であることは請け合いですわ。

B000H1QR8Q

本書とあまり関係はないが、ジョン・プアマンの出世作となったこいつはかなりの傑作。救いのない、重い話なんだけど。ちなみに私はこの映画、厨房の頃、当時のカノジョだった人と観に行った。その後しばらくして破局になっちゃったのは、この映画のせいじゃあないと思いたい。

(★★★★)


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