ばむばんか惰隠洞

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2012-06-04 [長年日記]

[Oldbooks] 待合室の一冊

ソ連帝国再建(Clancy,Tom/著 Pieczenik,SteveR/著 伏見威蕃/翻訳 PieczenikSteve/著 ほか)先日薬をもらいに病院に出かけた時の暇潰し用に、棚から適当に引っこ抜いた一冊。トム・クランシー&スティーヴ・ピチェニック「ソ連帝国再建」(トム・クランシーのオプ・センター 2)。読みかけのままにしとくのもなんなので晩飯あとに続きをさくさく。

トム・クランシーと言えばジャック・ライアンものなんだけど、あっちは何しろ大統領になってしまったものだから、逆に小回りが効かなくなっちゃった恨みもあって、んまあいろいろサブセットコンパチ的なもので変化を付けようって事なのかな。ライアン一家の派生物的なものだった「レインボー・シックス」みたいなのもあったりしたわけだけど、こちらもそんなシリーズものの一環。元LA市長、ポール・フッド(元ネタは誰なんだろ、ラ・ガーディアとか?)を中心に、比較的少数の優秀なスタッフと最優秀の情報収集システムを備えた大統領直属の、情報分析と(場合によっては)実力行使を行う機関、「オプ・センター」の活躍を描くシリーズ第2弾。ま、前述の「レインボー…」やデイル・ブラウンの「ドリームランド」のシリーズに似てるけど、ここに政権側にもそれなりに力を及ぼせる人材も追加された組織ってことで、かつてのライアン一家(まだジャックが副大統領とかになる前のね)の復活を狙ったような作品と言えるかな。

お話は、比較的リベラルな人物が大統領となったロシアにおいて、かつてのスターリン時代のソ連のような一党独裁的政治体制こそが世界に冠たる大国となる道である、と信じる政府と軍の高官達が政権奪取のために企てた陰謀とは、そしてそれを感知したオプ・センターの面々は…的な。

基本はまあ、この手のジャンルのお話のお約束。壮大な野望を抱く割には案外抜け作な悪党を、知力、体力、技術力に、パックス・アメリカーナ万歳で凝り固まったアメリカ人が圧倒する様なお話。ただまあ今回はロシア側にもそれなりに、アメリカ側に匹敵しようかというハイテク諜報設備が出来上がってたりして、少なくとも序盤は、悪党側もそれなりに互角の勝負ができそうな雰囲気でかなり期待もしたんだけど、お話が進んでいくとやっぱりオレ達アメリカ、最強だぜー、な方向に進んで行ってしまうんだねえ。

というわけで晩飯の後にヌルい予定調和の勧善懲悪アクションを楽しみたい向き(あ、オレか)には最適の一冊、ではあるんだけど、こうも主人公達が打ちのめされないお話ばかり読んでると、自分の冒険小説脳が酔っ払っちゃいそうで、そこは少々危険な気もするな。


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