ばむばんか惰隠洞

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2004-06-04 この日を編集

[Chinema] 特に感想はない

たおさんとこで知った、北村龍平監督最新作「ゴジラ FINAL WARS」にMGSシリーズ アートディレクター 新川洋司が参加(コナミ コンピュータエンタティンメント ジャパン)。で、このコナミの新川洋司氏が担当しているのが、轟天と地球防衛軍兵士、なんだそうな。ふむ。

や、別にそないに悪いデザインだとは思わんですよ。シド・ミード版のヤマトを見たときと似たような気分かな、「ああ、なるほどね」、で終わり、みたいな感じ。そんでもまあ小林誠さんの「ラ號」よりはマシかなあと思いますよ、うん。実際ミニチュアなりCGIで表現されたらまた印象は変わってくるだろうしね。

兵隊さんデザインの方は、あれだなあ、紀里谷キャシャーン以降、顔の下半分だけ隠した超人、てのがトレンドになりつつあるんですかね。それ、瀕死のダース・ベイダーみたいであんまり好きじゃないんだけどなあ。

[Baseball] タイムスリップ虎ファン

えー、神戸のローカルUHF局サンテレビでは、阪神線の中継が他社に押さえられてるときとかに「虎辞書なる!!」ちう番組をやっておりまして。サンテレビが保有している過去のライブラリから、虎ファンが気分良くなる試合を適当にダイジェストで流す、だけの番組なんですが今日は1985年4/18の巨人戦。この前日が、例の伝説のバックスクリーン3連発の試合。でこの日も真弓、バース、岡田のホームランで11点取って勝つ試合なワケですが、いやあ、20年前の甲子園、今みたいなクソやかましさには包まれていなかったのだなあ、ってあたりを再確認。まあ、この時点でまさか優勝するとは誰も思ってなかったもんね。これが半年後には、大阪は(この年私、結婚したんですけど)結婚の打ち合わせに田舎から出てきた私の親父をして、「大阪というのは無法地帯な街なのか?」と言わしめるバカ騒ぎのるつぼに叩き込まれていたわけですが。

などと妙に感慨深くチャンネルを戻すと、今日のタイガースはしっかり逆転負けを喫してるわけで。とほほ。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

キャプテン・シライ [阪神ネタということで。 http://www.asahi.com/science/update/0604/002.h..]

ROVER [あっこれ新聞で読みました。んでも「肉眼で見えない」んじゃあ、阪神の星、めざしようがないじゃん、ねえ(^^;)。]

もんちぃ [公転周期は...18年じゃないのね。(ゴメン:f^^;)]


2005-06-04 この日を編集

[Books] 傀儡后 (24:02)

本書カバー 牧野修 著
カバーイラスト 山本ヤマト
カバーデザイン 岩郷重力+WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030788-1 \840(税別)

シャロウ・インパクトがもたらす近未来SF

地球に飛来したイワクラ・ナガオ彗星。規模こそ小さかったが、彗星から派生した小隕石は、大阪、守口を中心とする関西地方に多大な損害を与えた。そしてその3年後、隕石落下地点をその起点とするかのように、「麗腐病」と呼ばれる奇病がじわじわと世界を浸食していく。そして20年、ハイテクと猥雑が混在するこの街でいま、ひとつの非合法ドラッグの噂が若者たちのネットワークを中心にじわじわと広がっていた…

いろんなところで谷甲州氏の「エリコ」を思い起こしてしまう作品。猥雑な近未来の関西、次々とぶち込まれるSF的アイデア、そして日本SFが本来持っていた「種」であったり、そのまた上にあるかも知れない何かへの思索、みたいなものを盛り込んでラストまで突っ走る。「エリコ」がその持ち味にジェンダーを絡めたポルノグラフィックな要素を色濃く持っていたのと同様、こちらでもやはりジェンダーが結構な比重を持っているあたりは、いわゆるフェミニズムSFの(一時的な)台頭以降には無視できない流れだったりするということなのかな。あと、こっちでは「エリコ」以上にワイドスクリーン・バロック的な小道具が満載でそこも楽しい。

通して読んだ印象は、そうだな、カエアンの聖衣な幼年期の終わり、ちょっとサイバーパンク風味、みたいな感じでかなり楽しく読めた。ただあれだ、「かめくん」なんかでも感じた、"気持ちは凄くわかるんだけどそれを持ち出されるとこっちは妙にケツのあたりがむずがゆいのよ"感もあって少々微妙ではありますな。ここらは牧野氏のソノラマ文庫のあれとかで感じたものを、ごくわずかではあるけどやっぱりこの作品でも何ヶ所かで感じてしまったわけで、なんて言うんでしょうね、こう、気持ちはわかる、でもそこでそれを持ち出されると、オレの中でのSF読んでるぞな快感、みたいなものがちょいとばかり削がれちゃうわけで、ええい言ってしまえ、「仮面ライダー」持ち出されちゃぶちこわしなんだよオレ的には。

すいませんね、私にとって(昭和の)「仮面ライダー」って、どっちかというと興醒めアイテムなんですよ。この本、かなり面白いと思うんだけど同時に興醒めアイテムに活躍されちゃったあたりでちょっぴり残念賞側にシフトしちゃったかなあ、つーとこでしょうか。

どーでもいい話なんだけど、クライマックスで出てくる"桃色の粘度の高い何か"、ってのは、本書の文脈からしてやっぱりスーパースカルピーなのかねえ、とか思った。あと、やっぱりこのカバーは、ちょっとなあ…。

てあたりで、そこそこ楽しんだけどでたらめにおもしりゃぁぁぁ、ってとこまではいかなかったかなあ。

(★★★☆)

[Books] ドーバーの伏兵気弱な海尉ジェラルドの冒険 (25:53)

本書カバー エドウィン・トーマス 著/高津幸枝 訳
カバーイラスト 小野利明
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫NV
ISBN4-15-041080-1 \900(税別)

HMで出せよ

参加し、生き延びさえすればほとんどの将兵は何らかの叙勲に与れたはずのトラファルガルの海戦で、叙勲の対象となり得なかった不名誉な兵士の一人、それが私、英国海軍海尉、マーティン・ジェラルドだ。戦闘前に酔いつぶれ、世紀の大海戦に参加しながら何一つ戦いに参与することなく生き延びた私は艦隊の主力艦である戦列艦勤務の海尉から本国沿岸で密輸業者を取り締まるカッター船勤務へと言う、事実上の体のいい左遷の左遷の憂き目に遭う。そんな私が新しい勤務地に出頭するまさに前日、思いもよらないトラブルに巻き込まれてしまうとは。事の起こりはやはり酒だった…。

胆力なし、酒好き、女に弱く行く先々で災難に遭遇してしまう船乗りを主役に据えたシリーズ。ハヤカワも海洋冒険ものの範疇に入れたいと思ってNV側に入れたのだろうけれど、一作目を読む限りは、とてもじゃないけど私やあなたが期待する、海洋冒険小説のテイストには満ちあふれていない。端からはダメ人間に見られてるし、実際褒められたところがそんなにある訳じゃないんだけど、それでもひとつには運、それからダメ人間なりに、それでも頭の回転とかいざというときの肝の据え方とかでそれなりに見るべきところも持っている人物が、なんとか自分の苦境を好転させようとがんばるお話、って訳で、いわゆる「水モノ」を期待して読むとちょっとがっかりしちゃうかも。んじゃあ近代英国を舞台にしたミステリとして読めば面白いか、といわれるとそっちも少々怪しいのだけれど。

なんつーかなあ、「トラ、トラ、トラ!」だと思って読み始めた本が「陸奥爆沈」(いやこれはこれで良い本ですが)だった、みたいな恨みは残るかも。軽いミステリとしてはたぶん、水準作なんだと思う。んでも海洋冒険小説としては不満が残るし、歴史ミステリとしてはツッコミが少々浅い、と感じてしまう。つまらなくはないけど、キャラの書き込みなんかでどうにも浅いよなあ、と思ってしまうところはある。そのあたりは少々残念かも知れない。どちらかというとこれはミステリのジャンルに入るべき本だよね、というところ。続編では様子が違うのかも知れないけど、どんなもんだろな。

全体に悪くはないんだけど、かといって夢中になって続きが待ち遠しくなってしまう、ってところまでは行ってない感じ。主人公のキャラ造形も、そのデフォルトのダメぶりがうまく活きてない感じがあって、大変に魅力的、というところまでは行っていない感じだな。とりあえず続きに期待…したもんだかどうだか、やや微妙。

(★★★)


2006-06-04 この日を編集

[TV] 定期視聴番組 (23:56)

「ああっ女神さま それぞれの翼」、「魔界戦記ディスガイア」、「xxxHOLIC」、「轟轟戦隊ボウケンジャー」、「仮面ライダーカブト」、「ふたりはプリキュアSS」。んー、わざわざ土曜の深夜にやるものなのに、何でそんなに暗黒成分がないんだと不思議に思ってしまう女神さまがある意味気になる。出来そのものは全然悪くないと思うんだけど、ここまで純粋培養なおとめちっくろまこめに、ニーズってあるんでしょうか?

で、「ボウケンジャー」(Task.16 水のクリスタル)は前後編の解決編。わあ、ジェットスクランダー。もうそれが全てって感じで。いや、見応えたっぷりで楽しみましたよ。せっかくだからゴーゴージェットと合体するときのダイボウケンには、もっとカッコ悪い走り方してもらえたら完璧だったんだけどなあ(何が)。

カブト(#19)は、もう敏樹クオリティ全開でなんともはや。あのよぉ、英国貴族が本家筋だという超名家の執事が、主人にフォークの先端向けて話するか? どんな時間であれ主人の許に出るときに寝間着姿の執事なんてありか?(あーでもそれは演出の責任であって脚本のせいじゃない、とも言えるか。でもなあ) もちろんそれもまたディフォルメの範囲内での話なんだけど、超名家の執事ってのはそういうもんじゃないでしょー。こうしてありえねえ感ばかりが増幅されるのだと思うのだがなあ。あまりに唐突な怪盗ほにゃららについては、もうちっと様子見ますけど、なんだかなあ。アクションの切れとか、結構カッコいいことやってるのに、どうにもチグハグだいなあ。

で、「プリキュア」が毎週安定して楽しいので助かってるな、と。今週はみのりタンがたいそうかわいらしかったですな。

[PC] いろいろインストール (24:32)

OpenOffice.org 2.0.3 rc5。最近のExcelが吐き出すファイルの、特にグラフ周りの対応が旧版の2.0では今ひとつだったので、そこら辺改善されていないかな、と期待したんだけど残念ながらそこまでは行ってなかった感じ。近い将来、まさにそういう(何やら賑やかしいグラフを作ってpdfに落とす)仕事が入るかも知れないんだが、さてどうしたもんだか。OOoで最初からひな形用意してやるしかないかのう。あーマンドクセ。

もう一件。ちょっと必要が生じたんでほったらかしてたLightWave(世間じゃ9とか言うてますな。ウチはいまだに6.5ですが)もインストール。倅のマシンに退避させてた(だってデカいんだもん。オレのマシン、HDD60GBなんだもん。倅は80もってるのさ)データもあわせて回収。

これがあなた、一年使わんとあらゆることを忘れとるね。データディレクトリの指定するのに15分ぐらいあっちこっちのメニューをポチポチさまよったりして。上達の第一歩は継続だよなあ、などと当たり前のことを再認識してしまいましたわ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

noki [うーん、、やはり敏樹テイストですねー。。執事が主人と一緒に横にならんで茶のんでるとは・・・・・(絶句)  そちらでは..]

TUX [●最近、カブトは乱土さんと腰原さんとこの日記でフォローしてるので心の平穏を保てています(殴) ●大詰めのセイザーX..]


2008-06-04 この日を編集

[Books] WORLDWIRED 黎明への使徒 サイボーグ士官ジェニー・ケイシー(3)

9784150116637 エリザベス・ベア 著/月岡小穂 訳
カバーイラスト 前嶋重機
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF ISBN978-4-15-011663-7 \860(税別)

統合中国による小惑星落下によるトロント壊滅の悲劇を過去のものと割り切ることも出来ぬまま、ジェニーたちの苦闘は続いていた。突如現れた、物言わぬ2隻の異星人の宇宙船、一度は恒星船を失うことになってしまった統合中国からの策謀、そしてカナダ国内にもジェニーたちとは敵対する勢力が暗躍する。激変する地球環境に何とか歯止めをかけようとする全人格AI<リチャード>の計画は成功するのか、トロント壊滅の悲劇の裁きは、誰が責めを負うことで決着するのか。さまざまな思惑と出来事が錯綜する……。

基本的には前作の感想で軽く予想したとおりの展開で、クライム・アクション的展開だった第1作、宇宙SF風味に、近未来の社会情勢への考察をブレンドしたポリティカル環境SF風味(なんだそりゃ)がまぶされていた第2作ときて、3部作のとりあえずの完結編となる本作では、ファースト・コンタクトSFのテイストと、前巻からのポリティカル・サスペンス、それからさらに電脳SFの風味なんかもちょっと強調されていて盛りだくさん。盛りだくさんなのは良いんだけど、その盛りだくさんぷりが逆に、どこにもフォーカスがあってない、少々散漫な読み味の作品を作ってしまったような気がしないでもない。

このシリーズの1作目は、特に目新しい部分はないんだけれども、ハイテク戦争で傷を負った、世間的には英雄扱いされてもおかしくない戦士の内面的な葛藤や、あまり良い具合には進化していない近未来の昏い部分でうごめくキャラクタたちの動きがそれなりに印象的に描かれていてかなり魅力的だったと思う。続く2作目では、宇宙SF的なテイストと近未来の国際情勢に少し考察を加えた描写が追加され、いろんなところが平均的に少々書かれ足りていないな、とは思うもののまあ、続きをちょっと気にするぐらいの牽引力はあったと思うんだが、完結編になる本作では、いろんな事に決着をつけた上でそれなりの見せ場を用意しようと欲張ったあげく、見せ場たちのそれぞれが惜しいところでそれなりのレベルにも達していない作品になっちゃった、ような気はする。

基本的に、SFとして目を剥くようなアイデアやヴィジョンを用意してくれている作品ではないので、お話のきめの細かさでそこをカバーしなくちゃいけないタイプの作品ではないかと思うんだけど、そこの所に全然神経が行き届いてない本、というか。第1作がそれなりに面白かっただけに、巻を追うごとに面白くなくなっちゃった感じのシリーズ。いろいろともったいない感じは残りますな。

★★☆

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚 [私は第1作を買ってなかったので、3作目が出てからまとめて購入しまして、一気に読みました。 3冊シリーズと思って時間..]

rover [ああ、確かに通して読んだらまた印象は変わるかもしれないですね。んじゃ「ハイドゥナン」は4冊出揃ってから読んでみまっさ..]

taoy@笹塚 [あー、私は1冊目の時点で「話を追う」のをやめちゃってたかもしれませんね。ジェニーちゃんは狂言廻し扱い(^^; 個人的..]


2010-06-04 この日を編集

[web] 今日のspam…かと思った またはシッピング・ニュース

メーラのようすなかなか良い映画だそうですが、見ちゃおりませぬ。さて、いきなり舞い込んできた、本文も何もなく、pdfが一枚添付されてるだけのメール。送り主は一応adobe.comってことになっているけど、adobeだのappleってのはspamの送り主がさんざん詐称ネタに使うので今ひとつ信用できないもんだから、真剣にこいつはspamなんじゃないかと思ってしまい、pdfを開くのに結構勇気が要ったぞ。

開けてみたらなんのことはない、アドビストアからの発送のお知らせだったので一安心だったんだけど、天下のアドビシステムズともあろう者が、ここまでぞんざいなメールを出してくるものなのかね。それともアドビ的には、「みんなー、カレイド…Acrobatは持ってるよねー」的なノリなのかも知れないけれど、ちょっとでもいいから本文に一筆あってもいいのじゃないのかね、と思ったことでした。

それにしても添付のpdfの会社名表記は"Adobe Systems Software Ireland Limited"、アップグレードサポートの本拠は確か沖縄だったような気が。Adobeって面白い会社だな。

[Oldbooks] 乾燥トマトにお水を少々 12

97841503095729784150309527今日も晩飯後のひゃくごえん、第三弾はグの126「黒衣の女王」、127「遠いうねり」。#126は正直読むに耐えない。書きようによってはかなり良い話になったはずだ。ごく初期に描写されていた、なかなか甘酸っぱい場面に対する回想編なんかも挟まるので、やろうと思えばいくらでもしっとりしみじみした話にできたと思うのだけれどな。作者的にはリンダの気持ちに波風を立てたいという気持ちばかりが先に立ってしまい、若い二人(リンダとイシュト)のちょっと深い(ものになるであろう)話を、なんかこう、雑な言い合いで終始するだけのお話にしかなっていないような気がするな。

続く#127はいよいよミロク教団の本拠に乗り込んだヨナとスカさん、それまで非暴力、非抵抗の宗教と信じられていたミロク教が、実はそれだけではないものなのではないか、を匂わせてくる。こちらはそれなりに読めないこともない、って感じか。やはり市井の民衆の描写が入ると温帯の筆には冴えが増す。こちらに注力してくれたらかなり楽しい本ができそうな気がするんだが、多分そこは作者が本気を出したいところではないのだろうな。ここらの書き手と読み手の求めるものに対する印象の齟齬が、中期以降の「グイン」の不幸の原因なのかなあ、なんて思ったり。

それにしても、いよいよ残り3冊ってことになってしまいましたな。


2011-06-04 この日を編集

[Books] グリムスペース

9784150118082 アン・アギアレイ 著/幹遙子 訳
カバーイラスト 前嶋重機
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011808-2 \940(税別)

マキャフリイ版「デュマレスト」(ちょっと違うか)

人類にFTL航行をもたらした超空間、グリムスペース。そこを航行するには、J遺伝子を持つジャンパーと呼ばれる人種が不可欠であり、ジャンパーたちは巨大な企業複合体の寡占状態にあった。そんなジャンパーたちの中でも飛び抜けた実績を誇っていたのがあたし、シランサ・ジャックス。だがその日、あたしとあたしが信頼し、心から愛するパイロットのカイが操縦する宇宙船は着陸に際して信じられないミスを犯し、80名を超える乗客、乗員はあたし以外は全員死亡、あたしも身柄を拘束されてしまい、治療と称する強制的な医療処置を受けている。そんなあたしの元に一人の訪問者が…

先輩女性SF作家たちが送り出したアイデア(マキャフリィの『船』シリーズやらビジョルドの『ヴォルコシガン』やら)を上手いこと咀嚼し直して、ちょっと気の効いたロマンティック冒険SFを作ってみました、って感じか。で、出来上がったものは妙に女「デュマレスト」っぽいものだった、てなところ。「デュマレスト」とは、ストーリーや語り口の感じも設定も全然共通点はないんだけど、まあ多少人より優れたところはあるけれど、際だったスキルも持たない一人の人間が、徒手空拳に近い状態でなんだかぼんやりした目的に向かって動き出すと、ヤケにスケールの違う敵が主人公をつけ狙ってきて、なんてあたりの雰囲気が似ているのかもしれない。あくまで雰囲気です。

デュマレストはそれでも基本、たった一人でさまざまな困難に立ち向かうんだけど、こちらは主人公の魅力というか個性に惹かれ、距離の差はあれども協力してくれる人々が集まってくれるってあたりにちょっと差があるか。ここらは女性作家が描く作品における主人公としてのヒロインが当然持ってるアドバンテージでしょ、なんか文句あるのッ! ってところだよな。文句はないです、基本はツンデレって事ですよね。

お話の展開は、だから良く言ってもハード気味な展開のハーレクインSFって事になる。SF的な要素としては超空間航法に不可欠なJ遺伝子に関連するアイデアが、時折思い出したようにちりばめられる程度で、何か目新しいものがあるというようなものでもない。あ、ジャンパーがその(J遺伝子がらみの)能力を発揮した時に、相方であるパイロットとの間にちょっと特殊な関係性が生まれる、ってところもアイデアと言えばアイデアか。まあこれも、言い方悪いけどハーレクイン方面をちゃんと成立させるためのアイデア、としてしか使われてないってところもあるにはあるけど。タイトルにもなってるグリムスペースが、ラブホのベッド程度の役割しか果たしてないってのはちょっと、どうかと思うよ(w。

そんな感じで、言うてもシンデレラ・ストーリーなので野暮は言わんけど、「闇の船」よりはマシだがやっぱりお話の構成というかバランス配分が上手くない。これは原書からそうなのか、訳でそうなった(登場人物の呼び方が統一されてなかったりするあたりで、微妙にリーダビリティが阻害されてる感じはあるんだよなあ)のかはわからんのだけども。ただ、終盤に登場した敵か味方かシナイダー(や、明らかに敵ですが)的キャラがなかなか良い味だったので、星半分オマケしときます。

★★★


2012-06-04 この日を編集

[Oldbooks] 待合室の一冊

ソ連帝国再建(Clancy,Tom/著 Pieczenik,SteveR/著 伏見威蕃/翻訳 PieczenikSteve/著 ほか)先日薬をもらいに病院に出かけた時の暇潰し用に、棚から適当に引っこ抜いた一冊。トム・クランシー&スティーヴ・ピチェニック「ソ連帝国再建」(トム・クランシーのオプ・センター 2)。読みかけのままにしとくのもなんなので晩飯あとに続きをさくさく。

トム・クランシーと言えばジャック・ライアンものなんだけど、あっちは何しろ大統領になってしまったものだから、逆に小回りが効かなくなっちゃった恨みもあって、んまあいろいろサブセットコンパチ的なもので変化を付けようって事なのかな。ライアン一家の派生物的なものだった「レインボー・シックス」みたいなのもあったりしたわけだけど、こちらもそんなシリーズものの一環。元LA市長、ポール・フッド(元ネタは誰なんだろ、ラ・ガーディアとか?)を中心に、比較的少数の優秀なスタッフと最優秀の情報収集システムを備えた大統領直属の、情報分析と(場合によっては)実力行使を行う機関、「オプ・センター」の活躍を描くシリーズ第2弾。ま、前述の「レインボー…」やデイル・ブラウンの「ドリームランド」のシリーズに似てるけど、ここに政権側にもそれなりに力を及ぼせる人材も追加された組織ってことで、かつてのライアン一家(まだジャックが副大統領とかになる前のね)の復活を狙ったような作品と言えるかな。

お話は、比較的リベラルな人物が大統領となったロシアにおいて、かつてのスターリン時代のソ連のような一党独裁的政治体制こそが世界に冠たる大国となる道である、と信じる政府と軍の高官達が政権奪取のために企てた陰謀とは、そしてそれを感知したオプ・センターの面々は…的な。

基本はまあ、この手のジャンルのお話のお約束。壮大な野望を抱く割には案外抜け作な悪党を、知力、体力、技術力に、パックス・アメリカーナ万歳で凝り固まったアメリカ人が圧倒する様なお話。ただまあ今回はロシア側にもそれなりに、アメリカ側に匹敵しようかというハイテク諜報設備が出来上がってたりして、少なくとも序盤は、悪党側もそれなりに互角の勝負ができそうな雰囲気でかなり期待もしたんだけど、お話が進んでいくとやっぱりオレ達アメリカ、最強だぜー、な方向に進んで行ってしまうんだねえ。

というわけで晩飯の後にヌルい予定調和の勧善懲悪アクションを楽しみたい向き(あ、オレか)には最適の一冊、ではあるんだけど、こうも主人公達が打ちのめされないお話ばかり読んでると、自分の冒険小説脳が酔っ払っちゃいそうで、そこは少々危険な気もするな。


2014-06-04 この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

「それでも世界は美しい」、「M3」、「一週間フレンズ。」、「星刻の竜騎士」、「ブレイドアンドソウル」、「ブラックブレット」。ちょっと場を乱しそうなキャラが登場した「一週間…」、できた人だと思ってた酒場の女主人も意外に複雑な思いを抱えてた人だった「ブレイド…」が結構印象的だったでしょうか。


2016-06-04 この日を編集

[Day][News] ひとまずは良かったけれど

行方不明の小2見つかる 北海道・陸自演習場で (asahi.com)。割と早い段階で雨露しのげる場所が見つかったのと、水道が通ってたのが良かったんだろうな。

昔、ウチの倅がちょうど今回の事件の男の子と同じくらいの年の頃、二人で三宮に買い物に出かけたとき、こっちがちょっと店の中のものに興味を惹かれてそっちに少し移動した弾みに、よそ見しながら後ろを歩いてた倅がこっちを見失って軽くパニクって、今まで親父がいた方向とは正反対の方に走り出した事があって、まあその時はこっちもすぐに気がついたんで、なんて事もなかったんだけど、子供(に限らないのかも知れんけど)ってパニック起こすと常識とは逆な行動を取ってしまうものなのかも知れない。

んで大人の方は常識的に考えて「そっちには行かないだろ」と思ってた方に、子供は歩いて行くものだから、どんどん見つかりにくくなっていった、なんてことが起きていたのかな、などと思ったりした。

なにはともあれ無事で良かったですよ。「しつけ」の問題やらお父さんの発言をめぐってのネット界隈でのあれこれやらあったけど、自分はたいていの事件ってのはその根っこは案外シンプルなものだと思ってるので、今回のこれも、親が行き過ぎちゃったけど子供の運がとても強かった、って話だろうと思います。

[Anime] 定期視聴番組

金曜深夜まで。「くまみこ」、コマーシャルを作る話。「マクロス」、良く覚えてない。「はいふり」、録り忘れ。「ばくおん」、新入部員が来たよ。「クロムクロ」、パイロットスーツが出来たよ。「カバネリ」、兄様ちょっと不穏だぞ。「カバネリ」のバイクはあれ、やっぱり蒸気駆動(というかこの世界では何やらもっともらしい理屈の動力源らしいですが)なんすかね。

[Baseball] カッタデー!

T5-1L。うん、やっぱメッセタイプのピッチャーがパ・リーグには向いてるんだろう。駆け引きとコントロールじゃなく、球威が先に来るタイプ。明日は岩崎投手か。どっちだろうなあ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚 [小学生が入り込めちゃって、しかも6日間も気づかれない「自衛隊施設」ってのもどうかと思いました…。]

ROVER [北の大地のおおらかさ…ではないですよね(^^;]


2017-06-04 この日を編集

[Day] アイカップがなくなった

いや別に爆乳がどうこうというのじゃなくね。取れやすいと言うのは聞いてたけど、自分のえむてん君でも発生。アイカップがいつの間にか無くなっちゃってる。家で外れたのか、外で外れちゃったのかも良くわからんのだけど、家で外れたんだとしたらそりゃカルガッソーに呑み込まれてしまったわけだから、回収できるあてもなく。他にも軽石庵用の100均で買えない系の備品も揃えたかったのでハーバーへ。

画像の説明肝心のアイカップは残念ながら在庫がなかったんだけど、その他の諸々は一揃い買えたんでまあ満足してあとはぶらぶら、ビールぷはー、いつものように湊川公園でひなたぼっこ(ポケGOのジムバトル含む)。ここのところ25mm単焦点つけっぱなしだったんだけど、今日はキットレンズの標準、望遠のズーム付け替えていろいろと。お天気よくて気持ちよいです。

画像の説明ゴミはちゃんと捨てましょうね。

画像の説明お父さんとおちびちゃんの組み合わせは珍しかったので望遠でぱしゃり。ううむ、もうちょっと長いタマが欲しい…かも(^^;

画像の説明イチャイチャしやがって(^^;

画像の説明んでこれはなんなんだろう。みなえんタウンの貸しスタジオの外に貼ってあったんだけど。ちょっと調べてみたら、「防災」をテーマにした特撮映画(神戸新聞NEXT)、ってことらしい。いくつか観劇したこともある劇団赤鬼のメンバーがキャストとして参加しているようで、ちょっと興味は惹かれてます。とはいえ赤鬼さんの芝居も10年くらい前に見たっきりなのでその後どうなっているのかとかはさっぱりわからんのですが。今月末って事なので覚えてたら観に行ってみようと思います。

[Baseball] カッタデー!

T4-3F。延長11回、昨日に引き続いて岡崎選手が決勝弾。やー、なにかと言われてきた岡崎選手、ここに来て一気にヒーローになってくれましたな。二軍でも藤浪きゅんが良いピッチングしたらしいし、もうしばらく期待して観戦できる……のかな(なかなか波に乗れない阪神ファン自虐派)。

[Anime][SpFX][TV] 定期視聴番組

「進撃の巨人」、巨人の産まれる理由、あたりにかなり踏み込んできたような。巨人になる人間というのは数百年オーダーの寿命を持っているらしいけど、してみるとエレンにも実は長大な歴史があったりする物なのかしら。「月がきれい」は相変わらずの甘酢全開。壁欲しくなりますね(^^;。

「キュウレンジャー」、ガルとバランスが良い感じになる回。前線を引いてるコタロー君とかにもちゃんと目配りを忘れてないあたりはなかなか。んで次週は今年の劇場版へのタイアップエピソード。ギャバンにデカレンジャー参戦ですか。「エグゼイド」、ここに来てレーザー再登場、クロト君の新開発ギアがエム君の最終形態ということになるんでしょうかね。

「直虎」、なんつーかトレンディドラマ系が好きな人的に、但馬推したくなる気持ちはわかるよ、というか。この間井伊谷の周りはいろんな意味で大変なことになっているんだけどね(^^;。


2019-06-04 この日を編集

[逸級介護士] 介護保険証、届く

ようやく。うちのカミさんは要介護Ⅰ、だそうで。これで介護保険を利用してリフォームやら介護関係の商品やらの購入がかなり楽になる模様。なんだけど現状、緊急に揃えなきゃいかんものは意外と少ないなーと思う。バリアフリーのためのリフォームとかも、意外とカミさんしっかり歩けてるんで緊急の要件でもないし、お風呂もオレが補助したらちゃんと入れてるし。

まあこの先、自立支援の申し込みして、ケアマネージャさんについていただいて、リハビリの支援あたりをお願いする流れになるんだろうか。

まだいろいろやることありますね。

[Anime][SpFX] もう6月やんけ(定期視聴番組)

もう春アニメも終盤戦ですけど。一応追っかけてるの、「鬼滅の刃」「MIX」「盾の勇者の成り上がり」「川柳少女」「賢者の孫」「ぼくたちは勉強ができない」「機動戦士ガンダムORIGIN」、あと「ジオウ」に「リュウソウジャー」くらいかな。今期は割に少なめね。「鬼滅」はアニメになって良かったね、な作品。絵的に整理されていい感じ。「MIX」はやっぱ原作力って事なのかな。ゆーまたそが兄でまれいたそが妹、というのは何か狙っているのか? 「盾」は継続中。「川柳…」はまあ、ざーさんとパイセンの組み合わせが面白い。「賢者」は今季の貴重な半笑い案件。「…勉強…」はとびきり面白い、って程でもないけど、決してつまらない訳でもなく、微妙っすね。最終的に文系が本命なんでしょうか。

「ジオウ」、少し前のヒビキ篇がなかなかよろしおした。このシリーズ、一番美味しいのはディケイドなんすね(^^;。「リュウソウジャー」も面白いっすね。「ガンダム」も微妙ながらまあヒキもない事はなく。

こんな感じかな(おおざっぱ)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

まなたけ [ジオウ、、各シリーズのアナザー最終回?最終回後、を描いてくれて、嬉しいな!ブレイド剣ジャギが回収されたり]

ROVER [出だしはどうなることかと思ったけど、意外といい感じですね>ジオウ。 ディケイドで学んだ色々がフェードバックされてるん..]


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懐かしさ満点

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