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マイク・シェパード 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト エナミカツミ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011920-1 \1100 (税別)
ウォードヘブンの危機を辛うじてしのぎはしたが、その過程でやらかした軍紀違反の数々。結果はオーライだったが軍という組織の中で考えれば、クリスの取った行動のすべてを称賛するわけにはいかない。苦渋の決断を強いられた軍上層部が下した処置は、クリスを大尉の階級のまま、とある星系の軍管区指揮官としてのポストを与えるという物。過去10数年にわたって将官ではなくクリスと同位の大尉が管区指揮官をつとめていたチャンス星系。格は上がったが体のいい左遷扱いのこの人事、それでも思うところあってチャンス星系へと赴いたクリス一行だったが…。
ここのところアンソロジーばっかり読んでいたので、たまにはどかんと長いお話を読みたいな、ということで。実はこの続きもすでに出ているのでまとめて注文、まずは周回遅れ解消です(w。
そういうわけで久しぶりのクリス・ロングナイフ。前作までの基本的な自分の立ち位置は、まあ面白いけど、少々とっ散らかった所もあるんじゃねえの? あたり。ちょっと薄いかな、と思ったんだね。
大物政治家のカバン持ち、でもプリンセス、という身分のクリス、彼女が自分の生い立ちや政治的、社会的地位をいったんリセットし、自分だけの力で何かを成し遂げようとするのだけれど、なんだかんだで大富豪のプリンセス、という自分の立場は様々なトラブルに直面したときに切るカードとしては捨てたもんじゃない、ということも否定はできなくて…、というあたりのシチュエーションの面白さと、クリスをサポートする凄腕メイド(ただし年配だよ)や愚痴の多いボディガード、といったワキを固めるキャラの味、ってあたりが本シリーズの魅力になっていると思うんだけど、そこのところの面白さは健在。ここに前巻で顔を出したロングナイフ家のライバル的存在であるピーターウォルド家の御曹司やらも加わって、楽しく読めるってところは間違いなく安定銘柄。シリーズ通して読んでいれば、って条件付きではあるけどね。
その上で今作は、ちょいとしたSF的な仕掛けの仕込みやら、ロングナイフとピーターウォルドの争いに新たなネタが仕込まれてきたりと、わりに盛りだくさんな感じがあるんだけど、そこのところの捌き具合がなかなかスマートで、「あれ、こんなに上手だったっけ? この人」なんて思ってしまったのでした(^^;。先にあげた新機軸、後にちゃんと引いてくれるかはまだわからん(後者の方はヒキになってそうだけど、前者はどうだろうねえ)けど、今回はあまり大きな文句もなく、終始楽しく読ませていただいた。続きも買ってはいるので、この勢いで読んでみようかね(w。
★★★☆
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