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小川一水 著
カバーイラスト 高安健一郎
カバーデザイン 岩郷重力+Y.S
ハヤカワ文庫JA
PART1 ISBN978-4-15-031159-9 \720(税別)
PART2 ISBN978-4-15-031169-8 \740(税別)
植民地惑星メニー・メニー・シープを覆う災厄の雲は晴れるどころかさらなる混迷と騒乱を拡大していく。300年の眠りから覚めたイサリにとって、すべての物事が飲み込めないまま拡がっていくばかり。一方、地球からやってきた人間たち、200万人の前にも次々と困難が降りかかる。状況を打開する鍵はどこにあるのか、そもそもこの状況の大元にあるものはなんなのか。人間たち、«
ここまでぱらぱらと振りまけられていた多くのことたちが、徐々に収束していっているのだな、と思わせる第8部。その大元にあるのは第1巻で語られていた物語を別な視点から見たストーリー。勘弁してくれ、6年も前に読んだ話をそんなにちゃんと憶えてられねえよ(^^;。
ただ、第1巻を読んだ時点では「ナンダコレハ」となっていたいくつかの物事と、続きを読み進んで行くにつれて混迷を極めていく様々なストーリー、キャラクター、設定の絨毯爆撃に、あれはここに来るのか、これとあれはこうくっつくのか、という膝を叩きたくなる感が(かなり怪しげではあるんだけど)ちょくちょく味わえるってところは、頑張って続けて読んできて良かったな、という気にはさせてもらえた。とりわけリンゴにまつわるエピソードは、ジュヴナイル好きにはかなりきゅんきゅん来ましたよ(w。
第1巻から読んでいくと、お話の大まかな展開の中で「それはおかしくないか?」「それはどこに繋がるんだ?」と疑問に思えたことの幾つかが、この巻でがつんと説明される。それは理屈で考えたらかなり大きな仕掛けだったと思えるんだけど、実際の読後感としては「ああ、うん…」になってしまうってのは何でなんだろう。何巻か忘れたけど、どれかのエピソードの中でこのお話には「リングワールド」的なテイストがあるのかな? なんてことを感想で書いた覚えがあるけど、うん、作者が用意していたのは「リングワールド」の気宇壮大感ではなく、「マトリックス」的(…はちょっと違うかな)な物理的には案外狭いところが広大に見えてた世界でのお話だった、ってことで良いのかな。正直そこに「ほう」はあるけど「やったー!」はちょっと希薄だったかも。
多分こいつは全話が揃ったところで一気に読むのが良い作品なんだろう。とにかくちりばめられるピースの数が半端ないのでね、いろんな物を忘れる暇もなく読んでいくべき物語なんだと思う。残りあと2話、自分は躓きつつ読んでいきますが、まとめて読める状況を準備できる人は、その状態での一気読みで改めて本作を味わい直すのが吉だと思います。あ、あと今回のカバーイラストはかなり味わい深いっすね(^^;。
★★★☆
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