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アン・レッキー 著/赤尾秀子 訳
カバーイラスト 鈴木康士
カバーデザイン 岩郷重力+W.I
創元SF文庫
ISBN978-4-488-75803-5 \1200(税別)
アソエク星系にせまる内乱の影。そんな中、属する艦を持たない属躰となったブレクは孤独な戦いを続けている。対立構造にある艦隊の阻止、謎の異星種族との交渉、そして最大の敵である皇帝、アナーンダとの決着…。次々と難題が降りかかる中ブレクは……。
いつのまにか「叛逆航路」三部作、なんて呼び方がついていたヤツの完結編。すでに前作がどんな話だったかも良く覚えていない。たぶんあんまり面白くなかったんだろうと思う。で、序破急の急に当たる本作ではその辺が改善されているんじゃないか、という淡い期待を胸に本書を買って読み始めた訳だけど、いやあ読むのに時間かかった。なんというか、読んでるこちらの興味を惹く展開、というのがあまりに少なくて。
お話自体は前作から切れ目なく続いていて、物語自体は緊迫の度合いを高めているはずで、で、もちろん状況はそれなりにのっぴきならないことになっては来ているんだけど、それに向き合うブレクさんの側の対応ぶりが前にも増して内向的というか思索的になっていて、正直派手な見せ場がどんどん無くなってしまっている。んでそれに代わる読ませどころがあるのか、といわれるとそちらも少々微妙か。そもそも一作目である程度ウリになっていたジェンダーの呼称のスタイルのミスリード、かぁらぁのぉ~、みたいな面白さも摩耗してしまっている上に、前述したようにお話はどんどん内向的な方向に向いて行くのだもの、おもしろくなる要素がハナからない状態の読書、ということになってしまったんだった。
というわけで正直読むのに苦労し、苦労の割に得るものがあんまり無いという少々残念な物件。確かに会話の端々や異星人たちのコミカルな描写(全体にユーモラスな描写がちょっと増えたような気がする。そこはまあ、よかったかな)など、悪くない、と思える部分も無くは無かったけれど、んーどうでしょう、結論としてはおもしろくないに収束してしまうのが申し訳ないけど正直なところかな。会話劇がキモであるのなら、訳者の力量が問われる本だったということになるのかもわからんけど、そこらを判断出来るほど、こちらの本読み力は高くないので。
あまぞんのカスタマーレビューで一昔前のSFファンには向いてないかもよ
(大意)みたいなコメントを見かけたけど、そういう事もあるかもなあ、とはちょっと思った。ただこれはロートルのSF読みの意見だけど、若い人にもこれを素直に楽しめる層ってそんなに多くはないんじゃないかしら、って気はしてるんですけどね(^^;。
★★★
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うむぅ。私はこの「属体」三部作とても面白く読みましたよ。まぁたぶん欧米読者にとってはジェンダーだけじゃなくて宗教的な部分や人種的な部分でも価値観の変質を迫られる作品群だったのかな、とは思います。<br>邦題は、、ちょっとなぁ、と。原題だと「属体の正義」「属体の剣」「属体の慈」と、ラドチの軍艦種類名三種に対応しているんですよね。
自分はちょっと辛かったですねえ。なんというか、いつまで経っても話が動いてくれない感、みたいなのがあって。各巻のカバーイラスト、カッコいい宇宙船じゃなく上品な茶器がメインになってたらちょっと違ったのかなあ、なんて気はしないでもないですが(^^;