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ちょっと買いたい本があったのでハーバーまで。ついでに電気屋うろうろしてたら、ちょっとよさげな扇風機を発見。とにかく毎日暑いからね、基本的に冷房入れない家なので、風に頼るしかないんですがオレの部屋には扇風機なかったし、そもそもカルガッソーにスタンドタイプの扇風機なんぞ置くスペースはなく(w。適当な出っ張りに挟んで使える扇風機があったら良いな、とは思ってたんですが、そういう用途には向いてるかな、値段も3000円ぐらいだし。一応クリップタイプだけど、スタンド型としても使えるようなアダプタというか、土台みたいなものも付いている。
帰ってきてさっそく机の前の棚の出っ張りにセットしてみたけど、やー、風が来る(あたりまえ)。一夏保って下さいね(^^;
シルヴァン・ヌーヴェル 著/佐田千織 訳
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン 岩郷重力+w.i
創元SF文庫
ISBN978-4-488-76701-3 \1000(税別)
ISBN978-4-488-76702-0 \960(税別)
11歳の誕生日にプレゼントされた自転車で森を走る少女ローズは、不思議な光に惹きつけられて丘の麓へと向かうのだが突然足元が消失、ローズは深い穴に落ちてしまう。ローズが落ちた先には巨大な手のひらが彼女を受け止めるかのように横たわっていた。軍を主体にした調査団が派遣されるが、手の正体はいっかな明らかにならない。それから年月が過ぎ、若き物理学者となったローズのもとに、あの「手」の調査研究の依頼が…。
数千年前に超文明が遺した巨大な手、それは手だけに留まらずいくつかのパーツに分けられて地球の各地に隠されており、人類が一定レベルの文明に達しない限りその姿を現すことはない。そしてその巨大な遺跡を組み立て直すことが出来るようになった時こそ、人類にとって新たなステップが待っている……かもしれない、みたいな。
著者のシルヴァン・ヌーヴェルは、息子のためのおもちゃのロボットを作る時、そのバックグラウンドストーリーとして着想したものが本作のベースになっているのだとか、んでその頃息子さんと観ていたテレビ番組は「グレンダイザー」だったそうな。地球にやってくるはるかに進んだ科学力を持った宇宙人のロボットが、ってあたりの設定は確かにアニメっぽいところもあるといえるか。それを言えば「選ばれた操縦者」であったり、超文明が地球の監視用のオーパーツとしてのロボット、とか、まあ言っちゃ悪いが設定的にはありきたりなものばっかりだ。
本書がちょっと変わっているのは、お話がいわゆる物語スタイルではなく、「インタビュアー」と呼ばれる人物が主要な登場人物たちに聞き取り調査を行う、と言う体で進んでいく。どういう意図があってこういうスタイルにしたのかは、良く解らない(^^;。会話主体の文体で読みやすさを狙った(まあ確かに読みやすくはある)のか、描写をそぎ落とすことで読み手の想像力に訴えようとしたのか、さて。
この「インタビュアー」の性格付けというかキャラクター造型がなかなか良い感じで、これが本書を読みやすく、それなりに興味を持続させてくれる数少ない原動力のひとつなのは間違いないとは思う。本書においてはインタビューをするだけの人物だが、様々な会話から、実は彼は単なる聞き手などではなく、実はこの遺跡復元プロジェクトにおける主導的ポジションにいる人物であり、彼が行使できる権力は相当巨大なものであり、かつ彼自身の主体が一体どう言うものであるのかがとてもわかりにくく造られていて、どうかするとこの人、ホントは地球人ですらないのでは、ぐらい思えてきてしまうあたりの匙加減はなかなか、上手いな、と思う。その上であまりに非人間的に思えた存在が、会話を進めていくと存外人間らしいところもあったりするあたりも併せて、上手いよね。
ただ、正直言ってこの、インタビュアーの行動の味わいと、あとは異星人の遺した記号を解読していく言語学者、ヴィンセントのくだりがちょっとSFっぽい以外は、特におおすげえ、と思える所はそんなにない、ってあたりで結構残念賞候補。そのヴィンセント君も途中から解読アクションやってくれなくなっちゃうし(^^;。
さくさく読めるところは良いし、何となく古き良きSFの味なんかもあって嫌いじゃないけど、うーんどうだろう。続き(ま た 三 部 作 な ん だ っ て さ)もこのノリで来られたら、さすがに辟易しちゃうと思うなあ。
★★☆
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