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R・D・ウィングフィールド 著/芹澤恵 訳
カバーイラスト 村上かつみ
カバーデザイン 矢島高光
創元推理文庫
ISBN978-4488291082 \(税別)
ISBN978-4488291099 \(税別)
雷雨の中、駄犬の散歩につきあっていた男。何とかさっさと切り上げて家に帰りたいと思っているのに突如駄犬は吠え立て始める。やれやれと思いながら犬に寄っていった男は仰天した。駄犬の口には人間の足が咥えられていたのだ。さっそく警察に連絡した男だったが折も折、所轄であるデントン署はティーンエイジャーの少女の連続失踪、大手スーパーへの脅迫と事件が山積み。しかもマレット署長のいつものご機嫌取りの影響で、他の署の捜査にデントン署からも大量の署員が派遣されてしまっていた。そんな中、いつものようにてんてこ舞いのフロスト警部だったが…。
おなじみシリーズの第6弾にしてこれが最後。お話はいつものように次々と起きる事件を前に、フロスト警部があまり冴えているとは言えないカンと、なんだかんだと文句は言っても捜査に関しては手を抜かない姿勢で事件にあたる。そんなフロストの姿勢は経営者からしたら頭痛の種。経費はかさむし、時に強引すぎるフロストの捜査はしばしば市民からの苦情の元になってしまう。前作から登場したダメ刑事、モーガンを引き連れてがんばるフロストだが、そんなフロストが煙たくてしかたないマレット所長は一計を案じ、フロストの上司として他署からスキナー主任警部を迎え入れ、フロスト追い出し作戦を開始する、というのが本作のメインのスジ。
ここにいつものように次々と発生してはいっかな進展しない諸事件が彩り(と言っていいのか?)を添える。本書の解説でも軽く触れられているけれど、本シリーズは毎回、少年少女が被害者となる事件が相当多いのだけれど、本書のメインになる事件もそちらの方向。故に犯罪とその被害者の描写はかなり読んでて辛くなる。今回はそれ以外にも、心の病が作りだした犯罪者、なんてのも登場してさらに切ない。そしてそんなとき、いつもは雑でずぼらで無神経で汚らしい対応しかしないフロストが、こういう時には実に真摯で人情味あふれる態度を見せるあたりもこのシリーズの魅力。
雑でずぼらで薄汚く、かつ人使いも荒いフロストなんだけど、事件に対しては一切手を抜かず、納得いくまで捜査を続けるその姿勢が、上司からは疎まれるのだけど、こき使われてる部下や同僚たちからはそれなりに信頼されてる、ってあたりの描写も楽しく、このオッサンの下につくのは勘弁して欲しいけど、このオッサンたちが四苦八苦しているさまを見る分には、心から応援したくなってしまうのだね(^^;。
本書では新たな憎まれ役として、マレットと組んでフロストを追い出そうとするスキナー主任警部(スキナーさん、つーからおりゃまた署長かと思ったけどそんな事はなかったぜ)と、そのスキナーとの因縁もあるらしい新米婦警、ケイトという新キャラも登場し、こちらのキャラとのやりとりもなかなか楽しい。特にスキナーの嫌なヤツっぷりの描写はさすがで、読んでて真剣にムカついてくるキャラを作ってくる作者の手腕はさすがのものと思う。
それ故、そのスキナーとのお話上の決着の付け方には少々不満なしとしない。これでその後のいくつかの懸案事項も自動的に解決する、最良の解決ではあるのだけれども、個人的には前述したように憎たらしくてたまらんキャラがいたならば、そのキャラには読んでるこちらが痛快になる罰の与え方があってしかるべきだと思うんだけど、そこのところがちょっと、痛快と言うよりはビター風味のオチの付き方になってしまってて、そこはどうかなあ、とは思った。
とはいえこのステキなシリーズ、これで正真正銘、一巻の終わりというのはとても残念。本書の解説で、フロストのシリーズが完全に完了するわけではないらしい情報はあって、そこはちょっと嬉しいのだけど、でもなあ、それはフロスト「おじさん」の話とはちょっと違うんだよなあ(^^;
★★★★
スタッフ
原作:岩井俊二
総監督:新房昭之
監督・絵コンテ・キーレイアウト・美術設定:武内宣之
脚本:大根仁
製作:市川南、大田圭二、岩上敦宏、久保田光俊
企画・プロデュース:川村元気
キャラクターデザイン:渡辺明夫
音楽:神前暁
総作画監督・サブキャラクターデザイン:山村洋貴
音響監督:鶴岡陽太
声の出演
広瀬すず
菅田将暉
宮野真守・浅沼晋太郎・花澤香菜
豊永利行・梶裕貴
三木眞一郎・櫻井孝宏・根谷美智子
飛田展男・宮本充・立木文彦
松たか子
公式サイト:http://www.uchiagehanabi.jp/index.html
中学1年の夏休み、プール掃除当番の典道と祐介は、プールに佇むクラスメートのなずなの姿を目にする。何の気なしに始まった50メートルの賭けレース、勝者となったなずなの希望は典道、祐介のどちらかの勝者とその日の花火大会に行く、というものだった。ターンでしくじって祐介に遅れを取った典道だったが……。
岩井俊二の実写作品をアニメに翻案して、制作シャフトというかなりクセの強い劇場版。これのプロデュースが「君の名は。」の川村元気さんで、作っているのは「まどマギ」を始めとするある意味「クセの強い」作風のシャフトであるってところで局所的に話題になり、一般的には出来たものが結構「うーん……」といいたい作品に仕上がったものだから、結構ネガティヴな方向で話題になっている作品。オレはオタクなのでこの作品、そこそこ擁護したい。
まず「シャフトが作ってる」って情報を「んふ♪」ととるか「??」になるかでこの映画、感想はかなり違ってくるのでは。なんかこの物言いは、「シャフトのアニメ知らないでこれ見てもわからんだろう」的な、ちょっと上から目線的な物言いが発生してしまうのは良くないな、と思いつつもやっぱりそこは押さえておかないとこの映画は楽しめないんじゃないかと思う。全編これシャフト演出、ってのが炸裂するのでね。で、それはストーリーを無視していてもビジュアル的に見どころがあれば文句はなかろ? ってのはシャフトのやり口(^^;でもあるわけで、そこで「ああ、シャフトやってるわ」と思えるかどうかでこの映画を楽しめるかどうか、ってところにやっぱり差はできてしまうのかもなあ、という気はする。「だって作ってるのシャフトだもんな」で我慢できるシークエンス、って結構あるような気がするんだ。特に序盤。
そんなわけで映画としての序盤は多分、何かをしくじったんだろうな、って気はした。ヒキが薄いんだよね。なのでこの映画、何の話が始まったのかが掴みづらいという恨みはあると思う。基本的にこれは「愛のために世界を造りかえる話」なのだと思うんだけど、なんで世界を造りかえなくちゃいけないか、が映画の序盤で提示されていないのはかなり痛いんじゃないかな。
ただ、そこ(序盤の掴みづらさ)を我慢して先に進むと、そこからはかなり楽しめました。なんというかね、もはや甘酢な体験なんぞ、よほどのことがなければ体験不可能な歳になってしまったオッサンに、これでもかとばかりに甘酢要素をたたみかけ、しかもそのたたみかけ方がどこかで一歩引いている、という、いうたら「大人」な感じがあるのですな。そこはかなり良いな、と思った。映画としての造りはもしかしたら失敗かも知れない。んでも好き嫌いで言うならこれ、自分は結構好きです。クライマックスの強引な美しさ(^^;とか、見るべきところは結構ある映画だと思う、「シャフトが造ってるぜ」で覚悟できる人限定かも知れませんけどね。プロデュースが同じ人、ってことで比較するなら自分は「君の名は。」よりはこちらの方が好きですね
★★★
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