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商売ものに手を付けるシリーズ、鷹見一幸「宇宙軍士官学校 -
21世紀初頭、地球を訪れた"至高者"と呼ばれる異星人は、人類に対して"マインドリセット"と呼ばれることになる微妙な遺伝子操作を行った。これによってほとんどの地球人は国家間のしがらみといった意識から解放され、全ての人類が一つである、という意識を持つに至る。さらに"至高者"達はなんの見返りも要求することなく、様々な先進テクノロジーを提供、世界には一定の平和と豊穣がもたらされた。それから15年、"至高者"達は人類に対して一つの提案を持ちかける。"至高者"達も属する全宇宙規模の知性体の連合体の一員となるため、それまでの地球の中だけで通用していた軍事組織とは違う、銀河系レベルで通用する宇宙軍の創設と、そのための最初の教導役となるべき、新たな宇宙軍士官候補生の選出。
地球人類とは全く異なる選定基準で全世界から選抜された45人の士官候補生。その中には特に目立った能力があるようにも見えない、日本の治安維持軍に属する青年、有坂恵一の姿もあった。彼らに課せられた使命は3ヶ月間の教習ののち、新たに送り込まれる15歳の少年兵達の教官となることだった…。
というのがお話の発端で、ここからお話は選抜された45人の候補生達のさらなる選抜、実際の訓練に加え、なぜ銀河系レベルの軍隊が必要なのか、その軍がやがて相手にすることになるであろう"粛清者"とは…、と言うふうに進んでいく。地球人の基準からしたら冴えない若者でしかない恵一だったが、彼には常に物事の先の有り様を見極めようとする姿勢が備わっていて、これが軍指揮官として極めて有効な資質であり、この資質を生かして恵一は宇宙軍の中でその地位を高めて行く、ってのが基本の流れ。
ここに地球人を指導する上位の存在であるアロイスと呼ばれる異星人達、その訓練のディティル、"至高者"と"粛清者"の関係性とかが語られるわけで、全体としてはそうだな、様々な日本製SFアニメーションの味であったり造りであったりをまぶした、「レンズマン」と「エンダー」シリーズの世界観をジュヴナイルSFに翻案したようなシリーズになっている。そこのところの手際はかなり上手で、結構盛りだくさんな要素をとてもわかりやすく説明していて、かつおもしろいお話になっている。
「レンズマン」なんかもそうだったけど、宇宙にはさらに高位の存在があって、その存在によって地球人類は慎重に育て上げられた、なんてのはSFではしばしば見かけるネタだけど、アニメや特撮の造りまでもがもしかしたらその育成の一環だったかも、なんてあたりはよく考えたら結構な大ネタかも知れない(w。さらっと流されているけどね。
著者、鷹見さんは「乞食軍団」の時にもちょっと感じたけど、どちらかというと保守的な指向の人で、それが自分みたいなブサヨというかパヨク傾向な人間からするとちょいちょい引っかかってしまったりもするんだけど、それでも「ちょっと嫌だな」とは思っても「でもそうだよな」と納得させるだけの筆力はある。総じて大変おもしろいシリーズになってます。送って下さったお客様、どうもありがとうございました。続きもざくざく読みまっせ。
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