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エリザベス・ベア 著/赤尾秀子 訳
カバーイラスト 安倍吉俊
カバーデザイン 波戸恵
創元SF文庫
ISBN978-4-488-77001-3 \1200(税別)
19世紀、アメリカ西部の都市、ラピッド・シティの高級娼館ホテル・モンシェリで"縫い子"として暮らすカレン。もちろんここで言う"縫い子"とはそのもの通りの意味ではない。それでも身寄りをなくしたカレンにとって、よきマダムと明るい仲間たちに恵まれて、厳しくも楽しく暮らしている。そんなある日、褐色の少女が怪我をした娼婦を引きずってホテルに転がり込んできた。どうやら街の実力者、バントルの店の女の子らしい。褐色のインド人女性、プリヤをひと目見た時から強く惹かれる物を感じたカレンは、ホテルの仲間たちとともに二人を護ろうと決めた…。
ゴールド・ラッシュも一段落、これからはスチーム・エンジンによる産業革命が来ようとしているアメリカ。そこは飛行船が飛び、蒸気駆動のミシン(シンガー製だぜ)と呼ばれる一種のパワードスーツが様々な仕事をこなすような世界。ここで"縫い子"という名の娼婦として働く少女カレンが一目惚れした少女、プリヤを助け出すために大活躍、という百合スチームパンク、ウェスタン風味のふりかけあり(w。
SFのためのワンダーとしてのスチームパンク風味、は実はそれほど念入りではなく、こういうものもありますよ、程度でさらりと流されていて、お話の方は好きになった相手を悪の手から解放するために頑張る少女の冒険譚。カレンが世話になってるホテル・モンシェリの人々、本来こういうお話であれば、当然主人公と恋仲になりそうな流しの保安官とその助手のネイティヴ・アメリカンと、とにかく登場人物たちのキャラ立てが大変的確で、何よりお話として大変楽しめる。
その分たとえばミシンのディティルとか、悪党バントルが使う不思議なマシン、さらにはお話の終盤に登場するアレとか、何ならもうちょっと理屈の部分も込みで説明してくれても良いのにな、ってところが結構あっさり目で、人によってはそうだな、「攻殻機動隊」を期待したのに出てきたのは「紅殻のパンドラ」だったやんかー、ってところで少々物足りないものを感じてしまう向きもあるかも知れない。正直自分もややそっち方向(^^;。もうちょっと、「理屈」の補強が欲しかったような気もしないことはないのね。
とはいえ「お話」としての楽しさは充分にあるのでこれはこれで大変結構でした。百合部分のわかりやすさと良い具合感も嫌いじゃないし。著者のベアさんはサイボーグ士官ジェニー・ケイシーシリーズの著者。このときもオレ、SF的にはどうかと思いつつ、キャラ立てとかお話の流れには一定の評価をしてたんですね(^^;。
★★★☆
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