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クローディア・グレイ 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト NAJI柳田
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012218-8 \1140(税別)
戦争状態にある惑星ジェネシスと地球。劣勢が続くジェネシス側は、円環構造を成す五つの惑星を繋ぐ<ゲート>を破壊することで、一時的に地球側の侵攻を食い止めようとする作戦を企画する。だが、その作戦に参加する兵士に帰還の可能性はほとんど無い。マサダ作戦と名付けられたその作戦の演習中、突然襲来した地球艦隊との戦闘に巻きこまれた女性パイロット、ノエミは戦闘中に負傷した同僚を救うために宇宙を行くうちに、不審な宇宙船を発見する。治療のための機材が利用できるかも知れないと考えたノエミはその船に乗り込むのだが、そこにはたった一人の乗組員が残っていた…。
その船は30年前に<ゲート>の調査を行っていた地球屈指の科学者、マンスフィールドの持ち船で、<ゲート>の調査中のトラブルで乗員は全員退去、一人残っていたのは人間ではなく、マンスフィールドが造りだしたアンドロイド、それも彼の最高傑作、アベルだった。本来であれば敵であるはずのジェネシス人だが、周りに地球人がおらず、唯一の人類であるノエミに最優先の命令権が移ったもんだから、アベルは先の作戦を回避しつつ<ゲート>を破壊する方法を知ったノエミの命令を聞かざるを得なくなって…と言うお話。
んまあロボットと人間の恋物語なんてのはこれまでもたくさんあるけれど、今回は本来敵と味方なのに、アンドロイド側のプログラム的に、人間の指令は拒否できないという仕様(バグとも言う?)故に敵の命令を聞かなくてはいかなくなってしまい、ノエミの益になる行動を取り、彼女とコミュニケーションをかわしていく上で、彼女に対してのAIなりの気持ちに変化が生まれていって…、ってあたりの、一人と一体の間のちょっとした凸凹感とか笑える感じがちょっと楽しい。
原作がそうなのか、中原さんの訳が巧いのかは解らないけれど、結構厚めの本なのにさくさく読めていく感じが楽しい。キャラの立て方、その出会い、お別れ、それから再集結というエンタティンメント・アクションのキモの部分も抜かりなく、ライトなエンタティンメントとして大変良くできていると思った。なにか重いテーマを投げかけたりはしないけど、さくさく読んでとっても楽しい、そんなお話もたまにはあっても良いでしょう。
ラストが少々とっ散らかっちゃった感はなしとしないけど、なかなか楽しい1冊でした。悪い意味で言うんじゃなく、手軽に楽しい娯楽作として基準をクリアしてると思いましたよ。
★★★☆
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