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従姉妹殿ですけどね(^^;。いつものように家のあちこち見てもらい、カミさんの機嫌取りしてもらい、あとは晩飯でいぇーい。今日はスジコン作ってきてくれたんだけど、かなりそこに食指動かされたみたいで、久しぶりに昼間っからビールとスジ肉の煮込みを食べるという。
とにかく今は食べてくれた方が嬉しいんで、もう大目に見ますよ。食いたい時には食えるだけ食いな。
晩飯はチヂミ。そこそこ食ってくれたかな。
アレン・スティール 著/中村融 訳
カバーイラスト 鶴田謙二
カバーデザイン 岩郷重力
創元SF文庫
ISBN978-4-488-63723-1 \1200(税別)
太陽系の中で月でただひとつ、«百不思議»に入っている<直線壁>、それは岩盤で造られた巨大な津波に見える構造物。200年にわたる調査の結果、それは百万年以上前にデネブから来た異星人によって作られたものであることが判明する。人類史上きわめて重要な歴史的、科学的な遺跡であることから、<直線壁>は堅牢に保護されたモニュメントとして保存していくことが決定した。そのモニュメントの開幕セレモニーの会場、少しばかり風変わりな観客があった。赤毛の精悍な若者と生粋の月っ子らしい、
もちろんこの二人は後に宇宙全体にキャプテン・フューチャーの名前で雷名を轟かす、カーティス(カート)・ニュートンと彼のチームの一員、アンドロイドのオットーで、というわけですな。で、ハミルトンが描いたフューチャーメン達の、言ってみたら「仕上がった」メンバー感とはちょっと違う、まだそこまでいろんなものが未成熟な状態のキャプテン(カート)と、それに比べればはるかにできあがっているフューチャーメン達の対比がまず面白い。なにせカートは産まれてすぐに両親を殺害され、かろうじて難を逃れた<生きている脳>ことサイモン・ライト、合成アンドロイドのオットー、AI搭載のロボット、グラッグの三人(人?)によって慎重に存在を秘匿されて育った人物。それ故成人となった時点においても、サイモンによる英才教育、オットーとグラッグによる肉体的教練は人類最高峰レベルなんだけど、社会的、対人的な方面の経験は耳と目の学問レベルしかない、という状態。
なので冒頭からカートの行動はどこかぎこちなく、なんというのかな、耳学問優先のそれになっていて、そこから生まれる何とも言えん気まずさが序盤の魅力になっていると思う。ちなみにこの耳学問から来るカートのちょっとズレたアクションの被害者が、おおむねジョオン、ってあたりはお気の毒というかなんというか(^^;。だから序盤は(元シリーズを知ってる人ほど)結構戸惑うと思うんだ。カートって二言目には「殺す」なんて言うキャラだったっけ、なんてね。
なんだけどそんなカートが、少しずつだけど世界を知り、自分が為すべきことに向き合っていく描写が、押しつけがましくなく差し込まれていくあたりはとても良いと思った。劇的に成長する、ってのではないんだよね。それでも終盤、自分がやるべきことが何なのか、に到達する流れは相当感動できる。自分はラストでちょっとうるっと来ましたよ(w
その上で原作をリスペクトしつつ、その後の科学やSF界のアップデートを上手に取り入れてきてるのはとても上手い。なにせ原作のスタートは1940年代、最先端技術でもV-2号だものね。そこは上手に新しいネタを取り込みながら、言い方はちょっと悪いかも知れんけど、スマートに辻褄を合わせてきているな、と感じた。元シリーズや本シリーズ以降のSFシーンへのリスペクトも無理なく盛り込まれているのはなかなか。その上でまだ「できあがっていない」SF界屈指のスーパーヒーローの姿を堪能できたのはとても良い経験でした。もう一歩進歩したキャプテンの姿、見てみたいですね。
一点だけ文句(って程でもないんだけど)。このタイプのオーソドックスなスペース・オペラのカバーイラストに鶴田謙二さんを起用するのは控えてくれないかな。鶴田さんの絵は大好きだけど、これはちょっと、「違う」んだよなあ…。
★★★★
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