ばむばんか惰隠洞

最新 追記

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2020-07-01 [長年日記] この日を編集

[tDiary] 書影問題

いろいろやってみたけど埒があかないので、三度掲示板でご相談(何度もすみません)。たださんにも完全には把握できてない模様で、困ったものです(売り上げが少ないヤツには書影が出ないとか?)。

んでその流れで、たださんから紹介して頂いたのがopenBDのプラグイン、なるもの。利用規約を読んでて気づいたんだけど、これはつまりopenBookData、ってことなのかな?。早速取得してインストールしてみたけど、おお、書影が表示された!

これはISBNコードを読み取って、版元ドットコムから書影を取得する、というスタイルなので、今のところ残念ながらASINコードには対応していない(当たり前)。なので書影以外のイメージは今のところ表示されない、のでいわゆるNo Image画像があった方が良い、ってことで簡単にでっち上げといた。「ちょっと尼まで」ていうふざけた画像があったら、そこからamazonに飛びますんでひとつよろしく。

現状、版元ドットコムに書影がない本はなぜだかamazonに飛んでエラーを吐くようになっている模様。ここは一応報告した方が良いのかもわからんけど、GitHubってオレには敷居高いんだよなあ(^^;…。

[Comics][Kindle] 薔薇はシュラバで生まれる

B083XFCHFGFireでマンガ読むの止まんねー、って感じで少し前に話題となっていた笹生那実(ずっと"さそういくみ"だと思ってた、すみません)「薔薇はシュラバでうまれる」もダウンロード。美内すずえ、くらもちふさこ、山岸凉子、三原順、萩尾望都…… そうそうたる女流作家たちのもとでアシスタントを勤めた著者が語る少女マンガ制作の現場。ご本人もプロの漫画家なので、各先生方の絵柄をかなり上手になぞってくれてる。久しぶりにサーニンに会えたぜ(w。

多分本当の修羅場はここに描かれているエピソードよりも壮絶なものがあったんだろうけど、そこはまあ、面白おかしくやや薄味で。それでも結構興味深い話があった。特にすごいな、と思ったのは山岸凉子の「天人唐草」にまつわるエピソード。ここで明かしちゃうのも野暮なので、興味があったら是非。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

小川 [openBDプラグインを書いた者です。 「版元ドットコムに書影がない本はなぜだかamazonに飛んでエラーを吐くよ..]

ROVER [小川さん、ご連絡どうもありがとうございます。お返事が遅くなってしまってすいませんでした。 openBDの件ですが、..]

小川 [説明をありがとうございます。tDiary上でエラーが表示されるわけではなく、リンク先のURLがおかしいという話なので..]

ROVER [どうもありがとうございます。ISBN-10で表記するように変更したら、amazon側の正しいページにリンクされること..]


2020-07-06 [長年日記] この日を編集

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

ちょっぴり新番組も。「天晴爛漫!」「円炎ノ消防隊」「ド級編隊エグゼロス」「仮面ライダーゼロワン」「魔進戦隊キラメイジャー」まで。コロナの影響で再放送が増えた分、見るものが減って逆にありがたい。

「天晴爛漫!」、なんだか少し前にPVだかなんだかを見たような憶えがあるけど、「スチーム・ボール・ランだなあ」みたいなこと思ったけど、うん、ちゃんと見てもそうだった(w。「炎々…」はまあいつも通り。しょっぱな故かギャグ多めだったね。「ド級…」は、えーと、見なくても良いかな。

「ゼロワン」、まさか副社長に泣かされるとは(w。そうだよね、いろんなしがらみはあってもちゃんと大人で、大人はここぞというところで若者の背を押してくれるんだよね。そして今回も天津社長はボコボコに(^^;。「キラメイジャー」、もう6人目が登場か。今頃気がついたけど声優さん、杉田中村コンビ共演なのな(w。

[Day][逸級介護士] いろいろ

割と平穏。昼呑みの量が増えた。日曜日はついに晩飯後に寝落ちするという( ̄▽ ̄;)。あらゆるパンツ類がキツキツになってきたので、ちょっと控えないといけないな。

そんな酔いの残った状態でホームセンターまで出かけたりして。クリップ式の小型の扇風機が壊れちゃったので、暑くてたまらんのでね。先代は2500円ぐらいで4年ぐらい頑張ってくれたんで、今回もそれぐらいは保ってくださいね。

カミさんは相変わらず。やや食欲は出たかもわからない。コンビニのホットドッグとかナンとかは割と完食できるんで、多少強めの味付けの方が良いのかしら。塩分やらカリウムやらも気になるけど、太る方が先決なんだから、食える物は食わせた方が良いのかもわからんな。

[News] 都知事選

他所のお話なんですけども。TLとか眺めてて、「小池が再選されたら何も変わらんけど、それ以外が知事になったら何が起きるか判ったもんじゃ無い」って意見を見たけど、まずはこれが妥当なところだな、とは思った。ま、都民の皆様に同情はしますよ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚 [せめて、小池候補の得票率が50%切ってくれんかな、と思ったんですがねぇ。 とにかく今回はドクター中松みたいな「この..]

ROVER [お疲れ様です、というかまあ、こちらはこちらで隣県に厄介な連中がわらわら湧いてるんですけどね(^^;。]


2020-07-07 [長年日記] この日を編集

[Books] 七人のイヴ

七人のイヴ 上(ニール・スティーヴンスン/著 日暮雅通/翻訳) 七人のイヴ 下(ニール・スティーヴンスン/著 日暮雅通/翻訳) ニール・スティーヴンスン 著/日暮雅通 訳
カバーイラスト 梅野隆児 (umegrafix)
カバーデザイン 日高裕也
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012278-2 \1460(税別)
ISBN978-4-15-012279-9 \1460(税別)

何とも言えんニーヴン&パーネル感

ある日月が7つに分裂した。後に<エージェント>と呼ばれる何かの力の作用が引き起こした事態だったが、分裂した月はそれぞれの軌道を維持し、直ちに地球への落下、という災厄は免れた。しかし、分裂し、それぞれの軌道を描く月の破片達はいつしか衝突軌道を描き、いつかはそれらが衝突し、無数の破片が地球に降り注ぐことが判明する。その数は少なく見積もって1兆。<ハード・レイン>と名付けられた現象が発生するまでわずか1年から3年。しかもその現象は少なくとも5000年は続くという…

で、この危機を回避するため、小惑星アマルテアをベースに建造された国際宇宙ステーションを核に、選抜された人間と様々な動植物の遺伝子情報、その時点での科学技術情報などをプールし、人類の存続を図るのだが、とお話が続いていく。

単行本は3部構成の全3冊だったものが文庫版は上下巻の2冊での刊行。なかなかの分厚さで読むのも大変(いろんな意味で)。先に書いたとおり、突然のっぴきならない状況に陥った地球人がどのようにこの危機を乗り切っていくか、ってお話が展開するのが第1部、いざ<ハード・レイン>がはじまった時に地球と宇宙で何が起きるのか、を描写するのが第2部、そして第3部はびっくりすることにそれから5000年後。人類は地球軌道上に構築した巨大なコロニーで新たな文明形態を構築し、地球上も<ハード・レイン>が収まり、新たな自然が形成されていて、と。

「七人のイヴ」というタイトルと月が7つに分裂する、というツカミから、7つに分かれた月が舞台になるのかな、と思ったんだけどそう言うものではなく、本当に七人のイヴ、という存在が話の中盤のキーになるのだね。どういう七人なのかとか、説明するとネタバレになっちゃうんでアレですが、ここを説明しないといろいろ話が通じないというジレンマ(^^;。まあ「イヴ」なんだからそういう存在だった、ってことで。「アダム」はどうすんだ? って部分は、そこは読んでのお楽しみ(w。

何となく想像できますよね? で、一度はほぼ滅亡した地球(人類のみにとどまらず)が再び再興したところで何が起きるのか、っていう第3部が書きたいがために、ものすごい分量の1部、2部があったんだなって気はしてる。とにかく説明せずにはいられない性格なのか、あらゆる物事にいちいち解説がつくが故のこの長さなんだろう。そこを読んでいくのは結構苦行に近い。特に2部の中盤と3部の前半はそう。ここを少し端折ってくれたらもう少しスピード感のある本になったのではないか。3部の終盤いろんな物事が良い感じにつながっていくところは結構面白いんだ。端役だと思ってたイヴの一人の恋人のとある人物までもが5000年先にもそれなりの意味を持ってました、なんてあたりは(力業かもだけど)相当感心しましたよ。

「悪魔のハンマー」ではじまってちょっとパーネルのミリタリSF風味を加味しつつ、最後は「リングワールド」で締めるという力業。その構成は悪くないと思うんだけど、全体に過剰な説明が読んでいく上での結構な邪魔になってしまったような。第2部と第3部の間にブリッジになるエピソードを一つ挟んで、あと全体に(技術的な部分とかの)無くても良いところをカットしていったら、もっとさくさく楽しく読める本になったんじゃないだろうか。力作だとは思うんですけどね。

★★★☆


2020-07-10 [長年日記] この日を編集

[逸級介護士] 定期診察

前回CT撮ってもらったこともあって、いつもの二月じゃなく一月空けての検診。なぜか今日は採血コーナーがえらい混みようで、出だしで躓いた感がちょっぴり。お医者様のお話では、とにかくカルシウムが高めなのと手のしびれ、あと声が出てないところが気になる、と。本来の病であるところの腎炎はそれなりに抑えられているので、もしかしたら別の病気があるんじゃないかと。で、来週一度耳鼻咽喉科を受けてはどうか? って話で。カミさんも別にいやがる様子もなかったのでそのような予定で。本来の内科の検診はそこから一ヶ月先になるけど、耳鼻科を受けた時に採血だけはしといてくれ、ですって。2回に分けての採血だそうなのと、耳鼻科は予約できないらしいので、来週も時間かかりそうだな。結局今日は病院あとにしたのが14:00過ぎ。半日仕事だ。

[Anime] 夏新番

それほど多くはないんですが、「放課後ていぼう日誌」「デカダンス」「GREAT PRETENDER」、あとなぜかJ-COM TVで「青春ブタ野郎…」をやってくれてるんでそれも。「放課後…」、コロナ禍の影響でいったん休止状態だったものの再出発。第1話からやってくれるのね。それは良いけど原作者の方が九州にお住まいで、昨今の豪雨で執筆ができなくなってしまったんだとか。アニメにどのくらい影響が出るのか判らんけど、大変ですね。

「デカダンス」、タイトルからして刑事物なのかと思ってたら全然違くて、むしろこれはジャパニメーション的「移動都市」なんですね。ただスケール的には「空挺ドラゴンズ」あたりかなあって気もしなくはないですが。

ノイタミナ枠の「GREAT…」はいかにもノイタミナ、って感じ。脚本古沢良太って時点でちょっと身構えちゃいますな(^^;。ま、お手並み拝見、ですかね。


2020-07-12 [長年日記] この日を編集

[Anime] 定期視聴番組

「ノー・ガンズ・ライフ」「天晴爛漫」「彼女お借りします」「炎々ノ消防隊」「ソードアート・オンライン WOUW」「宇崎ちゃんは遊びたい」あたりまで。

「ノー・ガンズ…」、えと、前がどう終わったのかさっぱり憶えてない(^^;。「天晴…」は良い感じ。「彼女…」はまだ良くわからん。「炎々…」は楽しいですね。「SAO」、そりゃいつものメンバーが続々救援に来てくれたら、上がらんわけがないよね(w。いろんな意味で話題になってた「宇崎ちゃん」ですけど、ま、普通じゃないっすか(^^;。

[Books] ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ(小川一水/著) 小川一水 著
カバーイラスト 望月けい
カバーデザイン BALCOLONY.
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031421-7 \760(税別)

てぃー、てぃー、てぃーは天然のてぃー♪

人類が地球をあとにしてから数千年後、様々な星系に移住して、その星系ごとにさまざまな生活パターンを確立している人類。そのうちのひとつ、巨大ガス惑星、FBBことファット・ビーチ・ボールを生息圏とする人類にとって、彼らの生計の手段となるものはFBBの中を回遊する"魚"から採れる焦粉(ベイク)。そのために彼らは巨大な礎柱船(ピラーボート)を駆ってガス惑星に棲む魚を捕っている。礎柱船のクルーは航宙士であるツイスタと、船形や漁網を自在に操るデコンプのコンビ。そしてツイスタとデコンプは男女の夫婦でなければならない。だがやや妄想が過ぎてデコンプの仕事もユニークに過ぎるあまり、ツイスタに恵まれないでいるテラだったが…。

そんなテラの元に現れたのは、小柄で強気な、自らの氏族を飛び出した少女、ダイオード。彼女は女性でありながらツイスタの技量を収めていて、自分とペアを組んでくれるデコンプを求めていて、そんな彼女が注目したのがきわめてユニークな才能を持ったテラだった、と。で、氏族の伝統を一切無視して女性同士のペアを組んで漁に出る二人は、それまでの伝統を覆す漁果をあげるのだが、当然のごとく旧態依然な氏族の覚えはめでたくなく、さらにダイオードの氏族離脱にもいろんな事情があって、そこでいろいろすったもんだが待ち構えていて、って流れが待っている。

本書は先にJAで刊行された百合SFアンソロジーに収録された短編を長編化したもの。そちらは未読なので良くわからんのですが、実は本書、百合SFの要素はさほど濃くはない。まあ思い出したように百合も来ることは来るんだけど、それ以上に濃厚なのはラノベ側に軸足を置いたまま、それなりにハードSFの風味を振ったお話、という印象を持った。自分的にはいかにもな(ラノベ的な)セリフ回しとかで違和感を持つんだけど、考えてみたら小川一水さんってラノベからキャリアスタートした人なんだから、こっち方面も無理なく導入できるよなあ、なんて納得したりして(^^;。

著者の作品、全部読んでいるわけじゃないんだけど、これはそうだな、「臨機巧緻のディープ・ブルー」あたりに近い作品、と言えるんじゃないだろうか。天然な主人公、その対極的(だけど事情がある)相方、と言うメインキャラの配置にそこそこわかりやすいハードSF風味をちりばめてきて、という感じ。「百合」で身構えてしまうとちょっと損するかも。そこはそれほど濃くないので、気軽に楽しめるんじゃないかと。

個人的にはもうちょっぴり重くても良いんじゃないかと思いましたけど、これはこれで良かったです。女性カップル版「The かぼちゃワイン」だなあ、なんて思いました(w。

★★★


2020-07-13 [長年日記] この日を編集

[SpFX] 定期視聴番組(ニチアサ)

「ゼロワン」と「キラメイジャー」。「ゼロワン」、今週も天津社長はボコボコだ(w。ただ、彼もまた飛電を愛する一人で、だからこそ芸人志望で開発も経営もずぶの素人の高校生(だっけ?)に、自分の好きな会社を適当に回されてたまるか、って事だった、と。飛電はヒューマギアの前にドッグギアなんてものを造っていたのだね。子供の頃、彼の大事な相棒がそのドッグギアで、名前がサウザーでした、ってことで。いろいろあって彼もアルト君側についたようだけど、この先ずっと仲間になってくれるのか、どこかでまた袂を分かつのか、さて。とりあえずこれで疾風迅雷とアタマ数は揃ったってことか。

「キラメイジャー」はシルバーが正式に仲間になる話。登場する怪人が何とも言えんゴレンジャー感で、思わずコイツはゴレンジャーストームでトドメさして欲しいなあ、なんて思ってたらホントにそれやってくれたんで笑っちゃったぜ。できれば最初に「いいわね、行くわよ!」って言って欲しかったけど(^^;。

それにしてもあれだね、サポートメカにまさかゴミ収集車が採用される日が来ようとは(w。あとあれね、グリーン役のおねいさん、アスリートって設定なんだそうだけど、いかにもそれっぽいお御足が大変魅力的ですね(ぉぃ)。


2020-07-16 [長年日記] この日を編集

[Day] 髪刈った

さすがに鬱陶しくなったのでカミさん透析に送り出したその足で高速神戸まで。別に鈴蘭台でもいいし、なんなら安いところもあるんだけど、何となくいつものところが良いので。さくっと髪刈ってもらってさっぱりして、久しぶりに「おおえす」に。

禁煙にはなるわ、密を避けるために仕切りがあるわ、ソースどぼんもキャベツざくざくも無くなっちゃってるわでなんだか寂しくなっちゃったな。新開地界隈はそれでも「喫煙可」の店はそこそこあるんで、新しい店を開拓してみようかね。

とはいえ「おおえす」の串カツ、旨いんだよなあ…

[Anime] 定期視聴番組

「A.I.C.O. Incarnation」と「デカダンス」。「A.I.C.O.」、なにやら「クロムクロ」っぽいなあと思って見てたんだけど、Wikipediaで調べてみたら、黒部が舞台なのね、それでか(^^;。

「デカダンス」は「移動都市」っぽいなあ、なんて思ってたら実は結構複雑な仕掛けがありました、という。意外と、凝ってる感じっすね。

[Books] 鉄の竜騎兵 新兵選抜試験、開始

鉄の竜騎兵 新兵選抜試験、開始(リチャード・フォックス/著 置田房子/翻訳) リチャード・フォックス 著/置田房子 訳
カバーイラスト 太田垣康男
カバーデザイン 岩郷重力 + H.K
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-012280-5 \900(税別)

普通って言うなー!

謎の異星人ザロスとの闘いは続いている。度重なる闘いの結果地球の人口は20億まで減少していた。いくつかの異星人との連合軍となった地球人類は、最強部隊である装甲機動兵団の活躍によってかろうじて持ちこたえていた。18歳の誕生日を迎えたローランド・ショーは最強部隊たる装甲機動兵団への入隊を希望する。だが入隊受付施設には装甲機動兵の募集ポスターなどは見当たらず……

まーたミリタリSFか、ってなもんですが、ま、てなもんですわ(w。いつものように地球は謎の異星人の攻撃を受け、いつものように敵は圧倒的で、しかし、いつものように地球側にも切り札的存在があり、いつものように主人公は一見頼りなさげなんだけど実は切り札の中の切り札になり得るポテンシャルがあって、と。で、これまたいつものようにこの手のシリーズものの序盤は新兵もので展開し、最後の方で否応無い実戦が待っている、てお話。

新しい要素があるとしたら、これ、いわゆるパワードスーツものなんだけど、そのパワードスーツが全高5メートルとやや大きめなところぐらいか。ぬえ版機動歩兵ってよりはボトムズ系のウェポン、って感じか。で、このスーツを使いこなすには人体にプラグを移植し、装甲子宮という(エヴァで言うところの)エントリープラグみたいなものに浸かる必要がある、ってあたりかな。

でもねえ、それは単に「仕掛け」でしかないんでね。世界観とか物語とかに何かハッとするようなものがあるわけじゃない。そりゃこれからその辺はぽちぽち掘っていくんだろうけど、それでもまあ出だしとしては相当平板。その分リーダビリティは高くって、読んでる分には退屈しないし、言い方は悪いけど暇つぶしにはもってこい。自分はアニメ作品でしばしば「半笑い案件」って言葉を使うけど、コイツも今のところ、そういうポジションと言えるかな。つまらなくはないですよ。でもまあ、可も無く不可も無し、な一作と言っちゃったら失礼だろうか、失礼だろうな。

ところで帯にある「ドラゴン賞ミリタリイSF部門受賞」、ってのは格としてどんなもんなんだろう…

★★★


2020-07-17 [長年日記] この日を編集

[逸級介護士] 検診だった

今日は採血と耳鼻科の検診。採血の方は普通の採血と、時間をおいてもう一度採血するのかと思ってたんだけどそういうものではなく、「安静採血」という方法で、まず30分間横になっておいて、それから採血する、ってやり方のようで。どういう御利益があるのかは良くわからん。

そのあと耳鼻咽喉科の検診。鼻から内視鏡カメラ突っ込んで、喉の様子を見てもらった(結構しんどそうだった、今日はカミさん厄日だな)んだけど、内科の先生が心配してらっしゃった瘤とか腫瘍とかは見当たらず、そこは安心したんだけど、カメラで見る限り、声帯が完全に閉じなくなっていて、本人が発声したいと思っても余分な空気が混じってしまって音が出づらくなっている、って事らしい。ここ半年ぐらいで体重8Kgくらい減ってるんで、声帯もまた筋肉なんだから、この流れで声帯も衰えてしまった、って事のようです。

んじゃがんばってメシ食って太ったらどうにかなるのかと思ったんだけど、どうもそういうものでもないらしく。手術って手もあるけどそれは本人もいやがっているし、まあとりあえずは様子見、って事ですかね。

とはいえ食ってくれた方が良いとは思うんだけど、コンビニだのファストフードだののハンバーガーやホットドッグなんぞは結構食うんで、本日のリクエストのチキンライス、コンソメ溶いて炊いたご飯をバターをあえて、レッドペッパーなぞ多めに振って、強めの味にして仕上げたんだけど、これはそんなにお気に召さなかったようで(^^;。

幅広く試行錯誤できるほど料理の腕もないんでね、結構厄介ですな。

[Anime] 定期視聴番組(ノイタミナ)

「Great Pretender」「富豪刑事」。ま、ノイタミナですわな(w。「富豪刑事」、春アニメとしてスタートしたものがコロナの影響でいったんペンディングされたものの再スタート。筒井康隆原作のアレなんですね。どっちもなかなか、面白いです。


2020-07-20 [長年日記] この日を編集

[逸級介護士] お掃除魔神、来襲

従姉妹殿ですけどね(^^;。いつものように家のあちこち見てもらい、カミさんの機嫌取りしてもらい、あとは晩飯でいぇーい。今日はスジコン作ってきてくれたんだけど、かなりそこに食指動かされたみたいで、久しぶりに昼間っからビールとスジ肉の煮込みを食べるという。

とにかく今は食べてくれた方が嬉しいんで、もう大目に見ますよ。食いたい時には食えるだけ食いな。

晩飯はチヂミ。そこそこ食ってくれたかな。

[Books] キャプテン・フューチャー最初の事件

キャプテン・フューチャー最初の事件(アレン・スティール/著 中村融/翻訳) アレン・スティール 著/中村融 訳
カバーイラスト 鶴田謙二
カバーデザイン 岩郷重力
創元SF文庫
ISBN978-4-488-63723-1 \1200(税別)

幸福なリブート

太陽系の中で月でただひとつ、«百不思議»に入っている<直線壁>、それは岩盤で造られた巨大な津波に見える構造物。200年にわたる調査の結果、それは百万年以上前にデネブから来た異星人によって作られたものであることが判明する。人類史上きわめて重要な歴史的、科学的な遺跡であることから、<直線壁>は堅牢に保護されたモニュメントとして保存していくことが決定した。そのモニュメントの開幕セレモニーの会場、少しばかり風変わりな観客があった。赤毛の精悍な若者と生粋の月っ子らしい、白子(アルビノ)の男。特に何が、というわけでもないのだが、惑星警察機構の警視、ジョオン・ランドールは彼らに言いしれぬ違和感を…。

もちろんこの二人は後に宇宙全体にキャプテン・フューチャーの名前で雷名を轟かす、カーティス(カート)・ニュートンと彼のチームの一員、アンドロイドのオットーで、というわけですな。で、ハミルトンが描いたフューチャーメン達の、言ってみたら「仕上がった」メンバー感とはちょっと違う、まだそこまでいろんなものが未成熟な状態のキャプテン(カート)と、それに比べればはるかにできあがっているフューチャーメン達の対比がまず面白い。なにせカートは産まれてすぐに両親を殺害され、かろうじて難を逃れた<生きている脳>ことサイモン・ライト、合成アンドロイドのオットー、AI搭載のロボット、グラッグの三人(人?)によって慎重に存在を秘匿されて育った人物。それ故成人となった時点においても、サイモンによる英才教育、オットーとグラッグによる肉体的教練は人類最高峰レベルなんだけど、社会的、対人的な方面の経験は耳と目の学問レベルしかない、という状態。

なので冒頭からカートの行動はどこかぎこちなく、なんというのかな、耳学問優先のそれになっていて、そこから生まれる何とも言えん気まずさが序盤の魅力になっていると思う。ちなみにこの耳学問から来るカートのちょっとズレたアクションの被害者が、おおむねジョオン、ってあたりはお気の毒というかなんというか(^^;。だから序盤は(元シリーズを知ってる人ほど)結構戸惑うと思うんだ。カートって二言目には「殺す」なんて言うキャラだったっけ、なんてね。

なんだけどそんなカートが、少しずつだけど世界を知り、自分が為すべきことに向き合っていく描写が、押しつけがましくなく差し込まれていくあたりはとても良いと思った。劇的に成長する、ってのではないんだよね。それでも終盤、自分がやるべきことが何なのか、に到達する流れは相当感動できる。自分はラストでちょっとうるっと来ましたよ(w

その上で原作をリスペクトしつつ、その後の科学やSF界のアップデートを上手に取り入れてきてるのはとても上手い。なにせ原作のスタートは1940年代、最先端技術でもV-2号だものね。そこは上手に新しいネタを取り込みながら、言い方はちょっと悪いかも知れんけど、スマートに辻褄を合わせてきているな、と感じた。元シリーズや本シリーズ以降のSFシーンへのリスペクトも無理なく盛り込まれているのはなかなか。その上でまだ「できあがっていない」SF界屈指のスーパーヒーローの姿を堪能できたのはとても良い経験でした。もう一歩進歩したキャプテンの姿、見てみたいですね。

一点だけ文句(って程でもないんだけど)。このタイプのオーソドックスなスペース・オペラのカバーイラストに鶴田謙二さんを起用するのは控えてくれないかな。鶴田さんの絵は大好きだけど、これはちょっと、「違う」んだよなあ…。

★★★★


2020-07-22 [長年日記] この日を編集

[News] 訃報

ノストラダムスの大予言 : 迫りくる1999年7の月,人類滅亡の日(五島勉/著 倉田英乃介/著)ライター 五島勉さん (asahi.com)。「ノストラダムスの大予言」の人ですけど自分は本書の刊行前に週刊少年マガジン誌の毎回1テーマを取り上げた特集企画(名前が思い出せない。時々面白い企画があったんだけど。『お奨めの自殺方法』みたいなね。ちなみにそのときのお奨めは『凍死』でしたw)があるんだけど、そこで「世界の大予言者」みたいな記事があって、そこでノストラダムスの予言的中率は90%以上、みたいな記述があって「ほえー」と思っていたんで、その後本書を読んで「ほえー、ほえー」と思ったものでした。

今からは想像できないかも知れないけど、1970年代前半というのは一方で米ソ冷戦、もう一方でいわゆる四大公害の件などがあって、「もしかしたら地球って保たないんじゃないか」的な風潮は割と世間に通底した意識だったりしたんだよね。学研の「○年の科学」誌でも公害関連の記事があって、このまま現状の公害などが改善されなければ、人類の余命はあと30年、なんて記事があったりして、数字的にこの値がおおむね西暦2000年前後に合致してたりもしたので、当時の青二才は結構本気で恐れおののいたものだったんだよね。今となっては笑い話ですけど(w。

多分ご本人の予想を超えた大ヒットになっちゃったのだろうね。うちにも一冊ありますが、奥付見ると26版。驚くべきことに昭和48年11月に初版発行、で昭和48年12月にこの26版が刊行されている。勢いがすごかったんでしょうね。なんというか、今となってはオモシロ案件なんだけど、それでも田舎の一少年の心胆を寒からしめた一瞬もあったってことで、良い経験させてもらえましたよ。そこには感謝を。どうか安らかに

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

順不同で「天晴爛漫」「放課後ていぼう日誌」「円炎ノ消防隊」「SAO」「ゼロワン」「キラメイジャー」「ノイエ銀英伝」「A.I.C.O」あたりまでかな。抜けがあるかもわからん。「SAO」、スリーピング・ナイツまで参戦するのか。そりゃあ上がるわ。どうでもいいけどアメリカからの参戦組、一人もSAOサバイバーを連想できないものなのかね(^^;。

「ゼロワン」、CFでゼロツーの存在匂わせちゃったらちょっぴり台無し感も…。「キラメイジャー」、マブシーナ姫をちょっと掘り下げるお話になぜか「ダルマさんが転んだ」が絡むという。相変わらずの「ゴレンジャー」風味がなんだか楽しい(w。

「A.I.C.O」、結構面白いと思う。富山SF、って下駄もあるにはあるけど(^^;。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

たじまや [一回り下の世代なので「大予言」関係は既にある常識として受容しちゃってましたが、図書館で借りて読んだ「ツングース恐怖の..]

ROVER [五島さん、ツングースネタも扱っていたのですか。ちょっと調べてみたんですが、なるほどー、と(^^;。「大予言」、自分は..]

たじまや [前半の事実(まあ、一往の)の紹介だけでも興味深かったわけですが、後半の論理の飛躍が凄まじく、そこに特撮やアニメのプロ..]

ROVER [最初に「事実」を固めておいて信用させて、後半で大ネタかます、ってこの手の本の定石ですもんね(w。]


2020-07-27 [長年日記] この日を編集

[逸級介護士] 食欲問題

4連休とかありましたけど、特に何が変わるわけでもなく。ずーっと食が細いなあと思ってたカミさんなんだけど、最近通常の食事時間帯にはあまり腹が減ってなく、それからしばらくして空腹が来る(そしてつまみ食いする)って事なのかもわからんな、って気がしてきた。週3回の透析、10時から14時前までかかるので、その日の昼食はどうしても14時前後になってしまうわけで、この生活パターンが何となく彼女の腹減りタイマーに影響を与えてしまったのではないか、などと。われら(オレと倅)は昼12時、晩19時ぐらいがお食事タイムなんだけど、カミさんに関してはこれを2時間ぐらい後ろにずらした方が食ってくれるんじゃないかと。

どういう風に対応したら良いか、今のところちょっと思いつかないんだけど、こっちの方向も考えてみた方が良いのかな。

[Anime][SpFX] 定期視聴番組

先週分。「放課後ていぼう日誌」「A.I.C.O」「デカダンス」「Great Pritender」「富豪刑事」「ノー・ガンズ・ライフ」「天晴爛漫」「とある…」「SAO」「宇崎ちゃんは遊びたい」、あと「ゼロワン」「キラメイジャー」。多いねえ(^^;。

どの辺から行こうかな、「デカダンス」あたりか。先週はさくっと流したけどこれ、かなり面白いことやっておるね。一話目では単に「移動都市」的お話かと思ってたら二話目で急転直下、これ、まだまだ仕掛けがありそうだけどとりあえず、デカダンスが存在している世界自体が巨大なVR環境で、そこで暮らす人々は一種のゲームキャラで、真の存在は非常にデフォルメされたサイボーグ、と呼ばれる存在として暮らしている、んだけどヒロインのナツメはサイボーグとしての身体を持たなくて…みたいな解釈で良いのかな? ちょっと変わった味わいがありますね。あとはええと、「とある…」、新シリーズスタート。「SAO」、キリトさんまだ起きない(w

「ゼロワン」、新フォーム、仮面ライダーゼロツー登場。うん、これは良いね。最近のライダーはヴァージョンアップするたびに過剰装飾が加速する感があってちょっと嫌だったんだけど、今回はシンプルでとても良い。ゼロツーになる過程が少々のみ込み辛くって、2度ほど見直してしまいましたが(w。ゼア破壊→ゼア復活(ゼア≒イズだった)→ゼアが健在な以上アークの意志は消えない、というホンの流れはなかなか、手際が良かったような気がする。あとは大団円に向けて一直線ね。

[Books] 追想の探偵

追想の探偵(月村了衛/著) 月村了衛 著
カバーイラスト 最上さちこ
カバーデザイン 泉沢光雄
双葉文庫
ISBN978-4-575-52350-8 \680(税別)

静謐なサスペンス

(おそらく)小規模な出版社である黎砦社から不定期刊行される雑誌、「特撮旬報」の編集長、神部実花。編集長とはいえ小規模な編集体制ゆえ、自分以外はアルバイトと外部のライターでかろうじてまわしている雑誌だったが、特撮ファンや業界関係者からは一定の評価を得ている。その秘密は実花の「人捜し」の能力。かつて主にテレビ特撮シリーズで活躍し、今は消息不明状態のスタッフ、役者を探し出し、そのコメントを取ってくる能力が極めて高かったのだ。そんな実花に次々と降りかかる無理難題……

「宇宙船」などの専門誌で、ちょくちょく取り上げられる懐かし特撮ネタ。されどその記事を書き上げるには大変な労力が必要、というお話が6編。各話ごとに書いていこうかと思ったんだけど、実のところどのお話も、伝説的な映画人を、猛烈に苦労して探し出す、ってパターンに変わりはないのでね(^^;。そこを繰り返しても仕方がないので、まあ順番に追いかけていくと…。

「日常のハードボイルド」では特技、特に機械方面の技術で国際的にも評価が高かったのに突然姿を消した男がターゲット。まずは実花の仕事がどんなものなのか、まわりからは不可能と思われている人捜しを、どんな手順で実行するか、ってところを説明しながらお話が進んでいく。続く「封印作品の秘密」はこれはもう特オタの大好物、傑作と噂されていながら封印されてしまった作品の秘密に迫る。「すわ、12話的な何かかっ!?」などと思うと肩すかしを食らうよ(w。もっとこう、やんわりと、しみじみしたお話。

三作目「帰ってきた死者」は天才イラストレイターと知られていたのに突如失踪してしまった男。彼の消息をたどる先に待っていたのはその人物の訃報。だがその事実、誰が発端になっているのかを追っていく実花だが、ニュースの原点にはいっかな辿り着けず…、やがて意外な真相が、というお話。かすかにホラー感をたたえた、ちょっと変わった作品かも。四作目「真贋鑑定人」はタイトル通り、旧作のプロップの真贋を見極めるお話。かつて実際の制作にもかかわっていた一人の人物。実花も絶対的な信頼を置く彼が長らく秘めていたものとは、みたいな。

五作目「長い友情」、死期の近い監督がそのキャリアの初期に一目惚れしたモブの外国人女性。撮影の現場で預かった彼女の腕時計をどうにかして彼女に返して欲しいと頼まれるのだが…。いつものようにさんざん苦労しつつも、どうやら彼女を知る人物を捜し当てた実花だったが、微妙に違和感があって、と。最終作「最後の一人」はこれまでどの媒体でも公開されたことのない一枚の写真。掲載できれば大きな話題を呼ぶことは間違いない。そのためにはこの写真に写っている11人から掲載許可を取らなければならないわけだが、どう考えても映画関係者とは思えない一人の少年の姿が。彼はいったい…。

という感じで。前にも書いてるけどやってること自体はどれも同じなんだけれど、そこにほんのりとミステリの要素と人情話が降りかかり、しっとりとした読後感が残る作品集。良い意味で言うのですが、きわめて過不足ない短編集。楽しみましたよ。

★★★☆


2020-07-31 [長年日記] この日を編集

[Day] 7月も終わりだとう?

気がついたら夏まっさかりだよ。世の中は相変わらずのコロナでもやもや。いろいろ経済まわそうとすると感染者も増えて、それじゃあどうしたら良いのかと。

注意しつつなるべく普通に、って事なんだろうけどそれが難しいんだよねえ。自分は今、カミさんの面倒を見る必要もあってほいほい出かけること自体が不可能なんで、逆にパーソナルロックダウンができてる状態なんで逆に割と安心なんだけど、そうじゃ無い人も多いだろうし、そもそも週五日街に出ている倅はどうなのか、なんてことにもなるし(^^;。

なかなか、すっきりしないですね。

[Anime] 定期視聴番組

週前半。「ノイエ銀英伝」「放課後ていぼう日誌」「A.I.C.O」「デカダンス」「Great Pritender」「富豪刑事」まで。ノイタミナは詐欺師と刑事の二本立てなんだね(w。楽しく見ておりますよ。

[Books] 星系出雲の兵站 -遠征- 4

星系出雲の兵站―遠征― 4(林譲治/著) 林譲治 著
カバーイラスト Rey.Hori
カバーデザイン 岩郷重力+Y.S
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031432-3 \840(税別)

ハードSF側に寄ってきた

敷島星系、惑星桜花の衛星美和。その海洋に潜むゴート文明の潜水艦の調査に向かう捜索チーム。いくつか採取できたサンプルは直ちに分析にまわされ、そこからは意外な事実が続々と明らかになる、一方宇宙空間では単艦行動中の警備艦がガイナス艦と遭遇していた。さらにガイナスとのコンタクトを試みる烏丸少将は、五賢帝を名乗るガイナスの代表知性達の態度に、なにか違和感を抱きはじめていた…

タイトルの「兵站」部分はどんどん少なくなっていき、代わってストーリーの大部分を占めるのはそうだな、数千年オーダーの進化と知性の関係性への考察、とでも言ったら良いだろうか。数千年前、地球を発した播種船はどこを目指し、どのような航海をしていたのか、一方のガイナス側はどのような進化をたどり、何用あって地球人のクローンからガイナス兵士を造り、さらにはなぜ、ガイナス兵士がありながらそれとは別のゴート文明を造ったのか、等々。非常に広範にちりばめられる異星文明の手がかり達から、少しずつ全く異なる異星文明のありようみたいなもののパズルのピースが、嵌まっていくあたりが本書の面白さと言えるんじゃないかな。これはつまり正真正銘のハードSFなのだよね。

林譲治さんと言えばいわゆる架空戦記物の作品も多く、自分も最初はそちら側にシフトして、それでもそこは一癖、「兵站」というものに重きを置いたシリーズになるかと思って(実際序盤はそうだったよね)いたんだけど、この方はそれとは別にばりばりのハードSFの著作もある方なわけで、特に「遠征」編になってからはそちらの色がどんどん濃くなってきてるように思う。前巻まではそのあたりのミリタリSFとハードSFの分量と構成の案配がややごちゃっとした感もあってやや面食らったんだけど、この巻ではそこは完全に、これはハードSFですよー、と宣言して書いていると思えて逆にグッと引き込まれて読むことができた。

その上でかすかに残っているミリタリSF風味側で、戦況の推移を追うことで経過していく物語の時間が、終盤に来てちょっとした爆弾を落としてくるあたりがなんともはや(w。本書は5月に出た本で、その時点で読んだ人達やハヤカワの公式あたりのTLで「林さんはひどい人」みたいなつぶやきが流れてたんだけど、ここに来てようやくそれが何を意味してたのか理解できたよ。

次巻で完結だそうですが、さてどうなるか。すでにTL上ではまたも「林さんはひどい人」って言われているようですけど(^^;

★★★☆


Google search
www.bumbunker.com
Web
2020年
7月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
最新 追記
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp