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ゴジラvs GODZILLA(スポニチアネックス)。
ゴジラ生誕50周年を飾るシリーズ最終作「ゴジラ FINAL WARS」(監督北村龍平)に、米ハリウッド版の「GODZILLA」が登場することになった。地球征服をもくろむX星人の刺客「ジラ(ZILLA)」という設定で、豪州・シドニーに出現。ゴジラと壮絶なバトルを繰り広げる。
ここは笑うとこ、ですかね。なんでも「日本の技術で勝負して、CGモンスターの象徴であるGODZILLAを圧倒したい」と、着ぐるみのゴジラに対しジラはすべてCGで製作
、だそうで、ふうむ、そこだけはひねたファンから拍手が飛ぶかもわからんねえ。
本日のお買い物。岡部いさく(あ、こっちは『ださく』じゃないんだ)「世界の駄っ作機 番外編 蛇の目の花園」(ISBN4-499-22853-0)。全編これ蛇の目(色味の違うのも混じってるけど)、みんなも知ってるあの機体から、オレ(もまあ強力な蛇の目マニヤってほどじゃあねえですけど)も「ナンディスカー?」な代物(ブラックバーン「ブラックバーン」なんて機体があるなんて、今まで知らなかったよ。そりゃ英国機の伝統に従って、メーカー名と機体名、ちゃんと韻は踏んでるけどさあ…)まで、困った機体が続々登場。堪らんのう、うひょひょひょ。例のTSR.2登場に至るまでの、各社、なかんずく英国航空界の(いつも通りの)無定見ぶりが見えてくるおかしな機体オンパレードぶりなんかは、「ストラトス4」ファンのあなたにも有用な資料になってくれるかも(嘘)。楽しいわあ。これだから蛇の目ファンはやめられん。
さてさて最近は、洋の東西を問わず、1/144スケールにすばらしく出来の良いキットが増えてきてて、住宅事情の苦しいオジサンなんかとても助かってるんだけど、やはりこの分野で先頭を行ってるのはSWEETだよなあ、って思ってたところにやってきたのがこれ。プラッツの1/144 P-51Dマスタング。プラッツといえば以前、TDF仕様のC-46、なんぞという酔狂なキットを出してオジサンをムフフといわせてくれたメーカーなんだけど、今回のこいつは本格的なインジェクションキット。二機分のパーツにカルトグラフ製デカールは五機分のてんこ盛りでお値段1000円、ってあたりも先発のSWEETを意識した商品構成になっている、といえますか。
そのスーパーディティールぶりもSWEETに一歩もひけを取ってなくて、おっそろしいことにこのキット、1/144のくせにしっかり層流翼を再現してたりする(翼に触ってみると、微妙にふくらみを持った形状になってたりする)。デカールにロビン・オールズ少佐*1の機体が含まれてたりするあたりもマニアックちゅうかなんちゅうか。こんなもんが1000円で手に入っちゃうんやねえ。ええ時代や。
ちなみにプラッツのこのシリーズ、次回作はドーラだそうで、ここまでこのスケールで良いキットに恵まれてない鉤十字の人、良かったね。
*1 この人はベトナム戦争で空軍初のエースとなったことで有名な人
小川一水 著
カバーイラスト 撫荒武吉
カバーデザイン 岩郷重力 + WODER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030809-8 \720(税別)
amazonで購入
手渡されたのは一枚の地図だけだった。水場の印と餌場の印だけが記された、取るに足らない地図。だがそれこそが、この迷宮で生きていく上で何よりも重要なアイテムだったのだ。政治犯たちが収容され、孤独で過酷な生存のための戦いが繰り広げられる謎の迷宮。そこは発明者の名を取って"ギャルナフカの迷宮"と呼ばれていた…。
小川一水初の中編集。「ギャルナフカの迷宮」、「老ヴォールの惑星」他、全4作品を収録。
小川一水というと自動的に「またガテンSFなのかな?」なんて勝手に思いこんでしまうのだけれど、今回の作品集はガテン風味は薄めで、そのかわりになんというのかな、懐かしいSFを読んでいる気分を満喫させてもらった。まずは各作品の短い感想を。
というわけで、古くさい、などとは決して思わないのだけれども、何かこう、どこかに少々青臭い懐かしさのようなものを感じて、何よりそこが好印象。というかどういう訳だか最近のJA、こういう読後感を持つことが多い気がするのはどうしたことだろう。小林泰三しかり、飛浩隆、しかり。青二才だったワタシがSFを読み始めた頃のSFの雰囲気というか、んーなんだろ、塩加減みたいなもの? それを最近のJAでちょくちょく味あわせてもらっているような気がする。ワタシが日本SF、でイメージするモノって、おおむね1980年代以前のSF、って事になる(言っちゃいますよ、火浦功とか大場惑とか野阿梓(は、それほど嫌いでもないな)とか東野司とか大原まり子とか水見稜とか岬兄悟とかが出てくる以前の日本SF、です)のだけど、そのころのSFが持っていたテイストみたいなモノを、なぜか最近の日本製SFからはしばしば感じることがあるのだけれど、これはどういうんだろう。80年代のおかしなSFバブルで酔っ払ったSF者たちがここに来て正気に返ったと言うことなのかしら。だったらワタシは大歓迎なんですけど、実際のところはどうなんだろう。いずれにせよ日本SFって、いまだに独自のスタイルが見いだせていないってことの証左、なのかもわからんなあ。
ま、そこらも含め、いろんな意味で小川一水の今後には期待したいと思ってます、ええ。そんな期待感を裏切らない一冊ではありました。
(★★★☆)
大野万紀氏が作者には邪悪さが足りませんと書いてらっしゃった。確かになあ。ま、大野氏自身も認めてらっしゃる様に、それが小川一水の魅力なんだろうけどさ。
「ウルトラマンマックス」、「種デス」、「ツバサ・クロニクル」。「マックス」(#9:「龍の恋人」伝説怪龍ナツノメリュウ登場)はまあ、納涼夏祭りテイスト、もしかして「ノンマルトの使者」もちょっと踏まえてみました、なエピソード?。ナツノメリュウがここまでどないに苦しい思いをしていたのか、ってあたりの描き込みが少々甘いと思えたのと、肝心の竜の使いの女の子に、微妙に魅力が足りなかったのが惜しかったかな。イモっぽいのだがどこかでハッとする、ような少女を求めるところなのだが、最後までイモっぽかったのがちょっと。私の好みの問題なのかも知れないけど、もちっと首の細い女の子を使って欲しかった。
デス様は、この暗黒スタッフなら今週でレイの策略喰らってルナマリアもレクイエムと差し違えで死亡、をちょっぴり期待してたんだけどさすがにそこまでは行かなかったか。まあこんなモンだろうと思うけど、ジブリールさんはかなり頭悪いキャラに見えてしまうね。
「ああっ女神さまっ それぞれの翼」、「RAY the animation」、「xxxHOLIC」、「アストロ球団」(な、なんだってー)、「轟轟戦隊ボウケンジャー」、「仮面ライダーカブト」、「ふたりはプリキュアSS」。いやあ、「アストロ球団」、やってるんなら教えてくれなくちゃ。今日は「第4球(後編)」と「第5球(前編)」。ロッテ戦の決着がつき、その中で球二が二代目を襲名して球一がスカイラブ投法を開発するあたり。とにかくもう全編に漂う貧乏ッぷりがステキ(^^;)。多分前もって説明してるんだろうけど、観客ゼロの球場でロッテ戦やってるんだもんなあ。球一や球三郎が特訓するのも中学の野球部の部室みたいなとこだし。
どーせ貧乏なんだから好きにやるもんねーって感じが全編にみなぎっててオジサン嬉しくなっちゃいました。球一がボール投げたあとに、外野から球七、球八が球一の元に走ってきて盾になり、あまつさえ「お、おまえら……」「オレ達は死ぬまで一緒ダッ!」などとクサいやりとりがあり、そのあとボールが打者の元に届く、なぁんて展開を平気でやっちゃうスタッフさん役者さん、大好きです。石丸謙二郎のカネやん、ハマりすぎ(w。
原作が描かれた頃を時代背景にしてるんで、巨人軍の本拠地はしっかり後楽園だったり、ビクトリー球団のプロモ映像がムービーフィルムで届けられたりと、妙なところに気を配ってるあたりも結構好きだったりして。来週も忘れずに録画しなくちゃ。さて「ボウケンジャー」(Task.26 ガラスの靴)はサクラ姐さんキター、なお話。
いやいやいや、なかなか凝ったお話でかつ、サクラ姐さんのハスキーボイスとかナマ足とか、あちこちがそこはかとなくエロい。やりますな。どんなときにも「あたっく!」な継母チーフにもわろた。ただまあなんだな、男の子の視聴者の方が多いであろうこの時間帯に、女の子の夢、みたいなモチーフを持ってきて大丈夫だったのかな? なんて余計なお世話的に心配はしてみる。最初っから今回は大友向け、とかだったんすかね。
「カブト」(#30)は、料理対決の決着がつく話。伝説の白包丁を手にしながら、それすらも重要ではないとする天道、ってあたりの、定番を好んで外してみせるスジの作り方はいかにもこの脚本家らしい。上手くすればもっとカッコいいお話になったんじゃないかと思うよ、「岬犬!」とか喚いてるヘンな若造に尺使わなければ。
ラ・メーンもそうだけど、そもそも英国の名門の本家筋が、なんでフランス系の言葉遣いを多用すんの?
タイミングモニタ観戦。あとで酒飲みながらCSの録画版も見た。スタート直後の混乱でジャンカルロ、ニック、ラルフ、キミあたりががくんとポジションを落とす。トヨタのどっちかに当てられたらしいタクもピットイン。キミは結局完全には直せず早々にリタイヤ、ニックとラルフもペース上がらない。トップは大きな変動もなくレース続行、つかフェリペ速いじゃないか。フェルナンドを寄せ付けないじゃないか。動きが出たのはヴィタントニオのスピンでセイフティカーが導入された直後。トップを走っていたフェラーリ2台と3位のフェルナンドが続々とピットイン、ここでフェルナンドがミハエルの前に出る。
いったん順位は下げるが、燃料を多めに積んで2度目のピットで逆転、と言う作戦だったみたい。確かにミハエルが(たった一度の)ミスをしなければ、それは可能だったのかもなあ。2度目のピットインでも順位は変らず、モニタで数字を見る限りはそれなりに手に汗も握るけど、映像的には「そりゃ簡単には抜けないよな」と思わせるような展開ではあった。結局最後までトップの順位には変動無く、フェリペ、フェルナンド、ミハエルの順にゴールイン。フェリペおめでとう。16ラップ遅れでコースに復帰したタクも、ええ仕事したんやないですか。まだ当面のライバルとは1秒ぐらい開きがあるけどねえ。
これで残り4戦、ミハエルとフェルナンドのポイント差は12。CS西岡アナいわく「微妙な数字ですね」。ほんとにね。
次はモンツァ。フェラーリの大逆襲は、あるかな?
「ラブ★コン」、「大江戸ロケット」、「ななついろドロップス」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。「ラブ★コン」の王道少女マンガ的すれ違い展開、「大江戸ロケット」のやりたい放題、ともに好き。「大江戸…」は使用楽曲のビッグバンドジャズ風味もとても好きです。
「ダイレンジャー」もそうだったけど、拳法をテーマにすると敵が必ずしも完全な敵にはならない方が面白い、かも知れない造りをした方が良いのかな、てのが「ゲキレンジャー」。リオ様がもともと激獣拳の人だっただけに、そこらの扱いで出来ることがいろいろあるんでしょうな。ゴウ兄さんのお芝居がまだ固いのがちと辛いが、ま、これはこれで。あと、「森の隠者」はオランウータンだろつーのは言わない約束よね。「電王」は夏の花火編。イマジンに取り憑かれる花火職人役にホージー君。こっちも楽しかった。「プリキュア5」も作画がへらへらなのを除けば(そこ重要じゃん、とはいえへらへらなのに局所的にやけにエロい作画が挟まるんで油断できないんですが)、大変楽しい。オレ、時代劇大好きだし(w。
とはいえ今週は「グレンラガン」の22話がとんでもなかったなあ、と。いったい1話ってどんなんだったっけ、と思ってニコ動で1話見に行ったら、「22話から来ました」ってコメントの嵐で笑ってしまったです。
半年以上ご無沙汰だった仕事相手から突然電話が来て、30ページばかりのコーディングをやや急ぎ気味にやってほしいんだけど、大丈夫? って。できるよ、って返事したらさっそくいろいろ資料を送りつけて来て、詳細はあらためて電話で、って事で話をしてる最中に接続ぷっつん。それっきり連絡が来なくなって小一時間、メールが舞い込んで「さっきの話、保留になっちゃいました」だってさ。
それはいい(いや、良くはないな。稼ぎ損ねたんだから)んだけど、送ってくれたこの資料、どうするね? その後音沙汰ないけど、割と部外秘っぽい資料やらこの先どこぞの店頭に貼られるであろうポスターの決定稿とおぼしき.aiファイルとかあるんだけどね。
ま、良きように処理しときますけど、重要書類の扱いは慎重にしような。
先日買い取らせていただいた本の中に、いくつかデイル・ブラウンの本が混じってたんだけどそのうちの一冊、「砂漠の機密空域」(→amazon
usedのみ)、原題はそのものズバリ"Dreamland"。
ハイテク軍事サスペンスが好きな人ならおなじみ"ドリームランド"ものの一作なんだけど、こっちのドリームランドにはネズミもクマもアヒルも出てこなくて、その替わりに棲んでいるのはハイテク技術の限りを尽くした様々な航空機。その代表格が最新の電子機器と新兵器を満載し、新素材をふんだんに投入して改造されたB-52、メガフォートレス。
そんなメガフォートレスの大活躍を描いたシリーズ第1作、「オールド・ドッグ出撃せよ」はかなり面白かったんだけど、続く「戦闘機チーターの追撃」(この2作はハヤカワNV)で、いったんドリームランドは主要なメンバーが左遷の憂き目にあってしまう。続編で起きる事件の原因が、最高機密を扱う基地であったドリームランドが、KGBの工作員の潜入を許してしまったからだったわけなんだけど、その後も旧ドリームランドのメンバーは相変わらず、なんだかんだとメガフォートレスをかっ飛ばして世界の危機を潰していく。こちらの活躍は二見文庫の方でいくつか出ている(オレ感想 →台湾侵攻、韓国軍北浸、「影」の爆撃機)んだけど、で、まあ全体として質は着々と劣化傾向にあったのも確かだったりするんだが。それとは別に旧シリーズの主要メンバーが抜けちゃったドリームランドがどうなってるのか、ってのを描くシリーズが別にあるということを今回初めて知りました。
って事でそちらの一作目がこの本になるんだけど、なにせ身内にスパイがいたことが分って優秀なメンバーが大量に仕分けられちゃった上に、予算削減の憂き目もあって新しく基地司令として赴任してきたバスチャン中佐の苦労は絶えない。その上部下には優秀ながらも自分が完全には結婚を認めたわけではない娘がいるわ、娘の旦那は事故で車椅子生活、とまあセコい方向で苦労の絶えないお話が前半、後半は悪いイスラム陣営の陰謀の芽を摘もうと画策したアメリカのいつもの余計なお世話にちょっとした手違いが生じ、敵の手に落ちた捕虜を救出するためにドリームランドの面々が大活躍、という構成になっている。少しばかりハイテク礼賛よりも人間ドラマの部分に筆を割こうとはしているのかな。一応挫折からの再起、という冒険小説の基本テーマはちゃんとある。基本的には手馴れたもので、楽しく読んでいけるんだけど、どうもこの人はちょいちょい人種というか人道というか、そっち方面に無神経になるところがあって、そこはどうなんだろうなあと。本書でも「ソマリアといえば捕虜引きずり出してリンチで殺すでおなじみの国だからな」みたいなことを登場人物に言わせちゃってるし。こういうの見ると、アメリカ人って案外本気で「ブラックホーク・ダウン」をヒロイックで感動的なお話と思って受け取ってるのかもなあ、と思ってしまったことでした。
あと、ハヤカワの旧シリーズ、旧シリーズのキャラが活躍する二見文庫のシリーズ、それから新メンバーによるドリームランドの本シリーズ、時系列がめっちゃくちゃになってしまってるけど、そこはまあ別の時空のお話って事で、大目にみて上げないといけないんだろうな。
昨日の続き。一応こいつを全部引き受ける根性はない。でも部分的に引き取りたい本はある、ってことで約2割ほどの本に関してはこれこれのお値段で引き取れるのだが、と言うお返事を差し上げたらば、お客さまから「その倍額で全部引き取ってくれんか」と。
お客さま、それではオレが悪徳ボッタクリ業者になってしまいます(^^;
とは言えそこまで言ってくださったら、古本屋的にはやはり、その信頼(してくれたのかなあ)にはどうにかしてお応えしたいとも思ったんで、ようがす、即対応は難しいかもだけども基本全部お引き受けましょう、ってお返事しちゃったです。
ちょっと後悔してないこともない。送料だけで諭吉が二人出ていく勢いなんだよなー。
や、でも心底嬉しい本もあるんだよ、正直店に出したくないと思えるくらいのが1冊、しばらく置いときたいな、が20冊くらいね。
そういうのがあるだけでも、買取りさせていただく価値はあるよね、たぶん。
大森望 編
カバーデザイン 岩郷重力 + Y.S
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011961-4 \1120 (税別)
「SFマガジン」創刊700号を記念して編纂されたアンソロジー。国内作家の作品群を大森望がチョイス。
大森望氏の編集後記にもある通り、ここのところのアンソロジーブーム的な流れもあってか、すでに再録された名作なども結構ある状況下で、さらにアンソロジーを編むというのは結構大変な作業なんだろう。結果オールタイムベスト的なものではなく、いわゆる長老級の作家さんたちに軽く目配せをしつつ、主に若い世代のために、SFマガジンってこういう面白いお話を載せてきた雑誌なんですよ、って方面にやや重きを置いたような方針で作られた本、という印象。それについてはまあ、言いたいこともある。元気が持続してたら最後にその辺についても触れるかも。てことでまずは短い感想を。多分今回はホントに短いと思うよ(^^;。
核戦争で滅亡した地球から命からがら逃げ延びた宇宙ロケットのクルー。彼らがたどり着いた惑星は…
「ソラリスの海」ならぬ「ソラリスの森」的な何か、ってのはすでにネタバレになってしまうんでしょうか。アンソロジーの幕開けを飾るのには最適な、オーソドックスかつ端正な一品。
初期平井和正らしい、スピーディーなハード・ボイルド。今風に言うなら、観察者が世界に過剰に干渉する怖さ、みたいなお話かな。
1971年の海外SF事情を面白おかしく紹介するエッセイの後半のみ(前半は「SFマガジン」700号で読める)。気持ちは分からんでもないがこりゃ反則だろう。
「セクサロイド」。それ以上でもそれ以下でもない。
作家をやっていると、上から下に文字が流れ、下まで来たら次の行に移る、というお話の流れ方に無性に逆らいたくなる時があるんだろうな、なんて思った。タイポグラフィ小説ともちょっと違う、なんていうんだ? レイヤー化、もしくはセグメント化されたお話たちの集合体? それが面白いかどうかはまた別の話。
とある理由で若くして世を去った才媛によるちょっと変わったグルーピー(これも死語か)のお話。鈴木いづみさんの作品、なぜか自分とは接点がなくて、その一点においてとても苦手な作家さんだったりする。で、やっぱ苦手だ(^^;
一種の終末SF的なラブロマンスに、種の保存的なアイデアを被せてきた、みたいな、本書はこのあたりからぐっと現代モードが加速してくる。
書籍化されていない著者のシリーズ、"ジェイク&コーパス"物の第一作。軽い方の神林長平、ですね。
オレ吾妻さん大好きだけど、こういうのは「吾妻ひでお大全集」的なのに入れてください。
このあたりからいわゆるラノベ的匂いも顕著になってくる。いかにもこの人らしい、ラノベテイストとハードSF風味が良い感じにフュージョンした一作かと。
本書中最大のボリュームの海洋冒険SF、クジラ風味。面白かったけど個人的には掴みの部分へのおみやげ的なパートが最後の方に欲しかったかな。
「All You Need Is Kill」がハリウッド映画化された、ある意味旬な作家の、こちらもラノベ的な何かを持ちながら、何よりビジュアル面でのインパクト強めな作品。「キック・アス」とか「エンジェル・ウォーズ」的なものに対する日本軍からの回答、と言えるのかしらね。
自分が一番苦手な作家による、極めてトリッキーな時間SF。当然のように訳が分からんのだが、わからん、で済ますのではなくんじゃもう一回読んでみるか、と思わせる何かがあるのがこの人の魅力ということなのか。有限の記述で抑え込める無限などはせいぜい高が知れている
なんて記述は、SF以外では味わえない「上がる」感じはあるよね。
てことで。いろんな事情はあったと思うんだけど「SFマガジン」700号を記念するアンソロジーとしてはやや、700を半分で切ってその後半に力を入れてみたアンソロジー、という印象は持った。そんな気は無かったと思うんだけど、でもこのアンソロジーに小松左京の名前がないってのはやっぱりおかしいだろうと思うし、伊藤典夫さんのエッセイは楽しいけど、それを載せるのならエッセイってことなら、「SFマガジン」であるなら福島正実さんのエッセイこそ、収録すべきだったのではなかろうかという気もするし。
あえてクセ球を狙った、ということであればそれはそれで大森さんらしいと思うけど、でも策士策に溺れてロートルファンが置いていかれちゃった、的な読後感は無しとしないかも。古い革袋に入れるお酒のチョイス、それでよかったのかな? って気はしないこともない。
★★★
ジョーン・スロンチェフスキ 著/金子浩 訳
創元SF文庫(Kindle 上下合本版)
22世紀初頭、環境の激変で暮らしづらくなり、いくつかの政治形態の変化も起きている地球を離れ、衛星軌道上に点在するスペースハブのひとつ、フロンテラ大学に入学が決まったジェニー。難問山積の地球とは異なり、先端技術に支えられ、適切に管理された学生たちにとってのユートピアに見えたフロンテラだったが、ここもまた、悩みや問題から無縁の世界ではなかった…。
たとえが古くて申し訳ないですが(なんせオッサンですから)、なんとなく「空中都市008」的なステキ未来カタログ的なお話なのかな、などと思って読み始めたんですがそう言うものではなく、や、もちろんそういう未来カタログ的な面白さも充分あるんだけど、そこにすらも何やらちょっと不穏な匂いがしてきてたりするのがちょっと興味深い。軌道エレベータを支える基礎素材になるのが「炭疽菌ケーブル」だったり、エイズウイルスが一種の健康飲料的に利用されていたり、何やら石油タンパク的な匂いのする万能(食べ物から建材にまで合成できる)素材、アミロイドとかね。それ自体は結構なことじゃないかとも思えるけど、同時に何かちょっと不健康というか、危ういものを漂わせている感も同時にするのだった。
この時代の地球は、宇宙から飛来したと思われる植物、ウルトラファイト(ファイトはFightではなくPhyte、ある種の植物の頭に付く単語らしい)によってそれでなくても激変してしまった環境が徐々に犯され続けている世界。ウルトラファイトはストレスが溜まると青酸ガスを吐き出してしまう、という厄介な植物で、地球はつねにウルトラファイトの繁殖を抑えるための戦いを強いられている。それでなくても地球は、南極をめぐる国際動乱をようやく脱して全世界的に復興しようとしている時期だというのに、厄介ごとがひとつ増えることになってしまった、という、厳しい世界になっている。
対するフロンテラの方は、ではウルトラファイトの危険もなく、ただひたすら楽しく学問やスポーツに打ち込める世界になっているか、というとこちらもそうでもなく、読み進めていくと徐々に、こっちにもいろいろ問題があるんだな、というのが見えてくる。そもそも主人公であるジェニー自身、キューバを含めた新生アメリカにおいて、大統領を輩出している家系の娘ではあるけれど、事故で最愛の双生児、ジョーディーを失い、それがきっかけで一種のパニック障害的な症状を内に抱えた人物だし、友人のアヌークは過度なインフォマニア、ジェニーと同室になるメアリは全身義体で、精神的にも不可解な未発達性を残したままの女の子、と、登場人物のほとんどがメンタルなりフィジカルなり、あとはジェンダーがらみなどで何かしらの問題を抱えた人物という設定になっている。
一件ステキ未来に見えた世界にも内憂外患、さまざまな要素が絡み合い、それがやがて大きな事態にエスカレートしていく様は、正直もたつき気味な部分もあるんだけど、それなりに読ませる。そこそこユーモアもちりばめられているし。しばしば退屈しつつも一応興味の持続は途切れず、やがてそれらの状況が、主にウルトラファイトを軸に一本の線に収束していってついに大ネタ炸裂、という後半の流れは正直かなり上がる。「おっほぉ!」とか声が出るくらいには気持ち良い。猛烈に回り道してきたけれど、最終的に「幼年期の終わり」みたいなところに落ちつきたいのかな? と思わせてくれるぐらいのワンダーはある、と思う。ただ、
そこからが長い(^^;。
前述の大ネタ炸裂のあとのパートの大部分をはさみでちょん切って、それを大ネタパートの前に持って来ることは出来なかったのかね? そうしたらもっと気持ちよかったのに、と思えてしまうんだな。なので大ネタ部分で一旦盛り上がったこっちの気持ちは、またそこにたどり着くまでのもたつき感に取って代わられてしまうのだった。
大変盛りだくさんに要素が詰め込まれていて、しかもその要素たちが食い合わずにお話の中に収まってるあたりは上手いと言えるのかもしれないけど、それって単に構成が間延びしててお互いが食い合わない距離に配置されてる、ってだけのことなのかもしれない。お話の作り方があまり上手な人ではない、ってことなのかもしれないな(苦笑)。だけどまあ、嫌いではないです。大ネタのところで★一個オマケかな。
★★★
というわけで上の「軌道学園都市フロンテラ」はKindle Unlimitedで手に入れた本。上下合冊版、通常のKindleだと2400円がUnlimitedだと月額980円の範囲内で手に入るわけだから、この時点で元は取った、と言えないこともない。元を取るために本を読むのか? と言う問題はあるにせよ(^^;。
ただしKindleでの読書には問題もあって、それはこの日記みたいに読後感を書くときに、やたら参照が大変になるってことですかね。読んでるときに気になったところはマークしまくっとけって話かもしれんけど、読んでる最中は気にならんかったところが、感想書いてるときに「あそこ、なんだったっけ」ってなることは結構あるんだよね。で、このときにその「あそこ」を探すのは結構大変、というか無理。
そこはやっぱつらいかなあ。なんか上手い手はあるんだろうか。
土曜深夜、意外とマガジンって一番王道な少年マンガを揃えて来てんのかなあ、なんて事を思った「ボールルームへようこそ」。ジャンプだったら何かしらクセ弾要素混ぜてくるだろうし、サンデーだったらもうちょっと落ちついた感じに持っていきそうな気が、ってのは古い意識なのかな。でもやっぱりラーメン屋で読むにはこれって感じはあるかもね。「賭ケグルイ」、アイドルの顔芸が炸裂する話。「シンフォギア」、なんか戦って、敵の人がまた一人退場。このアニメ、バトルシーンでアテレコの状態で歌をうたうのがウリなんだけど、多分これが自分はあんまり好きじゃ無いんだろうな。それが超絶的な力を生み出す元になる、にしては歌唱(力)が足りてない感じがする(さすがに奈々さまはやれてると思うけど、他のキャストはちょっと…。キャラの声で、って縛りもあるんだろうけど歌うまいはずの彩陽さんでも外してる感がある)んだよなあ。
日曜朝、「キュウレンジャー」はおおむね箸休め回。「エグゼイド」は最終回。ええと、平成ライダー史上でも相当上位にランクインするエピソードじゃないでしょうか。最終回だけなら「W」とか「龍騎」とかと肩を並べられるのでは。シリーズを通して、ってとこでも平成ライダーの中でも結構上の方になるんじゃないかな。「ドライブ」の時も思ったけど、ライダーになる人物に明確な「職業」があって、それをお話の駆動力に出来る、って構造は有利なんだろうな、と思う。特にその職業が直接「人を助ける」って部分にかかると、やっぱヒーローものとしてはいい話が作りやすいんだろうな。次のライダーは職業・科学者だそうですが、さてその辺どうなりますか。
「おんな城主直虎」、家康最大の愚行といわれる堀川城虐殺編。政次に続いて龍雲丸の一党も全滅という恐ろしいエピソード。脚本家容赦ねえな(^^;。予告見るとしれっと方久君は生き残ってるらしいあたりが、また。
朝起きてカミさんの様子を見にいったら、右目がルビーみたいになっとる。どうしたのか聞いてみても本人にも判らん様子。とにかく痛くはないから大丈夫、と本人は言うておるのでそれならとにかく透析にいったついでにお医者に診てもらえよ、と。
帰ってきたカミさんによると一時的に血管に異常が発生したものだけど、時間をおけば治るから特に薬などは必要なかろう、って事らしい。一安心ではありますが、カミさんには悪いけどその赤い目は正直怖いので、早く治って下さいね。
とか書いてる最中に、いきなりこんこんノックの音がするんでなんじゃいなと思ったら、パジャマから平服に着替えたカミさん、「透析遅刻する」ですと、23時に(^^;。
今日はもう透析したし、風呂も入ったし、晩飯も食ったろ、あとは寝るだけだよ、と言ってもなんか納得出来てない様子なのでカーテン開けて見せたら「夜だ…」だってさ。いまから玄関出ても送迎車が来るのは35時間後だよ、ってのをようやく理解してくれたようで(w。
ようやく納得してくれてただいまパジャマに再着替え中ですが、あーびっくりした、というか正直肝冷えた。やっぱり脳外科あたりでちゃんと診てもらった方が良いのかなあ…。
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□ でした [ ZILLAがありなら、MELLAも出さねば。]
□ rover [むはは、なんかドラクエの魔法合戦みたいになってきたぞ(w。]