ばむばんか惰隠洞

«前の日記(2004-10-13) 最新 次の日記(2004-10-15)» 編集

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2004-10-14 [長年日記]

[Day] 訃報

矢野徹さん(asahi.com)。81歳は天寿を全うされたと言えるのだろうな。氏の残されたたくさんの翻訳とたくさんの著作で、若造はいっぱしのSFファンになる事が出来ました。いくら感謝してもしきれない。どうもありがとうございました。合掌。

[Chinema] もしかしたらまだ下があるかも知れない…

鉄人28号 インターナショナル・ヴァージョン / TETSUJIN 28(東京ファンタスティック映画祭2004 公式ページ)。ストーリーを読んでへなへなな気分。それでなくても今年は年末に超大物が控えてるってのによー。2004年は困ったちゃん映画のヴィンテージイヤーですか、もしかして。

[Books] コフィン・ダンサー

本書カバー ジェフリー・ディーヴァー 著/池田真紀子 訳
カバーイラスト Anita Kunz
カバー装幀 木村祐治・斉藤広介(木村デザイン事務所)
文春文庫
ISBN4-16-766177-2 \657(税別)
ISBN4-16-766178-0 \657(税別)

夫婦とその親友。三人で立ち上げた小さな航空会社の経営は一向に好転せず、彼らは状況の打開のため、新たなビジネスパートナーを獲得しようと必死に活動する。地道な営業活動、深夜に及ぶミーティング…。その熱心さが彼らを抜き差しならない状況に追い込んでしまった。その日も深夜まで、打ち合わせに余念の無かった彼らは、飛ぶはずのない時間に飛び立つ飛行機を目撃する。その機の持ち主は悪名高い武器密輸業者。証拠隠滅の動かぬ証拠を目撃した三人は、まさにこの瞬間、トップクラスの殺し屋、"コフィン・ダンサー"の標的となってしまったのだった。最初の標的は夫。なにもわからぬうちに彼は愛機と共に爆散し、残る二人にも"ダンサー"の魔の手が忍び寄る。事態を察知したニューヨーク市警は、科学捜査の専門家、リンカーン・ライムの助力の元に"ダンサー"の追跡を開始したが…。

「ボーン・コレクター」に続くリンカーン・ライムものの第二作。前作で不満だった部分がおおむね解消された結果、すばらしく面白い作品に仕上がっている。ページターナーの面目躍如、読み始めたら途中で止められない。

前作で不満だった部分というのは、一つにはライムの博学ぶり。とりあえずライムの元に情報が集まれば、そこから何か、必ず糸口が見えて来てしまう、という構造(に見えてしまう)、ということ。今回もライムの元に様々な情報は集まるのだが、前回と違って今回は、犯人側もまた、ライムに匹敵する知能を備えた人物であり、しかも比較的早い時期にライムの存在を感知するために、敵と味方の知力の絞りあい、という構造が上手く出来上がっていて飽きさせない。冒頭から我々読者がスティーヴン・ケイルの名前を持つ事を知らされている暗殺者のキャラクター造形も上手く、ライム対ケイルの騙しあいの描写が実にスリリング。ここに、ライム側には前作からコンビを組む美人警官アメリア、殺し屋に命をつけねらわれる中年女性、パーシーとの微妙な三角関係とライムの過去のトラウマ、ケイル側にはそれまでだれにも心を許した事がなかったのに、なぜか少しだけ、心を開けるホームレスとの語らいが加わって話に厚みを加えている。

そしてなんと言ってもディーヴァー名物の底意地の悪さ(褒め言葉)。こちらにうまうまとミスリードを誘い、土壇場で「でえっ」と思わせるディーヴァーの手腕、今回は冴えまくってます。この辺はもう、実際に読んでいただいて、「でえっ」っと思って頂くしか。前作ではこの部分のサービスが、彼の傑作群(私の中では、ここまでのディーヴァー作品の中での最高峰は「静寂の叫び」「悪魔の涙」です)に比べるといまいちかなー、ってところもあったのだけど、今回は文句なしでございます。見事に裏切られました。裏切られる事がこんなに気持ちいい小説も珍しい。

という事で待った甲斐のあった一作。一気読みの快感を是非。ただし面倒でもその前に、未読の方は「ボーン・コレクター」も読んでおくこと。やや劣るとはいえ、こちらもすばらしく面白いですから。

(★★★★☆)

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
寸゛ (2004-10-14 19:46)

超大物‥‥いやいくらなんでも‥‥と思いたい。思いたいのですがー。

りつこ(旧ねね子) (2004-10-14 20:41)

実写版鉄人28号というと、どしても白黒等身大の鉄人を思い出しちゃいます。<br>あれって全長(身長)2m設定だそうで?NBA選手より小さい(^^;)<br>ある意味楽しい。<br>それよりも何よりも「リモコン必要なし」と咄嗟に思ったのも何とも…

rover (2004-10-14 21:24)

あの映画が………最後のスカ映画とは思えない…(志村喬の声で)、なんてねえ(w。<br>んでもってねね女王様、私、実写版「ハットリ君」は憶えあるんですけど、実写版鉄人は見た事ないんですよ。会津の田舎では、映るチャンネル3つしかなかったもんで…。

りつこ(旧ねね子) (2004-10-14 22:15)

私もリアルタイムじゃ観てません(^^;)<br>もう●年前の、懐かしの番組特集のような番組で観たのですわ。<br>こちらも参考になりました。<br><br>www2.odn.ne.jp/~ccs89380/ztv/tv01tz28/TV01tz28.htm

rover (2004-10-14 22:31)

むはは、正太郎君のためにドアを開けてあげてる鉄人にちょい萌え(w。


Google search
www.bumbunker.com
Web
2004年
10月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
«前の日記(2004-10-13) 最新 次の日記(2004-10-15)» 編集
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp