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今日、ブクオフに並んでるのを発見したのでサルベージ、グの128「謎の聖都」、129「運命の子」、130「見知らぬ明日」。ミロク教団の聖都であるヤガに潜入したヨナとスカール。極端なまでに非暴力、無抵抗主義を標榜するミロク教団。だがその聖都を多う空気には何やら不穏なものが…、という流れから、ヤガの秘密を探るべく行動するヨナとスカールの姿、一方ケイロニアでは、はたまたパロでは、ってな感じのお話で、メインを張るのがもともとそんなに頭のいい方ではないスカさんなせいか、結構いい感じにお話が展開する上に、#128、#129は「七人の魔道師」にかなり密接にリンクしていて、うわー、ちゃんとシリーズ構成考えてるんだー(ド失礼)なんてところもかなり感心した。自分が「七窓」大好きだから、それで嬉しかっただけなのかも知れないけどね(^^;。それでも新たな展開を迎えつつある中原でこの先起きるお話を、ちょっとだけではあるけど読みたいな、と思ったことは確か。いったん100(正確には101も惰性で買っちゃったんだけどね)で解脱したはずの本シリーズなんだけど、結局完全には抜け出せなかったんだなあ、なんて思った事でした。
ってことで自分なりの完結記念、「グイン・サーガ」についてちょっとだけ。
第1巻「豹頭の仮面」を書店で見かけたのは学生の頃。当時はまだまだ、日本製のファンタシイなんてものはそんなに多くなかった頃(高千穂遙の『美獣』、あとは都筑道夫の『飛び去りしものの伝説』ぐらいしかなかったのでは)、加藤直之さんのカバーイラストに、「日本でも『コナン』みたいなシリーズが始ったのかー」という思いで買って読んでみたのが腐れ縁(wの始まり。当初ヒロイックファンタシイ風味でスタートしたこのシリーズは、巻を重ねていく上で宮廷史劇風味だったりフリークス風味だったりといった、さまざまな味が加わって、非常に多彩な読み味を提供してくれたと思う。
その全てが必ずしも極上の読み味を提供してくれた、とは言えないし、正直パロ内乱から第二次パロ侵攻あたりの流れは読むのが苦痛なお話ばかりが並んでいたようにも思う。それでも続きが出たら買っていたのは、「とにかく100巻までは付き合うぜ」って誓いを立てていたからに他ならないところもあったりするんだよね(苦笑)。
ただ、それでもたまに光るところもあったから続けていけたわけだし、一旦離脱したはずだったのに、やっぱり(ひゃくごえん読者になっちゃいましたが)続きを求めてしまったくらいには、読者を引っ張る力のあるシリーズだったのだろうと思う。
理由はいくつかあると思うけど、栗本薫という人はやっぱり魅力的な文章を描く力のある人であった、ってのが大きいのだろうな。市井の人々の活き活きとした日常生活の描写、おどろおどろしいフリークスたちの気持ちの悪さ、ときおりハッとさせられる登場人物の心情吐露のセリフ回し、なんてあたりはやはりたいそう魅力的であったのだな。
シリーズはこの先、多分SF的な色合いを強めつつ、世代交代的な意味合いも含めて展開していったと思うんだけど、で、そのSF的な捌き具合には若干の不安も無くはなかったんだけど、それでもいざ終わってみると、「続き読みてえなあ」と思ってる自分が居るってのも確かなところで。
何か斬新なものがあるというわけでもないし、正直外れも結構ある。それでもこのボリュームの「物語」が読める、というのはやはり希有な体験だったと言えるんじゃないのかな。特に著者が自分の大病と向き合うことになったあとの作品(120巻あたりかな?)には、作品を作る、ということに向き合っているような感じも見えて、小説の出来とはちょっと離れたところで、こちらがちょっと考える要素が加わったのも確かなところで。いろいろ文句も付けましたけど、それでも続きを読ませる力を秘めた「物語」であったことを認めるのにやぶさかではございません。
なんだかんだで30年、お付き合いさせていただいたわけで、そこにはやはり深く感謝を。そして改めて、安らかに。
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ああ、いちおう数字だけ切の数字がいいんですね>最後<br>その3冊は読もう…かな…
残念ながら#130は未完(200枚まで書かれたところ)の状態での刊行なので、いろいろ落ち着かないかもですよ。でも#128、#129はそれなりに読めるんじゃないかな。登場人物に主役級が少ないほどお話が面白い、ってのはどうなんだ、と思わなくもないですけど(苦笑)。
まあ、そもそも主役たるグインが20巻以上不在とかいう作品ですから。あくまでもグインのいる世界の歴史物語、ではあります。グインなんざ2回もフォーマットされちゃうわけでして。<br><br>ヨナはいちおう主役級なんですかねえ。<br><br>本編初登場、全体としては再登場時、<br>あれはグインサーガ史上でも記録に残すべき見事な展開でした。<br><br>その20巻後くらいに<br>ヨナがデモ中に非難されれて<br>「ぼくがどうしてナリス様側近10人と呼ばれるようになったか、その苦労が分かるか」みたいな反論をしたのは噴飯ですが。
ま、不在であってもその存在感がパネエのがグイン、ってのは確かにありますよね。しばしば話題にするのが主にグラチーってあたりがちょっとアレなところもありますが(^^;。<br><br>シリーズスタート時にどこまで構想があったのか分りませんが、ミロク絡みでお話が大きく動きそうなところがあって、その辺も「ちょっと続き読みてえな」って思わせる一因だったりします。意外に良い感じに思えるヨナ×フロリーなんて展開の仄めかしなんかもあったりするし(w。