ばむばんか惰隠洞

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2014-03-11 [長年日記]

[Day] 申告爽快タチノミヤ

昨日ドタバタしたけどなんとか書類は揃ったので、本日湊川まで出かけて確定申告書類一式提出。特に困ったこともなく、さくっと儀式終了。牛丼食って(「アタマの大盛り」出来てから、並盛りの肉の量、減ってね?)ハーバーまで出かけてプリンタ用の純正インク購入。今日は1万円、使って良いことにしてたんだけど、ここまで黒だけだった増量バージョン、カラーインクも追加されたんだね。保ちが良くなるのは嬉しいのでこちらを選んで購入したら、最初に思ってた程には本代使えないことに気がついた(5000円ぐらい本買えると思ったんだけど、3000円ちょいでストップになっちゃうんだよね)。

とはいえ止まらんものはあるもんで、本の方はちょい予算オーバー(ミエヴィルとヴィンジを買いました)。ハーバーランドの大垣書店にはカフェが併設されていて、そこには喫煙室も用意されてるんで、ものっそ嬉しい。買い物した後コーヒー飲みながら一服できるところが一つ出来たのはありがたいね。

後は無事に確定申告済んだので、立ち呑みでぷはーして帰宅。

[Books] シップブレイカー

シップブレイカー(Bacigalupi,Paolo/著 田中一江/翻訳 バチガルピパオロ/著) パオロ・バチガルピ 著/田中一江 訳
カバーイラスト 鈴木康士
カバーデザイン 岩郷重力 + N.S
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011867-9 \880 (税別)

クリア・エーテル!

石油資源が枯渇した近未来。地球温暖化による気象の変動や政治体制の変動なども相まって、人類社会は極端な格差社会へと変貌している。そんな時代のアメリカで廃船や沈船に潜り込み、貴重な金属資源などを回収してわずかな賃金を得る子供たちがいた。ネイラーもそんなシップブレイカーとして厳しい日々を送っていたのだが、そんな暮らしが一変する事件が起きる。超弩級のハリケーンが来襲した翌日、ネイラーたちは浜辺に打ちあげられた豪華なクリッパーを発見したのだ。船内に収められたさまざまな貴重品たち。これを運び出せばネイラーたちの許には莫大な富がもたらされるだろう…。勇んで残骸に潜り込むネイラーたち。

だが、船内に残っていたのは金銀財宝の類だけではなかった。嵐でかき回された船室の中に調度品の下敷きになった一人の少女の姿が…。

基本的に映画評なら根岸泉さんのSCRIPT SHEET、SF評ならTHATTA ONLINEあたりが自分にとっての信用銘柄で、毎度興味深く読ませて頂いてるんだが、THATTAではこの本、あまり高い評価はされてないみたい。そう言うもんかなあと思って読みはじめたんだけど、んまあ確かに出だしは若干もたついてるかも。まあやたら面白い隣人に出くわした、って事情もあるんだけどね。

でもこれ、そんなにダメかなあ。確かにお話のスジは貧しい少年がお姫様と出会って彼女の願いをかなえるために頑張る過程でそれなりに成長を遂げていく、という実にオーソドックスなジュヴナイル(本書はヤングアダルト向けの作品として刊行されている)なんだけど、で、正直そのラインからは三分の一歩ぐらい足を踏み外しはするところがあるんだけど、でも総じて極めてオーソドックスな構成のジュブナイル作品。で、んなもんバチガルピにゃ期待してねえんだよ、というのもわからなくはない。前が「ねじまき少女」だったわけだからね。

なんだけど、これはこれで結構いい味、出していないかなあ。かなり高く評価したいところがあって、それは「死」への向き合い方。通常ジュブナイル作品においては、主人公は人の死に積極的にコミットすることはない(『バルス!』はどうだろうねえ、とも思うけど)ものだけど、本作ではここは結構シビアに描いてる。特筆したいのはこのラインにおいて、「父殺し」まで踏み込んでお話を描いているわけで、ここはかなり頑張ったと言えるんじゃないだろうか。

もたついてる、と先に書いたけど、で、これは確かにそういうところはあるんだけど、それも半分をちょっと過ぎたあたりからちょいとシフトアップ。テンポも上がり、かつここでネイラー君の成長、って部分も抜かりなく描かれる。ここからラストまではかなり楽しいんだよ。しかもこの、楽しくなるきっかけが、

ドーントレス号の登場

ってところでもうね、厨房で「レンズマン」と遭遇したオレにとっては盛り上がり感がハンパねえ。そりゃあなた、ドーントレス号が来てくれたら無敵じゃん、ここからはイケイケだね、って思うなって方が無理だよ(w。バチガルピさん、狙ってやったのかねえ(ねえよ…多分)。

バチガルピでこれかよ、もわかるけど、バチガルピ、こんなのも出来んだぜ、と思えばこれはこれで楽しいんじゃないかな。自分がジュヴナイルに甘め、ってのもあるのかも知れんけど割に楽しめました。同じ世界観でのお話があるようなのでそっちも楽しみ。本書でもいい味出してる"半人"トゥールが登場するそうです。

★★★

あーでもこれ、同じ舞台にシチュエーションでフィリップ・リーヴが書いたら、すんげーキッツい話が出来ただろうなー、なんて事はちょっと思った(w。

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傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

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