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コニー・ウィリス 著/大森望 訳
カバーイラスト 松尾たいこ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011944-7 \900 (税別)
日本で独自に再編集し、2分冊としたウィリスのヒューゴー・ネビュラ受賞作を集めたアンソロジー。後編はシリアスなストーリー5編とワールドコンなどでのスピーチ3編を収録。
短編集に関する説明は前巻の感想の頭の方で書いたので前置きはなくてもいいですよね。ということでそれぞれのお話の感想を簡単に。行きますど。
前巻に収録された序文の中でもウォード・ムーアの「ロト」(→内容について →マイ感想)への傾倒ぶりは語られていたけれど、そんなウィリスによる「ロト」リスペクツな一遍。リスペクトが捧げられた元作ほどの狂騒ぶりはなく、むしろ満ちているのは静謐な諦観、とでもいえるものだろうか。元ネタが好きなせいもあって、かなり好きです、これ。
ウィリスの代表作ともいうべきダンワージー教授モノの最初の作品にあたるのがこれ、ということらしい。ちなみに本作でもちょっと顔を出す女学生キヴリンが主役を張るのが大作「ドゥームズデイ・ブック」。
こちらの作品の主人公、バーソロミューがタイムリープする(このシリーズはダンワージー教授のところの学生たちがいろいろな時代に行って、いろいろ冒険する、というお話なんです)のは第二次大戦初頭、バトル・オブ・ブリテン後期のロンドン。ドイツ空軍の空襲下、バーソロミューに課せられた課題とは…。
この短編をベースに「ブラックアウト」と「オール・クリア」の二つの長編が書かれているということで、この時代、そしてセント・ポール大聖堂への思い入れはかなりのものであるのだな、と思わされる。本書の中では一番重い話で、それだけに読み応えもある、と思う。
「空襲警報」と同じくロンドンをテーマに、かつロンドン空襲も通奏低音的に扱われた短編。「空襲警報」と違うのは登場人物たちが若さを失い、それゆえに向き合うことになる悲哀のようなものが前にくる。ただその構成はオレには(まだ)ピンと来ない、ってことはオレはまだ(気だけは結構)若いってことなのかね(^^;。
クリスティの「ナイル殺人事件」オマージュ的な。小説はともかく映画の方に関しては、オレはポアロは絶対(『オリエント急行殺人事件』の)アルバート・フィニーが絶対だと思ってて、ピーター・ユスティノフはどうだろなあと思ってる方(つまり『オリエント…』以外は認めねー)なんで、そのあたりでの出トチリ感が結構大きい。本作は自意識と認識の複雑な交錯具合が怖さを醸し出すホラーなのだけれど、自分は読んでいて主人公、主人公の夫、その友人の妻の関係性からくるサイコホラーなのかと思って読み進んで行ったものだから、最後まで来たところで「あれ?」と思ってしまった。登場人物が念入りに振ってた伏線をこっちの思い込みで片っ端からイグノアして読んで行って最後に「あっるぇー?」ってなっちゃったのね。てへ、しっぱいしっぱい(w。
新種の疫病で犬が絶滅してしまった世界で語られる、「黒猫のブルース」(だったっけ?)的お話。良い話なのかもしれんけど、オレ、畜生に感情移入できない人間なんだよな。なので何とも評価に困る。これ、そんないい話?
てな感じです。自分の好みはユーモア編を集めた「混沌ホテル」の方でしょうかね。
★★★
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