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映画観ようってんで出かけたんだけど、いやー寒い。天気はいいし空はとっても青いんだけど、風が猛烈に痛いよね。
夜のテレビニュースでは高岡の繁華街、御旅屋通りのアーケードが雪の重みで抜けちゃった、なんてのを報せてて、カミさんとふたり、「うへー」なんて言いながら見てたんですが、じーさんもばーさんももういないんで、あんまり心配する必要も無くなっちゃったんだなあと、ちょっぴり寂しい思いも感じたりして。ともあれ雪の多い地域の方、気をつけて下さいね。雪は2月が本番だし。
スタッフ
監督:ミック・ジャクソン
脚本:デヴィッド・ヘアー
原作:デボラ・リップシュタット
製作:ゲイリー・フォスター/ラス・クラスノフ
音楽:ハワード・ショア
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
出演
レイチェル・ワイズ
トム・ウィルキンソン
ティモシー・スポール
アンドリュー・スコット/ジャック・ロウデン
カレン・ピストリウス/アレックス・ジェニングス
公式サイト:http://hitei-koutei.com
1994年、ジョージア州アトランタのエモリー大学。歴史学者のデボラ・リップシュタットによる反ホロコースト運動を批判する講演会が行われていた。そのさなか、聴衆の一人が突然立ち上がり、デボラに対する激烈な批判を開始する。その人物こそ、デボラが自身の著作で厳しく批判した歴史学者にして作家でもある、デイヴィッド・アーヴィングその人だった。さらに彼は、デボラを名誉毀損で訴えてきた。しかも被告側に立証責任がある英国で。周到に計画された訴訟に対し、デボラも英国人の大弁護団を組織する…。
デイヴィッド・アーヴィングは何度か軽石庵でも扱ったことのある、「ヒトラーの戦争」の著者。自分も読んだけど「ちょっとトンデモ方面かなあ」なんて思った様な覚えがあるが、こんな大きな騒動を起こした人だったとは知らなかった。Wikipediaにも詳しい記事があるので興味があらばそちらを。
さて映画も基本的にWikipediaの記事通りにお話が進んでいく。アーヴィングが起こした訴訟のキモは、被告に立証責任がある英国法廷、というところにあって、それはとりもなおさず、被告側は自らが主張した(そしてアーヴィングが誹謗中傷だとした)、ホロコーストは確かにあった、ということを判事に納得させなければならない、という一種の悪魔の証明を要求している、ということ。
この難問にデボラのチームがどう立ち向かったか、が見どころになるわけだが、ここで彼女の大弁護団は徹底した「勝つ」ための方針でアーヴィングに立ち向かう。それは「正義」と「真実」を正々堂々と訴えると言うよりは、ボロを出さずに正しさのみを訴える、というある意味極めてテクニカルな作戦。そこには情に訴える、といった部分は皆無で、それ故最初はデボラもこの方針には反発する。この、システマティックな法廷闘争を遂行する弁護団と、自らの正しさに絶対の自信があり、さらに自らもユダヤ人である、という彼女の出自から来る切迫した何かにも押されたが故に、その事を主張すれば良いのだとするデボラの衝突、理解から和解へ、そして最後はどうなった、って流れがこの映画の見どころってことになる。
のだけど肝心のここ、巧く行ってる部分もあるけどそうでもないと思える部分もあって少々微妙。全体としては極力事実に即したストーリーの流れを意識して作られた映画なのだと思うけど、それが逆に作り物としての映画の面白さをスポイルしてしまってはいないかな、という気がするのだね。
信じるに足る事実とは何か、信じていればそれは真実なのか、一方が真実と信じ、それを主張している物の対極を真実であると信じてそう主張する者がいる時に、両者に正邪の区別を付けることは可能なのか、その区別には正当性はあるのか、を問いかけたかった映画、なのだろう(終盤の判事の台詞にはそういう意味がこめられていたのだと思う)が、そこまでの話の持って行き方がちょっと巧くないな、と思った。アーヴィングのキャラづけが意外に浅くて、デボラのチームがアメリカ軍的な、システマティックなマシーンとして機能しているのに対抗する、ヒトラー的なカリスマ・アジテーター、みたいな位置づけがされていたら、もうちょっとスリリングになったんじゃないかと思ったんだけど。
再現フィルムならこれでもいいけど、「映画」として世に出すならもう一工夫あっても良かったんじゃなかろうか。テーマがテーマなので、「良い話」感は担保されてはいるんですけどね。
★★★
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