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ジャストシステムからのメールによると、「一太郎2005」「ATOK 2005」「花子2005」を来年2月10日(木)より発売だそうで。ATOK18、じゃないんだな、次のんは。電子辞書なしならアップグレードで5000円か。ふむ、今回はどんな芸人さんの名前が登録されておるのかのう。
さてこれは、「ゴジラ ファイナルウォーズ」を見に行くと劇場でもらえる、おまけの地球乗りゴジラ。目が真っ赤だよ。で、何で二つあるかというと、今日カミさんが観てきたから。い、いやね、止めたんですよオレは(w。オバサンが一人で観に行くようなもんじゃないよ、って。でもレディースデイだし、他に面白そうな物もやってないから、松岡くんのファンのフリして観てくる、って。
さっき帰ってきたんですけど「ゴジラなのにゴジラあんまり出てけえへんやんかー」と言うておりました。そりゃオマエ、多少なりと東宝特撮映画の歴史を押さえてないと、面白がるところが激減するってば、あれは。まあオレと付き合い長いから、普通のオバサンよりは詳しいだろうけどさ。
とりあえず「最強は泉谷しげるだったな」てとこでは夫婦の意見は一致しましたが、そんなことより。
彼女はシネモザイク(ハーバーランド)で観てきたんだけど、客の入り、3割にも満たない感じだったらしいですよ。平日ってこともあるけど、大丈夫なのかねそんな滑り出しで。冬休みに入ったら少しはお客が来てくれるのかな。
W32Sの液晶が妙にウニウニとノイズが走るので、頼んでたUSBケーブル(専用ケーブルじゃないとあかんなんて知らなかったよ。この前三宮から神戸方面探しまくって結局どこも置いてなかったので、家の近くのauショップに取り寄せ頼んでたの)を引き取るついでに見てもらう。とりあえずファームウェアを上書きしてみるので20分ほど待ってくれ、つーのでダイエーなどうろうろして時間つぶし。
んで対策してもらったものは、一見直ったように見えたけどやっぱりダメですわん。モデムとして使えるかチェック中にやっぱりウニウニと。お買い上げから3ヶ月以内なら無償で交換してくれるそうだけど、こりゃ交換だな。
ちなみにモデムの方の動作は無事確認。一年半ぶりにモバイル環境復活、って一年半困ってないんだから、そもそもモバイルな環境なんてそんなに必要ねえんじゃねえの? というツッコミは却下。
んさてその、auショップに向かう道すがら。
郵便局経由だと途中で小学校の横を通るワケなんだけど、小学校の校庭の、ありがちな畜生の飼育小屋。係の子たちがなにやら掃除したりしてたんだけど、逃げ出したウサギをとっつかまえた男の子がそやつに向かって、「いつまでも夢ばっかり追いかけてるんじゃないよ」と諭すように言い聞かせていた。なんか妙に心に残るシーンであった。
大石英司ブログの12/7トップの記事。日垣隆氏のメルマガの記事の全文掲載という形を取っているおかげで、いろいろと考えさせていただいた。基本的にこの件については、私はどちらかというと日垣派、だと思う。この二人の意見が分かれるのは、結局のところ、今まさにそういう事件に巻き込まれるかも知れない子供を持っている大石氏と、とりあえずそういう犯罪に巻き込まれるような年代のいない子供を持っている日垣氏の違い、ということではないのかな、とは思った。
ウチもおかげさまで、なんとかおかしな事に巻き込まれることもなく、倅も酒の飲める(いやまだ飲んじゃダメだよ)歳まで巨大化してて、そうなった時点で改めてこの、日垣氏の文章を見ると、最後の、
手を切るから料理をさせない、ではなく、小さいころから多少ケガをするなかで危険と危険を避ける術を体得させてゆく。「子どもだけにしない」「大人が24時間監視を」などという愚かな処方ではなく、むしろ「道草は子ども時代にどれほど大切か」という発想から再スタートすべきです。
というのはそれなりに説得力に富んだ文章であるように思える。ガキの時にこういう怖いことがある、こういうイタいことがある、をちゃんと教わったかどうか、というのは案外大きいような気がして。
わたしゃ小学校二年まで会津で暮らしてたんだけど、当時は変質者はいなかったけど熊がいた。熊によって顔の三分の一近くをえぐられちゃったおじさん、なんてのが近所にいたわけです。そりゃ学校の行き帰りなり、親戚の家に遊びに行くのにもそれなりのスリルはあった。ただそのときに、じゃあ熊が出るからといって保護者がべったりと登下校する学童にくっついていたかと言えばそんなことはなかったぞ。熊が出たらどうするか、蛇が目の前にいたらどうするか(マムシも多かったからね)、学校でいろいろ言われたけれども始終親がそばにいた、なんてことはなかったし、子供は子供でそれが当たり前だと思って適当に道草しまくって、いつも家に帰るのは陽がとっぷり暮れてからだったような覚えがある。
昔と今じゃあ違うんだよ、というのは当然そうだと思うけど、その反面、昔はそれなりに子供たちにも、自分で自分が今いてる状況を把握しなさいよ、みたいな風潮は確かにあったと思うわけで、おかげでオレらは無事に生き延びてこられたわけだし、そういう体験の中に"道草"ってキイ・ワードは確かに存在していたと思う。それは今やノスタルジーなのかも知れないけど、そういうノスタルジーが有効性を保持している日本、ってのはそれはそれで捨てたものじゃ無いとも思うんだけどな。ここのところ頻発している学童の誘拐・殺害事件の報道を見てて、報道側のどうしようもなさにうんざりしつつ、そこで犯罪者について行ってしまう子供が多いって事に、これは一体どうしたことなんだろうと考え込んでしまうわけです。もちろん犯罪者側がより狡猾に、かつ暴力的になってきているのだろうな、とも思うのですけど。
結構たくさん。って言うかそもそもどこからだ? 「ケメコデラックス」、「ミチコとハッチン」、「黒執事」、「キャシャーンSins」、「CLANNAD After Story」、「鉄のラインバレル」、「テイルズ・オブ・今週も早送りはしなかったがちゃんと見てたわけでもない」、「地獄少女 三鼎」、「とある魔術の禁書目録」、「かんなぎ」、「炎神戦隊ゴーオンジャー」、「仮面ライダーキバ」、「Yes!プリキュア5GoGo!」、「機動戦士ガンダムOO」。なんかもうたくさんなので気になったヤツだけ抜き出して。
なんつってるけど、本来は神戸の山奥には電波が届かないはずの「とらドラ!」と「しゅごキャラ どきっ!」がかなりお気に入りなのはみんなには内緒だ。特に「しゅごキャラ」がなかなか良いなあと思ってるんですよ、実は(w。
こちら方面の番組が多めになる、年に二度ほどあるシーズン。本日はNHK総合で「日米開戦を語る 海軍はなぜ過ったのか〜400時間の証言より〜」。夏に放映された、旧海軍軍人たちによる「反省会」の記録テープをもとに起こした番組をベースに、三人の作家(半藤一利氏、澤地久枝氏、戸高一成氏)が語り合うような構成。んまあ豊富なソースの有効利用とも言えるし、コストパフォーマンス重視のお手軽再構成番組とも言えるようなでき。見てる最中にお風呂タイムがやってきて、慌ててお風呂入って出てきたら、すでに番組は終了してしまい、水樹奈々がインタビューに答えてた。こう言う時は再放送のあるNHK、ありがたく改めて見させて頂きます。
それはそれとして、番組の前半でちょっと興味深いお話が。戸高一成氏がコメントされてたのだと思うんだが、太平洋戦争開戦前の日本海軍の基本戦略というのが、対馬の海戦当時のそれとたいして変わりない(そして太平洋戦争においても割と基本パターンである)水際撃滅的なストラテジであって、なおかつ戦争遂行においては、開戦前に準備していた兵器、兵站で終戦(そこでどういう勝利条件が設定されていたのか、って話は別にして)までの戦闘行為が可能である、と言うのが前提になっていた、と言う話。
実際には前の戦争というのは猛烈な消耗戦となったわけで、そこで勝ちを掴むことができたのは、全てを「システム」として捉え、分析し、最適化できた国であったわけで、キモがシステムであることを全く理解できないまま戦争に突っ込んじゃった日本にハナから勝ち目なんてなかったんだな、ってあたりを再確認させられる。
日露戦争はかろうじて勝ち逃げできたけど、その後に来た凄まじい消耗戦である第一次大戦を本格的に経験せずにすんだ日本に、そこらあたりの意識が芽生えることが無かったのだろうな、と思わされた。そののちも戦争する気がないのなら、それはそれで幸福だったんだろうけど実際にはそうはならなかったわけで、「個」のレベルでやりくりするならともかく、国家のレベルで物事を考えるならば、一番厳しいシチュエーションを想定しておいてこそ国策、って事になるのだが、そこらの意識が今も昔もとてつもなく稀薄なのが日本って国なのかも知れないね。
もう一点、ここまで書いてきた話と微妙に矛盾するんだけど、この番組の冒頭で半藤一利氏が語った、「戦争が物語になってしまっている」と言う言葉も非常に印象的だったので、併せて記録しておきたい。
戦争はメカニズムであって、そこに半端なヒューマニズムを持ち込むと間違いなく事の本質を見失ってしまうと思うのだが、反面どこかで人間的な部分を見失ってしまうと、すごく大事なところを見過ごして、ろくでもない結果を引っ張り込んでしまう危険性もあるのだよな。
わたしゃ「物語」をこよなく愛する人間だが、「物語」とは物語の作者の意志が色濃く反映される(されてこそ、とも思うが)物であるとも思うので、そこで「事実」が「物語」に一方的に駆逐されるような状況もそれはそれでマズいんじゃないか、なんて事も思ったりするわけなんです。
マイク・シェパード 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト エナミカツミ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011829-7 \1100(税別)
知性連合の主星である惑星ウォードヘブンに突如発生した政変により、クリスの父であるウィリアム・ロングナイフは首相の座を追われてしまう。さらに知性連合の王である曾祖父、レイの地位をも脅かそうとする陰謀が、クリスの身にも影響を及ぼしてきた。少尉時代の任地での身に覚えのない不正疑惑で彼女に逮捕命令が出されたのだ。さらにロングナイフ家の人々に降りかかるトラブルと時を揃えるかのように、さらに大きな災厄がウォードヘブンに迫っていたのだった…。
前作の騒動の後、母星に戻って新型艦の運用研究任務に当っていたクリスだったが、いきなり逮捕されてどうなっちまうんだ、と思ったらそこはあんまり重要じゃなく、割とあっさりとその面倒は回避され、彼女は曾祖父であるレイの名代として外交任務をこなすことになり、そこで一騒動やらかした後、いよいよ本作のメインディッシュ、ロングナイフ家にとっての長年の仇敵、ピーターウォルド家が裏で糸を引く戦艦部隊の襲来を一握りの小型艦で迎え撃つクリス達の大活躍、というのがだいたいの流れ。そこの所の展開は何も間違ったことはやってないので、前作同様それなりにボリュームのある本だけどさくっと読んでいける。
ただ、パーツの配置は間違ってないけど、部品の選定と取捨選択が甘いので、それぞれのパートが妙に間延びして感じたり、いろいろな描写が物足りないと思えるところもあり、がっつり面白いものを読ませてもらった、と言う満足感は少々薄めかも知れないな。
物語的には、宇宙艦隊が出払っていて、魚雷艇レベルの小型戦闘艦(クリスの乗艦はPF-109。ケネディっすねー)12隻と駆逐艦2隻のみで、大型戦艦6隻の襲来からウォードヘブンを守る、というシチュエーションからは、相当な困難と多大な犠牲を伴う死闘がクライマックスに控えているであろう事を期待しながら本を読んでいくことになると思うんだけど、そこの所の盛り上げ方がどうにも淡泊というかなんというか。
前作でもその傾向はあったんだけど、味方は少数だけど極めて有能、敵は強大だけど絶望的に無能という図式が顕著で、味方側を苛める要素があまり強烈じゃないから、死闘が死闘に見えないのだった。主人公を信じて絶望的な戦いに身を投じる人々と、彼らを(そうなると判っていても)死地に送り込まざるを得ない主人公の苦悶みたいなものも、あるにはあるけどどうにもこう薄っぺらいというか。「シーフォート」あたりはこの辺の重さが尋常じゃなかっただけに残念だな。おなじみ超有能ボディガードや戦闘メイド(ただし36歳)、前作から加わったメンバーたちとの掛け合いなどは相変わらず良い感じで、つまらなくはないんだけど何かもう一声、足りてない気はするんだよな。
★★★☆
木曜深夜までの分、「トータル・イクリプス」、「さくら荘のペットな彼女」、「ひだまりスケッチ ハニカム」、「ヨルムンガンドPO」、「PSYCHO:PASS」、「ロボティクス:ノーツ」、「中二病でも恋がしたい」、「えびてん」、「ガールズ&パンツァー」、「K」、「絶園のテンペスト」、「武装神姫」。
なんかここに来て変な方向に話が動いた「トータル…」、残り話数もそんなに無かろうに、ここで新しいネタ持って来て大丈夫なのかね。ここのところふぬけた話が続いてたところに、久しぶりに血みどろグチャグチャ描写が帰ってきてそこはまあ、良かった(?)けど。
月曜深夜の「荘」もの2連発はどちらも結構。今期の「ひだまり」はちょいちょい切ない話を挟んで来ておるね。人生ゲームをしながら語られる思い出話、なんてのは明らかに、近いうちにここから沙英さんとヒロさんがいなくなるんだ、ってことを暗示しているんだよなあ…。
火曜深夜。「ヨルムンガンド」はラストの大タチのための前準備、みたいな。「PSYCHO…」はまあまあ。こう言うのが虚淵さん的なお話の展開、って事なんだろうか。敢えての容赦のなさ、みたいなところ。「ロボティクス…」は良くわからん。とりあえずなかなかおもしろくなってくれないなあ、ってところかな。
水曜日。「中二病…」はいろいろニヤニヤできる展開。意外と今期一番の壁破壊アニメに仕上がっているのかも。「えびてん」は最終回。謎の感動があったことは認める。にしてもなんで「ビューティフル・ドリーマー」なんだ? 流石にラストは完コピ出来なかったみたいだけど(w。「ガルパン」、何気に自動車部最強やな。F2になったの? G型相当? 長砲身75mm砲は良いとして、ゲペックカステンはどこから持って来た? あとはなんだ、赤色アイドル声優、楽しそうだな(w。
木曜深夜。「絶園のテンペスト」、おもしろいね。こういう口八丁で展開していくドラマはかなり好きなの。ここに来て小者感全開になっちゃった左門君もなかなか良い感じですな。
グローバルナビゲーションのプルダウン化に伴って、なんか起きるかなーと思ったら案の定起きた。IE7と8で表示が崩れまっせ、またはそもそも見えませんぜ、ですと。サイトトップではプルダウンメニューが表示されるすぐ下に、キーイメージのスライドショーを表示するエリアがあって、IE7だと現状、プルダウンが上に来てくれないよ、と。
IE8の方は予想の範囲内だったんだけど、IE7の方の不具合の理由が良く判らん。おそらくIE7の不具合(z-indexの指定はあくまで同一の階層間で効くもので、同じレベルにある要素であれば、後に来る方が表示が優先される)なんだろうな、ってのは見当が付いたけど、んじゃどこを直せばいいのさ、ってところでエラく手間取ってしまって。
こちらのサイトが参考になりました。z-indexまとめ(omnioo lab.)。自分は問題になっている階層の上と下の階層でStaticになってるところを探してたんだけど、問題解決のためにはまず、解決したい要素と同じレベルで、隣接している要素でposition指定がされていないものを探す、ってのが解法だったのね。気がつくまでにやたら時間がかかってしまったぜ。
というかIE7、そろそろ面倒見ない方向で行っても良いんじゃないかなあ…。
前日深夜に座席を予約したときは数席しか埋まっていなくて、一応ピークは過ぎたかな、と思ったんだけどそんな事はなかったよ。最前の2列ぐらいに空きがある程度で、それ以外はほぼ席埋まってた。客層もアニメ作品にしては年配の方も多かったですね。ということで「この世界の片隅に」見てきました。感想は改めて。あ、パンフは次回待ちのお客さんでロビーがかなり混雑してたんであきらめました。なので原作マンガの書影のっけときますね。
スタッフ
原作 : こうの史代
監督・脚本 : 片渕須直
監督補・画面構成 : 浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督 : 松原秀典
音楽 : コトリンゴ
声の出演
のん
細谷佳正
稲葉菜月・尾身美詞・小野大輔
潘めぐみ・牛山茂・新谷真弓・岩井七世
公式サイト:http://konosekai.jp/
昭和初期、すずの一家は広島で平穏に暮らしている。世界は戦争に向かい、すずのもとには縁談が舞い込んでちょっとした波紋はあるけれど、人びとの暮らしはそれほど大きく変わらない、ように見えて戦局の推移は人びとの生活に徐々に昏い影を落としていく。それでも世界は続いていく…のだけれど。
最初に。自分はこうの史代さんの絵が割と苦手です。何というのかな、どこかこう怪奇マンガのテイストを感じてしまって、積極的に手が出ないタイプの漫画家さん、というか。なので今回の映画も絵的に取っつきにくかったらどうしよう、なんて思いながら劇場に向かったんですが、そこは良い感じにアニメ映画向けに調整されていて、ちゃんと気に入って見れる絵になっていた。何となくだけど、原作の絵よりも若干ネオテニー化を進め、愛らしさが増したような印象を受けた。まずはここが良かったです。
精緻を極めた再現度合の昭和前期の広島を舞台に、ちょっとおっとり(ぼんやり?)した娘、すずの日常を丁寧に描きながら、その背景では大きな歴史のうねりが起きているらしい、けれどもすずの周りで生きる人々は、何よりもまず毎日毎日をちゃんと生きていかなければならない、だから生きていく、というお話を淡々と描いていく。いろんなところで大絶賛されていて、自分が何かを足すようなこともないんだけど、この、生きていかなければならないから生きていくんだ、というところが無駄な気負い無しに表現されているところがとても素晴らしいと思った。
おそらく細部に踏み込んでいけばそれはそれで掘り出しがいのあるネタは満載なんだろう。たとえばすずさんと晴美ちゃんがしばしば眺める呉軍港の遠景、そこに舫っている軍艦の艦種を考察するだけでも調べ甲斐はたっぷりありそうだ。なんだけどそういう深いところまで掘りまくるような映画の楽しみ方をしなくても、表層的に観ているだけでも意外にちょいちょい観ているこちらに「ん?」と思わせる何かがちりばめられているのが凄い。
見始めてすぐに、自分が感じたのは「百日紅」っぽいなあ、というところかな。特に大きな起伏もなく、日々の暮らしが淡々と描写される裏で、実は避けられない「死」の匂いが近づいてくる、というあたり。そういえばあちらの主人公も絵を描く女性でしたね。ただ、あちらと違うのは、時代をより近代に寄せてきて、かつそこには現在只今の我々にとっては周知の事実であるのに、当時の登場人物たちは誰一人この先に何が待っているかは判らないという二重構造が、ほのぼのとして、随所で笑いも取れるように出来ているこのお話に、なんとも言えん不穏な緊張感もまた同時に仕込むことに成功している、というところだろうか。もちろんそうはいってもそこに押しつけがましさなんかは全くなく、あくまでも銃後にあっては何より優先するのは日々の生活なのだ、というスタンスは崩さない。このあたりも誠実だと思う。
あと、これは間違っているかも知れないけどこの映画、精緻な考証、作画などで作り上げられたすずさんのお話を我々は観ている訳だけど、その我々が観ているすずさんの物語自体も、実はすずさんの主観視点によるもう一つの映像作品なのかも知れんな、なんて事も思った。花街での会話になると花街の女たちの言葉や仕草にしれっと小さな花がつきまとったり、シームレスにはいってくる「バケモン」のエピソード(彼が再登場したときは真剣に「やられた」と思ったことでした)とか。すずさんの物語を追う、というよりはすずさんが見た世界や出来事を、いったんすずさんの脳内というかすずさんの絵心で再構成された「絵」をワシらは見ているのかも判らんなあ、なんて事を思ったりした。だからすずさんが表現方法を喪失したときに、スクリーンに乱舞するのはあの「絵」とも言えん、何か判らん禍々しいものになっている、ということなのかな、などと。
原作を知らない初見の感想はこんな感じでしょうかね。ただ、これは二度三度と見なおすことで新しい情報が入ってくる類いの映画なのかも知れない。それを確かめるために劇場に足を運ぶも良し、一度見ての感想をあれこれひねくり回すも良し。大変良い映画でした。
★★★★
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□ でした [ 「夫婦(めおと)ゴジラ」ですな。(写真) まあ、今年はハウルの他は、これといって面白そうなの無さそうなので ゴジラ..]
□ rover [いいよなー女子は。毎週一日、1000円で映画見れるんだもんなー。]
□ ポン太 [ハガレンのエロ画像ほしいよ〜]
□ rover [いやだからそういうのウチにはないから。ほかを当たって下さいな。]
□ エドワード・エルリック [アホかッ! 牛乳嫌い・・・]