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日曜日から三夜にわたって放映された、「NHKスペシャル 日本海軍 400時間の証言」。それぞれ「開戦」、「特攻」、「戦犯裁判」をテーマに、戦後水交会に集まった旧海軍軍人たちによる「反省会」の録音テープをもとに、組織としての旧帝国海軍が太平洋戦争と言うイベントをいかに運営していったのか、あるいはしていかなかったのか、を解き明かしていくドキュメント。全体としては猛烈に目新しい事実が出てくるようなものでもなく、おおむね淡々とお話は進んでいく感じの中で、いかにも日本の官僚制度の根っこにある「出来たものをなるべく変えない」的な体質が浮き彫りになってくるあたりの構成はそれなりに見応えがある。
ただ、この方面(太平洋戦争関連)の番組を作成するときに、必ず製作者サイドにつきまとう恣意的な演出のわざとらしさはやっぱり気になってしまった。あと、わざとらしさ、とはちょっと違うんだけど、特に「特攻」テーマの第二夜では、証言者のテープの再生シーンで、妙にカメラを揺らす演出が気に入らなかった、というか正直気持ち悪くなったぞ。カメラはフィックスが基本、で行こうぜ(なんかツッコミどころが違)。
総じて力作であったと思うんだが、メカニズムとしての戦争を追及しながら、〆を「ひとりひとりの命が何よりも大切」って言う紋切り型の結論で収めてしまう態度には少々がっかりしたかも。「せんそうは、たくさんのひとがしんでしまうから、ぜったいにやってはいけないとおもいます」で花マルをもらえるのは小学生までだと思う。戦争において人の命が残酷なぐらいのスケールで浪費される、というのは全く正しいし、それは皆がノーと言い続けなければならないことだと思うけれど、そのスローガンだけでは絶対に戦争は無くならない。個人のレベルでどんなに残酷で悲しいことが起きようとも、それは戦争というプロジェクトから産まれる、あらかじめ予想できる成果物の一つでしかないから。
個人的には戦争って、ヒューマニズムじゃなくエコノミクスの分野で「これはやらん方が良いわ」というコンセンサスが浸透しない限り、無くなるものではないと思うんだけれど、そこをうまくみんなに納得させて行くにはどうしたら良いんだろう、なんて事もちょっと考えてしまったことでした。
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