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病院で薬をもらってそのまま三宮へ。タックシールとかDVD-Rのメディアとかいろいろ消耗品を買い込んだおかげでデイパックはぱんぱん。こういう時に限って元町商店街で古書市とかやってる(ここってもと100均ショップが入ってたとこだっけか)んだもんなあ。もう袋に入る余地ないなあ、と思いながらもこんな物を見つけてしまっては(^^;)。
大日本吾妻漫画振興会「吾妻ひでおに花束を」。そろそろあじまさんがブレイクするんでないかい? ってな雰囲気だった1979年に刊行されたファンジン。今回私が入手したのは1980年の第3版。これ、学生時代さんざん探したのにとうとう手に入らなかった本なんだよなあ。というわけでこれは買う鹿。おまけに「はぁど・しゅーる新聞」のVol.3もついててお得感アップ。何となく研磨されてるような手触りが気に入らないんだけど、それ以外はずーーーーーーっと読んでみたい本だったのでちょっと嬉しい。しばらく楽しませていただきます。とはいえ嬉しいからと言ってさらに何冊か古本を買って、気がついたらちょっとした出血状態になってしまっていたのは少し情けないけど。
まあいいや、やってしまったことはしかたがない。
オースン・スコット・カード 著/田中一江 訳
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011463-3 \700(税別)
ISBN4-15-011464-1 \700(税別)
謎の異星生命体"バガー"との死闘に辛うじて勝利を収めた地球側の切り札、それはエンダー・ウィッギンをはじめとする"バトル・スクール"出身の天才戦術家たちの存在だった。幼い頃からその才能を見いだされ、特殊な環境での英才教育を施された少年少女たち。だがバガーとの戦争が終結した今、彼らの存在はいまだ紛争の絶えない地球の各国において、貴重な戦力としてなんとしても手に入れたい物となる。特にエンダーと、彼の直属のチームのメンバーは。そして実際に、地球を離れたエンダーを除く11人の少年たちは、次々と謎の集団によって誘拐されていく。ただ一人、戦術的才能においてはエンダー以上と言われたビーンを除いては。他のメンバーが誘拐されている中、なぜかビーンだけは命を狙われる結果となったのだ。辛くも暗殺の魔の手を逃れたビーンは、一連の事件の背後にかつてロッテルダムで共に孤児としてぎりぎりの生活をしていた時に知り合った、一人の少年の存在を関知する…
「エンダーズ・シャドウ」が文字通りエンダーの「影」の存在としてのビーンの物語であったとすれば、こちらもまたタイトル通り、ヘゲモン、とはつまりエンダーの兄であるピーターの「影」としての活躍を描くお話。どうやらこれで終わりではなく、さらに2作、予定があるらしい。超光速宇宙船で宇宙を旅するエンダーの物語が千年オーダーの広がりを持ったスケールの物語になるのに対して、ビーンの物語はあくまで、ようやくバグとの戦いに終止符が打たれた、その直後の地球を舞台に進んでいく。その地球は、うーん、残念ながらSF的な意識の広がりを感じさせてくれる未来世界にはまだなっていなくて、相変わらず大国とかつて大国だった国が覇権を狙い、宗教から来る対立は相変わらず残っている世界。一方では宇宙に進出し、(ことの是非は一旦措くとしても)悪いエイリアンと大宇宙戦争を繰り広げるだけの進歩がありながら、いったん地球に戻ればそこは現在我々が暮らしている世界とあんまり変わりのない世界、というのはSFには未来は信ずるに足るものだ、と主張して欲しい私にとっては少々淋しい物がある世界、と言わざるを得ない。そこまで今のアメリカに、カードが危機感を持っていると言うことの裏返しなのかも知れないけれど、一方で神の前の赦しと理解を説きながら、もう一方で(心の奥底で)アメリカに今一度ヘゲモンとしての矜持を取り戻して欲しい、とカードが思ってるようにも思えてそこはちょっとイヤなんだな。
そこを我慢して読んでいく分には、大人顔負け、というかマヌケな大人には太刀打ちできない頭脳のキレで丁々発止をやり合う敵味方のバトル・スクール出身者のゲーム感覚にあふれたエンターティンメントSFとして楽しめるし、そこにちょくちょく顔を出す、いかにもカードな宗教に関するメッセージも、まあ甚だしく目障りじゃない程度に抑えられててそこは評価したい。でも、私はこれがSFである必然性を何となくではあるけど見いだせないまま読み終えちゃったな、と言う気がしている。エンダーの影であったビーン、いまはヘゲモンの影となろうとしているビーンが、ここに来て彼なりの救済を模索するお話に萎縮してしまったような気がして。
なんつーかね、ハインラインが当時のアメリカの体たらくにイライラして「宇宙の戦士」を書いた時と同じような状態に、カードもハマってるような気がするの。で、そのカードのイライラをビーンがまともに受ける結果になっちゃって、かわいそう(本作でそのかわいそうさはさらに加速されてしまうんだけど)だなあ、と。エンダーは3000年ばかり、カードのイライラの標的にならないで済むんだもんね。面白いと思うんだけど、反面カードのナマなメッセージのあられもなさもまた、こっちに押しつけられるお話であったなあという感じなんでした。
(★★★)
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