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少し前に録画してたヤツ。CS スターチャンネル・クラシックで「ドラゴンスレイヤー」。1981年アメリカ、監督マシュー・ロビンズ、出演ピーター・マクニコル、ケイトリン・クラーク、ラルフ・リチャードソン。SFXにはデニス・ミューレン、ブライアン・ジョンソン、ケン・ローストン、フィル・ティペットとそうそうたる顔ぶれが並ぶ。知ってる人は知っている、「ストップモーションはもう古い、これからはゴーモーションだ!」っていう技術面でのブレイクスルーがまず喧伝された映画。
ゴーモーションとはなんぞや? それはストップモーションによるモデルアニメに特有の、微妙なかくかく感を、前のコマと今のコマに作為的にブレを生じさせることにより、より自然な動きに見せるようにする技術。ほら、あれですよ、LightWave3D(他のソフトがどうやってるのか知らんので限定するけど)でモーションブラーをオンにすると、前のコマから今のコマまでのオブジェクトの移動量から、その間の移動分を設定したブラーの細かさによって分割した、半透明の画像を追加するじゃないですか。あれと同じ事を職人さんか機械の力で、実写映像にもブレの形でフィルムに加味するような技術、なんだと思う。たぶん。
で、確かにこの映画に登場するドラゴンの動きはすばらしく自然だ。自然だがこれ、残念ながら今見てしまうと特に「ほう」と思える映像ではなくなってしまっているのだよね。ワシらは今や「ジュラシック・パーク」を見てしまっているから。むしろ今となっては、ほのぼのとした手作り感がストレートに伝わってくる、リドサウルスやグワンジ*1の動きの方がよほど見る側にいろんな面白みを味あわせてくれる、ってのはなんだか皮肉な話だなあと思う。
まあね、技術的な話以前にこれ、映画としての出来がかなり悪いってのがそもそも致命的ではあるんだけど。
この映画は、凶暴な龍の存在に苦しむ村を知った魔法使いが、その龍を退治しようと出かける→だが龍の恐怖に苦しむ領民であれば統治しやすいと見た領主は、生贄を差し出せばしばらくはおとなしくしている龍を退治されたくはない→なので魔法使いを暗殺する→魔法使いの遺志を継いだ少々頼りない弟子が、龍退治に向かう→途中、生贄にされないように男装して旅をする少女と知り合う→一方、王はともかくその娘である王女は、公平なはずの生贄を選ぶくじが、(常に自分は選ばれないので)アヤシいのではないか、と思っている→そこに登場する魔法使いの弟子一行、そこでくじ引きにはやっぱり不正があったことを知る王女→不正を許せない王女は自ら龍の生贄となり、おとりとして魔法使いの弟子の龍退治に協力しようとする→ちょっともやもやする男装の美少女………
と言う流れでクライマックスを迎えるわけですよ。なかなか魅力的なシノプシスであると言えますね。だがしかし。
ここでワシらが期待するのは、頼りない魔法使いの弟子が、けなげな王女を救い、「私なんかより王女様の方がいいんだわ、きーっ」となってる少女の誤解を解き、みんな助かって龍は倒れて万事めでたし、だよね普通。ところがっ!
おとりとなった王女様、「きゃー」の声に駆けつけた魔法使いの弟子。彼が見たのは龍の子供たちに群がられてる王女様。すでに足のかたっぽは食いちぎられちゃってる…。おーい(^^;)。
そこまでの展開もかなりヘタレだったんだけど、このシーンで完全にこの映画を作ってる人が何を考えてるのか分からなくなっちゃったなあ。これ、ディズニー配給ですよね? いいんですかこの展開? 信賞必罰の黄金律はない話ですか? 技術的な部分はともかく、お話としてこうも救いのないネタで、一体どういう勝算があったのかなあと思ってしまったです。
*1 それぞれレイ・ハリーハウゼンがパペット・アニメーションを担当した、「原子怪獣現る」と「恐竜グワンジ」に登場する怪獣
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グワンジ。まことちゃん。
そうそうあれで殴られると痛い…てそりゃグワシやがな!(お約束)