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病院で薬をもらってそのまま三宮へ。タックシールとかDVD-Rのメディアとかいろいろ消耗品を買い込んだおかげでデイパックはぱんぱん。こういう時に限って元町商店街で古書市とかやってる(ここってもと100均ショップが入ってたとこだっけか)んだもんなあ。もう袋に入る余地ないなあ、と思いながらもこんな物を見つけてしまっては(^^;)。
大日本吾妻漫画振興会「吾妻ひでおに花束を」。そろそろあじまさんがブレイクするんでないかい? ってな雰囲気だった1979年に刊行されたファンジン。今回私が入手したのは1980年の第3版。これ、学生時代さんざん探したのにとうとう手に入らなかった本なんだよなあ。というわけでこれは買う鹿。おまけに「はぁど・しゅーる新聞」のVol.3もついててお得感アップ。何となく研磨されてるような手触りが気に入らないんだけど、それ以外はずーーーーーーっと読んでみたい本だったのでちょっと嬉しい。しばらく楽しませていただきます。とはいえ嬉しいからと言ってさらに何冊か古本を買って、気がついたらちょっとした出血状態になってしまっていたのは少し情けないけど。
まあいいや、やってしまったことはしかたがない。
オースン・スコット・カード 著/田中一江 訳
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011463-3 \700(税別)
ISBN4-15-011464-1 \700(税別)
謎の異星生命体"バガー"との死闘に辛うじて勝利を収めた地球側の切り札、それはエンダー・ウィッギンをはじめとする"バトル・スクール"出身の天才戦術家たちの存在だった。幼い頃からその才能を見いだされ、特殊な環境での英才教育を施された少年少女たち。だがバガーとの戦争が終結した今、彼らの存在はいまだ紛争の絶えない地球の各国において、貴重な戦力としてなんとしても手に入れたい物となる。特にエンダーと、彼の直属のチームのメンバーは。そして実際に、地球を離れたエンダーを除く11人の少年たちは、次々と謎の集団によって誘拐されていく。ただ一人、戦術的才能においてはエンダー以上と言われたビーンを除いては。他のメンバーが誘拐されている中、なぜかビーンだけは命を狙われる結果となったのだ。辛くも暗殺の魔の手を逃れたビーンは、一連の事件の背後にかつてロッテルダムで共に孤児としてぎりぎりの生活をしていた時に知り合った、一人の少年の存在を関知する…
「エンダーズ・シャドウ」が文字通りエンダーの「影」の存在としてのビーンの物語であったとすれば、こちらもまたタイトル通り、ヘゲモン、とはつまりエンダーの兄であるピーターの「影」としての活躍を描くお話。どうやらこれで終わりではなく、さらに2作、予定があるらしい。超光速宇宙船で宇宙を旅するエンダーの物語が千年オーダーの広がりを持ったスケールの物語になるのに対して、ビーンの物語はあくまで、ようやくバグとの戦いに終止符が打たれた、その直後の地球を舞台に進んでいく。その地球は、うーん、残念ながらSF的な意識の広がりを感じさせてくれる未来世界にはまだなっていなくて、相変わらず大国とかつて大国だった国が覇権を狙い、宗教から来る対立は相変わらず残っている世界。一方では宇宙に進出し、(ことの是非は一旦措くとしても)悪いエイリアンと大宇宙戦争を繰り広げるだけの進歩がありながら、いったん地球に戻ればそこは現在我々が暮らしている世界とあんまり変わりのない世界、というのはSFには未来は信ずるに足るものだ、と主張して欲しい私にとっては少々淋しい物がある世界、と言わざるを得ない。そこまで今のアメリカに、カードが危機感を持っていると言うことの裏返しなのかも知れないけれど、一方で神の前の赦しと理解を説きながら、もう一方で(心の奥底で)アメリカに今一度ヘゲモンとしての矜持を取り戻して欲しい、とカードが思ってるようにも思えてそこはちょっとイヤなんだな。
そこを我慢して読んでいく分には、大人顔負け、というかマヌケな大人には太刀打ちできない頭脳のキレで丁々発止をやり合う敵味方のバトル・スクール出身者のゲーム感覚にあふれたエンターティンメントSFとして楽しめるし、そこにちょくちょく顔を出す、いかにもカードな宗教に関するメッセージも、まあ甚だしく目障りじゃない程度に抑えられててそこは評価したい。でも、私はこれがSFである必然性を何となくではあるけど見いだせないまま読み終えちゃったな、と言う気がしている。エンダーの影であったビーン、いまはヘゲモンの影となろうとしているビーンが、ここに来て彼なりの救済を模索するお話に萎縮してしまったような気がして。
なんつーかね、ハインラインが当時のアメリカの体たらくにイライラして「宇宙の戦士」を書いた時と同じような状態に、カードもハマってるような気がするの。で、そのカードのイライラをビーンがまともに受ける結果になっちゃって、かわいそう(本作でそのかわいそうさはさらに加速されてしまうんだけど)だなあ、と。エンダーは3000年ばかり、カードのイライラの標的にならないで済むんだもんね。面白いと思うんだけど、反面カードのナマなメッセージのあられもなさもまた、こっちに押しつけられるお話であったなあという感じなんでした。
(★★★)
「ゴジラvsデストロイア」。平成バーサスシリーズ最終作。1995年。確か倅と見に行ったような覚えがある。あとで焼き鳥食いながら感想聞いたらば、「なんか凄い迫力やった」で終わりだったような。まあそんなとこだろうな。見た目は派手だがスジはイマイチ見通しが悪い、といういかにも平成ゴジラらしい出来で、テレビ画面で垂れ流しとく分にはいいかー、てなところ。この中ではかつての「ゴジラ」に登場した新吉少年の息子、(山根家に引き取られて山根姓を名乗る)山根健吉を演じた林泰文がなかなかよろしい。でも「G-FAN」読んでみたら、海外のファンにはけちょんけちょんにけなされててちょっと意外だった。ま、そんなとこか。
医学都市伝説で紹介されていた、英国軍叙勲式典での写真。エリザベス女王の向かって左に座っている兵隊さんのキルトの具合が絶妙に微妙。こういうのにすぐ反応する英国の大衆紙の鵜の目鷹の目ぶりや、問題の写真の主の父親のコメント、全体としてこういうネタをユーモアの範疇で楽しむことができちゃう英国人って、やっぱりしたたかだよなあ、と妙なところで感心したり。
昨日書こうと思ってて忘れてた。映画化とのタイアップの意味もあるんだろう、「モーニング」誌で「亡国のイージス」のマンガ連載が始まったわけだが、どうなんでしょ、ここまでへったくそな絵で、この先大丈夫なんでしょか。先週号のプレ連載読切りでも感じたんだけど、メカ描写がヘタ(劇画系の多い講談社って、めったにメカ描写で感心するマンガに当たった事がないんだよねえ)なのはまだ我慢する(できんけど)としても、人物のデッサンとか、でたらめに狂いまくってるし、モブシーンもなんかヘタだし。せっかくの傑作(小説は傑作ですよ。読んでない人は是非御一読)がこんなヘタレな絵でコミカライズされてしまってはこの先、泣くところで泣けないんじゃないかという気もしてくるんだが。
昼前に倅の部屋を覗いたら、ヤケに黄ばんだ画面でwebを閲覧しとる。聞いてみたら、少し前から青がちゃんと出ない状態なんだってさ。そういうことは申告してくれりゃあいいのに。家計を気にしてくれた? そりゃどうもお気遣いいただきまして。
とはいえ青が出ないディスプレイ(なんたってMAGだもんね、これはこれで年代物だわ)じゃあさすがにかわいそうだから、ヤフオクで検索(やっぱり貧乏なんじゃん)。まあまあなんではないかと思われる鳥取サンヨーの15インチ液晶ディスプレイを、生ぬるいバトルの末8000円ちょいでゲットだぜ。到着までちょっと待ってな>倅
「ウルトラマンマックス」、「BLOOD+」。「マックス」(#23:「甦れ青春」飛魚怪獣フライグラー登場)は、うわあどうしたんだ二瓶さんそのお腹、ってのが一番大きかったですなー。お話そのものは、ここんとこクセ珠が続いてたんで、まあこういうストレートなのもええですね。あっちゃこっちゃにツッコミどころはある(「人類に対して抗議している」存在の怪獣たちをそないに問答無用に攻撃してもええのんか、とか、なんとかかんとか)けど。
で、来週のタイトルはメトロン星人登場の「狙われない街」。監督はじっそー君。おーい(^^;)。
「BLOOD+」は先週からベトナム編(わあ、『009』みたいだ)なんだけど、んー、どこに行こうとしているのかよく分かりません。
「地獄少女 二甕」、「あさっての方向」、「轟轟戦隊ボウケンジャー」、「仮面ライダーカブト」、「ふたりはプリキュアSS」。「地獄少女」は、世の妹萌え男どもに正義と良識の鉄槌を振り下ろす話(そうか?)なんだが、良識の部分が先に立っちゃって、「二甕」になってから顕著な、二段構えの鬱展開がちょっと疎かになってしまったのが惜しいな。良識やらを前に持ってくると、お話はちょっと薄っぺらになっちゃうのだよね。
「あさっての方向」は、えーとこれ、もしかしたらかなりの良品なんではないでしょうか。つるぺたちんちくりんの小学生がいきなりぽん、きゅっ、ぽんの美少女になったら、こんなの自分じゃないと落ち込む、って流れ、それまで大人の色気炸裂だった女性がいきなりょぅι゛ょになっちゃったら、思わず「参ったわねー」とタバコに手を伸ばす、なぁんてあたりの描写はなかなか結構ではないですか。続きに期待しときます。
日曜朝は終盤戦なのでどれも動き大きく。「ボウケンジャー」(Task.41:メルクリウスの器)は、「西のアシュ」のヒト(じゃなくアシュ)がもうちょっとお話に絡んでくるのかと思ったら案外簡単に退場しちゃってあらら(ラストにパプティマス様モードは発動させてたけど)な感じ。こういう人(だから人じゃなくアシュ)はそれなりに救済措置を用意してあげても良かったんじゃないかしら、とは思った。
カブト(#43)の方もいろいろ動きあり。加賀美クンがどんどん主人公ぽくなって来てるのはええ傾向だと思う。最終的に天道って、最後には去っていくタイプのヒーローだろうと思うんで。
さてそろそろオチの付け方が気になる季節ですが、どうなるんでしょうな。一番ヤバげなエンディングのパターンとしては、全てはひよりが自分の頭の中で描いてたお話だった(天道はリアルな人間じゃない)ってのがあるかと思うんだけど、さあどうだろ。
東二見、とはあたしの人生の中で三番目に西(一番は岡山、次は姫路。三番目はこれまで、オフミで酔っぱらって乗り過ごしちゃった西明石だったんだけど)の果て。昼1.5の打ち合わせだったので、現地の近くで腹ごしらえすればいいかと思ってたんだけど、いざ行ってみたらば東二見というところは潰れたラーメン屋と潰れたラーメン屋とシャッターの降りたお好み焼き屋とやってるんだか休んでるんだか分からないうどん屋しかないことが分かって唖然とする。喫茶店も見あたらないし。
つー事で昼飯抜きで打ち合わせ。ちょっとふらついた。担当の人が、元々は別の仕事をしてたのが、web関連の仕事をしなくちゃいけないということで、改めてスクールに通って、手探りで仕事をしている、なんて話を聞くと素直に「偉いなあ」と思ってしまいましたわ。
あとはなんだ、予備知識なしで入ると、PhotoshopよりIllustratorの方がツールとしては使いやすい、って話はちょっと新鮮だった。あたしゃ.aiを前にすると結構固まっちゃうもので。
つか.ai以上に私が固まるのが.flaなんですけどね。人様の作ったFlashムービーの修正か。すんげーヤバいジャンルなんだけど、出来るかしら。経費の見積もり出す以前に、あたしのキャパの見積もりを出すとこで苦労しそうだわ
ここまで意外にありそうでなかった本が何冊か入ってきたんで、データ入れるのも忘れて眺めてたりしたのが「月刊GUN」。学生時代にちょっとだけ読んでた、つっても自分で買ったんじゃなく学生寮暮らししてた時の先輩が買ってたものを読ませてもらった、ってだけの話なんだけど。時代的にはまだ、コルト・ウッズマンが現役の銃としてギリギリ紹介されてたあたり(「ワイルド7」があったからねえ)。
読んでてかなり衝撃的というか、デカルチャーな気分を味わったのが、当時の「GUN」に書いてた女性ライターさんの記事。女性でびっくりというんじゃなく、その内容がちょっと日本に暮らしてる人間には想像を絶するものだったわけで。
ホントにキモの部分しか思い出せないんだけど、たしかS&WのM36あたりの記事で、女性の小さな手に合うようにグリップを自分で削りだして、みたいなのが記事のメインだったと思うんだけど、そうやって自分の手にしっくり来る銃ができたところで、アメリカで暮らしてる女性は…
仲のいい友達と一緒にピクニックに出かけ、手作りのサンドイッチとワインで昼食を楽しみ、その後愛用の拳銃で射的をして楽しむのはとても良いものです、的な記述があってエェェェー!? と思っちゃって。
女性の軽いハイキングに、普通に(んまあ護身用って意味はあるんだろうけど)人を殺せる物を持っていって、それで遊び興じるのが普通の世界ってのはどういう物なんだろう、と軽くカルチャーショックを感じた覚えがあって、ある意味わからんなあ、と。
オートマチックはそれほどでもないんだけど、確かに仕上げの良いリボルヴァーにはある種の芸術性みたいなものが乗り移る時があるよなあ、とは確かに思わなくもないんだけれど、それでもそれ、人に向かって使ったら相手は血ぃ吹くんだぜ、ってところに最初に思いが行ってしまうのが日本人ならではのメンタリティって事なのかしら。難儀な甘ちゃんなのかも知れんけれど、んでもやっぱ女性が普通にきゃはは、とか笑いさざめきながら拳銃ぶっ放す図、ってのにはやっぱり違和感感じますわ。
てな事をちょこっと思い出したことでした。
って言うか昨日より痛くなってないか? 朝起きたらなぜか対角線方向にある背中もちょっとズキズキしたり。
オレが何かの動きのたびに、アウチアウチとうるさいので、カミさんがロキソニンをくれました。あまり効きませんけど。
<休刊>学研「学習」と「科学」…時代のニーズに合わず(Yohoo! ニュース)。小学生でも普通に自分用のパソコンが持てるこのご時世、もはや大人の世界や(そのワード自体に限りない可能性を感じさせてくれた)科学の世界を、すごく単純化してシミュレートさせてくれるような付録付き紙メディアには有効な対抗手段はなくなってしまった、と言うことなんだろうな。替わりにやってきたのがディアゴスティーニ的、かつての「科学」「学習」世代だった大人向けの出版物、ってことになるのかも。
オレは(そもそも学習することが大嫌いな人間だったから)「科学」派で、中学に進んでからは「サイエンスエコー」と「ミュージックエコー」に進んだ憶えがある。残念ながら科学立国には全く力になれない、いい加減な大人になってしまったけれど、ガキの頃に「科学・のようなもの」に触れることができた、と言う経験が自分のSF好きな部分を伸ばしてくれた、って側面は間違いなくあったと思う。「科学」と「サイエンスエコー」の内容がごっちゃになってるような気もするけれど、水の電気分解実験キットとかシーモンキー的な何かを飼育するようなキットとか、ルナ・モジュール型テスター(これは多分『サイエンスエコー』だった)とか、なんて言うんだろうね、プチ・マッドサイエンティストな気分を満喫させてくれる、ある意味センス・オブ・ワンダーに満ちた付録がとても楽しかったんだ。
あと、これは前にも書いたような気もするけど、「科学」の連載記事は噛み砕き具合が良い感じで、いまだにその内容を思い出せる物があったりしてそこも個人的にはポイント高い。確か内山安二先生の作品だったと思うが、で、オレが小学校の4年か5年の頃だから1970年代前半の「科学」に連載されていたと思われるマンガ、「タマちゃんと忍犬ムス」は、今でも機会があったらぜひ再読したいと思ってますよ。この時期に何か刷り込まれたら、そりゃこの歳になってもタマちゃん好きは消えねえだろうってなモンで(w。
本来出版社側が狙ったであろう、それなりにアカデミックな方向性とは別の方向で何かを後押ししてくれた雑誌と言うことで、その休刊というニュースにはいろいろと感慨深い物を感じてしまう。とても好きな雑誌でした。たぶん一番良かったであろう時に読み耽ることができた幸運をかみしめつつ、お疲れさまでした、当時のオレがありがとう。
あ、そうそう、「ミュージックエコー」って雑誌も別な意味でかなりディープで、関連するネタがあったらちょっと語りたい気もしてるんですが、そういう機会はちょっとなさそうだな(w。
一緒に仕事したくないランキングで常に上位をキープしている御尽から一年半ぶりぐらいにメールで、「急ぎの仕事をお願いしたいんで電話をくれまいか」と。おやおやと思ってたらいきなり向から電話がかかってきたので、見なかったフリもできず対応することにしたんだけど、メールだろうが電話だろうが、相変わらず説明が要領を得ない上に、どうもiPhoneからSkypeを使ってこっちのケータイ(au端末)に繋いでるみたいなんだけど、これがやたら通話品質が悪い上に、ちょっと話し込むと、どんどん向こうの言ってることがブツ切れ状態の短波ラジオの外国語放送みたいな状態になってしまい、意味の通じないこと甚だしい。
とりあえずなんとか拾い上げた情報によると、来週末までに50ページほどのコーディングをやって欲しい、って事のようで。
あらちょっとキツいわねえ、と思ったんだけど、「ページ単価ですけど、これだと安すぎます?」つってきた値段が、正直昨今の相場からしたらかなり美味しい値段だったので、んじゃ請けましょか、ってな方向で。
来週は苦労の多い一週間になりそうです(苦笑)。
大森望 編
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-73802-0 \1000(税別) →amazon
2009年までの「ゼロ年代」、10年間に発表された国内SFの秀作を集めた傑作集。<F>には「すこし、不思議」テイストの作品が収録。
<S>が宇宙SF、もしくはハード寄りなSF作品を中心に編まれたアンソロジーだったとしたら、こちらは日常と非日常の間を行き来する不思議ストーリーを中心に集められたアンソロジー。あ、あと、そこはかとなく「記述」にまつわる思考実験的な作品も混じっていると言えるかな。ま、前置きはこんなところでそれぞれの作品についての短い感想を。
無垢な精神と記述がもたらす、現実に非現実が被さって瞬間をユーモア混じりに描く。まずはジャブから、って感じかな。
こちらも日常と非日常の入り組んだ状態をテーマにしたお話。ただしこちらはラヴ・ストーリィ仕立て。ロマンチックかつ、何かを葬る悲しみも同時に秘めたような…。
わあい、メイドさんだー、ってキモはそこじゃなく。こちらは非日常が日常的になってしまった、静謐な世界で語られる別れの物語。藤子不二雄 F 先生が描きそうな世界であると思ったが、ゼロ年代的には鶴田謙二ってことになるのだろうかねえ(微妙に不満らしい)。
なんというか、正しいライトノベルの文法を守りつつ、意外とヤバいネタをさりげなく紛れ込ませてきている作品、なのかな。「何かヤバい爆弾」がネタの根っこにあって、メインとなる男女の姓が広崎と長島って…。そこに突っ込みを入れてきたオトナは一人もいなかったんだろうか。お話そのものはちょっと甘酸っぱくて悪くないんですけどね。
一種のフェイク翻訳SF的な企画の一環として書かれた作品であるそうだが、元ネタであるところのゼラズニイ的イメージよりは、むしろ初期のディック作品、みたいな感じが先に来ているだろうか。ただしそこに日本人が日本語で書いた小説、って要素が加わることで、独特な味が加わってると思う。
アイデア一発で押してくる、本書中でも多分最もオーソドックスなSFらしいSF。職人の熟練、って感じだ。
時系列的に「104」に続くお話なんだろうか(ちょっと関連が語られている感じがある)。基本はシンプルなサスペンス・アクション。この後に「ヴェロシティ」と「スクランブル」が来ると考えると、ウフコックの煮えきらなさのパートがそれなりに興味深かったりする。
「読み味」ってところで多分本書の白眉はこの作品だと思う。淡々として尖ったところには乏しいのだけれど、物語を伝える、という技術の部分と、その技術が裏打ちしている、あえて表現しきっていないところに潜む怖さ、のような部分の按配がすばらしい。個人的に本書の一等賞はこれだな。
こちらも日常系のすこしふしぎ、かつちょっと考えると、その絵は意外に変じゃない? 的な描写がなかなか印象的。日常から非日常に遷移する(させない)ものが何なのか、ってところにSF的な発想が効いてるんだと思う。
こちらは既読なんだけど、なにせ北野勇作さんの短編ってのは判らんことを判らんままに文章にしてくるので、考えずに感じることが出来ないといろいろ辛いんだろうと思う。オレは割と辛い方よりの立ち位置の人だと思うです。
こちらも既読。基本的な感想は前に読んだときとさほど変わっていないと思うんだけど、何だろう、「ゼロ年代」って括りが前に来ると、本作なんかはむしろクラシックなSFのテイストをたたえている感じがしてしまうな。
取っかかりはアニメなんだがお話の展開はアニメでは絶対予想できない、というかいろんな意味で許されないノリというか。そこは牧野さんですから(w。記述を再構成すること、再構成された記述がふたたびビジュアルとしてお話の中に漏れ出してくるといった描写は、多分「ゼロ年代」ってカシラで解釈される時に、ちょっと違った意味を持ってくるものなのかな、などと。
思っていたよりははるかにオーソドックスな風味もあり、楽しいアンソロジーでした。SFって言葉に過敏に反応しない人にこそ、読み応えのある一冊ではないかと。
★★★★
今日の夕刊で見かけてちょっと気になった。ボイジャー新読書システムBinB(株式会社ボイジャー)。HTML5ベースで特定のアプリケーションやプラグインを必要としない電子書籍サービス、と言うことらしく、そこもかなり興味深い(し、ちゃんと勉強したいとも思います)んだが、そのサービスの第1弾としてアナウンスされているのが「虎 虎 虎」。映画「トラ・トラ・トラ!」の準備稿として、黒澤明、小国秀雄、菊島隆三の三氏によって書かれたもの。
12月8日から読めるようになるそうで、ちょっと楽しみだわ、これ。
先週の土日の分。「ジョジョの奇妙な冒険」、「リトルバスターズ」、「コード:ブレイカー」、「ソードアート・オンライン」、「特命戦隊ゴーバスターズ」、「仮面ライダーウィザード」、「スマイルプリキュア!」。
「ジョジョ」はジョナサン編完結。意外にさくさく進むのね。とりあえずジョセフ編までやって、評判良かったら丈太郎編も、って感じなんだろうか。自分的には「ジョジョ」ってエピソードが進むにつれて何が起こっているのかわからない感が加速する感じがあるので、(あの感じの説明セリフダダ流しな)アニメにするのならむしろ、丈介やジョルノのお話を先に見たかったような気はするな。
「リトバス」はちょいちょいいい話っぽいエピソードが来ている気はするんだけど、総じて良くわからん。どこに感情移入したらいいのかが良くわからんの。「コード:ブレイカー」は、何か急にお話がみみっちくなったような気がする。
ようやくキリト、リーファがリアル世界で誰なのか、がバレちゃった「ソードアート…」。やあ、俺と妹が修羅場で困る、的な展開ですなあ。俺は妹がいるんで、昨今巷間に蔓延している妙な妹萌えの風潮が、ほぼ九割九分幻想であることを断言できる(^^;けど、それは兄視点から見たら、って事限定であって、妹視点から見た兄、ってのはどういう見え方がするものなのか、ってところには気が行ってなかったな。今度妹と話をする機会があったら聞いてみようかしら(殴られそうな気がするな)。
日曜日。普通のお嬢様の時とピンクバスターの時で、そりゃちょっと落差ありすぎだろー、だった「ゴーバスターズ」。普通にしてたらかなりかわいいのにね。キャラ的にもちょっと唐突感があって残念だったかも。「ウィザード」は安易に全部をチャラにしようとはしない話作りには、好感を持ちました。「プリキュア」は個別キャラの掘り下げ大会進行中。なんで今?
前に書いたGoogleDriveとOpera12の相性が悪くなっちゃった件、今日になってなんだか知らんけど元に戻った様子。Google側で何かやったのか、こっちのキカイがどっかしらでなんかしら我に返ったのかは判らんけど、とりあえずありがてえ。OperaNextもまあ受け入れても良いかな、とは思い始めてはいるんだけど、パスワードマネージャとかはOpera12の方が強力だし、やっぱMDIモードは捨てがたい魅力があるんだよね。
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□ モモンガ [よくぞ、言ってくれました。これホント、とびきりヘタだと思います。全く同感。 いくらなんでも、もうちょっとマシな作画家..]
□ rover [ですよね。個人的な趣味だと谷口ジローあたりに、思いっきりくどく描いて欲しかったような気がしますわ。 検索ワードについ..]