ばむばんか惰隠洞

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2003-12-18 [長年日記]

[Oldbooks] 火の七日間

古本屋がらみでたっぷりバテた一週間でありました。12/10から昨日までの一週間で110冊発送。土日にはほとんどご注文はないので、正味5日間でこの注文だったわけで、や、ありがたいことです。

100冊でたら100冊追加しなくちゃいけないわけだし、次の100冊が前ほど魅力的な商品かどうかなんて出してみなくちゃ分からないわけで、まだまだ手探りでいろいろ経験せんとあかんことは多いわけですが、まあこういうことも起こるんだな、ということで。

いろいろ書こうと思ってたことは、憶えてたらあとで書きます。とりあえず疲れた。

[Day] 慇懃戦略

NHKの受信料払ってなかったんですけどね。で、なんどか「払わんかいグルァ」って手紙ももらってたんだけどシカトしてたわけです。したらさっき電話が来ましたよ、NHKから。いやあ、こいつを待ってた。前から言いたかった台詞があったんだよ。で、言ってみたよ。

「あー、お金ないんで電波止めてくれませんか?」

全くタイムラグなし、口調も変化なしで返事返ってきたね。

「そうでございますかー。ですが電波を止めるわけにはまいりませんのでやはりお支払いをお願いしたいのですが。今お金がないようでしたら1月にお支払いいただくこともできますがー」

…負けた。気がついたら「今度払います」って答えちゃったよ。うーむ、鍛えられてるなNHK。

[TV] 放射能X

CS スターチャンネルクラシックで「放射能X」。1954年アメリカ。監督ゴードン・ダグラス、出演ジェームズ・ホイットモア、エドモンド・グウェン、ジョーン・ウェルドン。昔々、よみうりテレビに映画好きなスタッフがいて、この方のプッシュで深夜枠に放映された「CHINEMAだいすき」というシリーズ物があったのを憶えておられる方も多かろう。この中の「アトミック・ムービー」(だったかな、ちょっとうろ覚え)という企画の中の一本がこれであった。ちなみにそれ以外のラインナップは「渚にて」、「博士の異常な愛情」、「アトミック・カフェ」、それからもちろんわれらが「ゴジラ」など。つまりそれらの傑作に充分比肩しうる映画としてこの作品も放映されたわけ。久しぶりに見たんだけど、で、他の名作群に比べると少々貧乏なんだけど、それでもよくできた映画であるなあと改めて思った。

砂漠を一人さまよう少女、何があったのか彼女はその心を固く閉ざし、何を聞かれても一言も言葉を発しない。彼女を保護した警官たちが調べてみると近くには少女の一家が乗っていたと思われる、めちゃくちゃに破壊されたキャンピングカーの残骸が。そこからいろいろあった末、事態を重く見た政府から派遣された科学者(ある生物の専門家なんだけど、まあ見てのお楽しみ)によってある物質が少女の前に取り出された時、少女の閉ざされていた心は、その原因となった恐怖体験を再現されたことで爆発し、こらえきれずに「THEM!」と叫ぶ。で、この「THEM!」が映画の原タイトル。ここまでの流れが実にうまいんだなあ。その後もキワモノになりそうなんだけどそこを上手にそっち方面に行かないように、シリアスにお話を進める脚本がうまい。ラスト(の少し前)なんざちょっと泣けますぜ。

「ゴジラ」と同じ1954年の映画なんだけど、なぜかピンチに陥った船の中では船員が必死に緊急無電を送信、してると無線室にもパニックが、なんて、おんなじようなシークエンスがあったりしてちょっと嬉しくなっちゃう。ついでにこの映画のラストはシチュエーション的に何となく「美女と液体人間」のそれを連想させたりするし。や、いろいろと楽しめました。地味だけど良い映画だね。

[TV] ゴジラもぞくぞく

んでCS 日本映画専門チャンネルの方では「24時間まるごとゴジラ」なんてな企画が12/21に用意されてるんですが、そこでの放映作品がすでに小出しにされてますな。私、「ゴジラ」「ゴジラ(レイモンド・バーのUSA版)」「ゴジラの逆襲」「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」はLDで持ってるんですけど、それ以外は(これまたよみうりテレビさんのおかげで録画できた)テープのコレクションだったので、この機会にいくつか録画し直して、DVDに焼き焼きさせてもらってます。録画したのは「三大怪獣 地球最大の決戦」「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」「怪獣総進撃」。あと「ゴジラVSモスラ」(これ、ほぼ未見)と「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」は撮らせていただこうかと。

んで久しぶりに「ゴジラの息子」をのんびり見直したんだけど、不思議な映画だねえこれは。ガキの時に観た時は「なんだよこれー」と怒り狂ったもんだけど、その後見直すたびに、なんかどんどん好きになってくるんだよな。一回観て「このクソ映画ぐわぁ!」と思ったアナタもぜひ、5回ぐらいは繰り返して観てみて欲しい。したらこの映画の良さが分かる。

この映画のキモは、実は怪獣なんかどうでもよくて、黄金期の東宝特撮映画における役者さんたちのそれぞれの持ち味が、いちばんピュアにでている、というところにあるんですよ。ここを楽しむにはちょっと大人になってからでないとあきません。

常に最強の策士の平田昭彦、必ず崩壊する土屋嘉男、脳味噌入ってない久保明、何をやっても影が薄い佐原健二、常に世間離れしてる高島忠夫…、もはや完璧といえましょう。あ、いや、なんとか宝田明の出番も入れて欲しかったか。それはともかくこの、東宝の代表的な特撮キャラが、実にパターンなお芝居をやってくれる楽しさ、これをムフフと楽しむってのは、これはまことにオトナの趣味でございますよ(そうか?)。

そうそう、この、ゾルゲル島の男たちについては敬愛して止まない故・沙魚川無腸さんがすばらしい相関図を作ってくださってるのでそっちも参照。あー、久しぶりに沙魚川さんのこと書いたらちょっと淋しくなってしまった。くすん。


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