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void GraphicWizardsLair( void ); //経由で消防自動車ができるまで。40分を超えるRealメディア。見応えあるわあ。
で、モデラー的に思わずほくそ笑んでしまうのが、消防車の赤色塗装。まずピンクを塗ってから赤を吹き付ける、ってやり方をしていること。はい、熱狂的なフェラーリファンは言いますね。「フェラーリの赤は、光が当たって明るくなった部分が白ではなく、ピンクでなければならない」などと。実際数年前、これを実現するためにイタリアかどこかから、フェラーリのキット専用の缶スプレーのセット(ピンクサフェーサーと赤の缶の2本で構成されてるのな)なんてのが出てたもんなー。そっかー、消防車も赤の発色にはこだわるんだー。ちょっとええ話やなぁ。
神林長平 著
カバーイラスト 橋本晋
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030751-2 \700(税別)
突然地球を襲った奇病、"日陰症"太陽からの紫外線が、特定の人間に対して致命的な炎症を起してしまうこの奇病の蔓延で、人類の一部は永遠に太陽の下での活動が不可能になってしまった。そんな折発見された惑星ヴァルボス、そこはとある理由から太陽光線が差さないにもかかわらず、明るい青空が拡がり、現住生物であるヴァルボス人たちも地球人たちの移植を拒まない、"日陰症"の人びとにとっては楽園とも言えるところ。移住にはとてつもない金が要るのだが、地球で刑事をしているときに知り合い、そのまま恋人同士となった怜美は、おれと怜美の二人分の移住費用を楽々払えるほどの金持ちだった。だからおれたちはここにやってきて、好きな仕事をやっている。怜美は娼婦、おれは私立探偵。
そんなおれの許に、めったに地球人とは接触しないヴァルボス人の依頼者がやってくる。しかもジャンドゥーヤ、と名乗るその男、ヴァルボスの刑事だというのだ。ヴァルボスの刑事が地球人の探偵に依頼する仕事とは? 時を同じくして、ヴァルボスに移住した人間たちの一人からも依頼が舞い込んで、おれ、坂北天界は地球人たちに紛れ込んだと思われる凶悪なヴァルボス人と、この地で勢力を伸ばしつつある新興宗教団体から家でしたと思われる少女という、不達の人捜しを同時にはじめる事になったのだが…
これも元は光文社版。でも私は読むの初めて。光文社から出ていた神林作品って、どうもこう、作者がそう意図したのかただの偶然なのかはわからないのだけども、どこか軽いところと、ノイズが目立つ、ていうのかな、饒舌に過ぎる分、短くて済む話が妙に引き延ばされたような、そんな印象を持ってしまうお話が多かったような気がするんだけど、これなんかその代表的なものと言えるかも知れない。これも神林SFお得意の、「認知」をテーマにしたお話で、後半に明らかになってくるヴァルボスという世界が秘めたもの、ってあたりにはかなり「おーそうきたか」というか、なんというか、ネタバレになるんで申し訳ないですけど「マトリックス」を先取りした(本書の刊行は1993年)、ように見えるSF的アイデアがででん、と控えていてそのあたり、ちょっとうれしかったりするんだけど(まあ、ウォシャウスキー兄弟がこの本を読んでた、なんてことはないだろうけどね)、なんていうのかな、あやふやなものがあやふやなままで終りまで進み、結局ついたオチはそっちかい、な読後感を持ってしまうお話、というか。
もちろん、そのオチがすべてなのではなく、実はお話を読み終わったときからが、この本について考え込む時間が始まるんだ、世界の中の自分ってなんなんだ、てのを考えるんだ、と言われればそうなのかも知れないんだけれど、どうなんでしょ、そこまで考えるべき本なのかどうかも良くわからん。単純に書き足りない、または詰め切れないまま終っちゃったお話、にもみえるしなあ、ううむ。
というわけでわたくし的にはいまいち。んでも本作中にお話とはあんまり関係ないところでちょっといいフレーズがあった。
自分さえよければいいのかという裏には、他人が不幸になってもいいと思っているのだろうという無言の非難も含まれているのだ。そうちゃんと言ってくれれば反論もできるのだが、言わないことで反論を封じ込めてしまう。汚いやり方だ。
いや、なんかタイムリーな感じがして (w。
(★★☆)
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