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あまりに仕事の埒があかない状態が続くので、参考書探しがてら久々に三宮へ出かけてみる。おー、交通センタービルとマルイの間に歩道橋ができてるじゃないか。そういえばしばらく三宮に出てなかったよなあ。
久しぶりに背取り旅もやったんだけど、足がくがくです。いかんなあ、運動不足かもしれん。やっぱり週に一度は、街に出んといけませんですな。
ジョージ・R・R・マーティン 著/酒井昭伸 訳
カバーイラスト 末弥純
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011511-7 \840(税別)
彼の名はタフ・ハヴィランド。長ったらしい名前のおんぼろ貨物船で、猫たちだけを相棒に宇宙を回る個人業者。そんな彼の許になにやら曰くありげな仕事の話が舞い込んだ。定期的に正体不明の疫病に見舞われ、あらゆる知的生命体が生き延びることを許されないところから付いた渾名が"禍つ星"。そんな謎の星存在の陰には、1000年前の恒星間戦争の遺産があるらしい。それを手にすれば巨万の富が手に入る、と踏んだ一団がタフに接触してきたのだ。今ひとつまとまりのない一団を船に乗せ、タフたちは目的地をめざす。そんな彼らが向かう先には、とてつもないものが待っているのだった……。
G・R・R・マーティンと言えば「フィーヴァードリーム」などの、いわゆるゴシックホラーで有名な人、って印象を個人的には持ってるんだけど、思い返してみたらSFの方でも結構いい仕事してて、「サンドキングズ」なんてのがあった(未読ですが)し、シェアード・ワールドSFの佳品、「ワイルドカード」の元締めみたいなこともやってたりする。そんなマーティンの1980年代の連作シリーズがこれ。超慇懃なはみ出し商人タフが、ひょんな事から手に入れた過去のオーバーテクノロジーを駆使して、行く先々で騒動を巻き起こすシリーズ、という感じですか。過剰なまでの慇懃ぶりが、却って周囲のイラつきを招き、勝手に先走って話をややこしくしてしまって、ていうお話のスタイルとキャラクターの立ち具合が実にうまく、楽しめる連作シリーズになっている。
ちょっと昔の作品なんだけど、そんなに古さを感じさせないのは、これがいわゆる"エッジ"ぎりぎりで遊ぶタイプの小説ではなく、基本ラインはオーソドックス、で、キャラクター造形がうまいのと、あとはやはりSF的アイデアの使い方の、ツボの抑えっぷり、ってあたりだろうか。そのあたりが実にうまい具合に機能しているのが第三話、「守護者」。いやあこれはいいねえ。私がSFだなあ、と感じる多くの要素を、この短編はうまい具合に押さえている。あんまり言うとネタバレになっちゃうんでアレですけど、SFが本来持ってるべき、今現在の我々に対しての「それでええの?」って問いかけをうまくエンタティンメントの中にくるめておいて、なおかつ現在ただ今、我々のとはちょっと違う世界を作ってきてそこに前の問いかけをうまく絡めてみせるあたりの作家の手腕と言うんですか、そこらがなかなか。
帯やカバー裏の惹句は何か勘違いしてるような気がするんで、それは無視して読んでみるのが吉。"宇宙一あこぎな商人"のお話なんかじゃないよね、これ。そこらに不満はあるけど本編は抜群に面白かったのでまあ許す。いわゆる"ユーモアSF"の一遍として、読んでる間は楽しい時間が過ごせる逸品じゃないかな、と。ある意味多少はSF読んでる人にお勧めの一冊なのかも知れない。
(★★★☆)
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