ばむばんか惰隠洞

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2005-05-25 [長年日記]

[web] 今日のspam (13:04)

古本屋の方に舞い込んだspam。Subjectは"「もう配信なんてしない   槙原敬之」"だそうで。

配信も1人で 出来ないわけじゃないと
EXCELを開いたけど どれから送るかわからない
ほらゼグメントも出来たもんね だけどまたダウンをした
持ち込みアドレスなら文句も 思い切り言えたのに

特定電子メール法が成立した時は 目障りに思えたけど やっと自由を手に入れた ぼくはもっと淋しくなった
ドメインを指定した君の アドレスは分からないけど いつもより眺めがいい 結果ビューアーにとまどってるよ もし君に一つだけ 強がりを言えるのなら もうスパム配信しないなんて 言わないよ絶対
壁に並んだカモリストもみんなに売ってしまおう USBのテンキーも もったいないけど捨ててしまおう 男らしく 潔くと シャットダウンする僕は 他の誰から見ても一番 センチメンタルだろう
こんなに一杯のメールアドレス集めて 貯金ゼロになってまで 買いあさるのはもう嫌だと知った
送りつけた広告が サーバーに戻ってくるうちは 今日も動いてるマシンの到達率を思って気がかりだけど 僕の貯めた メールアドレスは市場を流れてめぐり 僕の知らない誰かが 配信してるから
本当に本当に配信が大好きだったから もう売りつけてしまうなんて 言わないょ絶対 
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ http://www.gals-station.com/?id=17

ヒマなスパマーもいるもんだなあ、と素直に感心した。でも悪いな、オレ、槙原敬之の歌、知らねえんでね。どれぐらい出来がいいのかは判断できませぬ。

[Day] うわあ… (18:27)

なんか今、凄い勢いでちゃぶ台がひっくり返ったような希ガス…(つoT)。

[Books] トリポッド(4) 凱歌 (22:34)

本書カバー ジョン・クリストファー 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト 西島大介
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011515-X \640(税別)

子供に読ませるものだから

過酷な条件下で異星人たちの奴隷を偽装し、数々の重要な情報を持ち帰ることに成功したぼく。その情報はただちにレジスタンスのメンバーたちによって研究され、異星人たちへの反攻作戦が練り上げられていく。残された時間はあと4年。4年後には新たな異星人たちの宇宙船によって、地球は完全に彼らが住むのに適した環境に作りかえられてしまうのだ。それまでに異星人たちを一掃する秘策を見つけ出さなくてはならない。レジスタンスのメンバーは世界に散り、彼ら同様、まだ洗脳されていないもの立ちの中から新たな戦士となるものを募り始める。同時に、異星人の秘密にさらに肉薄するため、新たな作戦が動き出そうとしていた…。

「トリポッド」シリーズ最終巻。ええいくそったれ、登場人物紹介はまだしも帯の「今回はほにゃらら」、余計なことすなっ。大事なサプライズをひとつバラしやがって。読む楽しみがちょっと削がれちまうじゃないかぁ。

さて気を取り直して。相変わらず子供に優しくないSF冒険ジュブナイル、今回も快調。ここまでしばしば、自らの語りの中で(何せ一人称の小説ですから)明らかにされてきた、調子に乗りやすく、強情で、かっとしやすい、という主人公ウィルの欠点が、今回ははっきりと大人の口からの叱責の形で明らかにされる。毎回毎回、自分の欠点のおかげでしょわんでも良い災難やピンチを迎えてきたウィル。レジスタンスのリーダー直々の叱責でようやく目が醒め……たりしないのが英国流(w。もちろんウィルはウィルなりに成長してはいるのだけれど、誰かから心に響く言葉をもらったからといって、それだけでたちまち人間の性根が変わったりする物ではないよ、と。

そう、最終巻に至って判ってくる本書のテーマ、それは実は「人間の性根」だったりするんだなこれが。

完全な隷属状態に置かれたとき、人間はそれでもくじけず抵抗を繰り返し、自分たちの住む世界を取り戻そうと、例えそれが勝ち目がなさそうな戦いであっても完全とその中に身を投じる。ところがいったんことが収まると、それまでの固い団結もどこへやら、もたげてくるのはいつも派閥抗争。少年少女よ、君たちが今住んでいて、これからその中で大人になっていくこの世界とは、実はこういう物なんだよ、どう思うかね君たちは、と容赦なく問いかける。シビアだわあ、さすが英国SF。これがアメリカSFだったら、最後はリーダー格の人物が、一発なにやら感動的な演説ぶってわああああ! でエンドマークなんだけど、意地でもそんな終らせ方はしないんですな。

魅力的な脇役の友人たちがみな、急速に成長していくのに対し、主人公ウィルの成長は読者がイライラするくらいぱっとしない。あれほど嫌いだった従兄弟のヘンリーでさえ、しばらく見ないウチに、こいつは将来キットひとかどのリーダーになるに違いない、と思わせる大器の片鱗を見せているというのに。人を理解しようと思いながらも自分を良く見せたい、自分がヒーローになりたいと思ってしまう。そして他人に対してはわかっちゃいるけど嫉妬深くなってしまう、そんなウィルが表わしているのがつまりは一番普通な人間の姿なんだよ、と言うことなんだろう。そしてそんな人間でも、大きな痛みは伴うけれども、良い方向に向かって進んでいくこともできるはずだよ、そうだといいね、というわずかな希望を残してお話は終了するのだった。そのラスト近く、

ここにイギリス人と、ドイツ人と、フランス人がいるんだから、いい出発点だと思うよ。

と言うセリフには、なかなかに深い意味が込められている気がするね。あ、トリポッドの足が3本、てのにも実は深ーい意味が込められてたりするのかなあ。

なんにしても子供の頃にこういう書物が読める、というのはその国の懐の深さなんだろうな。「プロジェクトX」あてがっておけば子供のためになると思ってる親がたくさんいるらしい国とはえらい違いだ。っとこれは余計な話でしたな。

つないでみたよ余計な話ついでに、訳者の中原さんも「つないでみてね」って書いてらっしゃったのでつないでみたよ。わあい、ぐるっといったね(^o^)。

(★★★★)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
すみけん (2005-05-25 13:22)

歌詞:http://dailydrink.exblog.jp/1742792/<br>ところどころ原作と同じ言葉が出てくるあたりがなかなかよろしおすぜ。<br>「ドメインを指定した君の アドレスは分からないけど<br> いつもより眺めがいい 結果ビューアーにとまどってるよ」<br>は見事。

ROVER (2005-05-25 23:06)

ほんとだ、なかなか芸コマなんですね。<br>「男らしく 潔くと シャットダウンする僕は」なんてあたりは泣かせるぜ(w。


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