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イーストウッド「日本の気持ち」描く…製作会見(ZAKZAK)。「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」の二本の映画。今年末に続けて公開されるようだ。うち、「父親たちの…」の方は原作が「硫黄島の星条旗」ってことで以前に話題になってたはず。この原作はかなり良いと思った(マイ感想)のだが、さてイーストウッドはどう料理したのか。そういえば太平洋戦争モノは「ウインドトーカーズ」からこっち、観てねえな。
もう一方の「硫黄島からの手紙」の方はどういう映画なんだろう。栗林中将役が渡辺謙ってことで、少々 ま た か い って気にもなっちゃうんだが。その他の出演に二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童だそうだ(あ、これはカミさん観に行くな、きっと)。ん?裕木奈江も出るんだっけ? それはちょっとびみょーん。
こちらは特に原作のクレジットはないけれど、栗林中将本人による絵手紙をつづった本、「『玉砕総指揮官』の絵手紙」がベースになってたりするんだろうか。いずれにしてもちょっと興味を惹くタイトルではある。特に「星条旗」の方は観てみたい気がするな。
神林長平 著
カバーイラスト 佐久間真人
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN4-15-030841-1 \660(税別)
人類の大多数が肉体を捨て、自らを"超生システム"と呼ばれる仮想世界に転送して暮らす未来。ごく一部、現実世界に残った人々と超生システムとの仲立ちをつとめるのが"交感師"と呼ばれる存在。その最後のひとりにして交感師の力を自ら絶った私の元に、現実世界で暮らす人々の集落からひとりの若者が訪れる。今やかなえられることの叶わぬ、集落の希望を携えて…。表題作を含む6作を収録。
83年から03年にかけて発表された短篇を収録した一冊。最初の「抱いて熱く」、最後の「父の樹」を除く4編、「なんと清浄な街」「小指の先の天使」「猫の住む処」「意識は蒸発する」は明らかに前述の超生システムが話のバックボーンとして存在している世界での連作。著者にその意識があったのかどうかは分からないが、最初と最後の二つも、厳密には間の4編とは切り離して考えにくいスタイルのお話となっている。いかにも神林SF、という感じの情報、コミュニケーション、物語、といったキーワードが錯綜する、なかなか刺激的な佳編がならぶ。なかでも「なんと清浄な街」はかなりステキ。いってみれば超生システムというのは"マトリックス"世界な訳なんだけど、この世界を構成するキモが、世界の創造者にあるのではなく、その世界に存在する人々の意識の和に大きく影響されるのだ、という設定はありそうで実は案外なかったんじゃないかな。このお話の後日譚という位置づけになる書き下ろし、「意識は蒸発する」もその意味ではかなりスリリングな要素を内包した短篇といえるのではないか。
発表順で並べると、「抱いて熱く」「父の樹」「小指の先の天使」「猫の住む処」「なんと清浄な街」「意識は蒸発する」ということになるようだが、なるほど、こう並べ直してみると神林が書きたいと思っていたテーマが明確になっていく様が、よりわかりやすいかも知れない。「リアル」を「データ」にコンバートした存在がそれでも自らが「リアル」であり得ると意識するためには、実は強固なデータ構造ではなく、移ろいやすい多くの人々の漠然とした「感じ」であったり、一種テンポラリな「蒸発していく」認識こそが重要なのだ、と神林は言いたいのかも知れない、と思った。それだけにラストに控える「父の樹」のいびつながらも妙にペーソスに満ちた短篇がまた、少々浸みる。
よく知っている(ような気がする)神林作品、とはちょっぴり毛色が違う感じはあるけれど、これもまた神林長平じゃないと書けない作品群ではあると思う。なんていうか、ちょっとトクした気分になる短篇集。猫好きな人ならさらに倍率ドン! ってことになるんじゃないかな。
桜庭一樹氏の解説も、なんかこっぱずかしいと思いつつもそれなりに好ましいと思ったです。
(★★★)
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ひさびさに神林の名を聞いた気がします。イントロ冒頭から“いつもどおり”の神林で、嬉しく思ったり。フムン。
今回ちゃんとフムン入っててあんしんです。