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2007-12-14 [長年日記]

[Chinema] 椿三十郎

スタッフ
原作:山本周五郎
脚本:菊島隆三/小国英雄/黒澤明
撮影:浜田毅
美術:小川富美夫
製作:角川春樹事務所/東宝/エイベックス・エンタテインメント/テレビ朝日/アイ・エヌ・ピー/TOKYO FM/ビッグショット
プロデューサー:大杉明彦/富山省吾/三沢和子/徳留義明/市川南
製作総指揮:角川春樹
監督:森田芳光
出演
織田裕二
豊川悦司
松山ケンイチ/鈴木杏
村川絵梨/佐々木蔵之介
林剛史/一太郎/粕谷吉洋/富川一人
戸谷公人/鈴木亮平/小林裕吉/中山卓也/
風間杜夫/西岡徳馬/小林稔侍
中村玉緒
藤田まこと
公式サイト:http://www.tsubaki-sanjuro.jp/

1962年公開の「椿三十郎」の脚本をそのまま用いて作られた新作作品。脚本は同一だが上映時間はやや延びている。

脚本がまるきり同じということは、前作を見た向きであれば次にどういう動きがあり、どういうセリフがやってくるかはあらかじめ分かっているわけであって、思いもよらない気の効いたセリフがやってきたり、おおっと驚く展開があるわけでもない。上映時間が延びているのは、その中で微妙に追加されたカットがあることと、殺陣の振り付けがやや水増し気味になっているあたりが原因なんだろう。で、それらの追加パートが有効に機能しているのかといえば、別にそういうわけでもない。(三船の)「椿三十郎」を知らない人が観る分にはそれでも良いのかもしれないが、前のを観てたら、微妙に馬鹿にされたような気分になってしまう。高校球児に阪神と巨人のユニフォーム着せて、甲子園で試合やってるのを見せられるような感じ?

基本的にスタッフもキャストも大まじめで、どこにも手を抜いたような所は見あたらない。それだけに妙な違和感が募ってくる、ヘンな映画。基本的にシナリオは折紙付きの逸品ではあるのだが、それに最終的に命を吹き込んで輝きを与えたのは、三船敏郎であり仲代達也であり小林敬樹であり、土屋さんや平田さんだったわけなんであって、いったんそこで完成した作品を、キャストを換えてなぞってみることに、どんな勝算があったのかな、と思ってしまう。

三十郎役の織田裕二は、頑張って三船の口ぶりや所作を再現していて、その頑張りが逆に三船と織田の違いを際だたせてしまう結果になっている。良い悪いの問題じゃなく、二人は全く別なタイプの役者なわけで、同じホンを同じようにやることに、どんな意味があるのかと思ってしまうのだな。役者自身が全く違う椿三十郎の姿を作るか、それでなければ脚本の方を織田裕二のために書き換えてやる必要があったのじゃあないだろうか。そのあたり、なんというか考えの浅い企画だなあと思ってしまった。

みんなが真面目にやってるのに、出来上がったものはひいき目に見ても無難な線に落ち着いちゃった作品。これも珍品の一種なのかも知れない。

あーあと、優れたモノクロ映画がもつビビッドさが、カラー作品になって逆にスポイルされちゃった恨みはあるかも知れない。最大の見せ場のひとつである、流れてくる椿の大群が、全然色鮮やかに感じられなかったりするんだよなあ。

おっといけない、もっと重大なケチつけポイントがあった。鈴木杏が全く魅力的に撮れてないぞ。あかんだろこの杏ちゃんはっ。

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豪快で痛快で愉快なオリジナル作品はこちら。私は「用心棒」の方が好きかも知れないな。

(★★)

[Stage] スパイ ライク アス

新神戸オリエンタル劇場で、劇団赤鬼公演「スパイ ライク アス」観劇。各国のエージェントが一堂に会し、己の技量を競い合うスパイたちのオリンピック、「R-7」。日本からこの大会に参加するのは内調の凄腕エージェント、サナダ。彼はこのミッションを最後に、諜報の世界からは引退し、息子と過ごす時間を増やそうと決めていた。だが、一種の不戦協定下で行われていたはずの「R-7」の会場に響いた一発の銃声が、集まったエージェントたちの運命を一変させることに…。

劇団赤鬼、恒例のクリスマス公演なんだけど、これまでの公演では必ず出ていた、作・演出の吉村シュークリーム氏の名前がどこにもない。ちょっとネットで調べてみたんだけど、このあたりの事情がどういうものなのかがさっぱり分からない。単に病気とかの理由で一時的に名前が抜けているのか、それとも退団などの事情があったのか、そのあたりで何があったのかが良く分からないのだね。ホントに何かあったのだろうか。ワタシ結構、赤鬼さん、というか吉村さんの書くお芝居は好きなもので。

で、吉村シュークリーム(と、実は何人かの劇団員)の名前が見えない赤鬼の芝居は、残念ながら上出来とは言えないものだった。ストーリーに練り込みが足りない、と感じられるのが一番の問題。端から見たら格好悪いけれど、一途に何かを追い求める主人公の愛らしさを上手に描くのが赤鬼の芝居の魅力だと思うんだけど、今回のお芝居ではそのあたりが少々希薄な感じがした。

何となく劇団員サイドでも、この吉村氏不在の状況が、かなりの問題になっている様子がカーテンコールでの行澤氏の挨拶でも伺えたりして、こっちも少々心配になってしまったわけだけど、実際の所どういう事になっているのだろう。気になりますわ。

[Day] そんでもって呑む

画像の説明芝居のあとは当然たちきやなのよ。今回はお芝居のスタートが19:30とやや遅めだったので、呑む方もやや控えめに、「華鳩」、「赤石 たれくち」、「石鎚」の三杯。「華鳩」はタカシ君(たちきやマスター)がかつて出会ってその味に惚れ込んだのだけれど、その後しばらく出会えなかったものが、ようやく「これだー」ってのに当たった、という一品。なるほど、なかなかに華やかなお味のお酒でございました。続くお酒も大変に美味しくて、晩飯抜きだっただけに周り具合も良好でとても結構だったです。いぇい。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
TUX (2007-12-18 02:38)

●むぅ、椿三十郎、やはりそんな感じでしたか…<br><br>●それはさておき、忘年会とか新年会とかはどんなもんでしょう?もちろん歌付で(笑)

rover (2007-12-19 00:08)

なんつーか前作を知ってると、別な意味で楽しめるのかなあ、なんてw。<br>忘年会、あたくし的には日曜日がありがたいんですけど、TUXさん、出張なんでしたっけ?……


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