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ためしとて。久村さんのFeel Pink,Find Seven経由でWEB素行調査。間にスペースなしの"乱土労馬"で調査してもらったら、
- 乱土労馬はみなちゃんとつながっている。
- 乱土労馬は、質問について何かを掴んでいるいるらしい。
- 回答について調べると、必ず乱土労馬に行き当たる。
- 乱土労馬の謎をとく鍵、それはインライン要素、?,、巡回先、特撮、css関係者。
- 乱土労馬は、日記の世界ではそこそこ名の通った人物である。
- 贋sf系日記更新時刻の歴史には乱土労馬の影が見え隠れしている。
- 乱土労馬といえばむばんか惰隠洞。
- 乱土労馬は、徒委記とroverの関係について何か知っているようだ。
- sfについて一家言あるらしい。
- 乱土労馬は、強制的について聞いて回っていた。
うむ、確かに最近、仕事ではリストアイテムをCSSでインライン要素扱いにすることは多い(し、イメージをブロックレベル要素として扱うこともしょっちゅうやってるなあ)んで、オレに謎があるなら、それを解き明かすカギのひとつにインライン要素はあるのかも知れないなあと思った。
これ、単純な占いスクリプトじゃなく、入力したワードの検索結果からそれっぽい結果をでっち上げてるっぽいね。ちょっと面白いかも。
それは良いけど、みなちゃんって誰だ?
ジェフリー・ディーヴァー 著/池田真紀子 訳
カバー装幀 関口聖司
カバーイラスト 水戸鉄也
文春文庫
ISBN978-4-16-770557-2 \773(税別)
ISBN978-4-16-770558-9 \773(税別)
何度となく厳重な捜査の網をくぐり、さまざまな裏稼業を成功させてきた蛇頭の大物。"ゴースト"の名で知られる彼は今、中国からアメリカへの密入国を斡旋する貨物船に乗り込んでいた。周到な準備と慎重な行動で、常に警備の手をかいくぐってきた"ゴースト"。だが今回は少し勝手が違っていた。事態の打開を図る移民帰化局、FBI、市警のスタッフは、"ゴースト"の行動パターンの予測をリンカーン・ライムに依頼。ライムによって"ゴースト"の行動パターンは明らかにされ、今彼の後方には急速で接近するコーストガードの巡視船の姿が。事ここにいたって、"ゴースト"は最終手段を決意することに……。
リンカーン・ライムものの第4弾。今回のお相手は文革の粛正を経て中国の暗黒街に入り込み、自らの才覚で暗黒界の大物に登り詰めた冷酷無情な殺し屋。ライムによって密航のコースを突き止められた"ゴースト"は、座乗する貨物船を爆破、沈没させ、密航の事実を無いものにしようとする。そのため、沈没を生き延び、アメリカ本土にたどり着いた密航者たちをも、顔を見られたと言う理由から全て抹殺しようとする。"ゴースト"の行動パターンを見抜きながら、彼が最終的に暴力的な手段を執るかも知れないと言うところを見落としていた、と言う罪悪感から、ライムもまた"ゴースト"の行方を追うのだが…、てなお話。
Twistの達人、ディーヴァーであるからこそ、こちらとしては、自分の予想を軽々と裏切ってくれる底意地の悪さを期待してしまうわけで、「ははん、このキャラが実はこれで、最後にはこうなって」みたいなこちらが一生懸命予想した展開を、軽く嘲笑いつつ裏切って欲しいと思って読んでいくわけなんだけど、うむ、さすがにライムものも4作目。ディーヴァー補正も交えて予想して読んでいくと、困ったことにこちらの予想がほぼ正解で、さらにオチの付き方に今ひとつ、スカッとしたところが無いのが辛い。予想が当たって不満だ、ってのはミステリ読み的にどうなんだろうと思ってしまうんだけど、でもやっぱり、ディーヴァーを読むって事は、作者に手ひどく裏切られる快感を得る、ってところに一番の魅力があると思うわけで、そこを削がれると、やっぱりちょっと淋しいな。
途中から"ゴースト"追跡に参加する中国公安の刑事、ソニーがかなり魅力的なキャラクターで、ストイックかつ徹底的に理詰めで推理をしていくライムと、中国4000年のまったり生活の知恵的経験則を武器に、なあなあとも思えるような捜査っぷりでライムやサックスをイラつかせながら、案外きっちりと事の真相に迫って見せるソニーの対比も面白く、キャラクター的な魅力の部分は相当なもので、そこを読んでいくのは相当楽しめるのだけれど、ディーヴァー作品の真骨頂、読者をあっといわせるどんでん返しのショックの快感は、少々足りない恨みはあると思った。真犯人が割と早めに割れてしまっても、ディーヴァーだったらそこからさらなる(展開的な)どんでん返しを用意してくれていそうなものだけど、残念ながらそちらも少々弱め。
そうは言ってもそこはディーヴァー。凡百のユルいサスペンスに比べたらはるかに面白い作品になっていると思うんだけど、それでもやっぱり、こちらとしては、ディーヴァーには手ひどく裏切られたいと思って読んでいるんでね。そこを満たしてもらえなかった不満は残ってしまった、と言えるかな。
リンカーン・ライムものは翻訳され、単行本化された作品があと3作あり、それなりに楽しみにしたいと思うんだけど、それ以上に楽しみなのは短編集、"More Twisted"が昨年本国で刊行されているようで。第一作、「クリスマス・プレゼント」の捻りっぷりが快感だったこともあり、こちらも早く訳出して欲しいものですな。
★★★
デイヴィッド・ウェーバー 著/矢口悟 訳
カバーイラスト 渡邊アキラ
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011642-2 \980(税別)
ISBN978-4-15-011643-9 \980(税別)
宿敵、ヘイヴン人民共和区に捕らえられ処刑寸前のオナー。だが忠実にして勇敢な部下たちの犠牲的な活躍で、収監されていた巡洋戦艦は破壊され、オナーたちは辛くも脱出に成功していた。だが、彼女たちが降りたった場所、そこはヘイヴンにおいて最も警戒厳重な監獄、"カロス"を擁する惑星ハデスだった。戦時捕虜、政治犯などヘイヴンにとって最も危険な犯罪者たちを収監するが故、味方の目からも厳重に隠蔽された監獄惑星に降りたったオナーたちに形勢逆転の秘策はあるのか。同じ頃、それまでの不利な形勢を逆転すべく、ヘイヴン側はこれまでにない大攻勢を、マンティコア陣営に向けて仕掛けようとしていた…。
前作もかなり待たされた憶えがあるが、今回もまるまる一年待たされる結果になってしまった(実際の訳出には2年かかったそうですな)。単純明快な海洋冒険小説のフォーマットをなぞりながら、巻を追うにつれて書き込む部分が増えて密度が高くなっている、というのは感じるだけに、訳する側の手間も増える一方なのかも知れない。このシリーズ、マンティコア = 英国、ヘイヴン = フランス革命後のフランスがソビエトになったような世界、で、オナーたちが拠って立つところとするグレイソンが(地球の歴史ではフランス側についた)アメリカ、みたいな位置づけがされていて、そこらの"すでにあった"史実がこの作品世界ではどういう風に味付けされ直されているのか、ってのを読んでいくあたりにも面白さがあると思うんだけど、そこらの細かい描写の部分を訳していくのは、大変な作業なのかも知れないな、とは思う。
そこらの"知ってるけれど新しい"展開ぶりを楽しむ、ってのはこの手の作品の魅力のひとつだとは思うんだけど、それはそれとして"物語"性、って部分に関しては、少々ご都合主義的な部分が無くもないかな、と思わせられなくもない。かなりのボリュームの本なんだが、ここで注力されているのはお話的な展開の妙ではなく、著者が作った世界観の再確認とそのディティールへの言及である部分に、やや不満を申し立てたい気分はある。この前に読んでたのがディーヴァー作品だったのも大きかったのかも知れないけど、スジでもうひとがんばり、捻って欲しかったような気はするのだな。良い人に見えた人が、最後までみんな良い人だった、では本を読んでてあまり嬉しくないのだよね。そこの所はちょっと惜しい。
風のみを頼りに戦術を組み立てなければいけない帆船時代の海洋冒険小説とは違い、片舷斉射のやりあいだけが艦隊戦のセオリーだった所に、いきなり空母を用いた戦略が持ち込まれても違和感がない、ってあたりはSFにしかできない芸当なわけで、そこをちゃんと押さえてきてるあたりに、個人的には結構好意を持つわけで、読んでて退屈しない面白さを提供してくれる本書、どっちかと言えば好きな部類の本なのですけど。
そんなことより"訳者あとがき"を読むまで、「銀河の荒鷲 シーフォート」シリーズのデイヴィッド・ファインタックが亡くなっていたことを知らなかったショックの方が大きいわ。'90年代にいろいろ出てきたミリタリー風味のスペースオペラの中でも、ファインタックの"シーフォート"シリーズのドMっぷりはとても好きだったので、続きが読みたかったんだ。いつまで待っても「襲撃!異星からの侵入者」以降のお話が出てこないのはどうしたことだろうと思ってたら、そんな事情があったのか。とても残念です。
10年ばかり前にずいぶんいろいろ登場したミリタリー風味のスペースオペラたち。「ヴォルコシガン」も「スコーリア」も、もちろん「オナー・ハリントン」も楽しいンだが、私が一番好きなのはやっぱりこのシリーズ。哀悼の意も込めてご紹介。
★★★
M・M・バックナー 著/冬川亘 訳
カバーイラスト 増田幹生
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011626-2 \760(税別)
ISBN978-4-15-011627-9 \760(税別)
地球環境の激変が引き起こした"クラッシュ2057"は、全地球規模の汚染と人口の激減、そして経済システムへの大打撃をもたらした。かろうじて生き延びた少数の人間たちの苦闘により、地球はかろうじて壊滅の危機を乗り越えたが、"クラッシュ"以降の地球はごく少数の資本家たちによって慎重にコントロールされる世界となり、そこではわずかな数の資本家たちと、彼らの経営する企業体に雇用される、"プロテ"と呼ばれる労働者階級が存在する世界となっていた。"プロテ"たちは明日をも知れぬ毎日を送る一方で、経営者たち裕福な人々の間には、一種のゲームが高い人気を獲得していた。"プロテ"たちによって引き起こされた労働争議が戦争状態となっている工場地帯に潜入し、自分たちの勇敢さをwebに見せびらかす"ウォー・サーフ"。大富豪、ナジールがリーダーを務める"苦悩組"は、この"ウォー・サーフ"でトップクラスの人気を誇るチームだった。だが今、初歩的とも言えるミスが続き、無様な失敗を繰り返す"苦悩組"の人気ランクは下がる一方。ナジールたちは、ランクアップのため、無謀とも言える"サーフ"に挑戦しようとするのだが…
いみじくも主人公、ナジールがこんなことを言ってくれる。
ひょっとして、諸君はもういまごろには、このメモワールをブラウズしながらきっと———いくどとなく———なんでこんなものを読み続けているのかとご自分に尋ねられたことがおありかもわからん。そして、諸君はおっしゃる。だいたい、この語り手がひどいやつで、なんの取柄もないみたいなやつじゃないか。狭量だし、自慢話ばっかりしてる妙なじいさんで、髪の毛は植毛で、心臓だってちっぽけなバイオ機械かなんかなんだぜ。
まったくもってその通りでございます(w。
200歳を過ぎてなお、金に飽かせて最新装備に身を固め、労働者たちが命がけで戦ってる戦場に潜り込んでテレビカメラにピースサイン向けるのが生き甲斐のじいさん、そんなじいさんが惚れ込んだ小娘は、何かの影響受けまくりで、ノリ一発で簡単に転向しちゃう、どこぞの新聞王の孫娘みたいなノリなわけで、そんなヤツらに感情移入なんてできるわけも無く、「なんだこいつら」と思いながら読んでいくことになるわけで、特に正直、上巻を読んでいくのはかなりしんどい。キャラがこれで、そんな連中が自分勝手をやり続けるのを読んでいくことになるわけだから。
更に文体が輪をかける。原文のニュアンスがそうなのか、訳者、冬川さんのさじ加減が読んでるこちらと上手く合わなかったのかはわからないんだけど、老人が主人公だからと言って「わし」で語るのはありなのか、「梃子でも」でいいだろってところをなぜにわざわざ「手古でも」と充てるのか、漢字で良いところをなぜにひらがな表記でやるのか(「ひっし」、ってやっぱり違和感あるよね)、とか、いろいろ気になるところがあるんだった。
そんなこんなで特に前半、ぶっちゃけ「面白くねえなあ」と思いながら読んでた本書なんだが、上下巻併せて700ページぐらいのこの本、残り100ページぐらいになったあたりから突然面白くなるから困ってしまう。それまでのいろんなうんざり感のかなりの部分を吹き飛ばし、それなりに「おおっ」と思わせてくれるラストまで用意してくれているサービスぶり。我慢して読んでいったものだけがありつける感慨、のようなものを味あわせてくれる造りになっていて、そこは少し感心した。いろいろ不出来と思える部分もあると思うんだけど、それでも最後まで読んでいく甲斐はあった、と思わせてくれた事には感謝したい。
SFとしてなにかとんがった部分があるか? と言われたらそれはちょっと、ってレベルだし、よく考えると「それはありなの?」と思ってしまう所も多々あるのだけれど、お話の作り方の巧さで、ある程度そう言う不満を薄めてもらい、終盤の展開の面白さで、「まあ面白かったか」と思わせてくれる不思議な本。万人にお勧めはできませんが、SFにも「物語」っぽさは必要だろうと思う方なら、もしかしたら面白いかも。
★★★☆
「機動戦士ガンダムOO」、「クラナド」、「ペルソナ トリニティ・ソウル」、「キミキス Pure Rouge」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。とうとう土曜深夜は3本全部、ゲームネタアニメになってしまった。元ネタになったゲームは全然知らないんだけど、どれもちゃんと作ってあって、土曜日は数は減ったけど結構楽しめる。「ガンダム」も頑張ってると思うし、「クラナド」はヘンなテンションが良い感じだし、「ペルソナ」はまあ、もうちょっと見てみないと、な感じだけど、とりあえずアスミスに結構おっきな役がついてるのがめでたいかなあ、みたいな。「キミキス」のベタなコイバナ路線もかなり好きですよ。
日曜日はどれもクライマックスだぜ。やっぱ「ファーザー、プリーズ!」な展開は燃えるよなあ、だったのが「ゲキレンジャー」、キンちゃんに泣かされたのが「電王」。この先こういう展開が続くのだろうな。次回はウラタロスって事なんだろうか。
戦隊もの、ライダーともに次の作品がアナウンスされてますね。以前Sぱらメンバーでダベってた時に、戦隊って恐竜、生き物系、体術ばんばん系、ファンタジー系、科学技術と乗り物系、みたいな括りの繰り返しがあるよねえ、つことは次は、しばらく無かった乗り物系が来るのかねえ、なんて話になったことがあったような気がするんだけど、ドンピシャでしたな。「炎神戦隊ゴーオンジャー」。「カーレンジャー」的お気楽戦隊を期待したいんだけど、さすがにそこまではっちゃけたのは、ちょっと無理かしらね。
ライダーの方は、少し前に吸血鬼がモチーフで、タイトルは「ブラド」なんて情報もあったような気がしたんだけど、正式タイトルは「仮面ライダーキバ」になったようで。戦隊より半月ばかりスタートが早いようだけど、本来のターゲットであるお友達には、「ジュウレンジャー」の方が面白かった、と言うことなの? そう言うものでもない?
いやまあ最近オンとオフ、ハレとケの境界がやたらあやふやな毎日を送ってるもので、元旦の昼頃にこそこそと、仕事始めがあったとも言えなくもないんだけど、公式には今日が仕事始めって事にしておこう。東二見までお出かけ、仕事の打合わせ、というか臨時のスタイルシートの先生状態で時間が流れたような気がしないでもない。ま、女性に囲まれてあれこれ質問されるってのは、悪い気はしないけどね。
いくつかのサイトの修正と追加の話をもらってきたんだけど、とりあえず対象のサイトのデータを引っぱってくるだけで3時間ぐらいかかってしまった。いじる対象は2ページくらいなんだけど、こちらでサイトマップのページを作ってくれ、と言われてはサイト全体を見わたす必要があるわけで。まいったな、この仕事、オレ、いくらで見積もり出したらいいのかな。サイト見回すだけでかなりな手間だぞ。恐る恐るちょっぴり高めな(ったってタカは知れてるけどさ)数字出しても良いですかね?
小川一水 著
カバーイラスト 撫荒武吉
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-030904-6 \600(税別)
豪族たちの思惑で、普通の村娘からいきなり巫女王の座に据えられてしまった少女、彌与。今は卑弥呼と呼ばれることになった彼女は、緩やかな幽閉に近い日々を送っている。そんな毎日の中の小さな刺激を得るため、お忍びで国境まで足を伸ばし、眼下に広がる大海原の景観にさまざまな思いを致す彌与。その時彼女は信じられないものに出会う。見たこともない異形のもの。剣も効かぬ怪物に死を覚悟したその時、彌与を救ったのは、これもまたこれまでまみえたこともない、異形の存在だった……。
歴史を遡って人類を根絶させようとする異星生命体と、その行動を阻止すべく彼らを追う、26世紀の文明が創り出した、限りなくヒトに近い生命体、"メッセンジャー知性体"たちの戦いを描く、小川一水版、"時間局員"モノ、と言えるような作品。(映画の)エイリアンが26世紀に来襲したら、たぶん宇宙海兵隊が何とかしてくれるかも知れない。でも、彼らが過去に飛んで、現在ただいまの世界に来襲してきたら、対抗できるのは戦うコックぐらいしかいないだろう。これがさらに、江戸時代に出てきたらどうなるか、中世に出てきたらばどうなるの? ってのが基本的なプロット。つまりメッセンジャー知性体たちと異星生物との戦いの舞台となる時代が過去に行くほど、人間側は不利になっていく、と言うわけだ。で、本書のメインの舞台となるのは、卑弥呼の時代。さてどうなる、と言うお話。
300ページに満たない本だけど、そう言うわけでバックグラウンドの密度が濃いので、読後感はかなり濃密。その薄さが読み終えてみるとちょっともったいないな、と思えてしまう。各章のタイトル、Stage-nnn(nは任意の数字)がそれなりに意味を持っているだけに、いくつかのステージについて、もう少し突っ込んだ書き込みがあっても良かったかなあとは思う。それをやるとメインの時間軸である卑弥呼の時代の印象が薄れてしまう、と言う事情もあるのかも知れないけれど。
かなりコンパクトにまとめられた本で、何万年というオーダーの時間を行き来している割には、登場人物の数も控えめなあたり、物足りなくもあるけれど、そのコンパクトさが本書にきゅっとした締まりを与えてくれているのかな、と言う気もする。洋物SFなら一冊がこの倍以上で、なおかつ全三部作、ぐらいな勢いでやってくれそうな気もするな。それも良いけど、敢えてこのボリュームで抑えた本書もまた捨てがたい。"時間局員"モノっぽい、なんて書いたけど、そういう、古き良き日本SFのテイストも感じられる、ちょっと愛らしい作品。なかなか、良いです。小川SFなのでどうしようもない極悪人も出てこないし、やや年少さん向けの時間SFの入門書、と言う位置づけもできるのじゃないかしら。そんな中、なぜかエーリヒ・ハルトマンだけが少々いい目見てるのは、ちょいと気に入らんけどな(w。
★★★☆
んまあ喘息持ちって時点ですでにワンペナ、去年の末の、40ン年ぶりの歯医者行き、奥歯ぶっこ抜きでツーペナときて、今度は耳鼻咽喉科さんのお世話になってスリーペナルティ。歯が痛くなる前からちょっと気になってたんだけど、舌の奥の方に妙に異物感を感じていて。
はじめはヒゲのかけらかなんかが引っかかっているのかな、ぐらいで気にしてなかったんだけど、いつまでたっても違和感が抜けないし、気のせいか異物感が日々大きくなってきてるような気もして、モノを食う時にも何かこう、喉の奥の所に引っかかりがあるような気分が募ってきたんで、こりゃいかんわって事で近所の耳鼻科に「初診でお願いしますー」と。
脱脂綿で舌を挟んで引っぱられた状態で、「はい、えーと声を上げて」「えー」、「もっと高い声でえー、と声出して」「え"ー」、「裏声でも良いからもっと高くえー、って」「え""ー」、とかいう羞恥プレイやらされたあげく、「特に目立つ異常は見えないですねえ」ですと。「ただ、喉がちょっと赤くなってるので、お薬出して様子見ましょうか」だって。
とりあえず抗生物質やら何やら出してもらって、お医者さんを出たんだけれど、なんだな、モノを食べるのに苦労する、ってのは人生の上でいろんなモノを損することになるんだなあと思ったよ、てか今も思ってる最中。やっぱり食べるのが楽しくない、ってのは生きてく上で限りなく損してると思ってしまった。さっさと直して、食い物はおいしくいただきたいだと思ったですよ。
ブックオフで本を引っ張り出しては、ケータイであまぞんのマケプレでの最低価格をチェックするヒト、つまりはセドラーさん、ってのを初めて見かけた。西鈴のブクオフなんかに、美味しい商品が転がってたりするんだろうか。
わたしゃ最近、ブクオフでのせどりはしなくなっちゃったので、良くわかんないや。数冊小脇に抱えてらっしゃったので、ちゃんと探せばそれなりに良い物があるのかも知れませんな。
フィリップ・リーヴ 著/安野玲 訳
カバーイラスト 後藤啓介
カバーデザイン 東京創元社装幀室
創元SF文庫
ISBN978-4-488-72302-6 \1080(税別)
崩壊した移動都市ロンドンを脱出し、今は飛行船<ジェニー・ハニヴァー>で、気ままな運び屋の毎日を送るトムとへスター。未だ彼らを追う反移動都市同盟の一部の追跡はあるものの、これまでに無く平和な日々を満喫していた二人の許を訪れた一人の人物。へスターにはうさんくさい人物に見えた彼こそ、トムにとっては憧れの人物の一人である、歴史家にして作家、そうして冒険家でもあるニムロッド・ペニーロイヤル教授その人だったのだ。冒険を終えて帰郷すると言う教授を乗客に、舞い上がるトムと、突然のいかがわしいお邪魔虫に心中穏やかでないへスターを乗せて飛び立った<ジェニー・ハニヴァー>は、その時から新しいトラブルに巻き込まれていくことになったのだ…。
お待ちかね、「移動都市」の続きがようやく登場。ワクワクもので読み始めたんだけど、うむ、かなり前作とは勝手が違うね。荒廃した地球を疾走して他の都市を"喰らう"都市、という出だしのイメージが強烈だった前作に比べると、今回はそういう、ツカミのインパクトの部分で勝負できる所は少なくなっている。代わりに出てきているのがストーリー側の、いかにも英国ジュヴナイルなシビアな展開の連続で、読んでるこちらはいろんなところで落ち込み、イラつきつつも、ページを措くことだけはできずに読み進んじゃう、様なタイプの本。SF的なワンダーで引っぱると言うよりは、ストーリーテリングの面白さで読者を引っぱって行く本、と言えるかな。
トムにせよへスターにせよ、いろいろ欠点を抱えた少年少女で、その欠点が引き寄せなくてもいいトラブルを引き寄せ、興さなくてもいい誤解とすれ違いを巻き起こし、そんなゴタゴタの積み重ねが巨大なクライシスへの予感をがんがん増大させていき、やがては…、ってあたりのお話作りのさじ加減は実に上手い。あまりにお話作りが上手いものだから、面白いと思いつつも、どうにももどかしく、居心地の悪さも拭えないまま読み進んでいくことになるわけで、それでも最後まで読んでいけるって事は、とりもなおさず読者を引き込む技術に長けているって事ではあるのだろうけど。
いってみれば「スター・ウォーズ」の突き抜ける快感のあとには、「帝国の逆襲」の、いろんな所での負け戦っぷりを味あわなくちゃ、シリーズ物(ちなみにこちらは全4部作だそうな)にはメリハリがつかない、って事なんだろうな。
今回登場する新しい移動都市の住民たち、何やらいかがわしい冒険作家(このトリックスターっぷりはなかなかなモンだと思う)、前作から引き続いて登場するキャラクターたちと、彼らの登場に伴って出てくる新機軸のヒキはかなり興味深く、少々ダウナー要素の多い本作を読み終えたあとに、それ故にこいつの続きが激しく気になっちゃう、ってところはあるかも知れない。次回作はさらに16年後のお話だそうで。渋い大人になってるであろうトムやへスターたちとの再会が、今から待ち遠しいですな。
★★★☆
土塚理弘・五十嵐あぐり「バンブーブレード」(7)。昨日ブクオフにいったのも、ここまでの分が安く買えたらいいなあ、というスケベ心から。結局置いてなくて、6巻まではTSUTAYAで新刊を買ったんだけど、こっちはこっちで最新刊が無かったりして。で、本日めでたく7巻ゲットだぜ。背が青いヤツはおろか、上の方が黄色い文庫も置いてない本屋さんなので、捜索対象から外してたんですけど、さすがにコミックスの新刊ぐらいは入れてくれてるようですね。
アニメの妙っぷりが結構気に入って、原作も読んでみようと思って買ったんですが、おんなじような動機で集めた「まほらば」もそうだったんだけど、スクエニ系のマンガってのは、画力Bなれど面白い、って傾向のマンガ家さんが多いのかね。特にカメラを引くと画力の低さが目立つ、様なマンガ家さんが多い気がする……って二作だけでなんか語ってんじゃねーよ、って気もするけど。あ、でも巻を追うごとに絵は上手になっているとは思いますよ、ええ。
さて7巻の目玉は、タマちゃんの大好きな特撮戦隊モノ「ブレードブレイバー」を含む「バトルヒーローシリーズ」の全貌がわかるって所(そこかい)。ちゃんと今のところ全31作(戦隊と同じ数)あって、シリーズの変遷につれ、誕生→人気を博す→やや低迷の兆し→テコ入れが裏目に出て失速→持ち直し→ふたたび人気に、みたいな流れも単なる設定とはいえしっかり考証されちゃってるのが笑っちゃう。
これに拠りますと、「バトルヒーローシリーズ」は、13作目あたりから低迷期に入り、19作目の「ファイナルレンジャー」(『ファイナルファンタジー』みたいなノリで作ったのかねえ)でやや人気が復調傾向になり、続く「ブレードブレイバー」は、その勢いと20作記念の盛り上がりやそれなりの気合いも入れられて作られた結果、大人気を得、おもちゃの売上も歴代シリーズでトップを誇る作品なんですってさ(ちなみに「戦隊」の方の20作目は「カーレンジャー」)。
それはともかく、変なモノ好きとしてはやっぱ、低迷期の迷走っぷりについつい興味を引かれてしまうもので、単なる設定とはいえ、女ばかりの「ファンシーファイブ」、ネーミングがすでに怪しい「バトルグリーンティー」、「完全に方向を見失ってしまう」と注釈の付けられた「シオドメランチくん」ってどんな戦隊モノだったのか、ちょっと見てみたい気はするよなあ(w。
久しぶりにマンガをがつがつ読んで、気になったことをいろいろ検索してて、芋蔓式に知ったこと。
ああそうだ、「バンブー」の絵の話を書いててちょっと思い出したんだけど、マンガを読む時、というか初見でマンガを判断する時、画力(というか、絵の好き嫌い、かな)ってどのくらいの重要度を占めてます? 先日倅と呑んでてオタトークに移った(その是非については措いといてくださいね)ところで、わたしゃ「最初に絵を見た時点で下手な絵、嫌いな絵は捨てる」つーたら倅が「絵の上手い下手とかわからんので、とりあえず全部読んでる」って返してきたんでちょっと驚いちゃって。
上手い下手はいったん措くとしても、絵の好き嫌いの部分ってのは、マンガを読む上で最重要の検討材料になるのじゃないのかしら? そう言うものでもないの? みんなはどんな絵でも、とりあえず読んでみるの?
わたしゃとりあえず絵で判断するので、たとえば福本伸行さんのマンガは、その汚らしい(ごめんなさい)絵が好きになれないのではなっから読む気が起きないし、板垣恵介さんのマンガも、絵が気持ち悪い(重ねてごめんなさい)から読もうという気がさっぱり起きないんだけど、そう言う読み方はダメですか?
もちろん、そこで損してたかもって思うところは多々あるわけで、あまりに意固地になってたら、川原泉にはハマれなかっただろうとも思うので、絵が全てではないとは思うんだけれど、そんでもマンガを評価するのに絵のプライオリティをいったん措いちゃうってのはどうなんだ倅、とか酔っぱらいながら思ったことをふと思い出しちゃったもので。
個人的に線は少なく、それでいて必要な情報はちゃんと伝えていて、なおかつパースに狂いのない絵を見るとそれだけでほっとする、ということはその逆の絵にぶち当たるとそれだけで拒否反応が出てしまうんですが、それはそれで私、いろんなところで損してるんでしょうかね。どうなんだろ、そのあたり。
はもう聞けなくなりますか。松下電器、社名も「パナソニック」に ブランド名と統一(asahi.com)。元々は輸出用スピーカーのブランドとしてでっち上げたモノが意外に浸透したものだった、ってのは初めて知った。なんでも北米ではすでに、「ナショナル」の名前は他者に押さえられていたんだそうですな。
特に海外市場を考えた時に、向こうで一番浸透している名前である「パナソニック」を統一ブランド名にするってのは、まあ正しい判断なんだろうけど、どうなんだろうなあ、総合家電メーカーとしての松下のイメージの中で、「ナショナル」のネームバリューってのも、それなりに捨てがたい捨てがたいバリューが、少なくとも国内の消費者にとってはあると思うんだけど、そこも切っちゃうのか。それは果たしてどうなんだろう、って気がちょっぴりしてしまうな。
「パナソニック遠赤外線炊飯ジャー」とか、買う気になるか? ってだけの、他愛ない話ではあるんですが。
□ TUX [●ああもう、色々と語りたいことが山ほどあるのですが(笑)長くなるので、次のオフ会まで我慢します(謎笑)]
□ rover [むっはー(w。 そう言えば「AVP2」ってまだやってるんすかね。前作とはうって変わったダメ映画らしいので、ちょっと見..]
□ TUX [●それはお誘いですか?お誘いですね?乗りますよ。14日とかでもオッケーッスよ(笑)]
□ rover [ぬお(w。 明日……でも良いけど、たぶん(^^;)]
□ rover [……と、思ったら。 明日はカミさんが遊びに行くそうなんで、あたしは御留守居です(つoT)]
□ TUX [●んじゃ、来週の日曜とかでも…って、それまで保つのかAVP2(爆)]
□ rover [うし、来週(今週?)末なら動けるんじゃないかと思いますですよ(w。]
「クラナド」、「ペルソナ トリニティ・ソウル」、「キミキス Pure Rouge」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。「クラナド」が面白くて困ってしまいますわ(別に困らんでも)。他の二本もなかなか良い感じで、土曜深夜は楽しいですな。コイバナ大好きオジサン、ってどうなんだよってのは、日々自省するところではありますが。
日曜朝の三本も、どれもクライマックスに向けて加速中なのでやっぱり面白い。全体にむりやりヤマ場に向けて、盛り上がり要素を演出しているんじゃないかと思えなくもない所もあって、盛り上がりのための盛り上げなんじゃねーの? 的な、ちょっと引いて考えると案外醒めちゃう、みたいな感じが無くもないとは思うのだけれど、それでも終盤に失速しちゃう事の多い平成ライダーの中では、「カブト」と「電王」は、かなりシリーズ構成という部分に考慮がなされた作品じゃなかったかな、って気はしますわ。
昼前に歯医者に行って、がりがり歯石削ってもらって、家に帰って古本の発送準備(これが結構あった)とかしてたら3時前。昼飯作る気が無くなっちゃったので、王将でかけて餃子にビール。
昨日の酒も残ってたのかな。今日は全然仕事やってねえや
アレステア・レナルズ 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト 鷲尾直広
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011645-3 \940(税別)
冷凍睡眠状態の乗客を積んで17年の航行中だった星間船イロンデル号は、限りなく低い確率で起きる船体の破損事故により、目的地への航行を中断し、手近な星系で補修部品を調達しようとする。だが、修理が完了するより早く、イロンデル号は宇宙海賊の襲撃を受け、乗客の一部を奪い取られてしまう。乗客たちを我が子と見なすように条件付けられていた船長イラベルは、破壊されたイロンデル号を修繕し、海賊たちの宇宙船を追跡することを決意するが…。
本書のための書き下ろし2編を含む5編を収録した短編集。
「火星の長城」に続く、レナルズの宇宙史を彩る短編集。前作同様、「啓示空間」などのヘヴィーっぷりとはうって変わって基本的にはオーソドックス、ただしそこはレナルズ、「カズムシティ」でも感じられた、油じみたドロドロ感とか、妙な悪趣味感覚も楽しめる、お得な内容になっている。以下、簡単な感想ですが…。
冷凍睡眠状態の乗員たちを乗せて航行する近光速宇宙船に起きたトラブル。それを解決するために睡眠から醒めたユーリ。だが、船内には自分以外にも何かの気配が…。レナルズのキャリア的に第二作に当たる作品。この宇宙史の一連の作品の中でも、かなり初期に書かれたもので、いろいろと初々しく、オーソドックスといってもいい作品で、短編SFが往々にして備えている、微妙なミステリ風味も好ましい。
海洋惑星に生息する生命体、パターンジャグラーをめぐる中編。主人公は(たぶん)美少女、必然性があるのでちゃんと脱いでくれたりするし、なんだな、レナルズ版「光と水の生物都市」とか言ったらネタバレになっちゃうかしら。実にレナルズらしくない(^^;)、リリカルと言っても良い作品でかなり好きですわ。
書き下ろし作品。こちらはレナルズの他の作品に登場した異星生物やら変なフリークスやらが続々登場の、レナルズ秘宝館。レナルズ的悪趣味全開でなかなか楽しめる。
長く続いた戦争はようやく休戦状態となった。この戦争の最悪の元凶を探し出すことに人生を捧げるマルティネスは、有力な情報を許に、消えたはずの病院船に向う元軍人たちを招集するのだが…
これもアクションSFにAIが抱えるジレンマ、ってテーマを加え、そこにレナルズ的悪趣味をまぶしたような作品。この、悪趣味のまぶしっぷりが強烈で、本書の中で一番インパクトがある作品と言えるんじゃないだろうか。その分好き嫌いは分かれそうだけど。
はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いたら15000年、みたいな(なんだそりゃ)。タイムスケールの拡大っぷりがあれよあれよな感じで、最初のまったり感が後半、おいおいおいおいそこまで行くんかい、みたいなノリで。スティーヴン・バクスターやグレゴリイ・ベンフォードあたりが好んで書きそうなお話、と言えるかも知れない。ある意味レナルズ宇宙でこの先なにが起きるのか、を漠然と示唆しているような気もするんだが、さてこのお話が彼のクソ分厚い方の本にも反映されるんでしょうかね。
てな感じで。「ターコイズの日々」、「ナイチンゲール」はかなり印象的なお話でございました。
それにしても、レナルズ作品にはスパニッシュというかラテン系というか、そう言う方面(に見える)のネーミングのキャラが多く登場するんだけど、本書ではそれに加えて、間違った日本、というかなにやらジャパニメーション風味なお名前が散見されて、これはどういうモノなんだろうとちょっと思ってしまったことでした。ヨタ・シバラクサ(与太・暫くさ?)さん、とかニコロシ(煮殺し?)さんとか、美少女姉妹のミナとナキ、とか、海賊船ヒデヨシ号とか。
つかさ、「ヒデヨシ」ってカタカナで書かれると、どうしてもますむらひろしのヒデヨシを連想しちゃって、「かーいんじゃねーの、それ?」とか思っちゃうんだよなあ(w。
★★★★
島本和彦「新 吼えろペン」(9)。炎尾先生にテレビ出演依頼が。
「TVやラジオで直にメッセージを伝えたいなら———
マンガ家になどならなきゃいいじゃないか!?」
っていう炎尾の啖呵は、あの人とかあの人とかに聞かせてやりたいものですな(w。あと、高望君のエピソードがちょっと面白かった。
あとがきマンガ見てみると、この巻はどちらかというとテンション低めなノリであったそうで、いわれてみると確かにそうかもな、とも思うんだけど、それ以上に気になってしまうのは、最近の島本和彦は必要以上に洗練され過ぎちゃってるんじゃないかなあってとこだったりして。時に荒れてるんじゃないかって思えるほどの島本和彦的ペンタッチ、がかなり控えめになってしまってるような気がして、そこが(逆説的に)もったいないなーと思えてしまうのだな。個人的な趣味でしかないんだけど、先行きが少々不安かも知れないな。
商売モノに手を付けるシリーズ。「ハーフハイド」ものはこれまでにもちょこちょこと出入りはあったんだけど、まとめて5冊揃ったのは初めてだったので、記念に読んでみた。ちなみに第1巻、「ベニン湾の戦雲」が訳出された時点で、すでにこのシリーズは本国では15冊程度が出ているらしいんだけど、どうもこちらでは5冊で訳が止ってしまったみたい。人気出なかったんでしょうかね。
さてこのシリーズ、数多の海洋冒険小説が割と狙ってこない、19世紀末を舞台に、愛国心にあふれ、技量も申し分ないのだが、自らの短気と押さえきれない正義感が反抗的な態度に表われてしまい、なかなか出世できない英国海軍大尉、セントビンセント・ハーフハイドがさまざまな特殊任務に挑戦する(させられる)、ってなお話。んで実はハーフハイドくんは、このシリーズが始まる以前の士官候補生時代、乗艦をロシア艦に撃沈され、自身はロシアの捕虜となり、そこでロシア皇帝の縁続きの貴族に可愛がられてそこでロシア語を習得、その後無事脱走して本国にたどり着く、という、冒険小説一冊分の経験をしているわけで、そのあたりが、ヒーローらしからぬ、どこか反抗的な態度を形成させる一助になってるのかも知れない。というわけで各巻のお話はというと…
と言うような感じ。黙っていればいいものを、一言余計なことを言っては上司に睨まれる主人公、頭ガチガチ、融通が利かないクセに自分ではデキると思ってる上官たち、強力なのか抜け作なのか、良くわからない敵キャラのみなさまと、決してふざけてやってるわけじゃないんだが、それでもあちこちに配されたユーモラスなシーン、そして良く言えばユニーク、悪く言えば少々荒唐無稽なクライマックスが用意されていて、総じてマンガチックというか、肩のこらない楽しい読み物になっている。5巻で止っちゃってるのはちょっと惜しいかも。
マンガチック、と書いたけど、実際読んでる間、私の頭の中ではビジュアルが結構簡単に出来上がってて、それもサクサク読んでいけた理由なのかも。ええ、青池先生、これマンガにしませんか? ってことで(w。
ちょいと遅めのSぱら新年会。本日のお題は「AVP2」。感想は改めて書きますが、なんつーかこう、人としてどーなんだその映画づくりは、と言いたくなるような作品で……、
かなり好きです(w。
映画のあとの飲みでは、なんと言っても前日に行われたライブで、宮内タカユキ氏のバックでベースをビンビン弾いてきたSOILさんウラヤマシス、な話題で盛り上がり。盛り上がりすぎて、梅田でさんざんビール飲んだあと、三宮に戻ってたちきやでまた飲む。JRで人身事故があって、30分ばかり足止め食らっちゃったんで、飲みの方はやや控えめでしたけど。
何とか終電で帰れて良かったけど、鈴蘭台は結構盛大に雪が降っていて、ちょっと足元がおぼつかなかったです。
スタッフ
監督:コリン・ストラウス/グレッグ・ストラウス
製作総指揮:ウォルター・ヒル/ポール・ディーソン/デヴィッド・ガイラー
製作:ジョン・デイヴィス/ウィック・ゴッドフレイ
脚本:シェーン・サレルノ
エイリアン原案:ダン・オバノン/ロナルド・シャセット
プレデター原案:ジム・トーマス/ジョン・トーマス
音楽:ブライアン・タイラー
出演
レイコ・エイルスワース
ジョン・オーティス
スティーヴン・パスクール
ジョニー・ルイス
デヴィッド・パートコー
公式サイト:http://movies.foxjapan.com/avp2/
エイリアンとの死闘を制し、「儀式」も終えて本星へ戻ろうとするプレデターたちの宇宙船。だが船内に安置されていたプレデターの死体の中にはエイリアンの幼生が潜んでいた。やがてプレデターの腹を食い破って現れたエイリアンによって乗員たちは殺害され、宇宙船はふたたび地球に落ちていく。増殖するエイリアンたちを乗せて……。
そしてはじまるエイリアンの大暴れ。そりゃ現実の世界において悲惨な出来事ってのは誰に対しても公平に降りかかってくる可能性ってのはあると思うんだが、そこは映画の世界。多少のさじ加減ってものはあっても良いのじゃないかと思うんだが、この映画を作った人々は、どうもさじをどこかに置き忘れてきたか、敢えていぇーい! と投げ捨てたのかはわからんが、いろんな所に遠慮がない。現実ではどうか知らんけど、映画的表現としてどうなんだそれは、といいたくなるシーンが連続する。私はグロとかスプラッタはあんまり好きじゃないけど、それでも映画でやってる分には「うええ」と思いつつも見ていけるんだけど、この映画に関しては、引く。人としてそれを見せてはいかんのじゃないか的なシーンが連続するのだった。ここはちょっと痛い。
んでもって、エイリアンたちが街にやってくるのとほぼ時を同じくして、死んだプレデターからの通信を受けて、一人のプレデターが地球にやってくるんだが、設定上はどうやらプレデターさんたちの中でも相当な腕利きのハンターであるらしいんだが、こいつがまた、どう見ても抜け作。「いいか、出来るだけ引きつけて撃て」とか言われているにもかかわらず、敵の姿を見た瞬間にパニクって発砲してしまい、自分たちの位置を敵に教えてしまう気弱な新兵、ってのは戦争映画の定番だったりするけど、この、腕利きのはずのプレデターさんがやらかすのは常にこの新兵さんと同じレベル。結果的に馬鹿と抜け作のガチンコ勝負に巻き込まれて、罪のない一般市民が無作為にどんどこどんどこ殺されていく、様な映画が出来上がってしまうのだね。
前作はそれなりにテーマをきっちり絞り込み、欲張らずにタイトにホンをまとめ、舞台も際限なく拡がらないように考慮してあったおかげで、シンプルな一本道的エンタティンメント作品として、かなり楽しめた物になってたと思う。なのに今回は、一体なにを思ったのか、そういう映画的に作り手側に有利になりそうな「縛り」を片っ端から投げ捨てちゃって、自分でどんどん話をまとまらない方向に持って行き、最後まで「ありかよ、それは」としか思えない展開の連続で押しまくる。もう、映画を造ってる最中に何かを忘れて突っ走っちゃった、としか思えない映画になっちゃっていると思う。
基本的にこの手の映画では、最終的にどうなったら誰の勝ち、ってのがかなり早い段階で見えてこないといけないと思うんだけど、そこらへんが上手くない。エイリアンを全滅させたら勝ち、なんだろうけれど、んじゃあエイリアンたちは何体いて、今これだけ倒して残り何体、みたいな情報が全くわからない上に、映像的にも今のはエイリアンをぶっ叩いただけなのかトドメをさしたのかも分からないものだから、映画を見ていく上での「戦況」が全く分からないまま、ビジュアル的な派手さのボルテージばかりが、どんどん上がって行ってしまっているのが大変マズいんじゃないかと思う。今はもう一息、なのか、絶体絶命だ、なのかがさっぱり見えないのだよね。
というわけで最初から最後まで、派手な見せ場が全然ありがたみを感じさせてくれない、というとても不思議な映画。一通りこのシリーズを知っていたらまあ、こちらで好意的に補完できなくもないけれど、それでもやっぱり怪作、としか言いようのない映画だな。もちろん、そこを期待して見に行った私らはそれなりに楽しんだものだけど、エイリアンもプレデターも良く知らない人が見たらば、どう見ればいいのか分からなくなっちゃうんじゃないかと思ったよ、っていうかそう言うお客さん、結構いらっしゃったようだし(^^;)。
(★★☆)
先週分。「俗・さよなら絶望先生」、「墓場鬼太郎」、「灼眼のシャナⅡ」、「機動戦士ガンダムOO」、「クラナド」、「ペルソナ」、「キミキス」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。「ガンダム」は、いくら正義の味方の秘密組織でも、国家規模の軍勢を相手にしたら、そりゃひとたまりもないわなあというお話。で、ここをどうひっくり返すかが興味の焦点だったんだけど、そこはどうやら、デウス・エクス・マキナの降臨でピンチ脱出、って流れになってしまうのかな。正直そこのところはちょっと気に入らんけど、オモチャ売らんといかんからねえ。
土曜深夜。「ペルソナ」の舞台が富山県ってので少々驚いておったのですが、んー、あんまり富山っぽくないなあ。都市部じゃないところの描き方は、確かに都市部を少し外れた富山、と言えなくもないような気はするけれど、それって富山に限らず、どこでも少し田舎になったらああいう風景になるような気もするし。まあ「バカ」を「ダラ」で統一してくれたらば、舞台が富山と言われても納得するかも知れないけどな(何ゆーとんがけ)。
「ゲキレンジャー」は、真のラスボスはロンくんだった、つーのが正式に明らかになる回。まあ一番軽そうなやつが一番怪しい、てのは定番なので、みんな予想はできた展開ではあると思うが、ロンくん役の人がいまいち押し出しが弱いのがちょっと辛いか。ジャンとリオ様のラストの共闘(するんだよな?)には期待できますけどね。
「電王」はフィナーレ。んーと、これはリョータローやユートの思いが強いから、モモたち一部のイマジンは消えることがなかった、という解釈でよいのかな? 愛理さんの記憶から桜井さん(ユートとは別の時間線を歩く人、になってるのだよね?)が消えるのは、彼が消える(そしてユートがリョータローとは同じ時間の流れにはいられなくなる)ってのも、最大多数の最大幸福、を考えたらそれが最善の正解だった、ということになるのだろうか。してみるとハナとコハナのいた時間線との接点がどうなるのか、ってあたりがまだ、積み残しとしてありそうな気はするけれども、それでも平成ライダーの中ではかなり完成度が高く、何より毎週楽しく見ることのできる、良いシリーズだったと思う。「響鬼」、「カブト」、「電王」と、ちょっと良い感じのシリーズが続いた仮面ライダー、次の「キバ」はどんな感じになるのかな。
「プリキュア」は、ここに来て平成ウルトラのテーマを持ち込んできて、で、平成ウルトラ(の特に初期三部作)で私がすごく嫌いだった、なんだか知らんけどたくさんの人が望んだらそれが力になる、みたいなオチの付け方にもうひと味スパイスが加えられていて、そこにちょっとポイント乗せてあげたい気分、かな。
3回目。今日は何やら本格的。歯茎にぽんぽこぽんと麻酔を当てて、それからなんか、ぴきゃきゅいーん、みたいな音を立てるキカイで、歯についた歯石をがいんがいん削る作業。格別痛い、ってワケではないんだけどなんつーか、妙に気持ち悪いというか歯に何か浸みるようなものがあるというか、そんな感じで少々居心地悪い。あとやっぱり時々ちょっぴり痛い。
キカイのあとにはスパチュラの一番細いのによく似たヤツ(オレもこんなの持ってるぞ/w)で、今度は手作業でがりがりと掻きだし作業。こんな力で引っぱられても、歯って案外抜けたりはしないものなんだなあとちょっぴり感心した。
今までで一番我慢した治療だったけど、治療代は今までで一番安かった。金がないなら汗を出せ(今日のはほとんど冷や汗だったけど)、ってのはいろんなところで真理なんだな(ちょっと違)。
オレ、絶対ジャストシステムタイマーって存在してると思うんだよね。ATOK使ってて思うんだけど、特に最近のリリースバージョンは、年が変ったあたりから、急に変換効率が悪くなると言うか、こちらが期待するような候補の出方になってくれないケースが増える傾向があると思うのだわ。もともとATOKって、うちだけかも知れないんだけど、同じ読みでも前に確定した候補を敢えて第二候補にする、という、まるでジャンケンで今グーだったから、次もグーって事はねえだろう的な気の回し方をする傾向があるように思えてなんだかなーと思ってたんだけど、年をまたぐとその傾向に、さらに加速がかかり、そんな候補いらねーよな感じが割と上の方に来る傾向があるような気がするのだよね。で、そう言う状況にイライラし始めたところに新バージョンのDMが届く、と。まさに今日、来てましたけどね、ATOK2008出ますよー、つーDMが。
んまあ広辞苑とか会社四季報とか要らんので、単体のATOKをダウンロード版で購入すれば、4725円でバージョン上げられることになるので、来月になったら改めて考えてみようかなあ、とは思ってますが。
ドサ周りが一日延びたので、チェンジ古本屋、スイッチオン。前々から追加しようと思っていた、「SFアドベンチャー」誌の書影のスキャニング。1979年の創刊号から1982年まで、ダブりも結構あるので52冊。創刊からの数冊は、表紙のイラストを永井の豪ちゃんが担当していたのだな。わたしゃ生頼画伯の時代しか知らなかったです。
「SF宝石」が休刊したあと、そちらの人気企画だった新刊チェック・リストが本誌で継続して連載されておりましたな。基本的に翻訳SFの方が好きだった私は、本誌のウリというとそれくらいしか思いつかなかったりするんだけど、ちらちら見てたら新田たつおの「スター・トラック」の初掲載が本誌だったって事を初めて知った。宇宙船が左折巻き込みで人身事故を起こす、つーくだらねー話で、大好きなんだわ。黒岩先生以降のマンガも良いと思うけど、新田さん、たまにはまた、くだらんSFマンガ(褒め言葉)も描いて欲しいなあ、なんて思ったことでした。
明日はドサ周りなので、あさってぐらいには本日スキャンした書影のデータを追加できるかと思いますんで、あまり期待せずにお楽しみにしてくださいませ。
と言う話をオレはなぜ、はてなの方に書かずにこっちに書いてしまうんだろうね(w。
たださんが効果的なspamフィルタの設定方法という記事を書いておられたので、それを参考にいくつかspamフィルタリングを追加。主にツッコミspamに対するフィルタリングで、必須ではないメールアドレス入力欄を非表示することで、人間ならやらないけれどもspamボットはやってしまう、e-MAIL欄への入力があったら、それはspamツッコミだと判断する、というしくみと、あとはツッコミ本文におけるURL表記の数を見るような対策。後者の方はすでに対策してたんだけどメールアドレス欄への入力があるかないかでspam判定をする、ってのは思いつかなかった。さっそく対応。
ここのところ、ツッコミ欄へのspamコメントはかなり減ってるので、ウチ的には割と平和な状況ではあるんだけど、この先どういう事になるか、なんて誰にも分からないので、バカでも出来る対策はやっておくに超したことはない、と。
さらに強力なspamブロックの方策としては、Akismetなどの学習型フィルタをアクティベートする、ってのがあるようですが、日本語のツッコミをspam判定しがち、みたいな話もあるようなので、そっちは当面、様子見って事で。
ま、こんな田舎に困ったスパマーが大挙するとも思えないんだけどね(w。
今年最初の南大阪ドサ周り。今日は寒かったっすね。移動中、夙川のあたりで吹雪クラスな降りっぷりになっててちょっと焦ったわ。作業の方は取り立てて大きな問題もなく平和なうちに終了。よかったよかった。
で、
朝、出動前にちょっとニコ動覗いたら、アニメ部門のランキングで、「超剣戦隊ブレードブレイバー」のフルバージョンが二位に入っててコーヒー噴きそうになった。ああそうか、昨日サントラCDが出たんだね。さっそくありがたく聴かせてもらって、テンション上げて出撃したんですが、上がったテンション下がらなかったんで、帰りがけに梅田のヨドバシで、あたしもサントラCD買って来ちゃいました(w。あんこ入りパスタライスもフルコーラスで聴けます。全体的な印象は打楽器主体の「和」な印象で、こんなにメロディー希薄な音楽ばっかりだったかなあ、とも思ったりするけど、まあいいさ、これでいつでも「ブレードブレイバー」聴けるんだもん。
ってことでおっけーみんな、オフミしようぜ(ぉぃ)。
ニール・アッシャー 著/金子司 訳
カバーイラスト 鈴木康士
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011646-0 \960(税別)
22世紀の英国。堕落した生活を送る16歳の娼婦ポリーの許に現れたのは、HIV感染症で死んでしまった親友、マージェの兄で特殊部隊の兵士、ナンドルー。政府が極秘裏に実行していた実験のモルモットになるところを辛くも逃れてきたナンドルーは、奪取してきた政府の隠匿物とポリーを利用して、追われる立場からの脱出を狙っていた。やがてポリーの許に、政府によって、稀代の暗殺者の遺伝子情報を元に作られたクローン捜査官、タックがやってくる。彼らの誰一人として想像もできていなかった。ナンドルーが奪ったものこそ、はるかな未来に作られ、時を超えて人類の消滅をもくろむ怪物、トービーストであったということを…。
はるかな未来に発生した人類壊滅計画を、過去に遡って阻止しようとするものたちの冒険、というと、つい最近読んだ小川一水、「時砂の王」を思い出すけど、こちらはなぜ過去に遡る必要があるのか、という理由付けと、誰がそうしたいのか、そしてそれを阻止したい理由は何なのか、ってあたりにひと味違ったアイデアがある。で、人類を消滅させたいもの、そうじゃないものの思惑もどうやら一筋縄じゃ行かない、深いものがあるらしいことが分かってきて、話は終盤少々ややこしいことになっていく。
とはいえ基本的には時間旅行冒険アクションSFの体裁を採っていて、そこの所の面白さは充分なので、決して小難しいSF、ってワケじゃあないのでだいたい安心。ただ、先にも書いた「ややこしいこと」側の説明はやっぱりややこしく、それなりに説明を要するネタであるといえるので、そこはさらりと流すわけにも行かず、結果的に時間SFの見どころであるところの、本来その時代にいることがあり得ない時代の人間が混じってしまうことで起きるさまざまな騒動(それが時間SFにおけるワンダーになると思うんだけど)、みたいなものを楽しんでいけるような造りにはなっていない、し、そもそも著者もそんなところは狙っていないのだろう。何せ歴史上の人物との邂逅、なんてのは本書の中ではあくまで中盤の繋ぎであって、真に重要な話ってのは、もっと違う時代にこそあったりするわけだしね。
小川一水が極めてタイトに纏めたネタを(最近欧米SFは長いほうが良い、みたいな風潮があるみたいですけど)、いろんな所にがっつんがっつんネタを仕込み、かつストーリーテリング的にもなかなか凝ったことをやって見せてくれた本。「時砂の王」が豊田有恒だとしたら、こっちは間違いなく福井晴敏って感じだ。わたしゃ、少しだけ長い、とは感じましたがかなり面白かった。元の文がそうなのか、訳が上手くいかなかったのかは分からんのだけど、テーブルに敷いたビニールシートと棒を使って時間旅行のメカニズムを説明する部分とか、真剣に意味分からんところもちょこちょこあったんだけど、まあ勢いで読んでいけるんだから、これはこれでなかなか上等だわね。
★★★☆
ぽつりぽつりと写真が追加されて、今はこんな感じ。10チーム・マシン写真画像:ヴァレンシアテスト 2008年01月24日(F1通信)。ホンダ、ルノー、ウィリアムズ、マクラーレン、フェラーリ、フォース・インディア(旧スパイカー)、レッドブル、BMW、トロロッソ、トヨタの今年のマシンが一望できる。全体的な印象としては、絞って長いノーズと複雑なフロントウィング、同じく後方を凝りまくった絞り方をしてきているサイドポントゥーン、それから、微妙に凝った処理がされてるミラー周辺、あと、去年のマクラーレン・スタイルの、少し延びてからぐっと下がるヘッドレストから後ろのパーツの処理あたりに、ある程度共通項は見て取れるか。
一見さんの無責任な第一印象でしかないんですが、攻め切れていないホンダ、トヨタ、インディア。攻め切れてない、とまでは行かないけれど何かが足りないトロ・ロッソとレッドブル、妙にファットな印象が来るルノー、手堅いウィリアムズ、手堅さとラディカルさを、上手い塩梅にバランス取って来たフェラーリとマクラーレン、ラディカルさはダントツだけど、その手のラディカルさって、いつの間にかおとなしい方向に方針が変ってしまう(バットマン・ディフューザーとか、あったよねえ)んじゃないか、と思わせるBMW(そのルイジ・コラーニ的なアプローチはかなり好きなんですけど)、って感じだろうか。
何となく一番気を惹かれてるのはフェラーリ。デザインラインとか何とか言う以前に、そのカラーリング。初期のリリースの時点から、「赤」の色合いがどうも違うような気がしていて。
なんというか、これまでのフェラーリの赤と、ちょっと違う赤に見えてしまってそこが大変気になるの。光に当てた時、反射して白っぽく見える部分がピンクに見える赤が真のフェラーリの赤、と聞いたような気がする(実際、フェラーリのキットのために、ピンクのサフェーサーと赤い色をセットで売ってた所があったような気がするもんね)んだけど、08年のフェラーリの赤は、なんつーか、シャリバン・レッド、とでも言えそうな赤に思えてしまうのだけれども。気のせいかしら。
あと、ノーズの処理に、微妙にアルバート・ノザキ的マーシャンズ・ウォー・マシンのイメージを感じてしまって、そこも微妙に興味を惹かれる。なんだかんだで今年もフェラーリに注目、なのかしらね。
あたしも日本人の端くれなので、ホントはトヨタとホンダのマシンで、「おお、こりゃ面白い」と思わせてもらいたいのだけれどね。
あらあら、フォース・インディアのマシンはまだ'08年型じゃなかったのね。失礼しました。冬樹蛉さんの日記で知った、二つ名メーカー。名前を入力するとライトノベル風の二つ名を生成するよ。
だそうです。やってみましたよ。
乱土労馬さんの二つ名は…「微塵人形(アナザーゴースト)」です
お、なんかカッコいいじゃん。ちなみに乱土と労馬の間に半角スペースを入れると、「永久迷宮(ジ・エンド)」、さらに本名だと、「死と無惨(グロテスクカルマ)」だって。どんどん悲惨になっていく感じがするので、あたしゃアナザーゴースト、が良いです(w
ここまでで録れてた分は、「俗・さよなら絶望先生」、「墓場鬼太郎」、「灼眼のシャナⅡ」、「機動戦士ガンダムOO」。「絶望先生」は本編よりそのバックで鳴ってるラジオの内容が面白く、「鬼太郎」は外しても良いかなあと思い(割とこの傾向は苦手)、「シャナ」はなんか良く分からんなりに盛り上がってるけど、裏の「狼と香辛料」もちょっと気になるんだけど両方録れるのかしら、みたいな。
んで「ガンダム」は、主題歌も変わってテコ入れガンダム群も新登場、てな流れに総集篇を絡めてきた感じ。新登場のガンダムたちは微妙に悪役風味、かつそのそれなりに複雑さに理屈を追求してみました的なデザインラインに、何とはなしに昔なつかし「ガンダム・センチネル」風味を感じてしまったことであった。ここに来て「ガンダム」は、HJ一辺倒からMG風味も取り入れてみよう、みたいな流れができたりしちゃってるのかしら。さすがにそれはないか。んまあこの先に注目、しておきます。
先日、AVP2を観に行った時の予告編でかかっていた、「ジャンパー」ちう映画が結構気になって。そのタイトルからして、スティーヴン・グールドの「ジャンパー」が元になってるのかなあと思ってwebで調べてみたんだけど、公式サイトの情報の小出しっぷりが腹立たしい。結局英語版Wikipediaで、ようやくどうやら映画の原作が、グールドの「ジャンパー」であるらしい事は分かったんだけど、なんでそんなことを調べるのに、こんなに苦労せにゃいかんのかと(ぷんぷん)。
とりあえずグールドのアレが原作なんだな。期待して良いのかなあ、これ。グールドはこの作品で日本でもそれなりに評価を得たけど、続く「ワイルドサイド」があまりうまくいかなくて、以降の作品の訳出ペースががくんと落ちちゃったような記憶があるんだけど、映画の方の出来はどうなんでしょうな。
あ、言わずもがなだけどスティーヴン・グールドとスティーヴン・J・グールドは別の人なので、そこは混同しないようにね。あ、あとこの本、軽石庵にも在庫があるんで、そこはよろしくっ(w。
いぇい! ひだまりラジオ ×365スタートだ。チョーさんすげえや(w。
□ MASH [私は「消失領域(ヴァニシングヴィジョン)」でした。 本名でやったら「逢魔刻(ナイトメア)」。シンプル〜]
□ P2 [「破裂の人形(バンドール)」よりちょっと弱そうですね(笑) …「腐食賭博(ダークサイドファクター)」…]
□ TUX [●TUXだと「猟奇災厄(カラミティブラッド)」 ●本名だと「矩形重力(アブソリュートコクーン)」 ●なんか、ビミョ..]
□ rover [意外にネーミングのバリエーション、豊富なんですね。MASHさんのナイトメア、P2さんの「賭博」が「ファクター」に転じ..]
□ U-Z [絶望先生はラジオが本編(原作のエピソード)だと思います]
□ rover [あ、そういう仕掛けが仕込まれていたのですか。なるほどです。本編知らないので、webラジオのネタを仕込んできたのかと思..]
「クラナド」、「ペルソナ トリニティソウル」、「キミキス Pure Rouge」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダーキバ」、「Yes! プリキュア5」。
ボケで掴んで最後に涙腺にアタックかけてくる、つー作風がしっかり出来上がっちゃった「クラナド」。ヒトデ少女に続いて天才少女編でも泣かされちまったじゃないかこんちくしょう(w。「ペルソナ」は、練習帆船が係留されているって事は、このお話の舞台は今の新湊界隈の少し未来の姿って事になるのかな。エラい勢いで発展するようで、めでたい話じゃ(そうか?)。「キミキス」も面白いです。
んでもって日曜日。
「ゲキレンジャー」はいよいよ大詰め。ここまでずっと、どこか頼りないというか、軽いところが消えないままだったジャンが、今回初めて格好良く見えた。リオ様をぶん殴るあたりね。あとはなんだ、目が醒めたリオ様のツンデレっぷりがなかなか見モノだったかなあ、と。
さて「キバ」。脚本井上敏樹って時点で「ヤバいんじゃねーの、それ?」感満点だったんだけど、で、確かにとっちらかった感はあるんだが、そもそもお話が、1986年と2008年のエピソードが交差する、という少々凝った構成になっているが故に、とっちらかり感が醸されるのもしょうがないのかも知れないけれど。アクション部分のパートの切れやライダーのギミックなどはかなり頑張ってる感じがするんで、とりあえず続きに期待。一回目は結構面白かったと思いますよ。
「プリキュア」は最終回。いい話だったと思う。デスパライア様を救いようのない悪にするんじゃなく、彼女は彼女で、それなりに救いのようなモノを求めていた存在だった、と位置づけたのは良い持って行き方だったんじゃないだろうか。それだけに(ニコ動で、何かにつけて作画がどうこうとケチつける厨みたいでイヤなんですけど)最終回だっちゅうのに、と言いたくなる作画の崩壊ぶりがやや悲しい。ラストに気合いを入れなくてどーすんだよ、と。
あとはなんでしょ、このシリーズはかなり、コイバナ方面に深く足を突っ込んでいたわけなんだけど、そこらあたりは次のシリーズでも引っぱりがあるんだろうか、ってあたり、最近妙にストレートなコイバナに弱くなってるオジサン的には、興味津々だったりしたりしますんですよ。
西炯子(原作・大槻ケンヂ)「女王様ナナカ」。元は同人誌として出てたヤツ。この時の原作者の名義は「カレーライス師匠」になっておりましたな。うちにも一冊あったんですが、そっちは少々法外な値段(wで売っちゃったので、ありがたく買い直させていただきました。新作も追加されててお得な気分。
別な用事で大阪に行くはずだったんだけど、そっちの方は途中でポシャってしまったので三宮で失速。カミさんに「晩飯イラネ」って言って出たんで、あんまり早く帰るのもなあと思ってVoiceで小一時間読書、「いっとっ亭」でカレー。
ここは元「Savoy」にいたスタッフさんが開いたお店で、確かにSavoy風味のカレーなんだけど、Savoyとはちょっと違う。で、Savoyの方も今はちょっと味落ちてる感じがするんで、困ってしまう。その上三宮の地下には最近、やたらとカレー屋さんが増殖してるような気がするんだが、大丈夫なのかね。個人的には太平閣(中華料理屋)のあとにできたブックオフの向かいに突如出現したえびすカレーが、可もなく不可もない味で逆に気に入ってたりします。食い終わって店を出る時に、「ありがとうございましたー」じゃなく「えびす顔でー」と声かけられるのも妙にこそばゆくて好き。
なんか関係ない話をだらだら書いちゃった。んさて、これで帰っちゃうのもなんだかなー、と思ったもので、「たちきや」へゴー。呑んだのは「宗玄」、「御前酒」、「鳳凰美田」、「隆」、「佐久乃花」。月曜から何酒飲みモード全開にしてるんだ(なんか四杯目以降はタカシ君に乗せられた感もあるけどさ)って気がしないでもないが、呑んじまったものは仕方がない。うすにごり多めの旨口系オンパレード。いえい。
世間(のごくごく狭い一部地域)では、アリシアさんの寿退社で話題騒然、らしいですけど、こっちゃそんな話は全然関係なく。今日も歯医者でぴきゅいーん、かりかり。前回で歯石はかなり除去できたので、これからは歯の痩せたところをがりっと削って詰め物をしていく、つー流れに移った、ようだ。
キカイと手作業でがりんごりん削りまくる作業(結構キツい)の時の治療費が800円で、「ぴきゅいーん」みたいな音が少々不快な他は割と平穏無事にすんだ今日の治療費が2000円、ちゅーのは何か納得がいかない気がするなあ。やっぱり詰め物ってそれなりにお金がかかるモノなんでしょうか。モケイ趣味の人間的には「歯科医用なにがし」ってグッズは、それなりに憧れアイテムだったりするんですが、やっぱお値段御高めなんでしょうかね。
にケータイの電話番号が残ってる(アドレス帳に登録されてない)ときって、この番号に連絡入れた方が良いのか、スルーした方が良いのかいつも悩んでしまうんだけど、で、そう言う時はたいていスルーの方向で処理してるんだけど、たまにちゃんと知っている人で、たまたまそれまで電話での連絡をほとんどやってなかった人からの連絡だったりする時もあるんで油断できない。
今日もらった電話もそれで、こっちは少々警戒してスルー方向で行ってたところに再度連絡してくださって、これが前に一緒に仕事をした人で、かつ新しい仕事のお話を持ってきてくださったのでかなり安堵。
「結構数あります」ってことなので、だらだらしてしまった1月とはうって変わって、2月はいろいろ忙しくなりそうで、ありがたいことです。だらだらしてるうちにお金が振り込まれてたら最高なんだけど、そんな話はありえねーからね。
谷甲州 著
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-030907-7 \700(税別)
ISBN978-4-15-030908-4 \700(税別)
ISBN978-4-15-030909-1 \700(税別)
ISBN978-4-15-030910-7 \700(税別)
ヒマラヤの山渓に沿って渡りを行うチョウゲンボウの群を追う動物生態学者、朝倉は、そこで信じられないものを目にする。通常のチョウゲンボウたちの能力では超えられないであろう山脈を、隠れた上昇気流が流れるルートを利用して軽々と世界の尾根を越え、さらには水際だった統率で餌となる鳥たちを狩っていくチョウゲンボウたちには、これまで自分たちが見てきた鳥たちとは、明らかに違う「知性」の煌めきが感じられた。同じ頃、マレーシアの密林では、二足で直立歩行し、自在に武器を扱うオランウータンの存在も確認されていた。地球規模で、生態系に何かが起こっているというのだろうか…
なんというか、読み終わったところでさて、と評価に困ってしまう本。個人的なテンションの折れ線グラフは、1巻でどかーんと上がり、2巻でえ? とやや下がり、3巻でおいおいおいといいたくなる方向にさらにやや下がり、4巻では、ンまあそう言うあたりに落としてくるよね、的納得はあれどもグラフが上向くことはなく、みたいな。とにかくとっかかりのツカミが素晴らしく、小松左京が「日本沈没」の第二部を世に出す時に、なぜに谷甲州をパートナーに選んだのか、が、有無を言わせぬ説得力で納得できちゃう1巻、それが一転、谷甲州の得意分野のひとつでもある(『遙かなる神々の座』あたりに代表される)山岳冒険小説的なノリが前に出てくる2巻になだれ込み、3巻、4巻はこれまた谷甲州の代表作中の代表作、「航空宇宙軍史」で大爆走、で、最後に「あ、いけね」的テンションで1巻のテイストに戻ってくる、みたいな。
出だしで語られるのは、小さなファクトを次々と並べ、そこから何が予想されるんだろう、ってあたりに思いをいたし、気がついたらオレたち、「種」とかの話までしちゃってるんじゃないの? 的なところまでお話がスケールアップしていく、という、実に小松SFというか、日本SFの懐かしの王道パターンを良い感じになぞってくれてかなり嬉しくなってしまったのだけれど、その先に待っているのは、前述したような谷甲州作品のカタログ総ざらえ、みたいなノリになっちゃってて。エロがないのが残念だけど。
読んでるこちらは、まさしく日本SF第一世代の巨匠たちがしばしば描いてきた、「種」としての人類に対しての考察について、どんどん深く入り込んでくるかと思ったら、途中からそこらへの考察よりも、クライシス・スペクタクルとしての見せ場が優先されてしまう傾向が強まってくるあたりに少々違和感を感じたりして。ひたすら書斎で考え抜く小松左京と、実際にフィールドワークの現場から、何かを見いだす谷甲州、って違いがあるのかも知れないけれども。
「航空宇宙軍」シリーズでしばしば見られる、いわゆる「スペースオペラ」とは全く違う、ビーム一発撃ってもその結果が分かるまでにン時間が必要、みたいな、レーザーびよーん、爆発ドッカーン、なんてなノリとは全く違う宇宙SFの面白さに再会できた嬉しさ、もちょっとあるにはあるんだけど、1巻のインパクトと期待感が別な方向に向っていただけに、後半の展開はちょっと惜しかったかな、という気はしてしまう。前半でかなり重要な役割を持って登場したキャラが、後半少々ないがしろ気味なんじゃないかそれは、みたいな扱いがされてしまっているのも残念だし。
日本SF独自の魅力として、東洋思想的無常観付きの「種」への考察みたいなものがあったと思うわけで、で、そっち方面を本作のとっかかりで期待してしまったもので、ラストは少々腰砕けだったかも。文庫で4冊、がっつり読ませてくれる作家の力と技に敬意を表するのにやぶさかではないんですが、なにかこう、もうひと味足りない、と思う。
★★★☆
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