ばむばんか惰隠洞

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2007-12-28 [長年日記]

[Day] 間に合わなかった

様な気がする。納品したのが14:00過ぎだから、2時間ばかり約束を違えちゃったなあ。ちょっと悔しいが、今のところ苦情は来てないから、それなりに何とかなったんだろうか。

それにしてもweb関連の企業様って、どこも頑張るなあ。3時4時のタイムスタンプのメールが当たり前に来ますものね。

わたしゃ22:00過ぎたらば戦力外扱いにしてもらえると、とても助かります、ええ。

[Books] ようこそ女たちの王国へ

4150116393 ウェン・スペンサー 著/赤尾秀子 訳
カバーイラスト エナミカツミ
カバーデザイン 波戸恵
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011639-2 \860(税別)

読める! 私にもラノベが読めるぞッ!

総人口における男子の割合が5%に満たない世界。この世界での男性は、それぞれの家族にあって重要な交易物であり、外交手段の一環であり、時として勢力争いの争具として取りざたされる。悪名と勇名、並び称される地方の豪農、ウィスラー家の長男ジェリンも、この世界の男子の成人である16歳を目前に控えていた。成人となれば、母や姉の思惑にそって、他の家族の元に婿入りするか、競売にかけられるかの運命が待っている。そんな自分の行く末に悶々とするある日、上の姉たちが出かけている最中のウィスラー家は、予期しない来客を迎えることになるのだった…

ティンカー」が、条件付きとは良いながら、それなりに読んでる間は楽しめる本だったウェン・スペンサーの、2005年発表の長編。主人公( = プレイヤー)が全くコマンド選択できないままに進む恋愛シミュレーション、なノリなわけだが、これが結構楽しく読める。「ティンカー」の時も思ったんだけど、何かがワタシに合ってるんじゃないかこの作家の作品は、みたいな気分がしてくるんだな。私にとっての木原敏江作品、みたいな、なんか合わないんじゃないか? と思いながら読んでみるとあら不思議、なんだか楽しくてどんどん読んでいけちゃうわ、みたいな。

この作品では、まずもってなぜこの世界が、こういう状況におかれているのか、そもそもこの世界ってのは一体どこなのか、ってな説明は一切語られない。読み進めて行くにつれて、おそらくこの世界は地球からの移民がたどり着いたどこかの惑星で、たどり着いたは良いが、その惑星が本来持つ事情なのか、何か外的要因があってのことなのかはわからないけれど、何かが原因で男女の産み分けの比率がものすごい偏りを産み出し、ついでに文明レベルも近世あたりまで退化しちゃった様な世界、と言うわけで、んまあ小説の出だしの部分の設定的には、「緑の瞳のアマリリス」と同じようなアプローチがなされているんだが、件の作品以上に、こちらではそこらの理由は一切語られない。とにかく男子はほとんど絶滅危惧種に近い扱いがされ、それ故に人権がどうとかの前に、それぞれの家族の戦略商品みたいな地位にあるんだ、とにかくそうなんだ、ってのが本書でのお約束なわけで、そこはまあ、「そうなんですか、それはまたすごいですね」、と納得して読んでいくしかないのだね。

で、そこの所の「おかしくね?」感を一旦棚に上げておけたなら、お話としての構成の巧さは(少々うますぎだろう、その展開は、と思わなくもないけど)しっかりしてるし、わかっちゃいるけどそれは伏線なんだよね? 的なお約束の仕込みとか、最後はやっぱり予想通りのハッピーエンドじゃなくっちゃね、みたいな定石の置き方にブレがないので、ある意味安心して読める軽い一冊になっている、と言える。つまりは私が考える「ライトノベル」ってこの人の作品なんだな、と思ってしまうのですな。

いわゆる「ラノベ」で括られる作品群の良し悪しの見分け方を私が良くわかってないので、そちら方面を読み込んでいる方からしたら、また違う印象を持たれるのかも知れないけれど、私にとっての楽しい「ラノベ」って、間違いなくこの人の作品だと思うわ。実際のラノベの強者から見たら、どういう評価がされるのかは少々興味がありますが、そこを別にしてもなんだな、私、この人の小説、かなり好きなのかも知れない、と思っちゃったです。

★★★☆


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