ばむばんか惰隠洞

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2007-11-01 [長年日記] この日を編集

[PC] コストパフォーマンスはかなり良いと思うんだ (23:25)

B0009WHB742週間ほど前、hp PSC1315のコントロールソフトがいきなり「そろそろインク無くなるぞオルァ!」みたいなワーニングを出していてちょっと気になってたんだけど、その後も別に問題なくプリントは出来てる。とはいえちょっと気になったのでユティリティからチェックしてみたら、確かに黒インクのカートリッジの残量はそろそろヤバ目な感じではある、ので仕事もないんでふらふらと三宮まで出撃、黒のカートリッジだけ買ってきましたが、あら、南米大河書店で買った方が安かったのか、ううむ。

日記を眺めてみるに、前回インクが切れたのが去年の6月だったから、hpのラージカートリッジ、わたしの使い方だとおおむね1年半は持ちこたえてくれると言うことになる。古本の納品書や宛名書き、仕事の注文請書や請求書、領収書などをそこそこ印刷してるわけだから、年末に年賀状の印刷にプリンタを使うだけ、って人に比べたらそこそこ酷使していると思うんだけど、それを考えるとこのコスト・パフォーマンスは結構なものと言えるかも知れない。2800円のカートリッジで16ヶ月、てことはランニングコストは一日6円程度って事になりますな。4色カラーカートリッジの方は、まだ半分ぐらい余裕がある(まあ、カラー印刷自体、そんなにやらないんだけど)し、hpの複合機、値段の割には結構がんばってくれてると思う。今使ってる1315がぶっ壊れても、次もたぶんhpにするんだろうな。

何が良いって、前面給紙が一番嬉しいんだよね(w。


2007-11-02 [長年日記] この日を編集

[F1] ストーブに盛大に薪がくべられたようです (23:14)

アロンソとマクラーレン「契約解消」:マクラーレン公式プレスリリース(F1通信)。

あらまあ。もう一年ぐらいは我慢するかしら、と思ってたんだけど。

さてフェルナンドはどうするんでしょ。フェラーリが完全に互角なジョイントナンバーワンを採用するとは思えない。トヨタがいくら金積んだって、あそこに行きたいとは思わないだろう。となるとルノーぐらいしか思いつかないけど、同じF1通信にはロン・デニス、アロンソのライバルチームへの移籍を禁止なんて記事もあったりするし。自動車メーカー系以外って事になると、ウィリアムズとかレッドブル? レッドブルは、金は持ってそうだけどね。

なんにせよ、第二のジャック、みたいな結末は迎えて欲しくないですなあ。

[Books] 火星の長城 レヴェレーション・スペース 1

火星の長城(Reynolds,Alastair/著 中原尚哉/翻訳 レナルズアレステア/著) アレステア・レナルズ 著/中原尚哉 訳
カバーイラスト 鷲尾直広
カバーデザイン 岩郷重力 + WONEDER WORKZ。
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011630-9 \940(税別)

そぎ落としてみたら王道だった

火星地表上に部分的にテラフォーミングされた居留地。それは直径2000キロ、高さ200キロに及ぶ"長城"で惑星本来の環境とは全く別の、緑の世界に生まれ変わった世界。だが今、ここに立てこもる連接脳派と、移動上からそこを攻める連合との間の戦いによって、"長城"の内側の世界も荒廃していくに任せるしかない状態だった。この状況を打開すべく、かつて連合の戦士だったクラバインは、和平交渉の為に頂上内のコロニーを目指すのだったが……。「啓示空間」、「カズムシティ」と同じ時系列に属する中短編を集めた一冊。

重厚長大、片手で持つのにはさまざまな困難が伴うような前の2作に比べて、今回は本体のボリュームもお手頃、中短編集と言うことで快調に読んでいける。と、は、い、え、本国では一冊だったモノを(新作を追加した、と言う事情もあるらしいが)2冊に分けて刊行するって事なので、実は原版は、やっぱりクソ分厚い一冊だったのかも知れないけど。

収録されているのは短編4編と中編1編。共通しているのは、意外なほどのオーソドックスさ、と言えるだろうか。凄まじいまでのプロットの複雑さや小さなエピソード、ジャーゴンとスペックの羅列で膨らむだけ膨らんじゃうレナルズ的世界の根っこの部分は、案外シンプルでオーソドックスなものなんじゃないかと改めて思えてくる様な作品がならんでいる。簡単に感想を並べてみると…

火星の長城

「種」としての人類についての考察を絡めた、軽いミリタリSF風味の作品。その「種」への考察具合あたりに、昔なつかし、60〜70年代の日本SFの味を感じたりする。

氷河

前作と登場人物、時系列が連続する短編。こちらはアシモフのロボットモノの初期作品を彷彿とさせる、ミステリ風味の短編。ダイイングメッセージのレッドヘリングっぷりとか、なんだかほほえましいぜ。

エウロパのスパイ

こちらもミステリ風味をベースに、バイオ・スリラー風味をまぶした短編。「90年代SF傑作選」に収録されていたので、タイトル憶えてました。

ウェザー

「火星の長城」、「氷河」との関係性をもった宇宙SF。前二作に登場した、とあるキャラクタとかなりかぶるヒロインが登場する、ちょっと切ないラブロマンス。

ダイヤモンドの犬

「無頼の月」や、映画「CUBE」との類似性が解説でも述べられていたけど、(わたしの超苦手な)数学SFを噛み砕いてサスペンス風味に仕立てるとこうなるんだな、みたいな感じもあって。知恵の方を重視したミッションクリア型の冒険SFとして、かなりの出来だと思う。

というわけで、前の重厚長大ぶりに引いちゃった人が、レナルズのSFってどういうんだろう、ってのを軽く理解するのには絶好の短編集になっていると思う。これにいろいろ余分(?)なモノをつぎはぎしていって、とんでもない分厚さになっちゃったのが「啓示空間」なり「カズムシティ」なんだって事が分かってしまえば、あの厚さも全然こわくないもんね、ってなもんだ。そういう意味じゃあこちらを先に出せば良かったんじゃないの? って気もするが、いきなりとんでもない分厚さの本がどかんと出る、そのインパクトも捨てがたい気もするし、んー、商売というのは難しいもんだね、ってのは本書とは全然関係のない話でしたね。

★★★★


2007-11-03 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組 (23:35)

つーか「機動戦士ガンダムOO」だけなんですが、ええと、もしかしたらこれは面白くなるのかも知れない、って気がしてきた。どこがどうだからという説明は、今のところ上手くできない気がするんだけど、「ガンダム」をベースに、何とかして地政学的な話とそこそこハードSFな話を、上手いことまとめようとしているのかな、みたいな気がちょっぴりしてたりする。小難しいお話をやる上で「ガンダム」ってのは、絵の方にお金を使えるという方面での大きなメリットがあったりするので、そこは得していると思うけど、そこを差し引いても結構がんばっているのじゃないかな。

んまあ、トミノ御大将より20若い人間が「Vガンダム」とかに挑戦したら、こうなるのかなあ、なんてな思いもあったりするわけですが、とりあえずもうちょっと続きを見ていきたいと思うですよ。


2007-11-04 [長年日記] この日を編集

[Day] 久々ミニオフ

なかなか人も集まりにくくなっておりますが、プチオフ実施。今回のお題は「仮面ライダー THE NEXT」。なんだかんだで5割ぐらいは客が入ってたのが何より驚きだ(失礼)。感想は改めます。

今回は少々重たい話もあったりしていろんな意味でお疲れさまでございました。

[Chinema] 仮面ライダー The Next

スタッフ
原作:石ノ森章太郎
脚本:井上敏樹
エグゼクティブプロデューサー:鈴木武幸(東映)
プロデューサー:加藤和夫・矢田晃一・白倉伸一郎・武部直美
キャラクターリファインデザイン:出渕 裕
監督:田竜太
出演
黄川田将也
高野八誠
加藤和樹
石田未来 森 絵梨佳 益子梨恵
六角慎司
未來貴子
納谷悟朗 (声の出演)
嶋田久作 斎藤洋介 田口トモロヲ
公式サイト:http://www.maskedridernext.jp/

ライダー3.0

本郷猛が自らを改造したショッカーの支配から逃れ、彼らを相手とする孤独な戦いに身を投じるようになって二年。今、彼は都内の高校の冴えない教師として日々を送っている。そんな彼の生徒の一人が菊間琴美。荒れ、すさんだ生徒たちの中でも少しばかり異彩を放つ彼女との出会いが、本郷を新たな事件に巻き込んでいく事になるのだった…。

前作よりは「映画を造らなきゃ」って気にはなったのかな? という所は垣間見える。でも、出淵裕にカッコいいデザインしてもらって、監督は「小さき勇者たち GAMERA」の田崎竜太。もうちょっとどうにかなったんじゃないかと思えるのにこの体たらくなのは、やっぱり脚本がグダグダだからに他ならない。細かいところにケチを付けたらキリがないんだけど、一番ダメなのは、脚本家が「お話」を作れていないと言うところになるのだと思う。

単にライダーが出てきて、ショッカーも出てきて、新たな敵も出てきて派手な戦いが発生してなんだか思わせぶりに感動的かも知れないラストシーンがあって、では「お話」とは言えないわけで。「お話」には起承転結という物があって、主人公には明確に(戦う|倒す|乗り越える)べき相手が設定されていて、その相手とのやりとりは常に見ている側を納得させる内容になっていて、その上で観客を驚かせ、かつ(驚きつつも)納得できるどんでん返しが待っていて、最終的には「なるほどそういう話であったのか」と納得させてくれるべきであると思うのだが、この映画の脚本はそれを最初から最後まで踏まえていない。強大な敵のアジトに乗り込んだ少女と本郷、本郷は「どんなことがあっても君を守る」と宣言しておきながら、戦いが始まると女の子は放ったらかしでバイクに飛び乗って距離を取る。(登場時には)最強最悪の敵であるはずのV3、風見士郎は、前のシークエンスでは本郷と熾烈な戦いを繰り広げていたはずなのに、次のカットでは、なぜか波止場でたそがれ気味に本郷としみじみ会話したりしてる。すべては「このカットではこの絵が格好良い」だけが優先し、一本の映画としてのお話作りを放棄してしまっているような気がするのだな。

そこそこ見れる画があるので、とりわけとっかかりはそこそこつかみもオッケーなのだが、ハナから「始まって、終わる」お話を作る為の努力というか脳味噌の酷使を放棄してるんで、序盤「おや、良い画だね」でつなぎ止められていた興味も、お話への流れって部分への興味が全く湧かないものだから、中盤以降が退屈になり、終盤に向けてその退屈は加速していき、盛り上がるべきところで「いい加減終わらねえかなあ」と思ってる観客( = オレ)がいる、と言う図式が待ってます、みたいな。

最初からぜんぜん期待して無かった、というかまあ、別の方向で期待していて、ある意味そっち方面の期待は裏切られることはなかったので、個人的には金払った甲斐はあったと思いますけどね、真っ当な映画好きのみなさまにはおすすめしづらい映画だと思いますよ、ええ(苦笑)。

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前作はこちら。言っときますけど普通に映画好きな人は、手を出しちゃダメですよ。ダメ映画好きには堪えられない一作、と言えますが。

(★☆)

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

noki [先週、土曜日に観てきましたが一番驚いたのはエンドロールで円谷プロの名前をみたときだったというオチがつきましたよ。w ..]

は゜ん [あ、そういえば、今週のプレイボーイに響鬼のあきらと メビウスの眼鏡っ娘のけしからんグラビアが載ってましたよ、 いや実..]

rover [わたしも繰演に根岸さんのお名前があったので「へえ」と思い、気分的に少しだけゲタ履かせてみましたです(^^;)>nok..]


2007-11-05 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組

「クラナド」、「大江戸ロケット」、「キミキス Pure Rouge」、「ULTRASEVEN X」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」。なにげに「クラナド」と「キミキス」の、ギャルゲー的展開をアニメに持ってくる上での黒うっぷりを見てるのが楽しかったりして。教室はいれば別のギャル。フラグの準備だけで大忙しって感じだな。で「ULTRASEVEN」。

人類よりも弱いエイリアン、ってのはいろいろ料理のしがいのある題材だと思ったんだけど、貧乏な部分を差し引いても、と言うかむしろ、貧乏なんだからこそホンの技巧で見応えのある芝居を演出して欲しかったような気がするんだが、そこが物足りなかったかな。力弱い存在こそ、実は最も油断できない強敵だった、みたいな図式が欲しかったような気はちょっとするね。

「ゲキレンジャー」は、おーい朝から酔拳とかええんかー、みたいな。あとはサポートメカのおさらいに四聖獣っぽい新キャラ登場、みたいなお話でしたな。ラストに向けて一休み、てな感じのお話でしたな。


2007-11-06 [長年日記] この日を編集

[Comics] お買い物 (24:52)

鉄腕バーディー(ゆうきまさみ/著)ゆうきまさみ「鉄腕バーディー」(17)。

バーディーの御先祖筋に当たる過去の何やらかにやらが今悪さをし始めてる、みたいな話の「破」の部分に当たるんでありましょうか。次巻が「急」に当たるものになるのかどうかは分からないけど。


2007-11-08 [長年日記] この日を編集

[Day] 一段落 (23:55)

一応変更に強いページに、ってあたりを考慮して、ボックスモデルの考え方とかにそれなりに知恵を使ったつもりだったんだけど、そこを台無しにするような変更要望が来ると少々凹んじゃうな。

今回かなりSEO対策への考慮もしてまして、見出しの要素とかをちゃんと入れられるようにしてますんで、そこのあたりを活用していただくと結構良い感じになるんじゃないかと思いますが>クライアント様

んまあ修正要望にまともに対応すると、全部台無しになっちゃうので、そこは結構姑息に対応させていただきましたが、たぶん一度拵えたwebページ、出来た時点で満足しちゃって、それ以降の更新とかは考えないのだろうなあ。そこはちょっと淋しいが、ギャラはギャラなのでとりあえずこっちの手は離しますよ。

あ、ヘッダイメージがまだ仮なのか。早くください、それ。


2007-11-09 [長年日記] この日を編集

[Day] 一段落…してない (23:58)

いや、昨日の仕事はまあ一段落しかかってるんだけど、もう一件の仕事の方が、予想してたけどグダグダで。

打ち合わせでメモった用紙をスキャニングしてpdfにするヒマがあったら、普通のメールにやって欲しいことを箇条書きにしてくれた方がよっぽど助かるワケなんだが。

大量の「?」マークやら赤線青線の乱舞で、何が最終的にイキになってどれが捨てられた修正要望なのか、さっぱり分からんのよ。12日フィックス? がんばって休日出勤して、ちゃんとした指示出してくださいね。そこにはつきあってあげるからさ。

オレはかなり美意識的に敷居の低い方のweb屋さんだと思ってるけど、そんなオレが見てもうんざりするようなデザインのサイトに、あんまり長いこと付き合いたいとは思わないので、さっさとフィックスしちゃおうよ、ホントに。


2007-11-10 [長年日記] この日を編集

[Day] 賞味期限やら偽装やら (23:54)

476600034X日本の国技からハングリースポーツ、伊勢の名物に政界の壊し屋、ちょっとベンチャーな軍需商社と、とにかくいい大人がどうにも情けないことをやらかしまくってる昨今だけど、個人的に一番残念なのが吉兆の一件。

や、もちろん味音痴のわたしが吉兆の料理についてどうこう言う資格などあるはずもなく、残念だなあと思うのは、吉兆の創業者、湯木貞一さんの文章がかなり好きだったから。「吉兆味ばなし」のタイトルで刊行されているこのエッセイたちは、元々は「暮らしの手帖」(のたぶん第2世紀)に連載されていた、「吉兆つれづれ話」をまとめたものだと思うのだが、この文章かなり好きだったんだ。実に落ち着いた文体の中に、料理そのもののレシピだけでなく、そこにそこはかとなく秘められた季節感が、かなり良かったの。そういう文章を書く人が興したお店がこんなことになっちゃったのか、となにやら忸怩たる物を感じてしまったわけで。

と、書いててそういえば、「暮らしの手帖」の第1、第2世紀は読み応えがあったなあ、とか思い出しちゃった。湯木さんの他にも池田潔さんや矢野健太郎さんのエッセイ、映画評とテレビ番組評(どなたが担当してたんだったかな、こう言う時にWikipediaって役に立たねえ)がとても読み応えがあった。あたしゃ「暮らしの手帖」の映画評で「ジョニーは戦場に行った」とか「アメリカの夜」を劇場まで観に行ったような憶えがあるもの。第2世紀の途中で読まなくなっちゃった、というか花森さんが亡くなってから、「暮らしの手帖」も読まなくなってしまったんだけど、最近はどんなモンなんでしょうか、って吉兆と何の関係もない話に行ってしまったな。

[Day] 一ヶ月 (24:17)

経ったのか。

頼むぜ、そろそろ石田屋の季節なんだぜ、おい。連絡しておくれ、待ってるから。


2007-11-11 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組

なんやようわからん仕事に追われて、見たのは「灼眼のシャナ Second」と「機動戦士ガンダムOO」だけ。今回の「ガンダム」はあれか、経済学的ガンダム、を狙ってるのかなーとちょっと思った。そういえば番組の宣伝スポットでも、「利益のない戦争がどうしたこうした」とか言ってたっけか。通常の人間ドラマとは別に、それらを取り巻く、政策やら外交やらを積極的に取り込んでいこうって志があるんであろうか。それはそれで面白いことになるかもね。

上手く行ったら。


2007-11-12 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組(続き)

「電脳コイル」、「クラナド」、「大江戸ロケット」、「キミキス Pure Rouge」、「ULTRASEVEN X」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。

なにげに「クラナド」が面白いと思う。お母さんが最強キャラって、どういうギャルゲーなんだよとも思うけど。17才恐るべし。

「セブン」は、いかにも貧乏な深夜枠にやる特撮シリーズって感じが漂ってきて、個人的に結構気に入ってる。私にとっての「ウルトラセブン」って、基本的に味気ない、って形容詞が一番しっくり来る番組だったせいもあって、このやるせなさは実は結構歓迎だったりして。ホントは最後の最後、宇宙に飛び立つタカオを乗せた宇宙船を(まあもっともらしい理由を付けて)セブンが破壊してくれたら最高だったんだけどなー、とか思ってしまった私は、歪んでますでしょうか(^^;)。

日曜朝はどれも面白い。美保純のおっかさんが思いっきりハマってた「ゲキレンジャー」、ストーリー構成が予想以上に隙のない「電王」、あからさまなコイバナで、オジサン思わずほろりとしちゃった「プリキュア」、どれもよろしおしたね。

[F1] それじゃあトヨタと一緒じゃないか (24:00)

ホンダ、ロス・ブラウン起用を正式発表(F1通信)。うーむむむ、それはホンダの"スピリット"には抵触しないのだろうか。何かが終わっちゃったような気がするんだが。


2007-11-13 [長年日記] この日を編集

[Books] 不確定世界の探偵物語 

4488727018 鏡明 著
カバーイラスト L.O.S.164
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-72701-7 \880(税別)

SF「事件屋稼業」

世界はおおむね理想的な方向に向いて進んでいるように見えた。天才的な科学者が開発したタイムマシンとそれを効果的に運営する一人の人物。唯一のタイムマシン、"ワンダーマシン"とそれを管理する、この世界最高の権力者、タイムズ・コーポレーションの総帥、エドワード・プライス。彼のコントロールの元、世界は常に微妙にその有り様を変えている。確かな物が何もないこの世界で、ある意味最もあり得ない職業が私立探偵。そんな稼業に就いているのが俺、ノーマン。今は消え失せているが、かつてはあったらしい東洋の島国出身の俺は、それしかできないからしがない探偵稼業で日銭を稼ぐ日々。そんな俺の元に依頼を持って訪れたのは、あろう事かこの世界の陰の権力者、エドワード・プライスのエージェントだった……。

超革中の大きい方、鏡明氏は長年SFの世界でさまざまな文章を発表し、時に物議もかもしたりしているけれど、小説という形で発表された作品は意外なほど少ない。で、本書はそんな数少ない鏡明のまとまった小説作品。タイムマシンの存在で、確かな物が極端に少なくなってしまっている世界で、曲がりなりにも「答え」を探す探偵という仕事が果たして成り立つのか、というのが近い方のテーマ、時の流れ、と言う物があった時に、それはいったい誰、または何がそれを決めるのか、と言うのが陰に隠れた大きなテーマ、と言えるかも知れない。ディック的、とも言えるし神林的、とも言えるか。そういえば本書が初出の頃って神林長平の名前が注目されてきた時期と微妙にかぶっているかも。「オレってホントにオレなのか」、または「オレでいるって言うことは突き詰めて考えたらどういう事なのか」、ってあたりを考えるのが流行っていた時期だったのだろうか。

んまあ、そういう裏に潜んだテーマの大きさはさておいて、お話自体はどっちかというとダメ人間な方なんだけど、こと世の中の影の方に隠れた物を探り出す嗅覚に優れた人間の、ややほろ苦いサスペンスシリーズの連作短編として楽しく読んでいける。マンガにするなら谷口ジローでやって欲しい感じだな。結構考えさせられるテーマを内包しつつ、ノリとしては「事件屋稼業」的面白さでサクサクと読んでいける。エンタティンメントとしても上出来の一冊。

ただ、やはり鏡明という人は天才なのだな、と思ってしまうのは、前述したような面白さにあふれた一冊になっていながら、どこかに「投げた」感も漂ってくるあたりかな。本書で言うなら、主人公の俺、ノーマンは元は日本人で、彼の故郷である日本は何らかの理由でごにょごにょ、な状況になってるのだけれど、その部分、ひいてはノーマンの特異性についても、語れば語れたと思うし、そこはもう少し突っ込んで欲しかった様な気がしないでもない。これはこれでまとまっているけど、脇を固めるって意味ではもう一声、ページを割いて欲しかったような気もするのだな。このあたり、天才故に「ここはもういいや」的に書き込みをサボっちゃったんじゃないかな、みたいな印象をちょっぴり持ってしまったりもするのだった。ここにもう少し深い突っ込みが入っていたら、文句なしにすごい作品になってたんじゃないかなあと思ったりもして。そこらをさらりと投げちゃうあたりに、天才肌ならではなお話作りがなされている理由があったりもするのかも知れないけれどもね。

★★★☆

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

taoy@笹塚 [小説でも映画でも漫画でも、受け手をある意味見くびっているとしか思えないぐらい親切過ぎるモノが多い昨今、おっしゃる通り..]


2007-11-14 [長年日記] この日を編集

[Day] 頭痛い (24:46)

いやもうフィジカルに。最初は二日酔いかなあと思ったんだけど、この時間(つまり本日の飲みの時間帯)まで来ても頭が痛いってのは、何か別な理由があるような気がする。熱はなさそうなんだが、妙に頭痛いなあ、どうしたことだこれは。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

TUX [●それは世に言う「風邪」という病ではありますまいか。 ●どうかお大事になさいませ。]


2007-11-15 [長年日記] この日を編集

[Chinema] Always 続・三丁目の夕日

劇場版パンフ スタッフ
監督/脚本/VFX:山崎 貴
脚本:古沢良太
音楽:佐藤直紀
企画/制作:ROBOT
エグゼクティブ・プロデューサー:阿部秀司/奥田誠治
原作:西岸良平
出演
吉岡秀隆
堤真一/小雪/堀北真希
マギー/温水洋一
神戸浩/飯田基祐/小木茂光/ピエール瀧
須賀健太/小清水一揮/小杉彩夢
もたいまさこ/益岡徹/小日向文世
平田満/手塚里美/上川隆也
三浦友和/薬師丸ひろ子
公式サイト:http://www.always3.jp/

読むんかい

昭和34年、東京タワーは完成し、美智子妃ご懐妊に涌く東京下町で、鈴木、茶川らおなじみの面々はいつもと同じく、貧しくも賑やかに日々を送っていた。そんな彼ら、それぞれの日常に小さな波風が立ち、ちょっとした騒動が巻き起こる…

豪華な演技陣、丁寧な脚本と撮影の美しさは前作以上。隙のない映像美で再現された昭和30年代の東京は必見のノスタルジックさ。なんと言ってもツカミのうまさ(TOHO SCOPEのタイトル画面から、鈴木一家の住む東京を大怪獣が襲撃するシーンのパワーは圧巻。椿三十郎が入ったゴジラの造形も、山崎、あんたがゴジラ作ってくれよ、と言いたくなるぐらいの格好良さで特オタ必見)で思わず画面に引き込まれてしまうんだが、そこから先は最初から最後まで一貫するドラマの部分が弱く、感情移入できない。今回は登場人物たちがそれぞれに小さなエピソードを持つのだが、それらがどうもうまく絡み合ってくれない感じで、いろいろいい話があるのだけれど、それらが相乗効果をもたらしてくれないままにラストに向けて無理矢理盛り上がり、最後はどうしたわけだか脚本に井上俊樹の怨霊が乗り移った(言い過ぎか? いやしかしやっぱりなあ…。茶川さんの小説は東京-横浜間で読み切れちゃうぐらいの分量なんだろうか…)かのようなクライマックスを迎えてしまう。思わずおじさん、「ありえねえ」とつぶやいてしまいましたよ。

そんなわけで、一本芯の通った映画としてみてみるならば、出来は前作の方が上だと思う。前作では私、東京タワーが組み上がっていく過程をキラキラした眼で見つめる鈴木家の皆さんに向かって、「すいません、オレらあなた方の期待に背いちゃいました」と謝りたくなるような、一抹の寂しさというか申し訳なさのようなものを感じ、それが映画を見終わった後に、小さくはない感情を残してくれたものだけれど、続編である本作からはそういう感慨は感じられない。単純に懐かしい映像と懐かしい世相(昭和34年生まれですもの、わたくし)を眺めて、生ぬるく「ああ、いいね」と思って終わってしまうような映画なのだと思う。

ただそれでも、映画としての完成度はなかなかのものであって、2時間26分(えぇー?)の長尺を全くダレることなく楽しむことができる映画になっている、とは思った。あ、ちょっと違うな、常にいい具合に力が抜けているんだ。イライラしないダレ具合が気持ちよく、そいつに身を任せているうちにエンド・クレジットまで来てしまうような映画、といえるかもしれない。

以下どうでもいい話を三つ。

  • 出番は少ないけれど、小学校の先生役の吹石一恵がすばらしく良い。昭和のキャリア・ウーマンって感じで。彼女をユリッペに据えた「ウルトラQ」が観たいと思った。
  • 今回の新キャラ、一平のはとこに当たる美加ちゃん、ツンデレ美少女でなかなか良いんだが、彼女が登場したときになぜか「あ、くぎみーがおる」と思ってしまったのはみんなには内緒だ。
  • 今回も怪演が光るもたいまさこのタバコ屋の隣が「神崎ラジオ商会」だったのには大受けした。劇場でウケてたのがオレだけだったのが、すんげー恥ずかしかった(おもわず『おうぇ?』とか声に出しちゃったんだよ)。
B000C5PNTG

前作はこちら。こっちはかなりシュンとなりました。→マイ感想

(★★★☆)

[Stage] トリツカレ男

新神戸オリエンタル劇場で演劇集団キャラメルボックス公演「トリツカレ男」鑑賞。本日はこっちがメインディッシュなんだけど、19:00開演なので、その前に映画も見とくかー、ってな流れの一日だったのね。

さてお芝居は、何かに取り憑かれたらそれに夢中になっちゃう若者が、ちょっと訳ありの美少女に恋しちゃったらどうなるか、ってなお話。原作はいしいしんじ氏の同名の小説。明るく楽しく、そして切なくもあったかい気分にさせてくれる、キャラメルさんらしいお芝居であった、久しぶりにカーテンコール三連発を見た、って事はノリの悪い(と、思うんだ)神戸のお客も大満足なお芝居であったんだろうと思う。私も楽しく見せていただきました。

トリツカレ男(いしいしんじ/著)

原作はこちら。いや、オレはまだ読んでないんですけど。

[Day] ご機嫌で呑み

飲んだお酒映画もお芝居も楽しかったので、るんるんで「たちきや」へ。本日は生中のあとに「水芭蕉」、「忠臣蔵 安兵衛」、「義侠」「醸し人九平次 件の山田」。今回は技巧派のお酒が並んだか。ズカンと来るって感じじゃなく、ほほう、みたいな感じのお酒ね。中ではやっぱり「醸し人九平次」が気になるか。「醸し人九平次」だけでもなんだそりゃ、って気になるのに、そこに続くのが「件の山田」って何なんだよ、と(w。んまあ正体はちょっと変った山田錦で造ったお酒って事らしいですけどね。

んまあそんなことより皆の衆、年に一度のアレが入ってたぜ。どうするね。交渉次第だと思うけど、最低一杯は確保できると思いますが。


2007-11-16 [長年日記] この日を編集

[Day] 一日お仕事

ごそごそごそごそ。


2007-11-17 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組

いろいろあって「灼眼のシャナSecond」「機動戦士ガンダムOO」だけ。んーと、とりあえず何でもファーストガンダムになぞらえないと話が見えないロートル的には、今はお話がランバ・ラル編に入ったと言うことなのかな。ちょっと(ファーストでは隠し味だった)ジンバ・ラル絡みのお話の展開も加味されてる、ってな感じ? とりあえずさらに様子見な方向性で。

[Oldbooks] 今日の古本を見て一言 (24:48)

画像の説明次回は80年代前半の「世界の艦船」を60冊ほど追加しようかと思っているのですが、こちらは82年の3月号。前年12月に進水を果たした「しらせ」に、ちょっぴりページが割かれている。

私は基本的にメカニクスの機能的な部分の論理や理屈には全然疎く、何かを批評する時に最初に来るのは見た目の楽しさがあるか、だったりするワケなんだけど、その伝で行くと「しらせ」って面白くない船、というイメージがあったのだった。どこがイヤかと言えば、船腹一杯に拡がった艦橋構造物の造形。なんというか、それは船か? と思ってしまったのだよね。いろいろ必要があってこのデザインになったのだと思うのだけれど、やっぱりお船のブリッジにはキャットウォークがくっついてて欲しいよなあ、とか、かなりわがままな希望が叶えられなかった(ささやかな)恨みがあったりして。

そんな「しらせ」も艦齢25年を超えて今年が最後の航海。「そうや」、「ふじ」にはあった保存先も見つからず、どうもお船自体は解体されて残らず、名前だけが次の砕氷艦に引き継がれるという流れに落ち着きそうなんだけど、それはそれで少々残念なような気がする。私は形の面白さが感じられなくてイマイチ好きになれない船ではあるのだけれど、それでも世界屈指の性能だった砕氷艦、何とかして残してくれたら嬉しかったのだけれど、なかなかそういう話にも行かなかったのかな。

何はともあれお疲れさまでした。今まで気がつかなかったけれど、実は「しらせ」のリアビュー、どうしてなかなか魅力的な物だったのですね。スクラップにしちゃうのは惜しいなあ。


2007-11-18 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組 (23:39)

「電脳コイル」、「クラナド」、「大江戸ロケット」、「キミキス Pure Rouge」、「ULTRASEVEN X」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。ううむ、「クラナド」がやけに面白い。つーかこれぐらいベタなのが、オジサンには向いているのかも知れませぬ。

「電脳コイル」がなかなか切ない。みんなが夢中になった電脳メガネ、でもその存在は実はあってはいけない物だった。触れることのできるものだけがある世界こそが真実の世界。だからみんな、電脳メガネは捨てようよ、でたぶん20世紀のジュヴナイルSFでは充分許されるラストシーンを導くことが出来たのだと思う。でも世界はもうちょっぴり先に進んでしまった。したらどうすれば良いんだろう、ってなあたりへの切り込みぶりが、いろいろ不安で、切なくなってくる。特に今週は、全体的には素敵なジュヴナイル風味をたたえた絵づくりがなされていただけに、そこでどういう展開があるのか、ってのを想像してみると、ちょっと先行きが不安だわ。

「大江戸ロケット」は最終回。舞台は見ていないんだけど、どう考えても舞台の内容をそのまま移植したら、30分2クールのアニメの原作になんてなるはずがない。たぶん1クール分以上、水増しの必要性が生じたはずだ。で、そこが全部上手く回らないまま、むりやり大団円まで持ち込んだ感じだった。みんな揃って良かったね、なグランド・フィナーレは、それ自体は決して悪いものではないと思うが、そのグランド・フィナーレを演出するためにはさまざまな伏線って物が必要だと思うんだけど、その辺に全く手が入れられず、その場その場でそこそこ面白そうな絵を演出するために、すべての努力が注力され、その努力は一過性の薄っぺらいもので終わってしまったような感じ。ニコ動ネタにグレンラガンのパロも結構だが、それ以上にたとえば、そらとレイラ…じゃなかった、そらと清吉のボーイ・ミーツ・ガール的なお話を、(銀さんも絡めて)丁寧に辿っていくようなやり方もあったんじゃないかと思ったりはする。楽しいラストだが、あれはあり得ないだろうと思った。

「ULTRASEVEN X」は、カリスマ弁護士とGUYS総監代理をゲストに迎えて、まあ手堅い出来。つかなまじそこそこいい話だっただけに、「ウルトラセブンなんだから、最後はもうちょっと砂を噛むようなやるせなさを演出して欲しいよなあ」とか思ってしまったオレの心が、きっと汚れているのでしょう。うん、最後の最後、ナタルとディーの恋愛は叩きつぶされてこそ「セブン」だろ、とかオレは思ってしまうのだよな。

日曜朝はどれも好調。ここに来てキャラの再掘り下げモードに入ってるようで、今週は深見兄弟がメインだった「ゲキレンジャー」。兄貴に助けられるんじゃなく、兄貴からは背中を押すような行動だけをしてもらい、問題の解決に関してはレツ君が自力で何とかして欲しかったなあ、というのがわたくしの好み。

「電王」は、ここに来て新しいコイバナですか、ってまあそういう展開は平成ライダーではしばしばある話ではあったか。新キャラ、翔子ちゃんを演じる松本夏空嬢がなかなかキュートなので、おそらく完結編になるであろう次週がちょいと楽しみですな。


2007-11-19 [長年日記] この日を編集

[Books] 緑の瞳のアマリリス 

4150116334 ジェイン・アン・クレンツ 著/和爾桃子 訳
カバーイラスト 小菅久実
カバーデザイン 波戸恵
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011633-0 \940(税別)

SF仕立てのハーレクイン

"カーテン"として知られる時空異常によって見いだされた地球型惑星、セント・ヘレンズ。地球からの移民者たちを受け入れ始めた矢先、突如"カーテン"は閉じられ、セント・ヘレンズの入植者たちは地球との連絡を絶たれ、独自の進化を遂げざるを得なくなっていた。地球から持ち込んだ金属やプラスティック、シリコンなどがたちまち朽ちていき、高水準の科学文明が使えなくなった状態から文明を維持するために苦闘してきた人類は、この惑星で独自の進化を遂げていた。さまざまな業種に特化した超能力者と、その超能力を集中的に発揮させる触媒となる"プリズム"と呼ばれる能力者。そんな"プリズム"たちの中でも最高能力を持つ女性、アマリリスの元を訪れたクライアント、ルーカスが持ち込んだ案件とは……

つまり、二人が合体すると、いろんなところで(もちろん、うっふんあっはん込みで)最高級の能力を発揮するカップルの存在を、その存在自体には疑問が差し挟まれることが無く、でも文明のレベル自体は現在ただいまの我々が暮らしている世界のそれでとどめておいて、その中でちょいとサスペンス風味なラヴ・ストーリィを展開したいと思ったらどうするか。そりゃSF仕立てで行くしかないだろう、という話。SFをやりたかったのではなく、ラヴ・ストーリィに斬新な切り口を持ち込みたいと思ったら、SF仕立てにするのが良さそうだ、で出来たのが本書。なんだかんだで設定の詰めの甘さや、読んでる最中全く読んでるこちらが「SFを読んでる」感に浸れない恨みを感じまくってしまうのだが、基本的にこれらの問題の責任の根っこは、これを青いカバー背の文庫で出した早川書房にある、って気はする。

「SFではないのか?」といわれたら「いやそういうわけでは…」と思いつつ、「んじゃSFなの?」と問われたら、「んー、ワンダー成分が、ちょっと…」などと言い淀んでしまうような一冊で、これが"ハーレクイン・ロマンス"や"シルエット・デザイア"の中の一冊として出てたら、それなりにチャレンジングな一冊、みたいな評価も得られたかも知れないけれど、ハヤカワSFから出るとなると、いろいろケチを付けられてもしょうがないだろうなあとは思ってしまう。

著者のジェイン・アン・クレンツはいくつかのペンネームを使い分けて、ロマンス小説を量産している人気作家で、そちら方面ではかなりの人気作家らしい。小説としての造りのしっかりぶりはさすがの職人芸。美人でナイスバディなのだけれど、倫理観ガチガチのヒロインと、ちょいとイリーガルな出自から、上流っぽい階級ではやや異端っぷりが目立つワイルドなヒーローのろおまんす、なんてのは間違いなくそっち方面の小説の定番パターン。で、そこは過不足無く押さえていると思う。過不足はないが、読んでるこっちに全然ワンダーがやってこないってのが問題なんだと思うけど。

あと、訳もちょっと気になる。なんつーか、「格調」みたいな物が統一されてない感じ。上手く説明できないんだけど、「そのキャラはそこでそういう口調になるのかな」的な展開が結構あるのと、シチュエーション的(潜入捜査の真っ最中とか)にそれはないだろ的場面で、「金切り声」をあげるってのはどうなのよ、とか思った。

全体として、軽く読み飛ばす分にはそこそこ上等。深く考えたら負け、みたいなお話かな。

★★☆

[web] 先生何やってるんすか (24:23)

というタグに吹いた、ニコ動、ミクとの遭遇。作者は野尻抱介さんらしい。うーむ、見てるとなぜか、涙目で砂場に走っていきたくなっちゃうんだよなあ。ある意味感動。


2007-11-21 [長年日記] この日を編集

[Books] 真相 スペンサー・シリーズ(30)

4150756937 ロバート・B・パーカー 著/菊池光 訳
カバーフォーマット 辰巳四郎
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫HM
ISBN978-4-15-075693-2 \840

サスペンスとしては2時間ドラマ級なんだけどね

舞台演出家として独り立ちしたポールがスペンサーに紹介した女性、ダリル。ポールの同僚で女優として活躍する彼女は28年前、銀行に乱入した活動家たちによって母を銃殺されていたという過去を持っていた。迷宮入りになってしまったその事件の真相を知りたい、という彼女の依頼を引き受けたスペンサーだったが、調査を進めるうちにこの事件が単なる革命を標榜する無軌道な活動家たちが引き起こした事件、というだけで片付けることの出来ない裏の事情が浮かび上がってきて…

スペンサー・シリーズ30作目。かつて起こった殺人事件の影に、なぜか政府関係の筋や暗黒街の大立者の関与の匂いが立ちのぼり、それはやがてスペンサーの捜査にさまざまな形で障害となって立ちはだかって、みたいなお話。他の作家が書けば国際謀略小説級の陰謀話のひとつも出来上がってきそうなものだがそこはスペンサー、せいぜいが「非情のライセンス」あたりの、真相にもう一歩の所まで迫っているのに何かがそれをうやむやにしてしまって、程度の効果を上げるぐらいの役にしか立っていない(いや、それはそれで悪いとは思わないし『非情のライセンス』も好きですけどさ)あたりはいつも通り。ただまあ、いつもの事件よりは多少、スペンサーとスーザンの前に立ちはだかる案件がヘビーなので、そこらで最近のスペンサーもののグダグダ感は多少緩和され、それなりにサスペンスフルと言えなくもない展開にはなっている。

そんなわけで何かとグダグダ感ばかりが目立つ本シリーズ中にあっては、それなりに楽しく読める一冊になっているかも。逝ってしまった名犬パールの後継者(犬)ネタ、クワーク・ベルソンの警察コンビ(好きです、この二人)やヴィニィなどのセミレギュラー、パーカーのもうひとつのシリーズ、署長マクミラン…じゃなかった、警察署長ジェッシィ・ストーンの主人公、ジェッシィのゲスト出演もあったりして、シリーズ30作目を飾る、それなりにサービス満点の一作となっているのじゃないのかな。

なんちゃって、実は個人的に大ウケだったのは、過去の作品での大いなる謎にちょっとした回答が得られたこと。なるほど、こんなこともあろうかとビルマで特訓してたのかホークは(w。

4150756791

ホークがビルマに行ってて本編欠席のエピソードがこちら。最近のスペンサーものの中では良質なんじゃないでしょうか。クワークとベルソンのファンな私としては、こいつは結構好きですよ。

★★☆


2007-11-22 [長年日記] この日を編集

[Comics] お買い物 (23:12)

機動戦士ガンダムthe origin 16(オデッサ編・後)(安彦良和/著)安彦良和「機動戦士ガンダム The Origin」(16)。オデッサの戦いに一応の決着が付き、次回から舞台はふたたび宇宙へ。かなりいろいろなところに安彦的解釈が加わっていて面白い。なんつーか、マ・クベが無駄にカッコいいんですが(w。あと、ギャンが何故ワンオフの機体だったのか、とか、そらペガサス級が一隻しか建造されてないわけはねえよな、とか、地球での覇権について決定的な影響のあるオデッサ戦で、シャアは何もしてなかったのか、とかなんとか、いろいろと。

あと、ニュータイプとして覚醒していくアムロの壊れ気味な表現も興味深かったりした。この揺れ幅を戻すのに、ララァの存在が重要な意味を持つって事になるのかしらね。


2007-11-23 [長年日記] この日を編集

[Oldbooks] コショブケミング神の呪い (24:10)

そもそもヴァレリアの神さまの名前はノシャブケミング神で正しかったっけ、ってところがすでに怪しいわけだけど、久々に古本の神さまが仕掛けて来た感じ。球数的にも350とやや多めなんだけど、それ以上に、こっちが逆に、個人的に(つまり古本屋的常識から離れたところで)「それ売るんですか?」といいたくなるような本が結構あって…。

こう言うのを見ると見境が付かなくなって、あとで後悔することが多いので、最近は意識してクールになろうと努めるんだけど、それが裏目に出て買い逃してしまったら、それはそれでしばらく後悔しそうだし。

あうう、いま資金的に辛いところもあって、この査定はかなりぎりぎりの線になりそうですわ……。


2007-11-24 [長年日記] この日を編集

[PC] Opera 9.5beta snapshot

buildがβバージョンからちょっぴり上がった9665のスナップショット。My Opera Forumから入手可能。11/23のバージョンで、β版でちょっと気になってた、立ち上がり一回目のページオープンの遅さがかなり改善されたような気はするが、各タブウィンドウのアドレスバー(で、いいのかな)の所のヒストリーが記録されない感じが改善されてない様子。うちだけの不具合なのかな、これは。それ以外は特に不満もないので、とりあえずこっちに乗り換えて使ってるけど、そういえばNightly BuildとかSnapshotバージョンをほいほい持ってきて使うなんて、mozillaのMilestoneを追っかけてた頃以来のような気がする。最近そういうチャレンジャー精神も、ずいぶんと薄れてしまったような気がしますな。


2007-11-25 [長年日記] この日を編集

[TV] 定期視聴番組 (24:28)

書影のスキャニングのお友達。「灼眼のシャナⅡ」、「機動戦士ガンダムOO」、「電脳コイル」、「クラナド」、「マクロス ダイナマイト7」、「キミキス Pure Rouge」、「ULTRASEVEN X」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。今週は「クラナド」と「電王」で泣けるでぇ〜、な感じですか。始まった当初はどうなるんだよと思ってた土曜深夜のラインナップが、実は意外と見応えのある作品が揃ってて嬉しい誤算。「マクロス」はまあ、懐メロ的味わいも加味されるけど。

「ガンダム」は、かなり大人びた世界観を持ち込もうとしているように感じられ、そこはそれなりに新鮮で面白いと思うのだけれど、こう言うのはディティールの積み重ねがちゃんとしていないと、頭でっかちな割にスカスカポンなお話が出来上がってしまう可能性があって少々ヤバげなワケだが、現状ちょっとヤバい方向に行きかかってるかも知れない。国際情勢サイドのシビアさと、主人公サイドの設定軽視気味の、良くいえばナイーブ、悪くいえばええ加減な演出が、上手くない具合に乖離しかかってる感じ、みたいな。これ、あらかじめ4クール連続が約束されてない(ギアス式、なんだっけか)番組なんでしたっけ? それ故の駆け足なのかな?

「電脳コイル」も油断できないし面白いのだけれど、なんというのか猫目兄弟の扱いで、ちょっとややこしい方向に、話の面白さを分散させてしまいかかっているような気がしないでもない。全52話のアニメで、後半クールから出てくるようなキャラをむりやり詰め込んでしまって、話のまとまりをうやむやにしてしまったような気がしないでもない。

土曜深夜。「マクロス」はまあ新シリーズのご祝儀みたいな物なんでしょうから特にどうということもなく。「クラナド」、「キミキス」の二つが予想してた以上に面白くて、なんだか得した気分。

「ULTRASEVEN」は切なくいい話だったんだけど、ゲストが黒田祐樹ってところで、キィ・パースンはあんた以外にないよな、と思わせた時点で負け確定、のような気はする。ここのところアイ・スラッガーの切れ味が少々増しているようで、そこは嬉しいんだけど。

日曜朝。「ゲキレンジャー」は、ピンチからの大逆転のオチの付け方に、もう一声芸が欲しかったかも。「電王」はかなり泣けるでぇ! な造りになっておったね。ドラマパートもなかなかだったし、線路を操って龍のイマジンを創り出す、イメージの魅力もかなりの物で見応え充分。「ライダー」で文句なく面白いと思ったエピソードはホントに久しぶりかも知れない。

「プリキュア」はなかなか微妙、いや、どういう着地をしたいのかが今ひとつ見えてこなくてさぁ。


2007-11-26 [長年日記] この日を編集

[SpFX] どこにも行きやしませんさ

朝刊で読んで、なんで今ごろと思ったんだけど、手作り特撮、どこへ 経営難の円谷プロ、CGに比重(asahi.com)。円谷プロ自体のドタバタには、少々淋しい物を感じつつも、それも仕方のない話か、ぐらいの印象しかない(身から出た錆、っぽいニュアンスもあるわけだし)が、特撮技術なんていうのはその時々の需要と供給のキャパシティ(人力と財布が要求にどんだけ応えられるかって話だ)でいかようにも変ってくるわけで、そこでフレキシブルな対応を取れなかった円谷特撮が、いつの間にやらいろんなところで後れを取ってしまうことになってしまった、てのは何となく理解できる。戦隊モノやライダーの頑張りぶりは素晴らしいが、巧妙にウルトラシリーズの苦手な部分を避けて、良いビジュアル・エフェクトを追求した姿が今の成果であるとも思うわけで、この先も「ウルトラ」をやりたいと思うのならば、どうしても"手作り特撮"から手を切ることは不可能だろうとも思うので、そこを簡単に切り離すことはできない話だろう。ジャーナリズム的にすっぱり切り分けようと思ったら、いわゆる特撮がダメなら全部CGI、って流れに持って行きたいと思うだろうけど、話はそう単純じゃないので、そうはいかないよね、という気はする。新聞記事的紋切り論調にばっさり白黒付けちゃうことがそもそも無理があるんだけれど、何となく新聞を読んで、「そんなに単純な話じゃないんだけどなー」と漠然と思ったことでした。


2007-11-27 [長年日記] この日を編集

[Day] 打ち合わせ? (24:42)

東二見? そりゃどこだ?

んまあお話は来週の月曜日なので、ちょっと準備準備。


2007-11-30 [長年日記] この日を編集

[Day] 11月って… (24:21)

古本屋的に一番キツいシーズン、ってのはあるんだけど、web屋にとってもちょいと寒い季節なのかしら。今月は寒いなあ、と思って一ヶ月が過ぎようとしてたんだけど、月末になって、なんか知らんけどものすごい量の試作以来が舞い込んでやや当惑気味。あちこちのサイトのトップイメージの改定案を出せ、明日出せ、てなメールがいきなりあちらこちらから舞い込んで来て、ややパニック気味なんですが。

なんて書くとなんだか売れっ子"うぇぶ・でざいなー"ぽい感じも醸し出されたりもしますが、とりあえず金にならねえ仕事が殺到してるのが少々淋しかったりする。ここで頑張れば、もしかしたら金になるかも知れんのだから、そこは頑張れよって話なんだけど。

[Comics] お買い物

PLUTO(浦沢直樹×手塚治虫/著 長崎尚志プロデュース/著 手塚眞/監修 手塚プロダクション/監修)浦沢直樹×手塚治虫「プルートゥ」(05)。原作はマンガの神さま、テーマは神さまの代表作、タイトルはその代表作の中でも印象的なエピソード、なのにここまでの主人公はなぜかゲジヒト。「アトム」とは別物でありながら微妙にそこを切り離しては楽しめないお話づくりがなかなかに油断できない。

微妙に線が雑になってね? って心配もなくはないのですが、相変わらず面白いなあ。今回は村上知彦氏の解説もちょっと読み応えがあった。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

TUX [●豪華版に手を出してしまったワタシは、この漫画が「MONSTER」とか「二十世紀少年」みたいな長編にならないことを切..]

rover [原作があるから、でたらめに長くなるとは思わなかったんですけど、最近の流れを見ると、それも怪しいでしょうか。エプシロン..]


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ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

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