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2008-04-11 [長年日記]

[Books] ハーンの秘宝を奪取せよ ダーク・ピット・シリーズ(19) (23:48)

97841021704109784102170427 クライブ・カッスラー&ダーク・カッスラー 著/中山善之 訳
カバー装画 岡本三紀夫
新潮文庫
ISBN978-4-10-217041-0 \667(税別)
ISBN978-4-10-217042-7 \667(税別)

敵の居場所が見えてきた(冒険小説的に)

ロシア・アメリカの共同学術事業で、バイカル湖の湖流調査にやってきていたダーク・ピットたちNUMAのチーム。だが調査中にバイカル湖の湖底では巨大な地震が発生し、その結果生じた高波は沿岸に向って突き進む。沿岸への警告を済ませたピットたちは、逃げ遅れた一隻の船のクルーを命がけで救い出すことに成功、彼らを乗せて帰途につくのだが、まさにその途中、不可解な事件が発生したのだった…。

ダーク・ピットもの、第19作。今回は元寇をマクラに日中戦争が絡み、そして舞台は現代の中央アジアへと。最近は中国とチベットの関係性が問題になっているけれど、モンゴルの問題も結構いろいろあったと思うんだが、今回のお話のメインになるのは、まさにこの、中国とモンゴルの仲の悪さがベースになっている。ここに革新的な技術が絡み、その生まれに特別な事情を持ったモンゴル人大富豪が、その技術を悪用して中国を窮地に陥れて、と言うようなお話。これがクランシーなら、国家対国家でのさまざまな駆け引きや暗闘が絡まり合うことになるのだろうがそこはカッスラー、あくまでお話のとっかかりはごく個人的な人命救助。ただ、思いこんだら一歩も引かないピットの性格は、相手がどんなサイズの強敵でも全くひるむことがないので、気がついたら世界まで救っちゃっていた、という流れになるのはこのシリーズのいつものお約束。いつも通りの面白さは健在でそこは楽しく読んでいける。

毎度おなじみ相棒のジョルディーノやガン、超絶ハッカーのイェーガーに超肥満体の歩くデータベース、パールマター氏、今や副大統領になってしまったサンデッカー提督に必ずどこかに現れる、著者と同じ名前の登場人物と、いつものメンバーも健在、なんだけどさすがに子どもがいることが分かったピットの、その子どもたちが立派に成人している今日この頃とあっては、さしものヒーロー、ダーク・ピットにも年齢という強敵がその力をふるい始めており、そこら辺で新たに主人公に肉体の衰え、という弱点が追加されたのは興味深いところだが、残念ながらそこら辺の描き込みは少々通り一遍に過ぎてしまっているきらいは無しとしない。

そこを補う意図もあっての、ピットの双子の子どもたちなんだと思うんだが、今回のお話ではその二人の登場も少々遅め、かつ親父様側の冒険とあまり有機的に絡んでくれないあたりも少々不満。

さらに言うなら、アメリカから見る中国と、日本から見る中国、モンゴルってのは単純な距離以上にさまざまな要因が影響してしまうこともあって、カッスラー的視点のいくつかが、読んでるこちらとしては「そうかな?」とちょっと疑問に感じてしまうところもあったりして少々居心地悪い。もちろん私が感じている中国像やモンゴル像だって、たいして深いものではないのだろうとは思うけれども、それでもやっぱり、少々気になってしまう。

とはいえソ連という誰にでも分かりやすい敵が消えてしまった以上、どうにかしてスーパーヒーローにふさわしい相手役を量産してくれるところを、作家さんたちは探し求めているようで、一時それは中東だったような気がするんだけど、最近の流行りは、どうも中国とその周辺、ってあたりが結構イケんじゃね? 的なコンセンサスが生まれつつあるのかなあと言う気はちょっとする。作りものの世界のこととはいえ、あんまり嬉しい話じゃないねえ。

★★★


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