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山崎雅弘 著
カバーイラスト 大西將美
カバーデザイン LITTLE ELEPHANT
学研M文庫
ISBN978-4-05-901215-3 \1200(税別)
第一次世界大戦の終結からワイマール体制を経てヒトラーのナチスが台頭し、ふたたび全ヨーロッパを巻き込んだ世界戦争が発生し、ヒトラーの自殺とともに終結に至る26年間の流れを、西部戦線をメインに追って行く本。
「詳解」と言われると「戦略・戦術分析[詳解]独ソ戦全史」なんぞという、かなりがっつりと気合の入った本があったと記憶しており、これもそういうタイプなのかなと期待して読んでみたんだが、残念ながら腰砕け。資料と首っ引きで読んでいるわけでもなく、記述内容の正確さをいちいち検討しているわけでもないんだけど、書かれていることにそれほど間違いが多いというわけでもなさそうな印象はある。正しいことが書かれている感じだな、とは思うのだけれども、読んでて前述の「独ソ戦」本ほどにはぐっと来るものがないんだな。
西部戦線では、ドイツが次々と戦う相手を変えていく、という流れであったが故かも知れないけれど、本として、著者の視点が一箇所に定まっていないような感じがあり、どうにも読んでいてちぐはぐ感ばかりが募っていく感じ。
なるべく平易に書こうとしたからなのかも知れないけれど、全体に芯が通ってない感じと、読者に対する妙なおもねりみたいなモノが感じられてしまってどうもこう、むずむずする。マクロな感じで真面目に戦況を追っかけて行ってるな、と思ったら突然、ミハエル・ヴィットマンの名前が飛び出したり、それはあの映画からの丸引きですか? みたいな描写が割り込んできたり(や、もちろん「パリは燃えているか」も「史上最大の作戦」も名画なんですけどさ)と、真面目に(かつ、やや面白みの少ない方向で)戦史を追っていくのかと思ったら、突然やたらと分かりやすい描写が混じってきたりと、どうにも読んでて落ち着かない。私自身は少々退屈でも、濃密なデータの開陳とそれに対する著者なりの分析が読みたいと思って手に取った本だっただけに、途中で「第2次世界大戦ブックス」や、トーランドやラピエール&コリンズのノンフィクションなノリが挟まったりされても、あんまり嬉しくないのだよな。
とか思って巻末の参考文献一覧を見たらば、まさにそっち方面の本が結構な割合の数で並んでるもんだから、こちらは少々鼻白んでしまうのだった。学研M文庫のメインの読者層にはこういうのの方が良いのかしら。全体にやや軽くて期待はずれ気味な本、でございました。
こちらはがっつり、読み応えありますよ。→マイ感想
★★☆
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