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金城哲夫 著/竹内博 編
朝日ソノラマ
ISBN4-257-03203-0 \1200(絶版)
ウルトラシリーズの初期の方向性を決定づけた脚本家、金城哲夫の作品集。「ウルトラQ」から9編、「ウルトラマン」から、「前夜祭」の台本を含む4編、「ウルトラセブン」、「チャレンジャー(のちの怪奇大作戦)」、「戦え! マイティジャック」、「帰ってきたウルトラマン」から各1編を収録。
商売ものに手をつけるシリーズ。実は並行気味で佐々木守さんの「ウルトラマン怪獣墓場」も読んでたりするんだけど、前に紹介した上原さんと同様、佐々木さんの脚本にもかなりそれと分かるカラーが読み取れたものだけれど、金城哲夫氏の脚本からは、そこまですぐに感じ取れるカラーというかメッセージ性のようなものはさほど強くはない。あるとしたら、それは"文芸性"の様なものへの志向の強さ、みたいなものだろうか。
言いたいことはいろいろあるけど、敢えてそこは押さえて、「ウルトラ」と言うシリーズの全体的な方向性を確立するために、個性よりもシノプシスや筋立てのお手本になるようなものを書こうとなさっていたのかも知れない。特にアンバランスな世界を描こうとする「ウルトラQ」における、巨大生物パニックもの(五郎とゴロー)、侵略SF(宇宙からの贈りもの、ガラダマ)、純正ホラー(クモ男爵)、本格SF(空想都市(のちの1/8計画))、秘境冒険譚(南海の怒り)という変幻自在ぶりと、その中にしっかり"アンバランス"を外さないお話造りの巧さは、さすがと言うしかない。
「ウルトラマン」になると、基本的には"怪獣退治"をテーマに据えながら、そこに人間側の深いドラマを上手に組み込んだお話作りを作ることに力を入れてきたのかな? と言う印象。とはいえ完全に感情や思想を押さえ込めるわけもなく、本書、特に「ウルトラマン」以降の作品にたまに垣間見えるのは、組織というもののうさんくささ、いかがわしさのようなものが入り込んで来る時がある、と言うことかな。
ムラマツキャップはかなり話の分かる、渋くてナイスなミドルなのだけれど、そんなムラマツキャップでさえも「恐怖のルート87」では、高原竜ヒドラが生まれた理由についてしんみりと話を交わすところに割り込んで、「しんみりしてる場合じゃねえぞ、怪獣は俺達の手で始末せんとあかんねんぞ!」とハッパかけるあたり、意外に頭ごなしな上司像が強調されたりして、おやおやと思ってしまう時もあるんだよね(さすがに本放送の時は感じなかったけど、LD(^^;)で見直してかなりびっくりした憶えがある)。
組織と言うもの、命令を下すものがいると言うことが造り出す思考の硬直状態、みたいなものの危うさを金城哲夫は常に感じていたのかも知れない。「戦後」と言う言葉にまだそれなりの力があった時代に、組織が持っている慣性の怖さ、というのは今よりはるかにヴィヴィッドなものだったのだろうな、と言う気はする。今は今で、やっぱりこの手の慣性は怖いことに変わりはないんだけどね、って話がずれた。
基本ラインはヒューマニズムに溢れた骨太にして正統派の脚本が並んでいて、そこは大変楽しい。ただ、シンプルな脚本の奥に潜む複雑さのようなもの(資料的な意味合いでつけられた短い書簡があるのだが、結構意味深な気がする)も同時に伝わってきて、いろいろ考えさせられる一冊であると思ったことです。
★★★★
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●世間では大型、オオガタと喧しいですが、ちょーカンケーねぇです(苦笑)<br><br>●騒ぎがおさまったあたりでスターウォ…もとい(笑)隠し砦でも見に行きまっしょい。なんかもう「The Last Princess」とかいうへっぽこサブタイトルと長○ま○み嬢に、期待が膨らんで仕方ありません(殴)
空耳だと思うんだけど、「屋上」って単語が脳裏をよぎるんだよな、最近(w。
●奇遇ですね(笑)ワタシも特に今日みたいにモロ「夏日」だと、昼間っから「おくじょー」「おくじょー」と耳鳴りがします(阿呆)