ばむばんか惰隠洞

«前の日記(2009-08-20) 最新 次の日記(2009-08-23)» 編集

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2009-08-22 [長年日記]

[Day] 暑いからか、トシだからか

しばらくヒッキー気味な生活を送ってたら、日常のいろんな常識的行動を忘れてしまったのか。

少し買物があったので三宮に出かけようと思い、駅で改札機にスルKAN入れて、そいつを取らずに電車に乗り、三宮で使い切った方のスルKANを改札機に入れて、キカイから「通しません」と言われて非常に戸惑ったんだった。

自動改札の作法すら忘れてるってどんなだよ。これが老化現象というヤツなのかなぁ。

[Books] 葡萄山司令部、陥落!? 銀河乞食軍団 黎明編 2

9784150309640 鷹見一幸 著/野田昌宏 原案
カバーイラスト 鷲尾直広
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-030964-0 \680(税別)

<紅天>と<蒼橋>の緊張状態は、<紅天>の宇宙艦隊と<蒼橋>義勇防衛軍との武力衝突に発展。そのさなか、変幻自在の行動に翻弄される<紅天>側が放ったミサイルによって破壊された岩塊が引き金となって、"天邪鬼"と呼ばれる大岩塊群を発生させることになってしまった。数十年に一度の確率で発生する"天邪鬼"。実は本来<蒼橋>義勇防衛軍自体も、"天邪鬼"の災厄から<蒼橋>を防衛することがその本来の目的だったのだ。<紅天>艦隊をあしらいつつ、"天邪鬼"の排除に狂奔する義勇軍。だが、予期しないアクシデントによって事態はさらに複雑な方向に…。

新案「乞食軍団」、第2弾。お話は快調に展開、今のところのちに「乞食軍団」の幹部になるムックホッファさんやロケ松さんよりも、<蒼橋>星系の個性あふれる連中がメインになっている。何せこれは「乞食軍団」が結成される前のお話なのでね、物語世界の基本的な「味」みたいな物をうまく引っぱりつつ、原作とは違うお話が進んでいってもそれはそれで問題ないわけで、なかなかうまいやり口だ。一種のシェアード・ワールド物みたいなノリ、と考えると良い感じか。そんな中でも重厚長大、沈思黙考なムックホッファおじさまが、野田さんの原作と同様に少ない出番でいい具合に存在感を醸し出してるあたり、最初のキャラ造形がうまかったのか、鷹見氏の筆が冴えているのか、さてどっちだろうね。

お話の方は、ハードSF的側面をやや前に押し出しつつ、いい具合にべらんめえ成分も加味された、楽しい一作になっている。全体としてはノリノリで押しまくってきた第一作に対して、常に危機的状況が前に立ち、それに対する本シリーズのメイン・キャストである播磨屋一家や<蒼橋>の人々、さらにはムックホッファやロケ松たちの頑張りぶりが楽しく、そして痛快に綴られる。このあたりのお話の組み立て方がかなり上手で、楽しく読める一作。ページ数的にもうちょっと、分量がほしかったような気がするな。

本書はその作劇法的な部分で、特に序盤から中盤にかけて構成的に凝った作りがなされていて、そこは読んでいただいたら分るんだけれど、ちょっと面白いことをやっているな、でもこれを最後までやり通すのは大変だろうな、と思ってたら案の定、その構成的な凝りっぷりは消えてしまうことになるんだけれど、その凝った構成の引っぱり具合に、若干「それで良かったのかな」という疑義を挟みたい気はしないでもない。なかなか面白い試みで、さらに言うならかなりいい具合に効果を上げていたものだから、ここまでやるなら最後まで引っぱるか、あんまり深く染み込む前に、あっさり目なところで引っ込めるか、どっちかで思い切ってほしかったかも。お話本来の面白さを大きく損なうようなもんではないんだけど、そこだけちょっと、惜しかったかな。

何はともあれ「乞食軍団」世界のテイストを上手い具合に折込みつつ、ちょっと違った"星涯"世界の物語が語られるこのシリーズ、なかなか楽しいのでこれはこれで続いてくれると嬉しいな。又八君の若い頃の話とかも読みたいですな。

★★★★


Google search
www.bumbunker.com
Web
2009年
8月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
«前の日記(2009-08-20) 最新 次の日記(2009-08-23)» 編集
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp