ばむばんか惰隠洞

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2009-08-24 [長年日記]

[Anime][web] 定期視聴番組

「真マジンガー 衝撃! Z編」、「グイン・サーガ」。亡くなられた栗本さんがどう思っておられたかは知らんけど、彼女の作品の魅力に「論戦」の描写ってのはあると思うわけで、それが初めて「グイン」で登場するのが沿海州会議なわけだけど、アニメではそこの所は大幅にオミットされていてかなり残念だったかも。オジサンイチ押しのアンダヌス議長も、予想はしていたけど割と手抜きの扱いだったしなぁ。三デブ的にはオリー君の姿が見あたらなかったあたりもちょっと残念だったかな。

そして高校野球で押し出された「ディケイド」、見るの忘れてしまってました(w。

[Books] 不思議のひと触れ

不思議のひと触れ(Sturgeon,Theodore/著 大森望/著 白石朗/著 スタージョンシオドア/著) シオドア・スタージョン 著/大森望 編
カバーデザイン 祖父江愼・安藤智良(コズフィッシュ)
カバー装画 松尾たいこ
河出文庫
ISBN978-4-309-46322-3 \850(税別)

本邦初訳にして、スタージョン幻のデビュー作である掌編「高額保険」をはじめとした10編を収録した日本オリジナルの短編集。

かつてハヤカワ・SF・シリーズ(銀背、ですな)から出ていた短編集、「奇妙な触合い」と表題作は重複するが、収録作品は改めてチョイスされた、スタージョンの日本版オリジナル短編集。収録されているのは初期から彼の最初の全盛期あたりに発表された短篇群で、発表時期は1938年〜1961年にあたる。

海を失った男」と並び、日本におけるスタージョンの再評価と、それに続く翻訳作品の増加のきっかけとなった短編集。何はともあれ一つずつ読んでみた感想を。

高額保険

知られる限りで、スタージョンの初めての商業誌掲載作品。ワンアイデアのショートショート・ミステリで、オチに至るアイデアの仕込みや読者をミスリードさせる手腕など、いろんなところに疑問符はつく。が、題材の選び方やお話の展開のさせ方などに、いかにもスタージョンらしい「奇妙さ」の片鱗が垣間見えるていかも知れない。

もうひとりのシーリア

SFともホラーとも取れる作品で、そうだな、「異形コレクション」あたりに収録されてても違和感のない作品。念の入った怪奇部分の描写と、その先に待っている妙にあっけらかんとしたオチは極めて独特。

影よ、影よ、影の国

こちらもどちらかといえばホラー寄りの作品。オチのすぱっとした切り落とし方は前の作品にも共通するが、切り落とされた部分に潜む怖さが、こっちの方は少し上を行く。

裏庭の神様

本書に収録された作品では、「高額保険」の次に古い作品で、かのジョン・W・キャンベルが初めて買ってくれたのがこれなんだと。ジャンルとしてはユーモアSFに分類される作品。ユーモアの中にちょっとしたペーソスが効き、SFに限定することなく、短篇小説としてのオチの効き具合にちょっとニヤリとさせられる。

不思議のひと触れ

前述した銀背の方で、「奇妙な触合い」のタイトルで訳出されていた作品で、解説で大森望氏も書いておられるとおり、古い方の邦題も読み終えてみるとなかなかいい具合であると思えてくる。ただまあ時代を考えれば、新しい方のタイトルもまあそれはそれでありか、と。いかにもスタージョンらしい奇妙なイントロが、いつしか普通なシチュエーションに溶け込んで、最後になんだかホッとする。ピュア100%の恋愛小説という趣で、サトジュンでアニメ化、とかなったら嬉しいな、ってところだな。

ぶわん・ばっ

筒井康隆がやらかしそうな、オノマトペが暴走するジャズ小説。ちなみにこの、擬音部分をサポートしたのは田中啓文氏だそうだ。それだけでどういうモンになっているか、かなり予想できようって物だよね(w。

タンディの物語

リモートで動作するゲシュタルト生命体のお話、なのかな。子供にとって素直につきあえる何だか判らない物が、大人にとっては何か得体の知れない怖いものになる、というあたりもテーマの一環になっているのかも。

閉所愛好症

SFの黎明期から発展期において、しばしば見られた人類の進化の歴史におけるミッシング・リンクにSF的考察を加える系の短篇。「失われかけていた種」の選択基準に発表時期を考えるとかなりユニークなバイアスがかけられているあたりがスタージョンの巧さって事になるのかな。

雷と薔薇

なんと「渚にて」に先立つこと10年、すでにスタージョンは全面核戦争によって破滅に向かう人類世界を描いていたのだった。発表されたのが1947年という時点で、これこそがSF作家の仕事だよなあという気にさせられる。

孤独の円盤

「地球の静止する日」かと思ったら実は「不思議のひと触れ」にも繋がるピュア100%で読んでみたいラブ・ストーリーだった、みたいな。〆に相応しい一品。

全体的に「古さ」みたいな物を感じなくもないけれど、その中に秘められた「奇妙さ」は紛れもなくスタージョンの作品の魅力。解説の充実ぶりも含め、本書後半に読みどころが多かったな、というところかな。

★★★☆


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