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ジャック・ヴァンス 著/伊藤典夫 訳
カバーイラスト Jim Burns
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011722-1 \660(税別)
惑星イグザックスを二分し、百年にわたる同族同士の戦争を引き起こす元となった謎の異星生命体、ノパル。彼らは別の生命体に寄生し、宿主の精神を養分とし、宿主の精神状態に微妙な影響を与えるのだ。惑星全土を荒廃させ、ようやく同族間の戦争に決着をつけたイグザックス人たちは、ノパルたちの本星、ノパルガースへの侵攻を計画するのだが、長く続いた戦争で疲弊したザックスたちにとってノパルガースへの侵攻は非常な危険を伴うことが分っている。ここに及んでイグザックスの人々は、ノパルガースへの攻撃を自分たちとは異なる人種に託すことにした。そこで白羽の矢が立てられたのは…。
ジャック・ヴァンス。なんと懐かしい名前だろう。さらには訳者が伊藤典夫さん、何ともはやお久しぶりのお名前の2連発。訳者あとがきでも述べられているとおり、本書の元本はおそらく1950年代に発表された作品で、それが地上波アナログ放送もそろそろ見られなくなろうかって言うこの時期に訳出されたのは、ほとんど訳者である伊藤さんの都合、ってあたりはなんだかちょっと楽しいような、それでええのんか? って気がちょっとしなくもないというか。
この時期になんでヴァンスの(それもどちらかと言えばハイブラウな読者をターゲットにしたとは思えないレベルの)作品が、ってところも無くはないが、逆に言えばまだまだ、訳出されていない佳品は世界中にごろごろしているとも言えるわけで、訳者が気に入ったから、という理由でその手の作品が突然ぽちぽちと読めるようになるってのは、ある意味良い時代になったもんだなあというところだな。
お話自体は基本的にワンアイデア(ヴァンス式『人形つかい』って感じでしょうかね)で突っ走る、いかにもパルプフィクション系にシフトした分りやすいストーリーなんだが、随所に手練れの作家らしい構成や視覚的なイメージの描写が折込まれ、短いながらも意外に楽しめる作品に仕上がっている。ボリューム的にもうひと声、欲しかったような気はしないでもない(中編2編、みたいな構成はなかったんでしょうか。仕事の遅さには定評のある伊藤さんだけに、それをやったらいつになったら本ができるのか、分ったもんじゃなかったのかも知れないけど)が、なんだか妙にとんがってばかりで、話を追っかけていくのにも苦労する昨今のSFシーンにあって、なんかこう、ちょっとホッとするSFを読ませてもらったような気がして、そこがなんだか、とてもありがたい。俺が好きだったSFって、こういう感じだったよなー、ってのを再確認できた嬉しさを、久しぶりに味あわせてもらえたかな。イーガンもレナルズも良いけど、たまにはヴァンスやシマックの味にも触れておきたいよね、って感じでね。
これくらいトールサイズに大きな活字が相応しくない作品も、今となっては珍しいと思うけどな(苦笑)。
★★★☆
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●ようやく録画視聴しました>シンケンジャー<br><br>●今年は当たり年だと思っていた嬢ちゃん二人の演技が消し飛ぶほどの鬼気迫る熱演でしたよ、朴さん。<br><br>●まったくもって今年の戦隊は油断なりません。ライダーは油断しまくってますが(爆)
ぬあー、最近ため込む傾向があるんで、多少たまっても大丈夫なように、と思って180分テープで3倍速、のフォーメーションで予約録画かけてたら、夏ばて気味のビデオデッキが180分テープのボリュームに負けて、テープを送れず途中で止まってしまう、っていうマヌケなオチが待ってたわけなんでした(w。