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ちょっとクラフト紙が必要になる局面があって、100均で一束購入したんだけど、必要なのは1枚だけだったんで残りはどうするか、と。せっかくだからamazonが無料で公開してるブックカバー用のpdfをダウンロードしてクラフト紙にプリントしてカバーとして使ってみたんだけど、うん、悪くないね(w。これで書店員さんをトールサイズ文庫で苦労させなくて済みそうだ。
大森望・判名練 編
カバーイラスト シライシユウコ
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031415-6 \1200(税別)
優れた新鋭が続々登場した2010年代のSFシーン、その中からベスト・オブ・ベストを選び出して編まれたアンソロジー。「1」は2010年代以前から活躍してきたベテラン勢、「2」は2010年代から活動を開始した新鋭勢の作品を収録。
ということで。ベスト・オブ・ベスト故にどうしても既読作の割合が高くなるんですが、まあしかたがないのか。リンクだけで済ましてるやつも多いとは思いますがそこはどうかご容赦(^^;。それでは、行きますど。
既読。
人々が汚染された水上に立つ塔と地下世界に分かれて暮らす世界。この世界では地上で暮らす人々の方が劣悪な環境にある。地上に暮らす三村は塔と塔を繋ぐロープを維持する技術者。ある日彼が会った少女は、地下世界からやってきた人物だった…。
一種の巨大な播種船物、と言えるのかな。地下世界がどうなのか、って所にはそれほど筆が割かれてなくて、お話はほぼ塔の世界を中心に、新たな世界を渇望する人達の行動が描かれる。異世界スペクタクルにバイオが隠し味、って感じですか。やや投げ気味なラストもまあ、これはこれで。
既読。今回は怪獣惑星に棲息する怪獣の元ネタってなんだろう、なんて考えながら読んでた(w。ガッドジラはいいとして、アギンスラはアンギラス、マンティラスはカマキラス、マダンはマンダ、ガニマはガニメ、なんだろなと思うけど、ブロブってなんだろう、同名の映画もあるけど、それなのかしら。
「妖精」と呼ばれる人工生命体が人類に奉仕する世界。ドラッグストアで働くケイシーには裏の顔があって…。
おそらく舞台はアメリカなのだが、このアメリカはかなり今のアメリカとは違っていて、キリスト教原理主義的な勢力が一定の勢力を持ち、この「妖精」達を産み出した遺伝子工学に対して憎悪に近い感情を抱く、言ってみたらKKKみたいなもんが裏で跋扈している、ような世界。その中で微妙な変化の兆しが、と。一種のディストピア物であってその描写はとても濃密。
そこは良いんだけど本作、連作短編の形を取っていて、このお話はその序盤。なのでいろんなものが回収されないまま終わってしまうんですね。そこがかなり残念だったかな。
既読。前の感想読んだら「第六ポンプ」の話しててなんで? って思っちゃった。すっかり忘れとるわ(w。お初で読んだ時は、その前に読んでたんで、いい感じに連想できたんだね。
モテ男ではあるけれど自分から見たらどうにも安っぽい人間にしか見えない婚約者。結婚する気などさらさらなかったのだが、ある日彼がひとつの掛けを持ちかけてきて…
最初はちょっとした痴話げんかかと思たら、お話はそこからみるみる大きくなっていって、という。いかにも神林作品らしい、認識とアイデンティティに切り込んでいくお話。少々地味かな、とは思いますが、なかなか。
その振る舞いに何か違和感をたたえた女性、眞理子。彼女には独特な神経症があり、最新技術を用いた治療が施されていたのだが…
お話とは別なところで妙に有名になっちゃった津原泰水さん(^^;の作品。バイオSFというかメディカルSF(あるのか? そんなジャンル)というか、一種のフリークスもの、とでも言えるのだろうか。悲恋ものとも言えるんでしょうけど、そんなお話がオチでいきなりスケールアップするのがなんつーか、うへえ、と(w。
中島敦に「文字禍」って作品がありますが(読んだとは言ってない)…。秦の時代の中国、写実的な陶人形「俑」を焼く職人の俑が経験していく物事とは。
リアルフィギュアを作っていく上で主人公が直面する文字との関係とは、といういかにもこの人らしい文字SF。はい、割と自分には苦手な方面です(^^;。
既読。「ソラリス」っぽいなーって思ったけど、読み返してみたらモンスターSFっぽさも結構ありましたね。
幼女を殺害し、服役中の男チャップマン。刑務所の中でも最も下に見られ、虐待される彼に先端企業、ニューロロジカル社が目をつけた。その目的とは…
対話形式で進む、なんというのかな、人の精神の深部に斬り込んでいくお話といえるか。こういうのもインナースペースもの、って言うんですかね。全然違う話だけど「アルジャーノンに花束を」を少し連想したりもした。結末の苦さもかなりなものかと。
というところで。既読が多いことに関しては、「序」で大森望さんが、
必然的に、SF愛好者諸氏にとっては既読作が多くなるわけですが、ベスト・オブ・ザ・ベストを選ぶというコンセプトをなにとぞご理解のうえ、なんだよ、読んでるのばっかりじゃないかとブツブツ文句を言いながらお買い求めください。
と素早くw 予防線を張ってくれているんで、まあ仕方ない。まずはベテラン作家達の2010年代、皆さん相変わらずの活躍ぶりだったのですね、なんてことも思いました。再読も含めて読み応えは充分でしたけど、その既読感はやっぱりマイナスポイントになっちゃうかなあと言うところで。自分の星的にはこんなところだけど、全作未読、って方なら多分もう一つぐらい、星は多くなると思いますよ。
★★★☆
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