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ワークのムラさんから連絡をもらってたので三宮にお出かけ。「F1 MODELING」 アイルトン・セナ追悼別冊と、OKUNOブランドの三菱ジープ。「F1 MODELING」、実にこの雑誌らしい濃い内容。各年ごとのセナの戦いぶりと、トールマンTG183BからウィリアムズFW16まで、セナが乗ったマシンのすべての解説と写真がふんだんに詰まっている。実にこの、愛があるよなぁ。私は必ずしもセナ・ファンではないのですけどこの写真たちにはついほれぼれと見入ってしまいますわ。ロータスたくさん載ってるしね。
お買い物もうひとつ。OKUNOの1/35 スケール・ディフォルメ・モデル(^^;)、三菱CJ3B-J4A。三菱ジープの初期型ですな。スケール・ディフォルメってのはまあ、精密感とおもっちゃっぽさをミックスさせたような感じで、細かいパーツ割りが必要になってくる足回りを簡略化し、ディフォルメしたパーツで構成して、ぱぱっと作るとちょっとオモチャっぽいジープが作れちゃう、ってもの。そうは言ってもこのキット、どこまでもオモチャ、って訳じゃあなく、実はボディ側はしっかりスケールモデルの精度を保ってたりするんだった。
試しにタミヤの名作、新金型版のウィリスMBと並べてみるとこんな感じ(サムネールをクリックすると拡大画像)。ずいぶん高さが違うように思うかも知れませんけど、実車もこんなもんなので全然問題ないです。フロントグリルはしっかり抜けているし、モールドも大変繊細なもの。惜しいのはコストの問題でライトがそのままモールドされちゃってるところかな。ここをそれっぽくするのは大変そう。いっぺん削り落として穴開けて、適当なクリアパーツを調達してきてライトガードを自作? …ちょっと面倒っぽいかな。その他、ペダル類もしっかりモールドされてるし、レバー類も充分に繊細な出来になってる。これ、下はオモチャ、上はスケールモデルなのね。なんと言ってもジープの研究に関しては日本屈指の奥野さん、この辺は手ぇ抜いてないです。
で、面白いのはこれ、しっかりスケールモデルにしようと思ったらそれができるように、計算ずくのディフォルメがなされてるところにありまして、ええ、さっき横に並べたタミヤのウィリスMBのシャーシを、そのまま持ってこれるんですな。試しに合わせてみる(サムネールをクリックすると拡大画像)とほら、ぴったり(w。これであれですよ、陸自ファン待望の、61式や74式と並べて楽しめるジープが実現するわけですな。ちょっと面白いアプローチだと思う。
特オタ的にはやっぱり、MAT仕様*1って事になるだろうけど、マーキングとフィギュアが面倒かなあ。MATビハイクルのデカールで流用とか、効くのかな?
ムラさんとダベってていろいろ教えてもらったんだけど、ちょっと興味深いのがグンゼ(CGIクレオス)の新製品。詳しい事は5月の見本市でわかるらしいけど、なんと水性ウレタンクリア、なんてものが登場するらしいですよ。水性、というかアクリル系らしいんだけど、まず2液式じゃない、ってところは特記事項かと。開けたら使い切らなくちゃいけない、という今までのウレタンクリアの常識を大きく破ってくる商品ですな。これでアクリル溶剤で希釈して、ピースコンで吹き付けできるとしたら、研ぎ出しが劇的に手軽なものになるよなあ。ちょっと楽しみ。その他、UVカットクリア、なんてのも発売予定なんだとか。こっちは紫外線をより強くカットする事で、クリアコートしたデカールの退色、変色を防ごうというもの。なんかいろんなもんが出てくるんですなあ。
そうそう、ファインモールドのスレイヴ1も見せてもらったですよ。しっかりコスワースのパーツが使われてるのが丸わかりで、ちょっと笑ってしまった。
カテゴリの分け方、微妙に間違えてたなあ。カテゴリの編集ツールとかって、あったっけか。
さてそれはともかくインディジャパン300マイル。日テレ系列での放映だったんだけど、ふむ、トニー・カナーンぐらいしか知らない私のようなアマチュアさんでもそこそこ楽しめるように、レースの合間合間にドライバーの紹介やレースの見所、用語解説なんかをスポット的に挟んだり、いろいろ工夫されていると思った。アナウンサーが何かというとニッポンノマツウラニッポンノマツウラとやかましいのと、なぜか掛布がゲストにいるのを除くと、実況もまあまあ。
それはともかくインディのレースってのも案外見応えある物なんだね。オーバルコースでマシンのパフォーマンスも近いせいか、スリップからすっと抜けたあとにぐいーんと前走車を追い抜くシーンは大変格好良い。抜きつ抜かれつになるのは見てても楽しいわ。
レースはしばしば黄旗が出るなか、ジョディ・シェクターの倅、トーマスが終盤を支配したんだけど残り2周でガス欠ストップ。これをかわしたダン・ウエルドンが今期三勝目。話題の女性ドライバー、ダニカ・パトリックも堂々4位。6位のカナーン(応援してたんだけどなあ)までトップ6台はホンダ・エンジンでありました。
それはそれとして、なんだな、マイケル・アンドレッティがやけに渋カッコいいオッサンになってたのと、レーサーのなかにA・J・フォイトⅣ世、なんて名前があったのには驚いたよ。A・J・フォイトは確かフルネームはジュニアが付いたはずだから、Ⅳ世って事はお孫さんで? すげえね。
「ウルトラマンネクサス」、「種デス」、「ツバサ・クロニクル」。脚本家が太田愛から替わった「ネクサス」、ものすごいダークっぶりの復活に驚かされた。丁度こちらの録画環境が良くない時期のエピソードを引っぱって来られたっぽく、私のよく知らんちいさなリコちゃんネタ(彼女の着ているTシャツの柄が"I can't give you anything"、てのは少々趣味が悪すぎなんではないかね)、をベースに記憶を失ったミゾロギさんを絡めて来ているのだろうと思うけど、うーんなんだろな。
このお話のサスペンスな部分というのは、一度(やや不完全な)記憶消去を行っているリコちゃん、もう一度記憶消去したら彼女に深刻なダメージが残ってしまう恐れがある→ビーストの姿は見せられない→でも目の前でビーストとウルトラマンが戦っている→このままでは…、と言うところでメタフィールド発生、姿がかき消えてホッとする瑞生……
で一段落かと思ったら、実はリコにはメタフィールドの中が見えている(なぜそれが瑞生にわかる?)→怪獣をウルトラマンが倒してくれたのでどうやらリコのトラウマは消えたらしい→めでたし。という二段オチ、だったらしい、んだけど弱ったね、全然ハラハラしねえんだなこれが。
理由ははっきりしてて、そもそも「今こういう大変なことが起こってるんです」ってのがほとんど説明されてないからだよね。お話の見通しまでダークにしちゃってどうするのよ、ってところですな。
それにしても、早くもマックスの番宣スポットが入るとは。ネクサスはガンダムでいうところのXみたいな位置づけになっちゃうんですかね。
デス様は、んーなんと言ったらいいのか、派手だしそれなりに問題意識を持ち込みたい、って気持ちがあるのだろうな、とは思うし見た目もそれなりに派手(つーかこの番組は、ホントに楽しそうに人死にの描写をやらかすよなあ)なんだけど、お話の作り方としてそれはどうよ、ってところか。二つの大きな勢力間での戦いに介入して何かを成し遂げようと思うのなら、それなりの勝算がアークエンジェルのクルーには無ければならんのだけど、その辺があまりにええ加減なのだよね。そこらで凄い展開になっちゃってるなあと思いつつ、結局何がしたかったの? って思えてしまう展開になってしまっているわけで、ううむ。
それはともかく公式ではスーフリに続いて"ナイトジャスティスガンダム"なんて物が。ナイトガンダム? そりゃSDじゃねえのか?
2日ほどPOPFileの面倒見るのさぼってたらこれだ。ログがフィーバーしとる。このうち重要な用件って30通ぐらいで、あとはぜーんぶspamでございます、とほほ。
最近は面白いspamも少なくなっちゃってつまらんなぁ。奈央ちゃん級の芸コマspamだったら、それなりに歓迎なんだけど、ここんとこ多いのは「こんなにお願いしてるのに会ってくれないんですか?」とか言う哀願口調のヤツと、あと出会い系サイトの分際で「SNSに移行します」とか抜かすヤツ。どっちもあんまり面白くない。
あ、何日か前に「ラオウを確実に昇天させます」ってSubject(うろ覚え)のメールがあっていったい何事かと思ったことがあったっけ。正体はパチスロ攻略サイトからのspamだった。これでエロサイトだったらめっちゃ面白かったんだけどな。
「ああっ女神さま それぞれの翼」、「魔界戦記ディスガイア」、「xxxHOLIC」、「轟轟戦隊ボウケンジャー」、「仮面ライダーカブト」、「ふたりはプリキュアSS」。部屋に積み上がった空の段ボールの解体・圧縮作業しながらだったんで土曜深夜の分はつまみ見状態。「ツバサ」もそうなんだけど、あのあり得ない人体のプロポーションさえ我慢できたら、CLAMP原作アニメってのはそこそこ面白いものなのかも分からん。
日曜朝の分、「ボウケンジャー」(Task.11 孤島の決戦)は、おいおい、勇者シリーズなら最終クールまで取っておきそうな究極合体、もうやっちゃうんですかってな勢いで。お話の方は最初から最後までテンション高めで楽しめましたな。ワシらみたいなカレーくさい連中がうれしがってるってのは、本来のターゲットのお友達が楽しめない方向に向かってるっつー心配もなくはないんだけど(デカレンジャーとマジレンジャーの関係みたいなもんで)。
「カブト」(#14)も何となくそっち方面に行きかかってるかもな、ってライダーはいっつもそうだから別にいいのか(ぉ)。今週も悪かあない。なんと言っても加賀美なんかよりはるかに気配りの出来るカブトゼクターに萌え(そこかい)。あとはなんだ、本郷猛も天道並みに物の味の分かる人物だったみたいですな。
というわけで、商売モノに手をつけるシリーズ、晩飯あとのぼやーんとした時間にはミステリがお似合いかなあということで、結構な在庫のあるハヤカワ・ポケミスをちょこちょこと読んでたりする。ここ数日で読んだ本はこんなところ。
ある雨の夜、87分署に助けを求めて転がり込んだ血まみれの少女。従姉妹と共に出かけたパーティーの帰り道、変質者に襲われ従姉妹はレイプ、刺殺され、自分も負傷して逃げ延びたのだという。彼女の供述通り、従姉妹のミュリエルは変わり果てた姿となって発見された…。
割と地味な展開の作品なのだが、終盤のサイコ風味がかなり怖い。
アイソラ市の要人に次々と送りつけられる殺人予告。その予告は厳重な警備をかいくぐって次々と実現していく。予告状を渡す男が耳に補聴器をつけているところから「つんぼ男」と名付けられた犯人の手際は水際立ち、市警の権威は失墜の一途。犯人の真意はどこにあるのか、そして87分署が総力を挙げた捜査は奏効するのか…。
シリーズ屈指の傑作だとか。確かに面白い。天才的な犯罪者相手だと、どうしても組織ってのは後手に回ってしまうと言うあたりの描写、事件とは直接関係のない脇役がかもすユーモアが良い感じ。珍しくも主役のはずのキャレラが最初っから貧乏くじを引きまくりなあたりもかなり興味深い。最後には美味しいところを持っていくんですけれども。
なお、今回読んだ2冊の「87分署」はともに映画化されているそうで、「警(サツ)官」のほうはバート・レイノルズ主演の「複数犯罪」というタイトルだそうで。キャレラ=レイノルズってのは何か違うんじゃないかなあって気がするな。
コリン・デクスターのデビュー作にして「モース警部」シリーズの第一作。お名前はかねがね聞いておりましたが、読ませていただくのは初めて。ワタシでも名前は知ってるぐらいだから、ミステリ界では有名な探偵さんだと思うけど、この人の推理スタイルはかなりユニークで、田所博士よろしく「発想とインスピレーション」を重視する探偵なのだった。
モースさんは事件を前に科学的なデータや聞き込みの結果などにあまり重きを置かず、ひたすら自分が独自に立てた仮説をもとに推理を進めていく。で、この仮説が、事件の序盤ではどうしても的外れな物になりがちで、これを何度かのスカ引きに応じて修整しながら真実に近づいていく、その過程を読むのが楽しいのだな。
ある意味天才肌なモース主任警部と、ごくごく常識人なルイス巡査部長の対比など、ホームズとワトスンを思わせるが、ホームズが割と推理は鮮やかにやらかすのに比べて、モースはその仮説が、しばしば的外れな物だったりして読んでるこちらもミスリードを被って推理に右往左往してしまうってあたりがこのシリーズの面白さなのだろうな、とは思いました。
ちなみにわたしゃ途中で真犯人が予想できて、それは正解だったのだけれど、そう判断するに至った過程で読み違えをしていた。ミスリードで正解にたどり着いていたわけで、喜んでいいやら悔しがったらいい物やら。
2年前に失踪した女子学生の跡を追っていた警官の突然の交通事故死で、捜査の後釜に座ることになったモース。最初は気乗りのしない捜査に見えた事件には、あなどりがたい深い秘密が隠されていた…。
モース警部モノの第2作。捻り具合は前作以上で、今回はオチが読めなかった。このオチにはちょっとびっくりしたんだけど、amazonの書評で、警察がしっかり捜査していれば簡単に解決してたはずの事件ではないか
(大意)、ってのがあってちょっと笑った。いや、落ち着いて考えたら確かにそうなんだわ(w。
そうは言っても読んでる間は突飛な仮説を繰り出してはそれがスカだったと分って凹み、また新しい仮説で事件に挑戦するモースの行動が結構読んでて楽しく、飽きない作りにはなっていると思う。
デクスター作品ってのが基本的にそうなのかは分らないけど、捻ってるんだけどもう一ひねり足りない、みたいな部分があって、そこが「ウッドストック…」でのミスリード、本書でも最初に語られた前任者の交通事故死のエピソードあたりで感じるところはあって、そこにもう一声、黒く捻って欲しかったかなあと思えるところもなくはないのだけれど、んでもまあなんだ、晩飯のあとにコーヒーすすりながら読むには悪くないブツだよな、と思ったです。
てなところで。他にもちょっと惹かれるタイトルがいくつかあるんで、気が向いたらまた読んでみるよ。
現在の自分のweb制作環境はPhotoshopとIllustratorがCS2、オーサリング関連はMacromedia STUDIO8。自分一人で仕事してる分には(どうせ最終的に大活躍するのは秀丸ってこともあり)これでも全然問題ないんだけど、世のwebデザイナーさんたちの間には急速にFireworksが普及しているみたいで、最近はデザイナーさんからいただくデザインファイルが、しばしばこっちの環境では正しく再現できなくなってきてた。Fireworksは(自分はまだ積極的に使おうとは思わないけど)確かにいろいろなところが便利にできていて、デザイナーサイドにはかなり有効なツールなんだろうけど、さすがにCS以前のシリーズまで下位互換の面倒は見てくれんわな。
不都合があるたびにどうにかしてよ、とお願いするのもそれはそれで心苦しい、というか心苦しくなることが最近増えてきたし、Adobeのアップグレードポリシー的にも、そろそろウチのツールじゃヤバくなってきたってこともあり、若干困窮状態のわが家的には痛い出費なんだけど、ここらで一発バージョン上げようか、と。
言うような事をちゃんと考えた訳じゃなく、酔った勢いでついポチッとやっちゃったんだけどね。
ってことでAdobe Creative Suite 4 Web Standard 日本語版 アップグレード版B (FROM STUDIO) 。イメージはあまぞんだけどそっちには在庫がなかったので、ヨドバシ(こっちにはちゃんとあった)で購入。本日無事到着しました。
こいつの何が良いかって、近日発売のAdobe Creative Suite 5 Web Premiumへの無償アップグレード権がついてる事。それほど使うとは言えない旧Macromedia系ツール群をアップグレードする事で、Photoshop、Illustrator、Acrobatまで最新バージョンになっちゃうってこと。これはちょっとおいしいんではないかね。この先3年ぐらいはバージョンアップ問題で心配しなくて済むもんな。
さて肝心の製品の方はと言うと、
重い。
CS4でこれなら、CS5はさらに重くなってるのかと思うと少々難儀やね。お金貯めてもうちょっと良く回るオツムに載せ替えた方が良いのかしら。
シルバーストン、新しいサーキット・レイアウトを発表(F1通信)。なんだろう、近年まれにみるこのワクワク感。ちょっと寸詰まりになった鈴鹿って感じかしら。
なんたってこれ、ティルケ印じゃないんだぜ。それだけでもう嬉しくなっちゃうね。
サラ・A・ホイト 著/赤尾秀子 訳
カバーイラスト Sparth
カバーデザイン 鈴木大輔(ソウルデザイン)
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011801-3 \1100(税別)
地球を統べる統治評議会の重要メンバーを父に持つ跳ねっ返り娘、アテナ。跳ねっ返りとは言え、貴族としての務めも果たすべく父に同行して環地球ステーションへの訪問セレモニーを終え、地球に帰還する宇宙船の中で、彼女は何かが起こっていることに気がついた。絶対安全なはずの父のクルーザーの中で、何者かが彼女を拉致しようと動いているのだ。きわどいところで救命ポッドで脱出したアテナだったが、追っ手を振り切るために突入した危険宙域で彼女が遭遇したのは、かつて地球が大荒廃する原因を作ったと言われる人造生命体、ミュールが操ると言われる、伝説の"闇の船"だった…。
まあ言うてしまえば選ばれたベストカップル(女の方がややイニシアティブとってます)が、最初のギクシャク感を乗り越えて、最終的には辺りもはばからずキャッキャウフフするようになる話。そこにSF的な味付けとして、荒廃していく地球文明を救うための人工生命体やら、地球文明から離脱したちょいとユートピア風味のコロニーの異世界描写とかでお話を膨らませていくような小説。そういう話なんだ、というのは割と早い段階で割れるので、過大な期待をせずに読んでいけたのが良かったのか、逆に「おお、そういう捻りか」なんて部分もあったし、それなりにボリュームもある本なので、軽めでそこそこ時間を潰せるエンタティンメント作品としては、悪くない。特に中盤あたりのお話の持って行き方は、割とマキャフリィっぽいところがあってそれなりに読ませるし、全体的に訳者の赤尾秀子さんががんばったんだろうな、と思わせるウェン・スペンサーっぽい文体も、それはそれで楽しめる。
そんな感じで中盤まではそれなりに読めるんだけど、残りのページが少なくなっていくのに、お話の展開がなかなか動いてくれず、終盤に向けて「これ、ちゃんと終わるの?」的不安が頭をもたげてくるのがなんともはや。で、その不安がかなり的中してしまうあたりも、ちょっとね。まあそこまでの流れがそれほど悪くないと思える物だったので、個人的には苦笑混じりに「これはこれでまあいいか」って済ませることもできるんだけど、「なんだこれ」って思う読者さんも結構いるのかもしれないな(amazonでは結構酷評されてるようですな)。
どうだろ、マキャフリィの「フリーダムズ ほにゃらら」とか「ダミア…」で「これはダメだー」と思った方、あそこまでは行ってないのである意味その辺が分水嶺になるかも。「歌う船」のシリーズが大丈夫なら、まあそこそこ楽しめるんじゃないでしょうかね。
さてこいつも帯が「JAROに言うぞ」レベル。「波乱万丈の宇宙冒険SF」
……、全く違います。
★★★
今日はほぼ一日「ウルトラマン」メモリアルボックスLDをDVDに移してたんだった。Disk4、16話まで見ましたが、やー、やっぱ「ウルトラマン」、おもしろいわ。ちゃんと「ウルトラQ」の味であった怪奇色も引き継いでいるのね。
んでもって、いやな大人になってしまった今だからだと思うけど、本作に登場する子供たち、総じて殴りたいヤツばっかりだな、と見直してみて改めて思った(w。怪獣が近づいてるのにそこに近づくのを制止されて「ちぇ、つまんねえな」とか言ったり、ウルトラマンに向かって「帰れー!」連発したり。や、自分にもこれで良かったお年頃は確かにあったはずなんですけどね(^^;。
グレアム・シャープ・ポール 著/金子浩 訳
カバーイラスト 新間大悟
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011848-8 \1040(税別)
ピンチスペース航法と呼ばれるFTL技術を獲得した人類は、銀河系広範に渡って複数の星間国家を形成していた。そのうちの一つ、星間連邦の宇宙艦隊の士官候補生として、最優秀の成績で卒業を間近に控えていたマイケル・ヘルフォートだったが、彼に敵意を抱く一部の同期の候補生の策謀により、訓練飛行中に危険行為を犯したとして先任特権を剥奪されてしまう。上官からの訓告と共に再試験に臨むことになったヘルフォート。一方そのころ、星間連邦とは長年の敵対関係にある星間国家、ハンマー・オブ・クラアで権力闘争に明け暮れる権力者のひとりが、自らの権力強化のために星間連邦を巻き込む陰謀を進めていた。その陰謀は偶然とは言え、ヘルフォートの親族を巻き込むことになってしまったのだ…。
名前は似てるがこっちの「フォート」くんは、頭に「地獄」とかついてる割には黒いところは全くなく、位の上下にかかわらず先輩諸氏の言うことは素直に聞き、出来たら自分は目立たないポジションで地道に仕事がこなせたらいい、とまで思っている人物。ま、典型的な優等生で、かつ、本書では新米であることもあり、いろんな事件に関して彼が積極的に関わるような局面がほとんどない上に、お話の流れの中で、この人ならではの個性みたいなものもあまり前に出てこない感じがある。もうひとりの「海」が頭に付く「フォート」君の方はとにかくクソ真面目、ってところの描写がかなりしっかりしていて、それ故彼が引き起こすことになる幾多の悲劇的な結末にちゃんと説得力を持たせてたと思うんだけど、こちらは今のところ、そういう方面はちょっと手薄かも。
というか、あちこち手薄な割にいろんな事を盛り込もうとして、敵と味方の世界観やら、その世界における(とりあえず主人公があずかり知らない)権力闘争とかの部分の描写が意外に盛りだくさんだったりする割に、肝心の主人公の方の描き込みが割と客観的なところにとどまってしまっているものだから、結果的に世界の動きの方は結構念入りなのに、主人公の葛藤だとか成長の方は、意外に雑な描写しかされていないように感じられた。総じて「なげーよ」な一冊なんだよね。
とは言えその、ちょっと長めのお話の最後にやってくるバトルシーンは、それなりに迫力もあるし読ませるので、そこは割と楽しめるか。時々何やってるのか判らないときもあるんだけど。
ま、暇潰しに読むには悪くない、かな。サポートAI、"マザー"がなかなか良い味かも。あと24世紀になってもホンダは健在らしいぜ(w。
★★★
先日オープンしたハーバーランドの新施設、umie(音鳴るよ)。んまあ撤退した阪急やらコムサやらの跡地にいろんなショップを詰め込んだ、ような。食べ物屋さんが多くなったのと、お帰りトイザらス(以前ハーバーサーカスに入ってたんだよね)、大型書店復帰(大垣書店、ですって。前は宮脇書店が入ってたんだけど、超絶客居なかったよなあ)、あとはやや大きめのシネコンがやってきた(OS系列)あたりがちょっと目新しいか。今日は平日とは言え、GW中ってこともあり、まあまあの人出だったかな。
この先の見通しはどうなんだろうね。三宮より東の人たちは、たぶん三宮に下りちゃうだろうし、三宮より西の人がここで下りてくれるものなんだろうか。ハーバーランドの、純粋培養というか無菌主義みたいな佇まいには、人が自然に集まってくる感じをスポイルする何かがあるような気がするんだよな。
「ミカグラ学園組曲」、「トリアージX」、「放課後のプレアデス」。ここはどれも切ってもいいけどなんとなく切れずに見てる感、はあるのかも。「ミカグラ…」、ウザい系の主人公がちょっとアレだがまだ多少は引っ張り力はあるか。あとこれ、なぜかアクションシーンの描画スタイルが妙にガイナックスっぽくなるのはなんか理由があるのかな。「トリアージ」は案外オーソドックスに面白いんじゃ無いでしょうか。「プレアデス」も、BGV的に流しておく分には結構心地よい絵を作ってくれてはいるんだよなあ。
T5-1S。正しい勝ち方だったと思う、が、それに隠れて結構首を捻る和田はんの采配もあったと思うぞ。点が取れたから良かったけど7回、左対左ってだけで打撃好調の隼太に代打を出します? 確率の問題より先に、選手を信じてないんじゃ、って気がしてしまうんだけど。打撃不振だからって大和を外すってあたりも含めて、勝利のための自転車操業感満点なんだよなあ。それで選手が育つものなのかねえ。
ジャスパー・T・スコット 著/幹遙子 訳
カバーイラスト EVILVIT
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011998-0 \840(税別)
人類が別の銀河に向けて開いたスペース・ゲート。だが、ゲートの向こうにはサイジアンと呼ばれる異星人が潜んでいた。自らの宇宙船を隠匿する技術を使い、奇襲に次ぐ奇襲を繰り返すサイジアンによって人類はわずか9ヶ月で数兆の人命を失い、ごくわずかの生き残りと数隻の宇宙艦が暗黒星域に逃げ込んでようやく生きながらえている。そんな状況下でも人間の営みは続いていた。明るい面でも、暗い面でも。
イーサン・オルティンは最高レベルの技量を持つパイロット。だがその腕を見込まれて密輸に協力し、妻子と引き離され流刑星に収監されてしまう。折悪しくそのタイミングでサイジアンの侵攻が始まり、家族とは離ればなれ。家族に再会するためにもと生計を立てべく偶然であった若い女性、アレイラと共に始めた運び屋もトラブル続き。闇社会の顔役、ブロンディからの借金が返済できず、場末のステーションに潜む二人は状況を好転させるため、わずかに残った帝国軍に入隊しようとするのだが……。
滅亡寸前の人類、ただ一隻残った宇宙空母、謎の異星人、生き残りをかけた大航海(が始まるかもよ、ってところでこの巻は終わってるんだけど)、主人公は凄腕パイロットのアウトローと、何となく「ギャラクティカ」っぽい要素が詰め込まれてる。その上で最近のやたら分厚いミリタリSF大流行りの中、割に軽めのヴォリュームにかなりスピーディーな展開、ちょっとしたどんでん返しなどもぬかりなく用意されていて、そこの所はかなり好ましい、と言えるかもしれない。
ただしその好ましさはさくさく読めて良いね、ってところで止まってしまっていて、それ以上先に進んでくれないのがなんとも。軽いヴォリューム、ってのはしばしばご都合主義を招き、スピーディーな展開、ってのは言い換えれば説明不足、ってことになる。どんでん返しの部分だけはちょっと「お」って思ったけど、だったらそこに至る150ページほど前の描写には、もう一つネタを仕込んでおかんといかんのじゃないの? って気もするし。
ほら、設定上はいろいろ壮大な背景をぶち上げておいて、実際にはそこそこ作り込んだセットの中だけでお話を進めていくタイプの映像作品ってあるじゃないですか、ああいう低予算感がじわじわ伝わってくるんだよな(w。
いろいろ盛り込まれてるけど総じてどれもこれも寸足らず。最後のどんでん返しから来る次巻以降へのヒキは辛うじてあるにはあるけど、この本ってシリーズ物の第1話なんだね。訳者あとがきによると本国ではすでに5巻まで刊行されてるそうで、だったらなんかシリーズタイトル的な物をつければ良さそうな物を、なんでこいつではそれ、やってないんだろう。もしかしてハナから続きを出せるほどの自信は無い、とかですか?
★★☆
日本全国、真夏日なみの気温を記録したところもあったようで、家の中にいるよりも表に出た方が暖かい日。特に用事はなかったんだけどふらふらと外に出て、古本の発送がてらちょっと散歩して、いつもの焼き鳥屋で飲むビールの美味いこと(w。小一時間酒舐めながら読書して、それから近所を散歩してみた。
空は青いし、あちこちに緑も萌えとるし、良い季節だねえ。とはいえ明日からは少々お天気は荒れ模様って事らしく、雷様やら突風やらのおそれがあるって事で、外出される方はお気をつけて下さいませ。
T3-2D。中日に2点取られた時点でこりゃアカンわ、って思って外出しちゃったんだけど、その後追い付き、逆転に成功したようで。昨日の試合でピリッとしなかった鳥谷をスタメンから外した布陣が功を奏した、かどうかはわからんけど、勝ったからまあいいか。後は藤浪きゅんかねえ。今週末に出番があると思うけど、次は良い投球を期待します。
週後半、というか前半分を全然見ていないな。「進撃の巨人」、ユミルさん散華の回。クリスタの真の名前がわかるというお話でもあって、その名前は「ヒストリア」。何かしら過去を知っている存在、ってことなのかしらね。京都に修学旅行編の「月がきれい」、メインの二人の芝居の大半が息というちょっと珍しい造り。で、その息芝居がすごく上手い、ってところまでは行ってなかったと思うけど、お話の流れが素晴らしく壁はどこだ案件になってて、割に楽しんだ、というかやきもきしちゃったよ、ってこの子らまだ中学生かい(^^;。「エロマンガ先生」は、まあ。自分の担当ではなさそうね(w。
「キュウレンジャー」はラッキーのキャラ掘り下げと1クール目の区切り。意外にラッキーって「選ばれたもの」だったってオチがこの先待ってそうな気がするね。「幸運の遺伝子」持ちかどうかはわかりませんが。「エグゼイド」、気がついたら嫌味な天才外科医もアウトローなはぐれ医者もとっても良い人になっちゃってたね(w。逆にエム君の方に深みが出てきて、なんだか面白いことになってきてますな。
「おんな城主直虎」も楽しく見ておりますよ。直虎と政次の歩み寄れなさ、ってのが何ともトレンディドラマの「お前がちょっと引けばええだけの話やんけ」ができないもどかしさ、を上手いこと大河に移植してきてるなあ、なんて(^^;。
ちょっとクラフト紙が必要になる局面があって、100均で一束購入したんだけど、必要なのは1枚だけだったんで残りはどうするか、と。せっかくだからamazonが無料で公開してるブックカバー用のpdfをダウンロードしてクラフト紙にプリントしてカバーとして使ってみたんだけど、うん、悪くないね(w。これで書店員さんをトールサイズ文庫で苦労させなくて済みそうだ。
大森望・判名練 編
カバーイラスト シライシユウコ
カバーデザイン 早川書房デザイン室
ハヤカワ文庫JA
ISBN978-4-15-031415-6 \1200(税別)
優れた新鋭が続々登場した2010年代のSFシーン、その中からベスト・オブ・ベストを選び出して編まれたアンソロジー。「1」は2010年代以前から活躍してきたベテラン勢、「2」は2010年代から活動を開始した新鋭勢の作品を収録。
ということで。ベスト・オブ・ベスト故にどうしても既読作の割合が高くなるんですが、まあしかたがないのか。リンクだけで済ましてるやつも多いとは思いますがそこはどうかご容赦(^^;。それでは、行きますど。
既読。
人々が汚染された水上に立つ塔と地下世界に分かれて暮らす世界。この世界では地上で暮らす人々の方が劣悪な環境にある。地上に暮らす三村は塔と塔を繋ぐロープを維持する技術者。ある日彼が会った少女は、地下世界からやってきた人物だった…。
一種の巨大な播種船物、と言えるのかな。地下世界がどうなのか、って所にはそれほど筆が割かれてなくて、お話はほぼ塔の世界を中心に、新たな世界を渇望する人達の行動が描かれる。異世界スペクタクルにバイオが隠し味、って感じですか。やや投げ気味なラストもまあ、これはこれで。
既読。今回は怪獣惑星に棲息する怪獣の元ネタってなんだろう、なんて考えながら読んでた(w。ガッドジラはいいとして、アギンスラはアンギラス、マンティラスはカマキラス、マダンはマンダ、ガニマはガニメ、なんだろなと思うけど、ブロブってなんだろう、同名の映画もあるけど、それなのかしら。
「妖精」と呼ばれる人工生命体が人類に奉仕する世界。ドラッグストアで働くケイシーには裏の顔があって…。
おそらく舞台はアメリカなのだが、このアメリカはかなり今のアメリカとは違っていて、キリスト教原理主義的な勢力が一定の勢力を持ち、この「妖精」達を産み出した遺伝子工学に対して憎悪に近い感情を抱く、言ってみたらKKKみたいなもんが裏で跋扈している、ような世界。その中で微妙な変化の兆しが、と。一種のディストピア物であってその描写はとても濃密。
そこは良いんだけど本作、連作短編の形を取っていて、このお話はその序盤。なのでいろんなものが回収されないまま終わってしまうんですね。そこがかなり残念だったかな。
既読。前の感想読んだら「第六ポンプ」の話しててなんで? って思っちゃった。すっかり忘れとるわ(w。お初で読んだ時は、その前に読んでたんで、いい感じに連想できたんだね。
モテ男ではあるけれど自分から見たらどうにも安っぽい人間にしか見えない婚約者。結婚する気などさらさらなかったのだが、ある日彼がひとつの掛けを持ちかけてきて…
最初はちょっとした痴話げんかかと思たら、お話はそこからみるみる大きくなっていって、という。いかにも神林作品らしい、認識とアイデンティティに切り込んでいくお話。少々地味かな、とは思いますが、なかなか。
その振る舞いに何か違和感をたたえた女性、眞理子。彼女には独特な神経症があり、最新技術を用いた治療が施されていたのだが…
お話とは別なところで妙に有名になっちゃった津原泰水さん(^^;の作品。バイオSFというかメディカルSF(あるのか? そんなジャンル)というか、一種のフリークスもの、とでも言えるのだろうか。悲恋ものとも言えるんでしょうけど、そんなお話がオチでいきなりスケールアップするのがなんつーか、うへえ、と(w。
中島敦に「文字禍」って作品がありますが(読んだとは言ってない)…。秦の時代の中国、写実的な陶人形「俑」を焼く職人の俑が経験していく物事とは。
リアルフィギュアを作っていく上で主人公が直面する文字との関係とは、といういかにもこの人らしい文字SF。はい、割と自分には苦手な方面です(^^;。
既読。「ソラリス」っぽいなーって思ったけど、読み返してみたらモンスターSFっぽさも結構ありましたね。
幼女を殺害し、服役中の男チャップマン。刑務所の中でも最も下に見られ、虐待される彼に先端企業、ニューロロジカル社が目をつけた。その目的とは…
対話形式で進む、なんというのかな、人の精神の深部に斬り込んでいくお話といえるか。こういうのもインナースペースもの、って言うんですかね。全然違う話だけど「アルジャーノンに花束を」を少し連想したりもした。結末の苦さもかなりなものかと。
というところで。既読が多いことに関しては、「序」で大森望さんが、
必然的に、SF愛好者諸氏にとっては既読作が多くなるわけですが、ベスト・オブ・ザ・ベストを選ぶというコンセプトをなにとぞご理解のうえ、なんだよ、読んでるのばっかりじゃないかとブツブツ文句を言いながらお買い求めください。
と素早くw 予防線を張ってくれているんで、まあ仕方ない。まずはベテラン作家達の2010年代、皆さん相変わらずの活躍ぶりだったのですね、なんてことも思いました。再読も含めて読み応えは充分でしたけど、その既読感はやっぱりマイナスポイントになっちゃうかなあと言うところで。自分の星的にはこんなところだけど、全作未読、って方なら多分もう一つぐらい、星は多くなると思いますよ。
★★★☆
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□ りつこ [日テレ系列のインディジャパンプログラム、車好きの長野博が司会をやっていたMOBIと全く同じ構成、内容なんですよ(--..]
□ ROVER [なんとま、そんな事情があったんですか。それはまたずいぶんと地球に優しい(^^;)…。MOBIって番組は知らなかったで..]
□ 道 [デスにて スーフリではなくストライクフリに変。 ナイトでなくインフィニティ になったそうです。]
□ ROVER [またどっちも言いにくい名前になっちゃいましたなあ。]