ばむばんか惰隠洞

«前の日記(2007-05-12) 最新 次の日記(2007-05-14)» 編集

カテゴリ一覧

Anime | AV | Baseball | Books | CGI | Chinema | Comics | CS | Day | DVD | Event | F1 | Games | Hobby | HTML | Kindle | Misc | mixi | News | Oldbooks | PC | Photo | SpFX | Stage | tDiary | Tour | TV | web | 逸級介護士


2007-05-13 [長年日記]

[TV] 定期視聴番組 (23:26)

「ラブ☆コン」、「ひだまりスケッチ」、「銀河鉄道物語」、「神曲奏界ポリフォニカ」、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」、「仮面ライダー電王」、「Yes! プリキュア5」。「ひだまりスケッチ」、結構面白かったのにもうおしまいですか…。

「ゲキレンジャー」は、池田秀一は何をやっても池田さんだなあって感じで。いい声なんですけど。「電王」は平成ライダーの得意技、不思議脚本炸裂の回。割と面白かったのが「プリキュア」。弾けるレモンの香りはともかく、年長さんあたりはてきぱき家事もこなすのかと思ったが、考えてみればお二人さんともええしの娘さんだったんだよな、そりゃ家事なんてできるわけはないよな、と。あの5人の中で一番ノーマル・ポジションに近いところにいるのはリンちゃんなんですね(w。

[Books] 眩惑されて (24:59)

4062756730406275715X ロバート・ゴダード 著/加地美知子 訳
カバーデザイン 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
講談社文庫
ISBN978-4-06-275673-0 \876
ISBN978-4-06-275715-7 \895

それは目の前で起きた。白昼の幼児誘拐と致死事故。その時そこにいて、すべてを目撃したアンバーの人生は、そこから大きく変わってしまう。そして20年。かつて持っていたほとんどのものを失い、プラハの街に暮らす彼の許に、20年前の事件の記憶を呼び覚ます一人の男がやって来たことで、アンバーの人生にはもう一度、避けられない大きな転機が訪れようとしていた…。

ゴダードの定番、やる気をなくして落ちぶれる一方のダメ中年が、とあるきっかけで不可解な事件に巻き込まれ、ダメはダメなりに頑張っていく上でさまざまな経験(その多くは、打ちのめされ系)をしていき、挫けそうになってはかろうじて持ち直し、事件の意外な真相に迫っていくようなスタイルの物語。最新作は比較的短めの章立てで構成された序盤のリズムがちょっと面白い。筋立ても"ゴダード・スタンダード"を必要条件のレベルでは満たしていると思うので、そういう意味ではまあ、水準作と言えるだろうな。いかにもゴダードらしい、手がかりに迫ることができた、と思った瞬間にその手がかりがするりと手をすり抜けて逃げていき、気がつくと主人公はいつの間にやらのっぴきならない立場に追い込まれ、さあ打開策はあるのか、ってな展開は健在なのだが、そこまでの流れと最後に用意されている大どんでん返しのショックの部分がややパワー不足かな、と思ってしまうのだな。

ゴダード作品に付き合ってきた人なら分ってもらえると思うのだけれど、この人の作品の魅力は、読んでるこちらが思いっきり捻って推理したことの、さらに斜め上の結果を軽々と見せてくれるところにあると思うわけで、それは作品を読んでいく上で、「こいつはあり得ないだろう」と思えるようなキャラに、そういう理由だったのか、と有無を言わせぬ理屈をつけて突然重要人物に仕立て上げ、しかもそれすらもお話の展開の上で平然と「でもここまでだよ」、あるいは「実はさらにこういう意味もあってね」などという展開を読み手に見せつけて、途中まではある程度推理できていて、今度こそ話の筋は読めたぜふふん、と思ってるこちら(読み手)を裏切ってくれる底意地の悪さにあると思うんだけれど、残念ながら本書はそこまで底意地は悪くない。そこでどんでん返しは終りなの? という不満が出てきてしまうのだな。

ゴダード得意の歴史的ミステリへの言及(今回テーマになっているのは18世紀の英国で匿名の体制批判者として名を馳せた"ジュリアス"なる人物。「エンダー」シリーズの"ヘゲモン"的な位置にある人物、といえるか)や、気がついたらゴダード作品でも普通に携帯電話が小物として出てくるのだなあ、といった妙な感慨もあるにはあるが、やはりゴダード作品としては上位にランクさせることはしづらいなあというところか。あとはなんだ、物理的な分量として「薄い」とは感じる。活字サイズもあるとは思うが、やはりゴダード作品はもうちょっと濃密に活字が詰まっていて欲しい気もするわけで、そこら辺も少々物足りなかったかな。ケチをつけつつもそこはゴダード、決してダメだとは思わないのだけれど、んー、でもゴダードだからなあ、もうちょっと翻弄して欲しかったとも思うのだよね。

★★★


Google search
www.bumbunker.com
Web
2007年
5月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

ここ1週間分の話題

傑作です

懐かしさ満点

妖精を観るには…

ジュヴナイルとしてなかなか良質

バナーが必要ならこちらを
バナー素材

古本屋やってます
特殊古本屋 軽石庵

2003年9月までのサイト

巡回先
ROVER's HATENA

あすなひろし追悼サイト
あすなひろし追悼サイト

twitter / karuishian
«前の日記(2007-05-12) 最新 次の日記(2007-05-14)» 編集
©1996-2020 乱土 労馬:l-rover@kobe.email.ne.jp