ばむばんか惰隠洞

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2007-05-16 [長年日記]

[Oldbooks] 晩飯あとのミステリ (24:50)

商売モノに手を付けるシリーズ、昨日と今日の分。ともにモース警部ものをポケミスから。

ニコラス・クインの静かな世界

本書カバー海外からの留学生を選定する海外学力検定試験委員会の一員に新しく選定されることになったニコラス・クイン。だが彼には難聴という強度の障害があった。この点については選定段階でも議論はあったのだが、最終的にはニコラスの委員会入りについては多数決によって承認が与えられる。ハンデがありながら積極的に委員としての職責を全うしていたニコラスだが、彼のキャリアは長続きしなかった。3ヶ月後、彼の変わり果てた姿がフラットで発見されたのだ…。

登場するキャラクタが、どいつもこいつも怪しい上に、推理をするのは「直感とインスピレーション」が売りのモース。話はあっちこっちに振れ、いろんなところでミスリードを誘う。そこらは面白いんだがオチの付け方はやや不満。推理小説としての面白さもそうなんだけど、それ以上に本作では、モースがかなり外道。いや、もともとどちらかというと外道系のキャラと言えなくもないのがモースなんだけど、本作でのモースは、危うく無辜の市民を冤罪地獄に落としかねなかったわけで、そこのところに全然気を配ってないってのはどうなんだろう、とは思った。聴覚に障害のある犠牲者ならではの証拠の残し方、ってあたりにもやや物足りなさは残る、かな。

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死者たちの礼拝

本書カバー一度は解決したと思われていた事件だった。だが、偶然に休暇中にその事件の現場をモースが訪れてしまったことが、忘れられていたはずの事件にもう一度脚光が当てられることになる。教会で起きた殺人事件とそれに続く自死事件。そこにモースが首を突っ込んだことで明らかになる新たな殺人事件が白日の下に晒されることになり…。

1979年のシルバー・ダガー賞に輝く作品。ちなみにこの年のゴールデン・ダガーはフランシスの「利腕」。んー、確かに少々相手が悪かったような気はする。なかなか面白いのだが、とことん入れ込んで楽しむまでには行かない、ってノリの作品なのね。いつものようにモースは自分勝手に妄想と暴走を繰り返し、良き相棒のルイスはそれにはらはらしながらも付き合っていくって構造になっていて、そこは楽しく読めるようになってはいるのだが、推理ものとしてはどうだろう、読んでいくと「オレの推理はそんな理由でダメ出されたんかい」的な裏切られた感は少々ある。このノリなら真犯人はこのあたりか、的なヌルい推理、結果は当たりだったけどそこに至る過程が今ひとつ納得いかん、みたいな。

シリーズとしてなかなか面白いとは思ったんですが、ミステリ的にこれはどーなんだろうなあ、モースのキャラの立て方とか、ミステリファン的には"あり"なんでしょうか? "本格"とか言われてもいまいちイメージできない(ホントにミステリは初心者なんですよ、オレ)んで、このあたりの数多ひしめく名探偵さんたちの、それぞれの特性が分るような資料があったら、ぜひ拝見してみたいと思っておりますですよ。

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