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大森望・日下三蔵 編
Cover Direction & Design 岩郷重力 + WONDER WORKZ。
創元SF文庫
ISBN978-4-488-73401-5 \1100(税別)
本格的日本SFのアンソロジーとして登場した筒井康隆の「日本SFベスト集成」から32年。新たな日本SF集成としてスタートした新シリーズ。コミック一本を含む16編を収録。
中村融さんの企画センスが光るアンソロジーとか「異形コレクション」とかがあるせいで意外に実感がなかったんだけど、そういえば日本SF、と言う括りのアンソロジーって無かったな。基本的にハヤカワと創元以外に手を出すことが滅多に無く、その二社の本にしたって文庫になるまで気長に待ってるものだから、最新SF事情に全く疎い自分みたいな人間にとっては、二重三重にありがたい企画とも言える。本書のうち自分の既読はわずか二編。お買い得感満点ですわ(w。
編者の苦労に敬意を表する意味でも、これは全部コメントを付けてみたい。的外れなこともたくさん言いそうですが。
ハートウォーミングな日常系、ちょっとだけバイオ風味も加味された、かわいらしくて良いお話。しばしば"邪悪さが足りない"と評される小川一水の持ち味が存分に発揮されていて、ちょっと邪悪な自分にとってはそのラストがとてもいい話なのだ、と理解できるまでにちょっと時間がかかってしまったくらいだぜ。オープニング作品にうってつけですな。
既読作品その一。すいませんやっぱりこのオチは良くわかりません。
人間が狼に変わったら狼男、山羊みたいにおとなしい人間が羊ぐらいに変化するから羊山羊。羊と山羊じゃどっちが厄介なんだろう。わけの分からん方向に奇想が暴走する田中哲弥らしさ満点。おかしゅうていやらしゅうてやがてちょっと哀しい。
シャープな侵略SF。起承転結の転の部分がかなりいい感じ。オレが間違ってなければ、これはつまり最後の最後ももう一回、転がしてるって事でいいんだよな?
文字送りすることなく、一つ所に文字を重ねていったために、ぱっと見真っ黒な四角にしか見えない八つの記号。そこには実は八つの物語がしたためられている、というのはかなりぐっと来るツカミではないですか。このツカミがあまりに魅力的なものだから、実際に解き明かされていく八つの物語自体には私はあまり惹かれるものを感じなかった。というかしばしば退屈してしまった。
ただ、この"変さ"はかなり後を引く。面白くはない、でも何か変だ。だから文字を追ってしまう(とても読んでいる、とは自分の事ながら思えない)。そして「なんか変だなあ」と軽い脳味噌を振ってみる。じっさいこのお話を読んだあと、続きを読む気力がかなり削がれてしまい、一日休憩が必要になってしまったですよ。
さて気を取り直して。
紹介でも語られるとおり、極めてニューウェーヴSFの香りのきつい作品。おいそれで終わりかよとうろたえてしまうあたりが実にこう、自分にとってのニューウェーヴのポジショニングを再確認させられたような気になってやや苦笑。あえて解釈するなら"全体"と"個"の関係性をとっかかりにした文明批判、みたいなもの、なのかなあ。
都市伝説的SF風味のエッセイが二本。着眼点で勝負する掌品で、そこの所の出来は上々。ただ、野暮を承知で言いますが「帝国の逆襲」見ました? ベイダー卿の私室というか、個人用瞑想チャンバーと言うのがありましてですね(^^;)
星新一トリビュートなショート・ショートが三つ。オーソドックスな恩田陸、構成に凝った堀晃、そして涙なしには読めないかんべむさし。三者三様にすてきです。
フレドリック・ブラウンは三度死ぬ、って感じで。いやまあ「二度死ぬ」にモー様は全然関係してらっしゃらないけれど、あの本にまぎれ込んでても全然違和感ないよな、このお話。
もしかしたら共通なのかも知れないA、B、C、Dという少年少女のごく小さな日常、なのだが、Aのお話がDのお話に流れていく過程で、なぜかお話が妙な方にシフトしていく。円城塔とは違った意味で変だ。私はオッサンなので、こういう変さを必要以上に考え込んでしまって、お話が本来持ってる面白さを自分からスポイルしてしまう傾向があるような気がする。ごめんなさい(誰に向かって)
エンタングル!……いやいや(w。「ゼーガペイン」ちゅーよりはむしろ「ネアンデルタール・パララックス」あたりを連想させる(あでも、案外『ゼーガ』に戻ってくるような部分もあると言えるかも知れない)、量子コンピュータが可能にする多世界移動ネタのちょっと切ないラヴ・ストーリィ。
既読作品その二。神戸の人間にはちょっとニヤリとする地名がちょこちょこと。
異星文明であるストリンガーと遭遇した人類を描く作品群の中の一遍と位置づけられる作品。密室である小型宇宙ステーション内で起こった殺人事件、というシチュエーションがまず、アシモフの初期の「陽電子シリーズ」のノリを彷彿とさせてくれてちょっとうれしい。「陽電子…」における縛りが「ロボット工学三原則」ならこちらでそこに相当するのは、ってあたりを楽しみながら読んでいくのが吉、かな。
トリを飾るのは円城塔と並ぶ2007年日本SFの収穫、と言われる伊藤計劃のやや気の滅入る、21世紀版「時計仕掛けのオレンジ」。結果的に彼の代表作である「虐殺器官」のスピンオフ作品となったのがこのお話だそうだが、そのぶった切り感と救いのないことを救いようが無く描き切る思いきりの良さを認めるのにやぶさかではない。ただ、心から支持することは自分にはできない、とも思うけど。一編だけ読んで評価したらいかんタイプの方なのかも知れんので、他のが文庫に落ちたら読んでみたいと思います。
てことで。うん、頑張った(^^;)。そりゃ人間だから好きになれない作品も読むことになってしまうのがアンソロジーの辛いところではあるけれど、それを補ってあまりある魅力に満ちあふれているのが、優れた編者によるアンソロジーであるとも思うので、このシリーズのスタートは大歓迎ですし、これから長く続くことを強く希望します。巻末の日下氏の解説に、
さいわい版元からは、売れてるうちは出し続けていいと言われているので、その点でもご支援を願いたい
とございますので、ここはとりあえずSF好きだぜって言ってる人間は、一冊買っておこうぜ。続くことが値打ちになるシリーズってのもあるわけだしね。
★★★★
フェラーリ、F60を発表(F1通信)。
異様に幅広のフロントウイングと対照的に狭いリアウイング。後付け的空力デバイス禁止は良い方向に向いているような気もするが、全体的に勘違いしたオーナーが手を入れたミニ4駆、に見えてしまうのはオレの目が腐ってしまったからなんだろうか、ううむ…。
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どこかで見たことがある様な気がして頭の中がモヤモヤしていたのですが、おかげさまでスッキリしました。<br>確かにFウイングの翼端版のところにローラーが付いてればまさにミニ四駆そのものですね。<br>(タミヤ出さないかな?)
スタビライザーポールをおっ立てたF1とか、ちょっと想像してみると笑っちゃいますね。<br><br>ミニ4以前にちゃんとした(タミヤ・スタンダードの)スケールモデルでいくつか欲しいキットはあるんだけどなあ(^^;)。
シンガポールGPなら有りかもしれませんねw