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細々した物をいろいろ買いたかったので、ハーバーランドのソフマップにお出かけ。CX1用に2GbのSDカード(570円だった。安いなあ)やら液晶の保護シートやら、あとはちょっと別な用途でUSBケーブルとかも少々。大きめのパソコン専門店を覗くのは久しぶりだったんで、かなりおのぼりさん気分を味わいましたよ。
メモリカードもそうだけど、HDDやらDIMM、最近流行りのミニノートとか、いろんなものがずいぶん安くなっているもんですな。パソコンを初めて買う人でも、なんかすんげーハイスペック機が案外手ごろな価格で手に入っちゃったりするんだね、うらやましい。
ま、あたしゃ当分今のキカイで細々やるんでね。安いからって飛びついたりしないもんね。
てことでいろいろ安いんだなあとしみじみ感じ入りつつ、吉野家で50円引きの牛丼食って、毎週木曜は17:00までサービスタイムのおおえすで250円の生中飲んでほろ酔いで帰還。そろそろ屋上がオープンしても良いんじゃないかって陽気で、ええ具合にアルコールも抜けてくれたんじゃないだろか。
写真は高架下の外側から、モトコー6の良く分からん古着屋さん。マルチ測光オートが効いたのか、真ん中へんが結構明るく写っちゃってるな。トンネル状態になってるんで、もうちょっと暗いんだけど。
海文堂でレズニックの新作(久しぶりだなあ、「キリンヤガ」以来か?)を見つけてレジに持っていったらば、店員さんがブックカバーをつけるのにえらく難儀している様子。結局文庫用から新書用のカバーに切り替えてセットしてくれたわけなんだが、理由はこれでした。大きな活字、大きなサイズで、読みやすい! ハヤカワ文庫はトールサイズに生まれ変わります(ハヤカワ・オンライン ニュースリリース)。4月から文庫のサイズをちょっぴり縦長にしまっせ、と。徳間デュアル文庫とかと同じぐらいのサイズですな。「ローダン」や「グイン」などのシリーズ物は除外されるって事は、棚に並べたときに違和感が生じるのが嫌がられるから、って事だろうと思うけど、それを言うならそもそも、オレにとってはハヤカワSF文庫全体が一個のシリーズとも言えるわけで、なんか余計なことされちゃったなあという気がしないでもない。
文字を大きくしたら本が読みやすくなる、とは限らないと思うんだけどね。老眼鏡の助けなしには本が読めない身体になってしまったわたくしだけれど、あまりに間延びした活字の並びは、文字の大きさに関係なくやっぱり読みづらい。文字は小さいけど、創元の方が読みやすい本になってると思うよ。
J・G・バラード 著/増田まもる 訳
カバーデザイン 東京創元社装幀室
創元SF文庫
ISBN978-4-488-62913-7 \1000(税別)
タヒチ沖の小島、サン・エスプリ島。かつてフランスの核実験場だったこの島を目指す一艘のゴムボート。載っているのは16歳の少年ニール、元はハワイの警察官だったキモ、そして一行の指導的立場にある英国人の女医、ドクター・バーバラ。彼らは核実験の再開が噂されるこの島に生息するアホウドリたちの保護と、核実験の廃止を過激に訴える、ごく小さな一団だった。だが彼らが島に上陸し、ちっぽけながらも激しい抗議運動を開始したことが、三人の人生を大きく変えていくことになるのだった…。
「コカイン・ナイト」の時の三題噺をまたやるならば今回は、「孤島、取り憑かれた女、燃えつきた小屋」ってな事になるか。いずれにしても何かに取り憑かれた人間によって引き起こされる、ちょっとあり得ない、笑えばいいのか恐怖すべきなのかとっさには判断できない事象を実にねっとりと描写していくって部分は紛れもなくバラードのSF。全然SFっぽくないけどそこはそれ、究極のSFというのはそういうものであるべきだと主張している人の書くお話ですから。一番(カタカナで書いた方が個人的にはしっくり来る類の)文学的に最右翼なところにいると思われるバラードらしさが存分に味わえる一作で、たとえて言うならこれは、バラード版「モロー博士の島」、あるいはそれを原作として出来上がった怪作映画、「D.N.A」のテイストを彷彿とさせる作品。
トリツカレ女とトリツカレ男が続々と登場し、常識がまったく通用しない極めて閉じたコミュニティの中で彼、彼女たちが見せるアクトは狂躁と不条理に支配された悲喜劇の連続。読み方、捉え方によって何通りにも解釈できるお話だと思うのだが、自分としてはこのお話、21世紀に向けた(初出は1994年)、ジェンダーの相克とカリスマって何だろう、って問いかけなのかな、とは思った。
本書では男の影響力、能力やその正当性に対してかなり懐疑的なまなざしが向けられている反面、女という性に関しても明確にその全てを是とするわけではないながらも、女というジェンダーが持つ潜在的な力について、何やらこう、怖れを秘めつつもどこかでそれの降臨を待望するオトコ心、みたいな表現が散見されて少々考え込んでしまうのだな。
一応の主人公であるニールは、それなりにノーマルポジションの人間であるのだけれども、たとえば明確な上昇志向のようなものがある人間ではなく、基本的に指示待ち族的ポジションにあるキャラなわけで、彼に限らず本作に登場する男たちというのは一般的な"世間"であればそれなりに能力を発揮し、それなりのアイデンティティを主張できるであろう人々なのに、極めて狭く、閉鎖された特殊なコロニーにおいてはその力をほとんど発揮できず、全てを取り憑かれた女の狂信的な指示に身を任せて良しとしてしまう。大それた事を言ってしまうなら、今や現代人の多くは少々狂信的な信念を持って暴走するカリスマに対する抵抗力を失ってしまっている、ここで書かれたお話は少々戯画化されているけれども、本質的にこの構図と同じ事は現代世界のどこでも、普通に起こってもおかしくないんじゃないのかね? ってのがバラードのメッセージなのかも知れない。
ちょっとおかしく、そして少々恐ろしいアンチ・ユートピア幻想譚として読むも良し、その奥に潜んでいるかも知れない、作家からのあまり楽しくないメッセージ(オレたち、ヤバくね?、って言ってるんだよね)について考え込んでみるも良し。精神状態が不安定なときには読まない方が良いと思うが、それでもどこかのタイミングで、読んでみると良い本なのじゃないでしょうか。
★★★☆
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●そういえば、映画のパンフレットも定型じゃない奴がありますよね。<br> アレ、本棚の収まり悪くてイラッとするんですよねえ(苦笑)<br> 特に大きい奴。<br><br>●読みやすさは、文字のサイズだけじゃなくて、フォント、文字太さ、<br> 行間とのコントラスト等々、色んな要素が絡んでくるんですけどねえ。<br> あ、もちろん文章力も(爆)
「ファイナルファンタジー」のパンフが最高に厄介だったかも知れないなあ。でかい、厚い、しかも横に長い。<br>軽石庵の棚に並べたら、買って下さったお客様がいらしてなんだか嬉しかったです。購入したのは無駄ではなかった(w。<br><br>文章の読みやすさって、目をどう誘導するかですよね。行間と字間が同じぐらいの本ぐらい読みにくいものはありませんや。