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喘息持ちの強い味方の気管支拡張剤、メプチンエアー。新しいのもらいに行ったら薬局のおねいさんが「実は少し使い方が変わったので」って説明モードに。
ご覧の通りインへラーの下のところにちっちゃな窓が開いてて、そこからちょろっと数字が見えている。「最初は102なので、使う前に2回強く押して数字を00にして、それから使ってください。で、左の窓の方に赤い印が出たらそろそろ新しいのに交換してくださいね」だってさ。
残量なんて振ってみたら分るんじゃないの? と思うんだけど、世の中には「残量が分りづらい」なんてクレームをつけてくる患者さんも結構いるんだそうで、その辺に対応するための処置なんだそうな。なんかこう、患者力をバカにされてる気がしないでもないな。
吸入口のキャップやボンベ本体が取れにくくなってたりする(ズボンのポケットに放り込んでると、結構頻繁にボンベ部分が外れちゃったりすることはある)のは歓迎なんだけど、全体としては「余計なことすんなよ」感満点だな。どうもこう、過保護なアイテムばかりが世の中に蔓延しつつあるような気がして、少々面白くないぞ。
トバイアス・S・バッケル 著/金子浩 訳
カバーイラスト Stephan Martiniere
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN978-4-15-011728-3 \1000(税別)
人類が入植を開始した直後、超空間航法を可能にするワームホール・ドライブ・テクノロジが失われ、科学文明の維持進化が不可能となったとある惑星。今この星の人類は、ナナガダと呼ばれる、少々いびつな近世文明レベルのもとでゆるやかな民主政治で統治される勢力と、アステカと呼ばれる特殊な神権一致の勢力が長く勢力争いを繰り広げていた。だが、この危うい均衡に大きな変動が起ころうとしていた。複数世代に渡ってアステカ側が穿っていたトンネルが、ナナガダとアステカを隔てる急峻なウィキッドハイ山脈を貫こうとしていたのだ…。
入植したは良いが後が続かず文明レベルがずるずると後退し、ハイテクが使えなくなってしまった世界で起きる冒険譚、ってのはまあエンタティンメントSFの1ジャンルとしてそれなりに定番と言えなくもないけれど、本書はここに妙な南米風味を持ち込んできたあたりに新しさがあると言えるか。マヤ・アステカ的世界観と言えばアニメ版「スター・トレック」でちょこっと語られたような記憶がある(ケツアルコアトゥル、つー宇宙船とも何ともつかぬものが登場したエピソードがあったような…)が、それ以来ではないかね。著者のバッケル君は自著を「カリビアン・スチームパンク」と呼称しているようだがそりゃちょっとやり過ぎとしても、ちょっと目先の変わったアドベンチャーSFとして、水準を満たした楽しめる作品になっていると思う。
文明レベルが後退した世界で繰り広げられる冒険譚に、アステカ文明の血なまぐさい一面が追加されるのが、そこはかつてのアステカ人が血に飢えた人種だったという話ではなく、そこにちゃんとした理由がつけられるってあたりはSFの便利なところ。最初は単純に文明が後退した世界での冒険モノであると思われる世界の背景に、あらすじでもちょっと語られた、超空間航法が失われたことで外宇宙と切り離されてしまった惑星の中で、案外いろんなモノが外界と切り離されていないらしい、あたりがほの見えてくるような構成はなかなかうまい。
全体的にびっくりするようなアイデアやシカケが隠されているわけではないんだが、登場人物たちのキャラの描き分けがかなり念入りで、かつどこか抜けてるのがなかなか楽しめる。主人公のジョンは30年前に海岸に打ちあげられたが、その時点で記憶を失っているのだが、なぜか歳を取るスピードが非常に緩やかで、かつ航海術や地勢の把握の能力に長けた、常人とはちょっと異なる力を持っている謎の存在。彼を追跡するペッパーもまた、ジョンと同様歳の取り方が遅く、こちらはさらに常人離れした圧倒的な戦闘力を持つ人物なのだが、彼らがどうしてそうなっているのか、読み進んでいって明らかになってくるその正体なんかは、おおそうなのかと膝を叩くと言うよりは、「そっちかよ」と少々苦笑するような味付けになっているあたりも、今風なエンタティンメントSFと言えば言えるのか。骨太に見せかけて、その骨太い割にカルシウム足りてんのか? とツッコミ入れたくなってしまうような不思議な構成なんだな。
なんだろね、これが洋物SFにおけるライトノベル的方法論の成果物、と言えたりするんだろうかとちょっと思った。や、楽しめるんでこれはこれでいいんですけど。
★★★☆
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●残機数…もとい(笑)残量(噴霧回数)カウンターかと思いました、時をかける少女みたいな(爆)
いやいや、正体はもっと原始的で、多分押した回数をカウントしてるだけで、ガスの残量なんかが正確に分るものではないでしょうねえ(w。