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2013-08-22 [長年日記]

[Oldbooks][Books] キャメロンの海戦

画像の説明画像の説明商売ものに手を付けるシリーズ、フィリップ・マカッチャン「キャメロンの海戦」、1. 炎の駆逐艦2. クレタ島潜入(リンクはamazon)。

トロール船団の長を父に持ち、第二次大戦の勃発と共に、英国海軍志願予備隊に入隊したドナルド・キャメロン、三等水兵の軍籍を得た彼の最初の任地は、北大西洋を後攻する輸送船団の護衛任務に就く駆逐艦カマーゼン。輸送船団はどうにか英国本土に近づきつつあったが、ついにドイツ軍の攻撃を受ける。次々と沈められていく輸送船、そしてついにカマーゼンも敵の攻撃を受けて…、と言うのが「炎の駆逐艦」。

海洋冒険小説は数々あれど、お話の幕が開いてそれほど経たないうちに、主人公の乗る艦がダメージを受け、最終的に完全に行き足を失った状態になってからお話が進んでいく、と言う展開はかなり斬新なんじゃないだろうか。「ボライソー」で乗艦が沈んで救命艇で漂流する、って話が大部分だった、って本があったような覚えはあるけど、それともちょっとニュアンスは違っているかな。そこの所のシチュエーションの新しさ、ってあたりには高めの点数付けてあげたいけど、なにせ海軍のヒエラルキーの最下層であろうと思われる三等水兵、って所にいる主人公だけに、お話を通じて活躍し続ける、って事は少々難しく、結果的に本作では主人公よりも何人かのサブキャラの方に、読んでる方は感情移入してしまう結果になってしまったような気はする。主人公が大活躍しない、って所を気にしなければ、これはこれで面白い、とも言えるんだけど。

続く第2巻、カマーゼンでの活躍もあり、めでたく中尉に任官されたキャメロンは地中海戦線に転属、駆逐艦ファーフデールの乗員となるのだが、そんな彼に課せられた任務とは…、と言うお話。分量厚めの帆船モノであれば中盤の山場的なシチュエーション、ってパートのみで一冊保たせた、ってのは意地が悪すぎるか。主人公に課せられたミッションの冒険小説的な読み手に対するヒキ、って所に不足はないんだけど、ヒキの前の前振り、って所に少々ご都合主義的な匂いがしないこともなく、そこで少々違和感を感じてしまうかも。ミッションの重さと、そんなに重いミッションに、海のものとも山のものともつかんペーペーの海軍士官を指揮官に据える、って流れはアリなのか、って所が終始引っかかりになってしまうんだった。ネタバレになっちゃうかもだけど、チャーチルの名前まで持ち出す作戦の最前線に、主人公だから、って補正はあるにせよ一番の新米を立てる展開はアリなのかな、ってことですな。

ま、出だしとしてはなかなか快調、ってとこですか。


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