ばむばんか惰隠洞

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2014-09-05 [長年日記]

[Day] ダブルブッキングだとー

なんか3年ぶりくらいにたっくん(昔よく仕事した相手)から電話がかかってきて、とある企業サイトの求人ページを作成する仕事があるんだけど、コーディング苦手なんでそこをやってくれまいか、と。聞くと来週末までに8ページ程度のコーディングで、特に動的なコンテンツなどもない、とのこと。基本的に無理のないスケジュールっぽいな、と思って「行けそうでっせ」とお返事したらば、返ってきたギャラの提示でちょっとくらっときた。よく見るweb広告の「うそー! 私の年収…」的感覚と申しますか(w。DG君カンパニーとのつきあいが長かったもんだから、ページ単価なんてそんなものと思ってたんだけど、出してくれるところは今でも結構払ってくれるもんなんだな。ちょっと自分の営業努力について考えてしまったぜ。

で、そんなことを考えている最中にそのDG君カンパニーからちょっと前に声かかってた仕事、正式にそっちに振りたいんでよろしく、つきましては来週半に動的ページのアウトラインを仕上げて欲しい、と。

あちゃあ、被った……。

むっふー、大丈夫かなこれ。お金いただけるんですからがんばろうとは思いますが。

[Books] 小口の感覚、大事なのよ

ちょっと消耗品を買う用事があったので三宮まで。ついでにジュンク堂に寄って文庫本を何冊か購入。ちょっと気になったので近くの店員さんに「これ、研磨してないヤツってあります?」って聞いてみたんだけど、「そういうのは販元から送られてくる時点でそうなっているので…」と言う返事。

オレ、ずっとこういうのは書店がやってるんだと思ってたけどそう言うものでもなかったのね。一度書店から下げて販元(つーか取次?)に戻ってきたものが、そこでがりがりやられてまた書店に戻される、って感じか。

お店の人も「やっぱりキレイなのを好むお客様も多いですから…」つーてはったけど、うーん、本を読み始めようと思って親指が小口にかかったときのとぅるん、な感じって結構重要だと思うんだけどな。そこで親指がざり、って滑るとちょっとがっかりしてしまうよ。書いてあること以外の、持ったときの重さだったりページの手触りとかって、本を読むって行為の中で決して軽いところではないと思うんだけど。そこが好きでなかなか電子書籍に行けない、こんなオッサンもいるわけでね。

[Books] ロードサイド・クロス キャサリン・ダンス 2

ロードサイド・クロス 上(ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/翻訳)ロードサイド・クロス 下(ジェフリー・ディーヴァー/著) ジェフリー・ディーヴァー 著/池田真紀子 訳
カバー写真 Jan Mammy/Getty Images
アートワーク 矢部弘幸(SPACE SPARROWS)
デザイン 関口聖司
文春文庫
ISBN978-4-16-781230-0 \740 (税別)
ISBN978-4-16-781231-7 \770 (税別)

ここは怖いインターネッツですね

カリフォルニア州モンテレー。勤務を終えて帰宅中だったパトロール警官は、道ばたに不可解なオブジェを発見する。黒っぽい木の枝をワイヤーで括っただけの簡単な十字架とバラの花束。十字架にはこの場所で亡くなったと思われる人物の命日が。だが警官はそこに妙な違和感を感じた。なぜならそこに書かれていたのは、明日の日付だったのだ…。

そしてその翌日、一人の女子高校生が自らは開けることのかなわぬ状態で、一台の車のトランクに閉じ込められていた。今、その車は波打ち際に乗り捨てられ、そして潮の満ちる時間が刻々と迫ってきていた…。

もしかしたらリンカーン・ライムものよりこっちの方がいい感じなんじゃね、と評した前作に続く、キャサリン・ダンスもの第2作。今回のお話の背景にあるのはネットが生み出す悪意の暴走。いわゆるアルファブロガーが提起したトピックに飛びつき、それに飛びつき無責任なコメントを付けていく匿名のネットワーカーたちが作ってしまう「空気」のようなものの怖さみたいなものを、かなりリアルに描いている。

いつもとはちょっと勝手の違う電脳がらみの捜査に加え、キャサリン自身も無碍にできない、身近に降りかかった事件なども絡み合い出だしから中盤への流れはきわめて快調。キャサリンの持ち味であるキネシクスを使った真犯人へのアプローチ、頼りになる同僚に無能で邪魔なだけの上司といったキャラクタの相関関係、ネット周りにまつわる様々なトピックなどが手際よく配されている。ここで描かれているものごとというのは、現在我々が比較的容易に目にすることが可能な事案である、というあたりはリアルだし、ある意味怖い、と思える。

そういうわけで途中まではかなり楽しく読んでいけたんだけど、終盤にきてやや失速感というか違和感というかが顔を出し始めるのがちょいと惜しい。惜しいと思う点その一は、最近のリンカーン・ライムものでもちょいちょい感じる、トゥイストが売りの作家が、トゥイストのためのトゥイストをぶち込んでくることからくる、一周回って「そうだよね」に落ち着いちゃって捻りが捻りにならなくなってしまっている件。章の終わりをショックで締めて、次章でそのショックの種明かしがされ、それが意外にしょーもない、と言うのの繰り返しになってしまう、という週刊マンガ的な展開が続くので、後半にいくにつれて飽きが来てしまうのだよね。

もう一点は、これは単純に好みの問題ではあるんだけど、真犯人がそいつでいいのか、ってところ。登場人物には限りがあるし、その中でそこそこ意外な人物を犯人に、ってことだとこのあたりに落ち着くのも仕方がないか、とも思うけど、この人を犯人にしてしまうと、読み終わったときに著者が言いたかったことというのが、夜のニュースショーでキャスターがドヤ顔で「私たちはネット社会に潜む闇について、改めて考え直さなくてはいけないのではないでしょうか」つって締めるのと大して変わらんレベルに落ち着いちゃっている、と感じられてしまうのだった。それでもいいけど、でもむしろそこにこそトゥイストをぶち込んでくるべきじゃなかったかと思うんだけどな。

本書ではメインとなる事件とは別に、前作で起きた事件が元で発生するもう一つの事案があって、こちらもキャサリンに向けての大きな障害となるんだけど、こっちの捌き方もちょっとなあ。真犯人を彼にしてしまったことで、二つの事件が有機的に絡んでこない恨みもある。あと、序盤で容疑者となるある人物への最終的な扱いも、もうちょっと持ち上げてあげてもよかったんじゃないかなあ、なんて。

摑みから中盤に描けての展開は大変おもしろかったんだけど、残念ながら終盤腰砕け。惜しかったな。

★★★


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